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『悪魔城ドラキュラ』コナミ、いやゲーム界を代表するゴシックホラーアクションゲーム。

闘士の塔 17F/No.0101

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いらっしゃいませ!

さて今回の作品は、コナミを代表するアクションゲームと言っても過言ではなく、後に多くの続編も作られることになった、ちょっと変わった武器を使用する主人公が登場する作品じゃ。
では入るがよい、闘士の塔 17Fじゃ!

この記事は以前書いたX68000版のものを、今後のためにもファミコン版のシステム部分をベースにX68000版もあわせながら再編集したものです。

本記事を読み進める前に…

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「悪魔城ドラキュラ」とは

基本情報

タイトル悪魔城ドラキュラ
シリーズ悪魔城ドラキュラ
ジャンルアクションゲーム
発売年1986年、1993年(X68000版)
販売/開発コナミ
発売機種ファミリーコンピュータ、X68000
前作なし
次作ドラキュラII 呪いの封印
※使用している画像は指定が無い限りX68000版のものです

概要

「悪魔城ドラキュラ」は1986年にコナミよりファミリーコンピュータ(ディスクシステム)で発売されたアクションゲームで、「鞭」という独特な武器と様々なサブウェポンを駆使して戦うアクション性と、恐ろしい雰囲気漂うドラキュラ城とそこに巣食う恐ろしい魔物のホラー的な表現、そして雰囲気にマッチしたBGMなどが大きな特徴で大人気となった作品である。

後にシリーズ化され「ドラキュラII 呪いの封印」や「悪魔城伝説」などの続編がファミリーコンピュータで発売されたほか、同じ「悪魔城ドラキュラ」というタイトルでありながら、様々なアレンジを加えられた作品がアーケードゲーム、MSX2、X68000、スーパーファミコンでも発売された。本記事ではファミリーコンピュータ版と、それに近い仕様になっているX68000版について解説していく。

ストーリー

中世ヨーロッパにある平和な小国トランシルバニア。この国にはドラキュラにまつわる伝説がある。
「魔王ドラキュラは100年に一度、キリストの力が弱まるころ、邪悪な心を持つ人間の祈りによって復活する。そして、その復活のたびに彼の魔力は強くなる」

過去に一度、ドラキュラはこの世に復活した。しかし、全世界を暗黒の雲で覆い、闇の世界に君臨しようとするドラキュラの野望は、英雄クリストファー・ベルモンドによって打ち砕かれたのであった。ドラキュラがクリストファー・ベルモンドとの死闘に敗れ、トランシルバニアの片田舎で再び眠りについてから100年が経とうとしていた。

イースターの夜、町ではキリストの復活を記念して盛大なカーニバルが催されていた。しかし、町はずれの荒廃した修道院跡では、邪教徒によってドラキュラ伯爵の亡骸に人間の生き血を注ぎ、不死の生命を復活させようとする黒ミサの儀式が執り行われていたのだ。

そして、邪悪な雷雲が町を覆い、一筋の稲妻が修道院を貫いた瞬間、暗黒の野望を持つ魔王ドラキュラがふたたびこの世に舞い戻ったのである。この危機を救おうと、ベルモンド一族の血を受け継ぐ青年シモンは、父譲りの不思議な力を秘めたムチを手に、1人ドラキュラ城へ乗り込んでいく。

基本的なゲームの流れ

本作はバンパイヤハンターの血を継ぐ主人公「シモン・ベルモンド」を操作して、ドラキュラ城に巣食う怪物達を倒しながら、城の最上階にいる魔王ドラキュラを倒すのが目的である。

本作はステージクリア制となっており、1ステージは複数のブロックで構成されている。ブロックにより横スクロールや縦スクロールに変わるが、基本的にブロックの最後にある扉を抜ける事で次のブロックへ移動できる。各ステージの最終ブロックにはボスが配置されており、ボスを倒す事でステージクリアとなる。

また体力&残機制でもあり、ブロック内に配置されている怪物の攻撃を受けるとシモンの体力ゲージが減り、ゲージが0になるとミスとなり残機を1失い、残機が0の状態でミスするとゲームオーバーとなる。またブロック内には罠や落とし穴などもあり、これにかかると残り体力ゲージに関係無くミス扱いとなった。

体力ゲージはブロック内に隠されている肉を取ることで多少回復、ステージボスを倒す事で完全回復するが、ボス前で回復してくれるというような優しさは無いので、ボスにたどり着くまでに如何に体力を温存できるかが攻略の鍵と言えるだろう。

以上が本作の目的と基本的な流れとなる。

鞭とサブウェポンはベルモンド家の嗜み

本作の主人公であるシモンは、父親から譲り受けた不思議な力を持つ「鞭」で戦うという、これまでに余りなかった武器で戦う主人公であった。

この鞭は攻撃ボタンを押すと前方に2キャラ分ほど伸び、鞭の部分全てに攻撃判定が発生する。ただし上半身と同じ高さにしか判定が無いので、しゃがみ中に攻撃したりジャンプ中に攻撃したりする事で、攻撃位置を調節する必要がある。

また画面上にある特定の破壊可能なオブジェクト(蝋燭やレンガなど)を壊すと、鞭がパワーアップするアイテムが出現し、取得する事で鞭の威力や距離が2段階まで強化されるのだが、ミスをすると鞭の強化状態は初期状態に戻ってしまう。

この鞭攻撃にはちょっと癖があり、鞭を振りかぶるモーションがあるため、ボタンを押してから攻撃判定が出るまでに僅かだがタイムラグが存在する。従って大きく動き回る敵や、ジャンプしなければ届かない位置のオブジェクトなどに鞭を当てるには若干のコツが必要になる。

主人公シモンは鞭以外にも、オブジェクトから出てきた武器をサブウェポンとして使うことができた。サブウェポンには、短剣、斧、時計、聖水、十字架などがあり、それぞれ直線的に飛ぶ、放物線状に飛ぶ、時間を止める、落下地点に炎を出す、一定距離飛んだ後戻ってくるなど特徴的な効果がある。

サブウェポンは一種類しか持てない、使用時にハートを一定数消費するなどの制約はあるが、サブウェポンをどう使うかでゲーム進行の難易度が大きく変わってくる部分もあるため、本作では鞭と同じく非常に重要な存在となっている。

主人公が鞭とサブウェポンを使用してゲームを攻略していく、と言うスタイルは好評で以後シリーズの定番となっていったが、逆にこれが呪いともなりシリーズの主人公が鞭以外を使用する点に難色を示すプレイヤーを生み出すことともなった。

ちなみにアーケード版「悪魔城ドラキュラ」の最強武器は「剣」なんじゃよなw

ゴシックホラーの見本市

本作は「悪魔城ドラキュラ」というタイトルやストーリーからもわかるように、ゴシックホラー要素を多く含んだ作品である。しかしただタイトルとストーリーだけで雰囲気を出していたわけでは無く、作品全体で非常に上質なゴシックホラー感を演出していた作品だったと言える。

ゲームをスタートすると、不気味なドラキュラ城の入り口でたたずむシモンの後ろ姿から始まり、おどろおどろしい森の中の庭園を抜けて城に入る、ここまでの距離はさほど長くはなく敵も登場しない。一見意味のなさそうな流れなのだが、これれがあるのとスタートしていきなり城内から始まるのとではやはり気持ちの盛り上がりが全く違う。

こういうちょっとした演出が、ホラー好きの心を掴んでくるんじゃよな

その後も古びれた城や礼拝堂、地下通路に渡り廊下、牢獄に研究所、そして時計塔などなど、如何にもゴシックホラーと言ったロケーションが次々と登場し、それらがファミリーコンピュータの乏しい表現力でありながら、芸術品と言ってもいいような美しいドット絵で描かれていたのでえある。

余談だがこの辺りの表現力は「悪魔城伝説」で究極に至ったと思うのは私だけだろうか。

勿論、ホラー要素はロケーションだけでは無く、そこに登場する怪物たちにもある。徘徊するゾンビやガイコツ、動く西洋鎧、飛び回るカラスやコウモリ、さらには半魚人にのみ男などが襲ってくるうえ、ステージボスも大蝙蝠やミイラ男、フランケンシュタインの怪物に死神などが待ち構える。

そしてどん尻に控えしはゴシックホラーの象徴ともいうべき「ドラキュラ伯爵」なわけである。本作は作品全体を通して、ゴシックホラーの見本市だったと言っても、決して過言ではないだろう。

遊び応えのある絶妙な難易度

本作のゲーム難易度は、決して低いものではないが、かと言って(一部を除いては)行き詰まるほど高くはない。非常にバランスの良い遊び応えのあるものになっていた。

本作は敵を倒す事を主眼としたアクションゲームでありながらも、アスレチックな部分も結構あり、段差や浮遊する足場をジャンプで渡ったり、釣り天井の罠をタイミングを合わせて通過するなどの対応も随所で必要になる。

しかしここで最大の障害になるのが「ノックバック」である。本作では主人公がダメージを受けるとそれとは反対方向に主人公が跳ねてしまうノックバックが発生する。なんでもない場所であればそれほど問題ではない仕様なのだが、前述のアスレチック要素が絡むと非常に厄介になるのだ。

例えば、穴を飛び越えようとジャンプして着地した先の足場で敵の攻撃を受けてしまうと、ノックバックして穴に落ちてしまう、そういう事が頻繁に発生するのだ。特にカラス、コウモリ、メデューサヘッドなどの、地面や障害物に関係なく飛んでくるザコとの接触による転落事故は枚挙にいとまが無い。

あいつらに穴に落とされてコントローラーぶん投げたやつもおるじゃろ?

また各ステージの最後にいるボスも、難易度という点で大きな壁であろう。ボスはプレイヤーと同じように多くの体力を持っており、さらに空を飛んで襲ってくる、雑魚と一緒に襲ってくる、複数体で同時に襲ってくるなど多種多様な攻撃を仕掛けてくる強敵揃いである。

特に最終ステージ手前のボスである「死神」は、自身はフラフラと空中を飛び回りながら、空中に複数の鎌を出現させて飛ばしてくる。本体にはなかなか攻撃が当てられないうえに、複数の鎌で同時に襲ってくる攻撃は避けにくいので尋常ならざる強敵である。

死神はトラウマ…というプレイヤーも多いのではないかのう?

しかしそんなボス達も、適切なサブウェポンと立ち回り次第では完封すらできてしまえるというのは、中々しっかりしたゲームデザインになっていると言える。無論簡単ではないが、やってみよう!と挑戦する気持ちを沸かせてくれる作品でもある。

X68000版について

X68000版「悪魔城ドラキュラ」は1993年に、ファミリーコンピュータディスクシステム版のリメイク作品として発売された。ただリメイクとはいっても、基本的なストーリーやシステム、一部のステージ構成やボスが一緒なだけで、それ以外は大きくアレンジされており、新作といってもいいレベルの作品である。

当時最高レベルのスペックを有していたX68000でのリメイクということもあり、全体的なグラフィックの大幅な向上が見られたが、それだけではなく色々なギミックが加わっており、スタート後の庭園にある木が倒れたり、場内の窓の外にファミリーコンピュータ版では居なかったような敵が主人公を付け回してきたり等など新しい仕掛け、演出が施されていた。

演出という点では、ステージ最後のボスとの戦闘にもさまざまな演出が施されており、特に印象的なのはステージ5の最後、巨大な時計盤の前での「狼女」との戦闘であり、狼女が画面のあちこちを飛び回りながら時計版の文字や針をもぎ取ってぶん投げてくるのは、野性味というかヒステリー感が感じられる面白い演出であった。

システムにも若干の偏向があり、ジャンプ中にした方向への鞭攻撃が可能になったほか、サブウェポンに体力を任意のタイミングで回復できる「薬草」も追加されている。しかし薬草の追加によりゲームが簡単になった訳ではなく、むしろ全体的に難易度は上がっており、その事への救済措置として薬草が追加された感じはあった。

X68000版はマジで難しいぞい、薬草なかったらまともに進めんわい…

最後にBGMについて…

最後に悪魔城ドラキュラといえば欠かせない話題について触れて本記事を終了する。欠かせない話というのは言うまでもなく、ゲーム中に流れるBGMの話だ。本作(というか本シリーズ)は兎に角BGMに名曲が多い事でも有名である。

ゴシックホラー要素が全体を占める本作、当然ながらゴシックホラー的なBGMもあるのだが、それだけでなくプレイヤーの気持ちを盛り上げたり、熱く鼓舞するようなBGMも存在する。

そういうのは作品に合わないのでは?という疑問もあるかも知れないが、それがまたガッチリとハマってしまうのだから実に素晴らしい。この「悪魔城ドラキュラ」という作品をプレイして、世界観を目と耳で味わって欲しい。

個人的に好きなのは定番じゃがステージ1の「Vampire Killer」とステージ3渡り廊下でかかる「Wicked Child」じゃのう…最終ステージの「Nothing to Lose」もゴシックホラー感アリアリで好きじゃがな(結局みんな好きw)

遊びたくなったら?

ファミリーコンピュータ版の「悪魔城ドラキュラ」で遊びたいなら、続編やスーパーファミコン版、ゲームボーイ版まで収録された「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」(PS4/XBOX ONE/Steam/Nintendo Switch)が非常にお得である。

難易度の高いX68000版に挑戦してみたい!という凄腕の方は、PlayStationの「悪魔城年代記 悪魔城ドラキュラ」にオリジナルのX68000版と、PlayStation用のアレンジ版が収録されており、現在(2021年6月10日現在)PlayStationゲームアーカイブでPSP/PSvita/PS3から購入可能である。
※現在は販売されていないようです

気になった方は、是非遊んでみてはいかがかな?

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. 名無しの冒険者 より:

    私がやったのはMSX2版で、もはや別物レベルではありましたが、音楽とか実によかった記憶。
    MSXの仕様上、画面切り替えからのノックバックでそのまま転落とか理不尽なことが多かったですが、エンディング見るまで飽きずにやれたのは良い思い出。

  2. ソンゴスキー より:

    >>1
    MSX2版はいずれ紹介したいなあと思ってた作品です。やはり画面がスクロールから切り替え型に変わったのは大きいですよね。あと宝箱の存在とか。そしておっしゃるように音楽が良いw

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