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『エイリアンシンドローム』「ファンタジーゾーン」の対極にいるような作品

闘士の塔 22F/No.0129

発売年:1992年 ※AC版は1987年
開発元:電波新聞社 ※AC版はセガ
ジャンル:多方向スクロールACT
発売機種:アーケード、セガマークIII、X68000など
※画像は全てX68000版のものです

≫ENTER

いらっしゃいませ!

諸君、私は映画「エイリアン」シリーズが好きである。
個人的最高傑作は「エイリアン2」、次いで「エイリアン」だと思っているが、3、4についてもやや問題はあるとはいえ見るべきところがある良作ではあると思う。

結構前の話になるが「エイリアン」の前日譚ともいえる映画「プロメテウス」が公開され、少し前にはBD/DVDも発売された。そんな影響を受けて、私はエイリアンシリーズを観直したり、ちょっと違うが「遊星からの物体X」や「遊星からの物体Xファーストコンタクト」を観たりとちょっとした「エイリアンブーム」が再来しています。

さてゲームで「エイリアン」ものといえば映画「エイリアン2」をベースにしたコナミの「エイリアンズ」や、カプコンの「エイリアンvsプレデター」なんかが思い出されますが、個人的にインパクトの強かったエイリアンゲームと言えば、今回紹介するセガの「エイリアンシンドローム」なのです。

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「エイリアンシンドローム」とは

「エイリアンシンドローム」は、1987年に「ゴールデンアックス」「スペースハリアー」でお馴染みの「セガ」からアーケード用に発売された全方向スクロールタイプのアクションゲームで、プレイヤーはグロテスクなエイリアン達に占拠された宇宙船から、エイリアンに捕らわれた船員を全員助けて脱出する事が目的です。

グロテスクでちょっとコミカルでもあるエイリアンの大群や、エイリアンを倒した時に体液をぶちまけたりする描写、プレイヤーがやられた時に思わずビクッとしてしまうような悲鳴と、かなりインパクトのある作品でした。

映画の「エイリアン」シリーズとは全く関係ないし繋がりもない作品ですが、宇宙を舞台にプレイヤーめがけて大量に押し寄せるグロテスクなエイリアンたちを火炎放射器や機関銃でなぎ倒したり、捕まっている船員がエイリアンの粘液のようなもので固められて動けなくなっていたりと全体的に映画「エイリアン2(1986年)」の影響を強く受けているのは間違いないでしょう。

ちなみに正式な続編ではないものの、似たようなコンセプトの「エイリアンストーム」という作品が1990年に同社より発売されています。

「エイリアンシンドローム」のゲームルール

基本的な操作としてはレバーでキャラクターを8方向に動かし、攻撃ボタンでいま装備している武器を使用するというごくごくシンプルなものでしたが、あらゆる方向から襲ってくるエイリアンに対してプレイヤーは8方向にしか弾を撃てない為、弾幕のあいだを抜けられて接近されたり、ステージ中の狭い足場の上でも敵は群れで襲ってくるし遠距離攻撃をバンバンしてくるしで焦って足場から落ちたりと、結構難易度は高いほうだったと思います。

プレイヤーは男性と女性から選べますが特に性能の違いはありません。違いがあるとすれば女性を選んだ場合、ミス時の悲鳴が怖いくらいですw

ゲームスタート時の初期装備は射程の短い機関銃のような武器ですが、ステージ上にある文字の書かれたパネル(格納庫?)にタッチするとその文字の武装(全5種類)に切り替えることができます。武装は連射性のある火炎弾、攻撃判定が長く残る火炎放射器、着弾地点から広い範囲に攻撃判定を持つボム、射程が長く敵を貫通するレーザーがありました。

それぞれ一長一短のある武装ですが、前述したように普通にやると弾幕に隙間ができやすいので、それをカバーできるボムや火炎放射器を私は愛用していました。

また「O」と書かれたパネルをタッチするとプレイヤーの後ろに最大で2期の護衛ロボ?が付きます。護衛ロボはプレイヤーが入力しているレバーと逆の方向に弾を撃つようになっているので、これを利用して後方から迫るエイリアンも迎撃できました。

ステージ上には全員で16名の船員が捕まっています。自キャラクターを彼らに触れさせることで救出扱いとなり、全員を救出するとマップの上方にある脱出口が開くので、そこから脱出することができるようになります。

しかしステージはキャラクターの大きさ的に考えると結構広く、場所によっては迷路のようになっていたりする場所もあり、捕まっている船員を探し出すのも大変です。さらに各ステージの宇宙船にはスタート段階で爆弾がしかけられており(宇宙船ごとエイリアンを一掃する目的)、そのタイムリミットまでに全員救出して脱出しないと爆発に巻き込まれミスになってしまいます。

そこで大変役に立つのがステージ上の特定の場所にある「MAP」と書かれたパネルです。

これにタッチすると、小さいですがステージマップと、自分の現在位置、及びまだ助けられていない船員の位置を表示してくれます。マップはパネルから離れてもしばらくの間表示され続けるので、これを利用して船員を救出に向かうことができました。
※ちなみに一度救出した船員は、1ミスしてもクリアされることはありません

よりグロテスクな巨大ボスが…

ステージ上の船員を全員救出し脱出口から脱出するとステージクリア…ではなく、今までのエイリアンたちよりもさらに大きく、よりグロテスクなボスエイリアンとのバトルが始まります。

まあこいつらの攻撃が、スライム状の子エイリアンをプレイヤーめがけて大量に撒き散らしてきたり、ボスの体内から寄生虫みたいなものを大量に放出してきたり、倒したと思ったら首だけになって襲いかかってきたりととにかくキモい、グロい、いやらしいと、あのファンシーな「ファンタジーゾーン」を作った同じ会社とは思えない!ってくらいもう大変ですw

しかしこのグロキモさがこの作品の「ウリ」であり「味」なんですよねえ。大好きでした。

ボスとの戦いに勝利するとステージクリアとなり、次のステージ(宇宙船)へ移動します。
ステージは全部で7ステージあり(7ステージ目クリア以降ループ)、まだ宇宙船として原型をとどめているものもあれば、もはや単なるエイリアンの巣と化しているようなステージもあり、それぞれの宇宙船ごとに登場するエイリアンも多彩でしたね。

《最後に》本作の移植について

本作は1987年のアーケード発売後、すぐにセガマークIIIに移植されましたが武器が2種類のみに激減しり、画面が全方向スクロールから4方向の画面切替型になったりと、あまりよろしい出来ではありませんでした。

私も当時マークIII版を遊びましたが、その出来に(゚д゚)となった記憶があり、むしろ携帯ゲーム機であるはずのゲームギア版の方がまだ出来が良かったと思います。

また1988年には、セガのゲームを移植させることに定評のある「サンソフト」がファミコン版を発売していますが、こちらは全体的に恐ろしく地味な色合いになってしまってはいるものの、スペック的に出来る範囲でかなりアーケード版を再現した作品になっていました。

そして1992年に、こちらも移植に定評のある「電波新聞社」がX68000版を発売。こちらに関してはもう言うこともないくらいクオリティの高い移植となっています。さすが電波ですw

ちなみに2004年にプレイステーション2用として「SEGA AGES 2500シリーズ」からエイリアンシンドロームが発売されましたが、こちらは3Dポリゴン化によるリメイク作品(アーケード版未収録)でした。発表されたときは「おっ!」と思いましたが、3Dポリゴン化ということでSEGA AGES版「ゴールデンアックス」の悪夢が蘇り、私は買っていません。

いつかアーケード版、マークIII版、ゲームギア版が1セットになったものが発売されるといいですね。
大好きな作品だったので、切に願っています。リメイクとかいらないですから。

≫EXIT

お疲れ様でした!

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