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【補足解説用】Wizardryシリーズについて

書庫 No.001

「Wizardryシリーズ」は、2021年で生誕40周年!!

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いらっしゃいませ!

こちらは、Wizardryシリーズの記事に載せる説明用のもので、Sir-Tech社による「Wizardryシリーズ」について簡単に解説したものじゃ!

本記事を読み進める前に…

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  • 記事に書かれている内容についてはあくまで投稿時の状況や筆者の認識であり、現在の状況や筆者の認識と必ずしも同じではない場合があります。ご了承ください。

シリーズの概要

 「Wizardryシリーズ」は、ロバート・ウッドヘッド氏とアンドリュー・グリーンバーグ氏により制作され「Sir-Tech(サーテック)」社より、1981年にApple Ⅱで発売された「Wizardry #1 – Proving Grounds of the Mad Overlord」を第1作目とするRPG(ロールプレイングゲーム)シリーズで、2001年までに全8作品が発売されている。

AppleⅡ版「Wizardry #1」

 第1作目である「Wizardry #1」は同時期の「Ultima Ⅰ」「ROGUE」と並び、コンピュータRPGの三大始祖的な扱いになっており、全てのRPGはこの三作品のいずれかの系譜につらなっていると言っても過言ではなく、特に本シリーズが擬似3Dダンジョン探索型RPGとして後のゲーム業界に与えた影響は計り知れないだろう。

海外だと「Might and Magic」なんかが大きく影響を受けた作品じゃないかのう…

 しかし発売元であるアメリカのSir-Tech社は1998年に業務を停止、その後Sir-Tech社のカナダスタジオが業務を引き継ぎ2001年に第8作目を発売したが、2003年にはこちらも閉鎖となってしまっている。

 その後のWizardryシリーズの版権についてはその後幾つかの会社に移譲されたが、2020年10月には日本の「ドリコム」が版権を取得した。ただし後述する事情のため、獲得した権利はWizardry6、7、8のみのものとなっている。

日本国内での展開

PC98版「Wizardry #1」

 日本では1985年に「アスキー」より国産PCで第1作目が移植され、以後もシリーズの移植については基本的にアスキーが担当することになる。そして1987年にはファミリーコンピュータ、MSX2にも移植され、その後は様々なコンシューマー機にも移植されるようになった。

ファミリーコンピュータ版は本当によく出来ておったのう…

 本作はお世辞にも「わかりやすいRPG」ではない。プレイヤーを突き放しているとさえ感じられるシステムも、万人受けするものでは無いだろう。

 だがファミリーコンピュータ版の#1が発売された頃は、日本国内では既に「ドラゴンクエスト」によりRPGというジャンルがパソコンユーザー以外にも浸透していた事、さらにモンスターグラフィック原画を「末弥純」氏、ゲーム中BGMの作曲を「羽田健太郎」氏が担当した事もあり、本シリーズは好意的に受け入れられた感がある。

そのおかげもあってか、日本ではSir-Techオリジナル作品以外に、アスキーオリジナルのWizardryシリーズが「外伝」として発売されたほか、他メーカーからスピンオフ作品なども多く発売された。

さらにWizardryを題材にした漫画、小説、OVA(オリジナルビデオアニメ)が製作されるなど幅広いメディア展開も行われ、日本でもWizardryはコンテンツとして確立していった。

シリーズ一覧(Sir-Techオリジナルのみ)

現在発売されている、Sir-TechオリジナルWizardry作品は以下の通り。

タイトルサブタイトル発売年
Wizardry #1Proving Grounds of the Mad Overlord1981
Wizardry #2Knight of Diamonds1982
Wizardry #3Legacy of Llylgamyn1983
Wizardry #4The Return of Werdna1987
Wizardry #5Heart of the Maelstrom1988
Wizardry 6Bane of the Cosmic Forge1990
Wizardry 7Crusaders of the Dark Savant1993
Wizardry 8 2001
※発売年は最初に発売された年で、国内での発売年ではない。

シリーズの特徴

全シリーズ共通の特徴

PC-98版「Wizardry #5」

本シリーズは6作目「Wizardry 6」から大幅にシステムがリニューアルされ、1~5作目(前期)と6~8作目(後期)で別シリーズかのように変わってしまったが、それでもいくつかの点についてはシリーズを通しての特徴として残っている。

  • ゲーム中でのダンジョンの表現が一人称視点になっている。
  • 決まった主人公は登場せず、プレイヤーの作ったキャラクター達が主人公となる。
  • 様々な種族と様々な職業の組み合わせでキャラクターを作ることが出来る。
  • パーティは最大6人編成(NPCは除く)で、パーティに「隊列」の概念がある。
  • 西洋風ファンタジーだが、職業に侍や忍者など和のテイストが盛り込まれている。

※ただし4作目のWizardry #4に限っては、ゲームそのものがRPGに該当するかすら怪しいほど別のゲームになっているので、上記の特徴にも殆ど当てはまらない。

シリーズ前期(#1~#5)の特徴

ではシリーズ前期(#1~#5)の特徴を簡単に羅列してみよう。

PC-98版「Wizardry #2」
場所:都市国家「リルガミン」
ストーリー:各作品毎に独立
時代:作品ごとに異なる
舞台:作品毎のダンジョン
街の表現:メッセージのみ
世界観:西洋ファンタジー
セーブデータ:#1、#2、#3の間のみで転送可能
種族:Human、Elf、Dwarf、Gnome、Hobbit
性格:GOOD、NEUTRAL、EVIL
性別:なし
職業:Figther、Priest、Mage、Thief、Bishop、Samrai、Ninja、Lord
スキル:なし(#5のみ「Swim」がある)
戦闘:メッセージ処理
魔法:”KATINO”などの独自言語

補足:元々テーブルトークRPG「Dungeons & Dragons(D&D)」または「Advanced Dungeons & Dragons(AD&D)」のシステム参考にゲーム化しているため、随所にD&D(またはAD&D)の特徴が多く見られる。前期のみナンバリングが「#1(シナリオ1)」のようになっているのもその特徴に由来する。

これらの特徴を持った前期シリーズは日本でも非常に愛され、その反動で後期シリーズに対する反感も多くあった。

※重ねて説明するが、Wizardry #4に限ってはゲームそのものがRPGに該当するかすら怪しいほど別のゲームになっているので、上記の特徴にも殆ど当てはまらない。

シリーズ後期(6~8)の特徴

では続いてリーズ後期(6~8)の特徴を簡単に羅列してみよう。

場所:リルガミンではないどこか(作品毎に変わる)
ストーリー:6→7→8と繋がっている
時代:6→7→8と繋がっている
舞台:ダンジョンに加えて屋外もある
街の表現:ダンジョンと同じく3D表現(街がない作品もあり)
世界観:西洋ファンタジー+SF
セーブデータ:6→7→8と転送可能
種族:前期の5種族+Faerle、Lizardmen、Dracon、Felpurr、Rawulf、Mook
性格:廃止
性別:Male、Female
職業:前期の8職+Ranger、Alchemist、Bard、Psionic、Valkyrie、Monk
スキル:大量に存在
戦闘:アニメーション処理
魔法:”SLEEP”などの英語表示

補足:前期の特徴と比較するとわかる様に、全く別物と言ってもいいほど変わってしまった。D&DやAD&Dの要素も薄くなり、ナンバリングからも#が消えてしまっている。ただ種族や職業により特殊能力が使えるようになったり、スキルを成長させる要素などゲームとしての深みは増している。

グラフィック性も上がってはいるが、そのバタ臭さも日本人に受けなかった理由の一因かもしれない。

Wizardryシリーズはどうしてこうなった?

シリーズの前期と後期でなぜこうも変わってしまったのか?シリーズが長くなれば時代に合わせてシステムが進化していくのは、Wizardry以外のどのシリーズ作品にも当然あることなのだが、しかし本シリーズは変わりすぎというか、意図的に前作までの「臭い」を無理矢理消そうとしているかのようにすら感じてしまう。

実はどうやらそれには理由があったらしい。

Wizardry #5の開発終了後、開発元であるSir-Tech社とオリジナル開発者の1人であるアンドリュー・グリーンバーグ氏の間に争いが起こり、Wizardry6開発の時点ではもう1人のオリジナル開発者であるロバート・ウッドヘッド氏も、グリーンバーグ氏もSir-Tech社を去っていたため、Wizardry #5以前の権利が不明となり、以後の続編ではWizardry #5以前の設定を使用できなくなったらしいのだ。

これによりWizardry6以後は、まったく別物かのような作品にせざるを得なかったのだろう。

そしてWizardry #5以前の権利は現在も不明状態であるため、Wizardry #5以前の作品はリメイクも出来なくなってしまっている。そのため、前述したドリコムが獲得した版権もウッドヘッド氏、グリーンバーグ氏が去った以降のSir-Tech社作品(つまりWizardry 6、7、8)のみとなったのである。

これに関連して、現在Steam版が開発中(先日延期)の「Wizardry外伝 五つの試練」の公式アカウントがツイートした内容を紹介しておく。

つまりどれだけシステムをシリーズ前期に近いものに出来たとしても、版権の問題上絶対Wizardry #5以前の作品とは関連付けられないのだ。なのでユーザーの皆さんにもそこは「リルガミンじゃなきゃウィザードリィじゃねえんだよ!」とか無茶なことは言わないよう理解してあげて欲しい。

じゃがいつか和解されて、シリーズ前期がリメイクされる日が来て欲しいと切に思っておる

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コメント

  1. 江保場狂壱 より:

     おひさしぶりです、江保場狂壱です。
     WIZはファミコン版をプレイしてました。SFCはⅤのみプレイしてましたね。
     6はプレイしたことはないですが、当時ログアウトという雑誌で紹介されてました。
     WIZのT=RPGの記事や、小説などを扱ってましたね。
     魔物以外はメッセージのみの世界だけど、想像力を刺激されたゲームでした。
     初代の製作者でないとシリーズを受け継げないのはきついです。
     ではまた。

  2. ソンゴスキー より:

    >>1
    お久しぶりです。
    ログアウト懐かしいですね、ログインがコンピュータゲームで、ログアウトがテーブルゲームでしたかね。どちらもアスキーが出版元なので、ウィザードリィ関係は良く載ってた記憶があります。

  3. 名無しの冒険者 より:

    LOGOUT全巻持ってます。なつかしいな

  4. ソンゴスキー より:

    >>3
    全巻って凄いですね。お宝じゃないですかw

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