射手の塔 24F/No.0228
ど派手な攻撃と画面全体を攻撃するボムでプレイヤーの度肝を抜いた「東亜プラン」が、「TATSUJIN」に続いて世に発表したシューティングゲームだが…
ちゃんとマスクしてますか?
皆の衆元気でやっておるかの?今現在、まだ新型コロナウィルスの感染者が都心部で多く報告されており、まだまだ全く油断できない状況じゃ。皆もちゃんとマスクをして、手洗い、うがい、そして車内や室内には風を送って換気をしっかりせんといかんぞ?というわけで今回は皆に「風」を届けようと思っておる。では射手の塔24Fじゃ!
「大旋風」とは?
基本情報
概要
「大旋風」は、1985年にタイトーより発売された縦スクロールシューティングゲームで、開発は東亜プランが行っている。
東亜プランが手掛けた作品としては「究極タイガー」「TATSUJIN」に続く縦スクロールシューティングゲームになるのだが、本作はその2作品とはやや雰囲気の異なる雰囲気が感じられた。
その雰囲気の違いについては、本作の舞台設定が現代や未来ではなく「過去」である事もあるだろうが、もっとも大きなものは「ヘルパー」と呼ばれる独特のシステムが導入されていることにあるといえるだろう。
ゲームの雰囲気としては究極タイガーよりに前に発売された「飛翔鮫」に近い感じもするんじゃが、システムがちょっと特殊でゲームのプレイ感覚としては飛翔鮫ともまた違う感じなんじゃよな…
ストーリー
193X年、ファシスト軍は”R国”制服計画の為、”S市”という小都市の生活用水や食料に薬を混ぜて住民を無気力化するという実験を行っていた。
この状況を不審に思った都市の人々は、外部に事態を知らせようとするがそれらはすべてファシスト軍に露見してしまう。
人々は最後の手段として森の中に簡易基地を建設、反征服飛行隊「大旋風」を結成するが、この基地もファシスト軍に見つかってしまった。
基地の完成を待たずに、今「大旋風」は出撃する。
「大旋風」って主人公の部隊名だったんじゃな…。
操作方法とシステム
操作方法
本作ではレバーで画面上の自機(緑色のプロペラ機)を操作する。ボタンは2つあり、1つは「ショット」、もう1つが「ヘルパー」に対応している。
おや?東亜プランお馴染みの「ボム」に対応したボタンはないんじゃな…
「ショットボタン」は押すごとに前方に弾を1発発射でき、後述する「パワーアップアイテム」を取ることでショットの範囲が広がる。
「ヘルパーボタン」は押すと味方の部隊(大旋風)を呼び出すことができるが、呼び出せる回数が決まっており、画面上のヘルパーストック数が0になると使用できなくなる。
本作は残機制で自機が敵の弾に当たると1発でミスとなり残機が1減る。残機数が0の時にミスをするとゲームオーバーだ。
なお当たり判定は敵の弾のみに存在しているため、敵そのものに自機が触れてもミスにはならない。
パワーアップ
本作に登場するアイテムは3種類あり、画面上に現れた「トラック」を破壊するとトラックの色に応じたアイテムが出現する。
橙色 | ショットが1段回パワーアップ(最大で4段階まで)。 |
白色 | ヘルパーのストック数が1増える(最大で2個まで)。 |
青色 | 自機の残機が1増える。 |
因みに緑色のトラックも出現するが、こちらはボーナス得点が入るのみである。
ステージクリアの概念が無い
本作は縦スクロールタイプのSTGなのだが、一般的なSTGとはやや異なっており「ステージクリア」の概念が無い。
従って1枚の長いマップの上で途切れることなくあシームレスにゲームが続いていくのだが、一応エリアという概念は存在しており一定距離進む事にエリア数がカウントアップされていく。
ミスにより残機を失った場合には、このカウントされたエリアの途中から再スタートとなるのだが、その際ショットやヘルパー数が初期状態に戻る。
ゲーム進行のイメージ的には「ゼビウス」が近いかのう?
東亜プランらしからぬ地味さ?
東亜プランと言ったら火力!
この当時の東亜プラン制作の縦スクロールSTGといえば、多種多様で派手なショットと、画面全体を覆うかのようなボムで敵を駆逐する、そんな派手なSTGを作る会社のイメージがあった。
しかし本作を一見した感じでは、派手さのようなものを感じることはできない。ショットも一種類で前方に帯状に発射されるものだけ、しかもパワーアップしてもその帯の幅が少し横に広がるだけである。
画面上部を広範囲で撃墜できるような扇状のものでもなければ、貫通できるわけでも、敵をホーミングするわけでも無い、愚直にただ真正面を攻撃するだけのショットしかないのだ。
バリバリ!っといった派手さが無いんじゃよなぁ…
爽快感の薄いSTG?
攻撃力の面で言えば、幸い本作には空中の敵は存在せず、比較的足の遅い戦車タイプばかりなので敵の前方に回って撃つことは容易だが、自機の移動スピードが遅めなのと攻撃範囲の狭さで画面全体への攻撃力に乏しい。
またゲーム中には大型の戦車がいくつも現れるのだが、これらの耐久力が結構高くて中々撃破できないのである。
そして「ここぞ!」という時にヘルパーボタンを押したとしても、後方からゆっくり僚機がやってくるだけで瞬間的な火力には全くならない。
この「大旋風」という作品は、見た目に派手さが無い、画面全体への攻撃力も瞬間火力にも乏しい、つまりSTG独特の爽快感が非常に薄いように感じるのだ。
「そう思っていた時期が儂にもありました」
打開の鍵は「ヘルパー」にあり
ここまでちょっと批判的に書いてきたが、そういった批判はここで解説する「ヘルパー」の存在によって大きく変わる。ではまず、ヘルパーの正しい使い方について説明しよう。
まずプレイヤーが「ヘルパー」ボタンを押すと、画面下部から6機の僚機(大旋風)がゆっくり現れる。現れた僚機はその後、画面のやや下半分に凹字のような陣形を取って「待機状態」となる。
この待機状態時の僚機たちは、自機が弾を撃つのに合わせて同時に弾を撃つようになり(弾は自機の初期状態と同じ)、また自機が前後左右に動くと合わせて陣形ごと同じ方向に動くようになる。
つまりこの時点では、単に攻撃力が横に広がっただけに過ぎないんじゃよ
そしてこの待機状態の時にもう一度「ヘルパー」ボタンを押すと、全ての僚機が近場にいる敵を目掛けて「特攻」をかけるのだ。
特攻は各々がバラバラに仕掛けるので「ボム」のような全体への効果としては薄いが、画面上の敵が大型の戦車のみのような場合、集中するのでその効果は非常に大きくなる。
実は本作には「究極タイガー」や「TATSUJIN」のようなボムボタンは存在していないものの、ボムの機能そのものは存在している。
ボムを使いたい場合には、僚機が画面上に存在していない状態で「ヘルパー」ボタンを押し、現れた僚機が画面下で待機状態になる前にもう一度ヘルパーボタンを押すと、ヘルパーストックを1消費して瞬間火力の高いボムを撃つ事ができるのだ。
この、ボムはあるが使うには「僚機が画面上に存在していない状態」にしないといかんのがキモじゃな
「ヘルパー」をどう使うかという選択
特攻させずに永続的な火力として
待機状態の僚機は6機とは言え横に広く、かつ縦軸が重ならないように陣形を組んでいるので、自機代わってかなり広い範囲をカバーしてくれる。
さらにプレイヤーがショットを連射すれば僚機も自機と同じ数だけ弾を撃つので、連射を維持すれば画面全体に高火力を維持することも可能だ。
さらにこのヘルパーはゲームスタート直後(直後過ぎるとボムに化けるので注意だが)からでも実行が可能で、かつ問題がなければ永久的に画面上に残り続ける(時間制では無い)。
つまりヘルパーを使う事によって、ゲーム開始直後から画面全体をカバーできる高火力を持つこともできてしまうのである。
ヘルパーのおかげで打って変わって見た目もド派手になり、そのうえ火力も高くなるんじゃな!
ただし、このヘルパーには2点問題がある。
ヘルパーの弱点
まず1つは僚機自身にも当たり判定が存在する事だ。待機状態の僚機に敵の弾が当たると、僚機は陣形を離脱して弾を撃った敵目掛けて勝手に特攻をかけてしまうのである。
さらに欠けた僚機の補充は出来ないので、僚機を失う事は火力の確実な低下を招くこととなる。
もう1つは僚機が1機でも画面上に残っている場合はボムを撃てない事だ。僚機が残っている状態でボムを使うには、まずヘルパーボタンを押して残ってる僚機を全て特攻させる必要がある。
その上でもう一度ヘルパーボタンを押し、今度は僚機が隊列を組む前にもう一度ヘルパーボタンを押すという手順が必要になるため、とても緊急回避としては間に合わない。
僚機は揃っていれば高い火力を維持してくれるが、やはり瞬間的な火力と緊急回避手段としてはボムの方が優秀である。
この事から本作では、最初から僚機を呼び高火力で攻め、僚機が少なくなったら全機特攻させてからまた僚機を呼んで高火力を維持し続ける「ヘルパー型」。
そしてヘルパーは緊急時のボムと割り切って自機のみで戦い、危険を感じたら任意のタイミングでボムを使う「ボム型」、というように戦術を選んで遊ぶことができたのである。
一見地味で単調な感じのこの作品じゃが、ヘルパーの存在によって見た目も変わり、ヘルパーの存在がゲームの奥深さもぐっと増しているといえるじゃろうな
STG界に大旋風は吹いたのか?
本作「大旋風」は、一見地味ながらヘルパーの存在でそれが一変し、またヘルパーとボムの折り合いというのが足枷のようでありながら、それが遊び方に「選択」を与えてるという面白い作品である。
正直そういった足枷は外して、ヘルパーボタンとは別にボムボタンを用意してどっちも使えるようにすれば?と思わないことも無いが、多分それではこの作品の味は出なかっただろう。
また「究極タイガー」「TATSUJIN」とはちょっと雰囲気の違う作品をここで出してきたのは、ショットもボムもジャンジャンバリバリ撃つド派手なシューティングゲームというパワーインフレを一瞬止めたかったのでは無いだろうか?
あるいは違うアプローチのSTGの風を流し込みたかったのでは無いか?とも思うが、このあと東亜プランに本作と同様のシステムのものが見当たらないあたり、この新しい風はプレイヤーにはあまり受け入れられなかったのかもしれない。
とはいえ、本作は遊んでみると筆者のようなシューティング苦手の人間にも割と遊びやすいように作られており、空中の敵が出てこないので敵にぶつかってのミスが無いのがまず助かる。
そして同時にそこまで弾幕がキツくならないところや、硬くて強いボスクラスの戦車も登場するがステージクリア制ではない1枚マップなので、倒せなくても逃げ回ってればいずれ画面外に消えてくれるところなど、STGが苦手なプレイヤーにも優しい部分がある。
ただし逆にこの1枚マップのおかげで休みが無く延々とゲームが続いてしまうのは、いささか疲れてしまうのだが…w
もし同じように当時は地味に見えてしまって、遊んでいなかったという人が居たなら一度遊んでみることをお勧めする。
どうじゃったかのう?本作は東亜プランのこれまでの作品とは異なるものの、しかしやはり東亜プラン。しっかり練られていて挑み甲斐のあるシューティングゲームになっておったのう
≫EXIT
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コメント
東亜プランですとやっぱり「究極タイガー」の石原軍団張りの爆発が
いいのですが。ここはあえて「鮫!鮫!鮫!」を押したいです。
紅い機体から発射される「ドラゴンスピリット」を彷彿とさせる
火炎放射…。
これまでの作風からすると確かに「大旋風」は一見地味に見えますね。
最後に私も「大旋風」は「部隊名」ではなく「機体の名称」と思っていました。
結構前にインベーダーで敵弾について書かせてもらたものです。
「大旋風」懐かしいです。
友達が、このゲームが得意でしてAC版の話になりますが
ヘルパーを出した状態で自機も画面の一番前に行き
敵が現れたたら即倒すと言う攻略でエンドレスでプレイしてました。
見ていて楽しいプレイでは無かったですけど
凄いことをやってるんだーと言うことは分かりました。
>>1
「鮫!鮫!鮫!」は「飛翔鮫」と共に東亜プランの中では一番「大旋風」にちかい感じがしますが、でもやっぱり派手さでは「鮫!鮫!鮫!」が圧倒的ですねw
派手なら良いってもんでもないんですが、やっぱり寂しいですよねw
>>2
>ヘルパーを出した状態で自機も画面の一番前に行き敵が現れたたら即倒す
普通のシューティングだと一番上だと危ないんですが、このゲームは空中の敵が出てこないんですよね。だから空中の敵にぶつかる心配がなく、地上兵器の弾に集中すればいいだけだからこういう戦法が有効なんですよね。
考えた人は頭が良いなあw