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『エルドラド伝奇』絵に釣られると痛い目を見るかもよ?

賢者の塔 42F
No.0147

発売年:1985年
開発元:エニックス
ジャンル:コマンド選択式AVG
発売機種:PC-88、PC-98、FM-7など
※画像は全てPC-88版です

≫ENTER

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「エルドラド伝奇」とは

「エルドラド伝奇」は、1985年に「ポートピア連続殺人事件」や「ウィングマン」などで有名な「エニックス」より発売された、コマンド選択式アドベンチャーゲームです。

本作を手がけたのは漫画家でもある「槙村 ただし」氏で、氏は同社の「マリちゃん危機一髪」や「ガンダーラ」なども手がけていました(氏は永井豪先生のお弟子さんだったそうです)。

グラフィックが全体的にかわいい系でしかもちょっとエッチなのでとっつきやすそうに見えるのですが、実はかなり難易度の高いゲーム内容になっていましたね。

亡き友人の妹を探す物語

親友であるアキラから「妹がやつらにさらわれるかもしれない」という電話を受けてアキラの家に向かった主人公は、そこでアキラの死体を見つける。プレイヤーは主人公となり親友の遺言に従い、行方不明となったアキラの妹「ホシコ」を探すためにアマゾンの奥地にあるという「エルドラド」を目指すことになります。

エルドラド伝奇のシステム

一見普通のコマンド選択式だが

本作は最初に「コマンド選択式」と説明しましたが、ちょっと一般的なコマンド選択式というのとは違っていました(といっても当時まだそれほどコマンド選択式のAVGは多く無かったですけどね)。

まずプレイヤーは第一選択肢として「動詞」を画面右にあるコマンド一覧から選択します。例えばコマンドから「取る・拾う」を選択したとすると、そのあとに何を取るのかという第二選択肢を求められます。

このとき画面に四角い枠(見難い)が表示されるので、それをカーソルキーで動かして画面上にある取りたいものを選択するのです。

同行者を「使う」というコマンド

ここまでは特に問題の無い一般的な「動詞+名詞」のコマンド選択方式といえます。が、例えば「使う」を第一選択肢で選ぶと、次に第二選択肢として問われるのは「名詞」ではなく「持ち物/連れ/画面」の3つの選択肢になるんです。

このとき「持ち物」を選ぶと(それぞれf・1~f・3に対応しているのでそれを押す)、主人公が今もっているアイテムの一覧が表示されそこから使いたいものを選ぶことができます。

「連れ」を選ぶと現在一緒に行動している仲間を使って何かさせることが可能です。そして「画面」を選ぶと、画面にカーソルが現れてカーソルで選択したものを使うことができます。

つまり一部のコマンドでは、通常の「動詞」と「名詞」の間にさらにひとつ選択肢のジャンルが増えるわけです。

これはそんなに大した話じゃないと思われるかもしれませんが、しょっちゅう行う「見る」のようなコマンドは、その都度いちいち「見る」「画面」「○○(カーソルで選択)」と行わなければいけないので結構な手間になります。

さらに動詞。名詞に加えて選択肢のジャンルがひとつ増えるということは、コマンドの組み合わせパターンも一気に増えますから、プレイヤーとしても考えなきゃいけないことも増えるわけです(まあそれは一種の楽しみでもあるんですけどね)。

一部「入力」が必要になる場面も

また「コマンド選択式」とは言いましたが、一部の場面ではキーボードからの文字入力を求められることがあります。その大抵は「合言葉」や「キーワード」なのですが、とある場所ではコマンド入力システムが存在するにもかかわらず、手入力で名詞と動詞の組みあわせを指定しなければいけない場合もありました。

しかもそれが「動詞を入力してください」というメッセージの後に動詞を入力し、「名詞を入力してください」のあとに名詞を入力するものもあれば、普通のコマンド入力式のように「動詞+スペース+名詞」と入力しなければいけないところがあったりするので、結構混乱してしまいます。

しかしその辺は、まだ「コマンド選択式」というシステムが完成しきっていなかった時期の試行錯誤から生まれた弊害なのかもしれませんね。

移動は完全な一方通行

本作のシステムについてもうひとつ触れておきたいことがあります。それは「移動」についてです。

通常のアドベンチャーゲームで場面を移動するときは、コマンド選択式なら「移動」を選択して次に「目的地」を選ぶというのが普通ですよね?

しかし本作では移動コマンドに該当する「進む・入る」を選択した後、行きたい先を一覧ではなく画面上にある建物の入り口や穴、先に続いている道などをカーソルで選択することになります。

しかしこの移動システムには問題点がありまして、なんと「元の場所に戻れない」んですw

今いる画面から1個でも先の画面に進んでしまったらもう後戻りはできません。ということは?勘のいい方ならもうお分かりだと思いますが、前の画面で必要なアイテムの取り残しがあっても戻れないんです。

はい、そうなったらもう「詰み」です。

しかも本作には「セーブ機能」が存在せず、戻ることができるのは全部で4章ある物語のスタート地点のみですから、もしあとで取り残しに気がついたらそこからしか再開できないのです(最初からやり直すよりはマシですけど)。

気をつけることが割と多い

そういうシステムだからなのか解りませんが、本作は他のアドベンチャーゲームのようにあちこちに「デストラップ」が仕掛けられているというようなことはありません。

が、それでも何箇所かにはデストラップが存在するので気を緩めると不意に死んでしまいますから注意ですね。

まあもっとも本作の場合はデストラップよりなにより、先述したアイテム取り忘れによる「詰み」のほうがよっぽど怖いんですけどw

何かを動かしたことで何かがあわられたら、普通プレイヤーの注意は現れたものにすぐ移るじゃないですか?ところが動かしたものにも変化があって、そこを見忘れると「詰む」なんて意地悪なトラップもあります…。

因みに本作は章仕立てになっていて、章の道中でひろったアイテムなどは必要な場所で使えばそこで無くなるので、章を超えて持ち越すようなものは少ない。

ただしクリアした章で見つけた情報、特に石碑に書かれている文面について忘れたころに不意に聞かれることがあり、その際に答えられなければ結局これも詰みになってしまうので、手に入れた情報は丸写しレベルでメモしておかないとクリアは難しいかもしれないですね。

最後に。

本作ではアマゾンに住んでいる「アマゾネコ」と呼ばれる一族たちが、ちょいちょいおっぱいやらお尻やら、いまだとギリギリアウトくさいような場所をぽんぽん見せてくれます。

(いまでこそご立派になられたエニックスですが、当時はそういう作品でも全然OKの会社だった)

それにつられてホイホイプレイすると強烈なしっぺ返しを食らってしまうこと間違いなしの作品だと思います。

今回システムや難易度(あとエロw)の話ばかりして来ましたが、グラフィックの面ではさすが漫画家が作った作品なだけあって絵の見せ方や構図が当時のアドベンチャー作品ではかなり良いものとなっていました。

さらに沼地や森に来たときに蛙や、怪しげな鳥たちの鳴き声がBeep音(?)で再現されていたり、雷が近くに落ちたときにただ音やテキストで表現するのではなく、場面が切り替わって落雷のシーンが音とともに表示されまたもとの場面に戻るなど、プレイヤーに臨場感を与えるような要素が多い良い作品だといえるのではないでしょうか。

それはそうと主人公君や、女の子の腰にある星型のマークを確認するためといって、
パンツも脱がせてしまうのはどうなんですかね?
腰のところなら脱がせんでも確認できるやろ!いや嬉しいけど、嬉しいけどもね。

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. おんちゃん より:

    遂にこの作品をチョイスしてくれましたね。ありがとうございます!
    コレ、エルドラドなんて心踊る響きと、エロい絵(笑)で当時かなり興味があった作品なんです。
    が、プレイできる環境がなかったし、ゲーム雑誌とかでも全然特集してくれなかったんで、内容をほとんど知らないんですけどね(笑)。
    だから、取り上げてくれて嬉しかったッス。この頃のADV作品って、さわりの部分しか知らないんで凄く興味あるんですよね。
    だから、また色々取り上げてくれるのを楽しみにしてます。

  2. 来た! エルドラド伝奇!
    これ自分の中で一番思い入れがあるADVなんですよ
    自力で解いたんですけど、1週間同じ画面から進めなかったり
    それが解けて先に進めた時、嬉しくて家じゅう大声だして
    駆け巡った思い出があります。
    そのときカセット版でやっていたので
    先に進めたときカセットデッキがカチャっていって
    読み込みが始まったんですけど
    進めたから読み込みが自動で始まるわけで…
    このときのカチャって音
    忘れません…
    もちろん自分の場合、マイ・ベスト5
    トータルで1位の作品になってます

  3. ソンゴスキー より:

    RPGが爆発的に増えるまでは、パソコンゲームの主流はAVGでしたから、ほんとにたくさんの作品があって、それら全部をプレイできた人なんていないでしょうね。
    私も同じように、作品のさわりは知ってるけどプレイしたことは…って作品は多いですから、その辺を補填できればなと超メジャーなAVGにはあえてあまり触れてなかったりしますw

  4. おんちゃん より:

    カセット…
    そうだ、この頃はカセットがまだまだ現役(主流?)だったんだ。あやちさんのコメント見るまで(何故か)すっかり忘れてました。
    長々時間をかけてロードして、ゲームしてたんですよね、あの頃。タイトルだけで、ん十分。
    移動するだけで、ん十分。
    ぴ~ひょろろ~、がが~、んぴ~。
    なんてロード音を何度も聞きながら、ゲーム再開を待ってましたよ、ええ(笑)。
    プレイするより、ロード時間の方が長かったな、多分(笑)。
    いやぁ、懐かしい(笑)。
    当時の事がものすごく鮮明に思い出せました(笑)。
    あやちさん、管理人さん、ありがとうですっ!(笑)

  5. あやちだいち より:

    おんちゃんさん
    カセット時代ってなつかしいですよね
    あのロード時間も当時それしか知らなかった時には
    これ遅い?って概念も無かったわけで、フロッピーの
    速さを知ってしまった時点で急に耐えられなくなるんですよね
    ソンゴスキーさんは当時X1でしたっけ
    もしかして最初からFD付いてる

  6. ソンゴスキー@れとろげ より:

    今回私もプレイしてみましたけど、これ自力で解けるって凄いですね!
    自分には無理すぎるw
    それだけに話が動いたときの喜びは、駆け巡るほどなんでしょうねえ。解ります。
    私はカセット系のAVGってやったことがないんですよ。
    友人の家で遊ばせてもらったことはあるんですけどね。
    だからそのカセットが動くという瞬間の感覚は残念ながら共感できなかったりw
    なんか紹介記事だけだとなんかもったいないので、プレイ日記的なものを始めてみました。

  7. おんちゃん。 より:

    あやちさん。
    的確過ぎるコメントがステキです(笑)。
    確かに、遅いという概念がないからこそ、プレイできてたんですよね。
    だって、FDとかの速さを知ってしまったら、テープの遅さは苦行に近いもの(笑)。
    とはいえ。
    ンなもん吹き飛ばすくらい、ゲーム自体が楽しかったのも、また事実。
    いや、ホントに懐かしいなぁ。
    記憶の扉開けてくれた(笑)お二人には感謝です。

  8. あやちだいち より:

    ソンゴスキーさん
    自力だったので解くまで数ヶ月かかりました(笑)
    その分思い出深いのかな
    >私はカセット系のAVGってやったことがないんですよ。
    >友人の家で遊ばせてもらったことはあるんですけどね。
    >だからそのカセットが動くという瞬間の感覚は残念ながら共感できなかったりw
    自分FM-7だったからテープ時代を体験してるんだと思う
    周りの友人はPC88mk2とX1でしたからFDドライブが付いてて
    それ見て後に外付けFDドライブ買いましたもん…
    あの瞬間のうれしさ感じて欲しい〜(笑)

  9. ソンゴスキー@れとろげ より:

    私がカセットテープを使ったのはMSX版のブラックオニキスをやったときだったかな?
    あとは、ファミコンのファミリーベッシック用のレコーダーで作ったプログラムを保存したりするのに使ってたくらいだから、あんまりゲームのカセット自体には思い入れないんですよねー。
    しかしレコーダーからデータをロードしてるとき、母親から「何きいてんのアンタ?」みたいな怪訝な顔をよくされていましたw

  10. ソンゴスキー@れとろげ より:

    自分のパソコンで最初のはX1twinだったので、最初からFDはついてましたねー。
    でも1台だけだったので、Wizのデュプリケイトディスクを作るのに時間がかかりすぎて、それがいやでお年玉でFDを増設したものですw

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