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『エルスリード』 後の「ラングリッサー」にも繋がる、国産ファンタジーSLGの金字塔

元帥の塔 13F/No.0084

「戦略モード」で軍を進め「戦術モード」で敵を駆逐しろ!NCSが送る「エルスリード三部作」の第1作目となるファンタジーシミュレーションゲーム。

ところでお主たちは、ファンタジー世界を舞台にしたシミュレーションゲームと言えば、どんな作品を思い浮かべるかのう?

そうねー、有名どころだとやっぱり「ファイヤーエムブレム」シリーズとか…。あ、そういえば最近「タクティクスオウガ」の新作が出るなんて話も聞いたわね

あとは「ラングリッサー」「シャイニング・フォース」なんかのシリーズもあるのう。今回紹介するのは、こういうファンタジーシミュレーションゲームの始祖とも言える「エルスリード」という作品じゃ

あれ、そういうのって「マスターオブモンスターズ」って作品から始まってるんだと思ってたわ

ではその辺も含めて紹介していくとしようかの。
では準備ができたら入るがよい、元帥の塔13Fじゃ!

本記事を読み進める前に…

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  • 記事に書かれている内容についてはあくまで投稿時の状況や筆者の認識であり、現在の状況や筆者の認識と必ずしも同じではない場合があります。ご了承ください。

「エルスリード」とは

基本情報

タイトルエルスリード
シリーズエルスリード三部作
ジャンルファンタジーシミュレーションゲーム
発売年1987年
販売/開発NCS(メサイア)
発売機種PC-88、X1、MSX2
前作なし
次作ガイアの紋章

作品概要

エルスリードとは

「エルスリード」は1987年に「日本コンピュータシステム(以下:NCS)」より発売された"ファンタジーウォーシミュレーションゲーム"で、後に同社より発売された「ガイアの紋章」「ガイフレーム」とを合わせた"エルスリード三部作"の第一作目となる作品である。

本作の目的は、西方のエルスリード王国に侵攻を開始した東方のヴェルゼリア王国、その王である闇の魔導師「ボーゼル」の率いる闇の軍団を迎え撃ち、彼を討ち取ることである。そのためプレイヤーは、エルスリードの王光の魔導師「ジークハルト」となり、麾下の光の軍団を指揮し、軍を進めながらボーゼルの居城を目指すこととなる。

本作は大きく「戦略モード」と「戦術モード」の二つのモードに分かれており、戦略モードでは本作の舞台となる「ガイア大陸」を描いた全体マップ上で、ジークハルト軍とボーゼル軍とが麾下の部隊を移動させ、大陸上の各地域を占領していく。

そして戦略モードで、同じ地域内にジークハルト軍とボーゼル軍の部隊が侵入した場合に移行するのがもう一つの戦術モードだ。このモードでは、その地域を表現したHEXマップ上で、部隊に所属するユニット同士が戦闘を展開していくのだ。

各モードについての詳細は後述するが、本作においてプレイヤーであるあなたは、この二つのモードを繰り返し行いながらゲームを進行していき、ボーゼル討伐という最終目標を目指す事となる。

戦略モードと戦術モード、この二つのモードでゲームを進めていくというのは本作の大きな特徴なのであるが、それとは別に本作にはこの時代の"ウォーシミュレーションゲーム"ではまだ珍しかった大きな特徴が存在していた。

それは本作が剣と魔法の世界、つまり"ファンタジー世界"を舞台としたシミュレーションゲームだったことである。これについても詳しくは後述する。

NCSとメサイヤとラングリッサー

このNCSという会社名について、人によっては余り聞き覚えがない社名かもしれないが、NCSが主に家庭用ゲーム用に保有していた別ブランド「メサイヤ」ならば聞き馴染みのある人も多いのではないだろうか?

「改造町人シュビビンマン」「ラングリッサー」、あとは「超兄貴」なんかで有名なメーカーじゃな

兄貴ィィーーーーーッ!!!

尚、現在「メサイヤ」ブランドのゲーム作品の権利は、全て「エクストリーム」という会社に譲渡されており、NCS自体は現在でも存在しているものの、ゲーム事業からは完全に撤退したようである。

ところでやや余談になるが、本作「エルスリード」がNCS(メサイア)が1991年から展開していたシミュレーションRPG「ラングリッサー」シリーズと世界線を同じくしていることはご存じだろうか?

エルスリードとラングリッサーとでストーリーなどが大きく関わっているとかではないが、ヴェルゼリアという闇の勢力が存在しておりその盟主が「ボーゼル」という名前だったり、聖剣に宿る意志としてエルスリード国王「ジークハルト」が登場するなどの繋がりがあったのである。

ということで、この時代のウォーシミュレーションゲームとしては珍しい特徴を持っていた「エルスリード」という作品について、この後さらに掘り下げていこうと思う。

ストーリー

東方の王にして闇の魔導師ボーゼル、彼は闇に魅入られ、その力を駆使し、遂に闇の軍団をよみがえらせてしまう。そして、その力は近隣諸国を次々と侵食していった。

一方、エルスリードの王にして光の魔導師ジークハルトは彼方にうごめく闇の力を感じ、旗下の騎士団と共に闇を撃つべく起ち上がった。

戦 端 は 開 か れ た !

「エルスリード」の特徴

ではここからは、本作「エルスリード」の大きな特徴を四つの項目に分けて紹介していこう。

《部隊》は幻想世界の住人達

魔導師からドラゴンまで

まず本作はファンタジーな世界、つまり剣と魔法の世界を舞台としたシミュレーションゲームということで、ゲーム中に登場しプレイヤーが指揮する事となる"部隊"もしっかりファンタジーしていた。

まず何よりプレイヤーの分身であるエルスリード国の王からして"光の魔導師"と呼ばれており、麾下の部隊にも「地竜」と呼ばれる恐竜のような生物に乗った騎士や、「ファルコン」という巨大な鳥に乗った騎士がいたり、一見馬に乗った普通の騎士に見えて乗ってるのが「ユニコーン」だったりなど如何にもファンタジーだ。

そんなエルスリード軍の各部隊について、簡単な説明をは以下に記す。

《ライトロード・ジークハルト》
エルスリード王国の王であり、光の魔術師でもある。
このユニットが失われるとゲームオーバー。
《グランディーノ》
地竜と呼ばれる絶滅寸前の生物、その力は絶大である。
攻撃と防御に優れ、離れた敵も攻撃できる。
《ファルコン・ナイト》
巨大な鳥を自由に操り、驚異的な機動力をもつ騎士。
機動力が高く、地形の影響を受けない。
《ライト・ナイト》
騎士団の中核となる、ユニコーンを駆る光の重騎士。
機動力と攻撃力を兼ね備えたユニット。
《ファイター》
闇を倒すため、自らジークハルトの許へ馳せ参じた戦士達。
近接攻撃を受けるとそれに反撃する。
《アーチャー》
闇を倒すべく、各地より集結した弓の名手達。
離れた場所への攻撃が可能だが、防御力が低い。
《ホワイト・ドラゴン》
光の神であろ、魔法による召喚できる、伝説の生物。
強力なユニットだが、勝手に動いて勝手に攻撃する。

え、ドラゴンも部隊として使用できるの?

確かに強力な部隊として存在はするんじゃが、非常に特殊でプレイヤーの指示で動いてくれんのじゃよ…

またヴェルゼリアの王も"闇の魔導師"と呼ばれており、その麾下の部隊も同じく地竜に乗った騎士、悪魔のような羽が生えた女騎士、弓の代わりに体に生えた牙を射出してくる怪物がいたりなどこちらも実にファンタジーであった。

部隊は1〜複数体のユニットで構成

本作に登場する1つの部隊は1〜5体の"ユニット"で構成されており、プレイヤーは戦略モードでは1部隊単位、戦術モードでは1ユニット単位で自由に命令を与えられる。

部隊の最大ユニット数は部隊の種類によって最初から決まっていて途中で変わることはなく、強力な部隊ほどユニット数は少なく、微力な部隊ほどユニット数が多くなるのが基本だ。

このユニットの注意点として、本作においては部隊のユニットを戦闘で損失した場合に、ユニットの"補充"、または他の部隊との"合流"というのは不可能なので、ユニットを損失した部隊は損失したままで戦い続けないといけないのだが、これがルールとしては結構厳しい。

ただ補充では無いもののファイターとアーチャーについてのみ、戦略モードで占拠している"都市"の数だけターン毎に部隊の"新設"が可能になっている。ただし都市は戦略モードのマップ上に3箇所しか無いため、都市を巡っての戦いが白熱することは間違いないだろう。

ファイターとアーチャー以外の、グランディーノ、ファルコンナイト、ライトナイトの部隊については新設は不可能となっていて、部隊が全滅した場合のみ"ある事"を行うことにより部隊を"復活"させる事が可能だった。

そのある事とは、"魔法"である。

《魔法》というアクセント

魔法の存在

ファンタジーと言えばやはり"剣と魔法の世界"である。従って本作にも"魔法"というものが存在しているのだが、それはどういうものなのだろうか。

それは、プレイヤーであるあなたの分身とも言えるエルスリード国の王が"光の魔導師"と呼ばれており、ヴェルゼリア国の王が"闇の魔導師"と呼ばれていることに答えがある。彼らは魔導師などと呼ばれるくらいなので当然魔法が使え、そして逆にいうと彼ら以外は魔法を使う事ができない

しかし彼らがいかに魔導師と呼ばれる存在であっても、ゲーム中魔法を使えるタイミングというのは限られており、使えるのは戦略モード時のみ、かつ1ターンにつき1度だけしか魔法は使うことができない。

そして魔導師たちが使える魔法は以下の通りである。

レベル1
攻撃指定地域の味方の攻撃を強化。
防御指定地域の味方の防御を強化。
レベル2
空間転移城にいる部隊を3エリア進める。
強制転移任意の敵部隊を強制移動させる。
招還ドラゴンを呼び出し戦わせる。
レベル3
復活倒されたユニットを復活させる。

ちなみにレベル3の魔法「復活」を使用して復活できる部隊は、グランディーノファルコンナイトライトナイトのみである。

魔法の効果と遺跡

魔法は戦略モードのマップ上にある"遺跡"と大きく関係しているようで、ゲームの説明などでは「遺跡を占領するほど多くの魔法が使用できる」とあったりするのだが、遺跡を一切占領していなくても魔法レベル2の強制転移の魔法が使用できたりするので、正直遺跡と使える魔法の関係性がよく解らない

魔法は使えたとしても"失敗"する事がある(失敗するとそのターンはもう魔法が使えない)ので、もしかしたら占拠している遺跡が多いほど魔法の成功率が上がるのだろうか。もし知っている方がいたら教えて頂きたい。

ちなみに遺跡はマップ上に4箇所しかなく、当然敵も占拠しようとしてくるので遺跡も都市と同じく争奪戦になることは間違いない。

ちなみにこの魔法が存在しているおかげで、この作品が単に現代兵器を幻想の住人に置き換えただけのシミュレーションゲームじゃなくなっているんじゃよな

魔法が作品の良いアクセントになっているのね?

《戦略モード》で進軍せよ!

戦略モードの流れ

「戦略モード」は本作のメインとなるモードで、ガイア大陸を描いたマップに存在する21の地域を、ヴェルゼリア軍とエルスリード軍が麾下の部隊を進軍させながら奪い合うモードである。

このモードはターン制であり、敵(ヴェルゼリア側)の行動ターンの後に味方(エルスリード側)行動ターンが行われて1ターンが終了となり、以後はどちらかの王が死亡する(居城が占拠される)までこれを繰り返してゲームを進めていく。1つの行動ターンは、

  1. 増援フェーズ
  2. 進軍フェーズ
  3. 魔法フェーズ

以上の3つのフェーズで構成されており、3つのフェーズは上から順番に実行されていく。最初の増援フェーズと最後の魔法フェーズについてできることは前述しているので、ここでは進軍フェーズについて詳しく説明しよう。

戦略モードでは、ヴェルゼリア勢力の方が必ず先行で動くのね…

一応ストーリー上では、ヴェルゼリア側が侵攻してきたって設定じゃからな。エルスリード側が先に動いたらエルスリード側から侵攻開始したことになってしまうからじゃろうw

部隊の進軍

進軍フェーズでは、

  1. 進軍させたい部隊のいる地域を番号で指定。
  2. 地域内の動かしたい部隊をカーソルで選択。
  3. 選択した部隊を進軍させる地域を番号で指定。

という流れで1部隊ずつ進軍を行っていくのだが、ルールとして移動できるのはマップ上で隣接している地域に対してのみで、移動できるのは1ターンに一度だけ(魔法での移動は除く)となっている。

また1つの地域に侵入する事ができるのは自軍敵軍それぞれ3部隊までとなっており、どれだけ戦力を保有していても、戦闘では最大3部隊対3部隊での戦いにしかならないようになっている。

ゲーム開始時は、マップ上で城のある“01"と"21"の地域のみが占拠状態となっており、そこ以外の地域は非占拠状態となっている。その後、非占拠状態の地域に部隊を進める事でその地域は占拠状態となり、占拠した勢力の旗が立つのだ。

そしてエルスリード軍とヴェルゼリア軍の部隊が同じ地域に侵入した場合、ターン終了時に"戦術モード"に移行しその地域での局地戦が行われる。そして戦術モードの中で全滅した部隊は、戦略モードのマップ上からも消滅してしまう。消滅してしまった部隊の補充・復活については前述の通りである。

《戦術モード》で駆逐せよ!

戦術モードの流れ

戦術モードでは戦略モードと大きく変わり、戦闘が発生した地域を模したHEXマップの上に、その地域に侵入していたエルスリード軍とヴェルゼリア軍の部隊それぞれに属するユニットが展開され、今度は1ユニット単位でプレイヤーが行動を与えていく事になる。

戦術モードも戦略モードと同じく"ターン制"となっているが、そのターンにどちらが先に行動を行うか、つまりどちらが「イニシアチブ」をとるかについては、毎ターンの最初にランダムで決定されるので1ターンの流れとしては、以下のようになる。

  1. イニシアチブの決定
  2. 先攻側の行動(移動・攻撃)
  3. 後攻側の行動(移動・攻撃)

各ユニットには毎ターンごとに一回の移動と一回の攻撃の権利が与えられており、"移動後に攻撃""移動のみ""攻撃のみ""何もしない"といった行動が可能だが、"攻撃後に移動"という行動だけは不可能となっているので注意が必要だ。

そして戦術モードは、敵または味方のユニットが全部退却するか全滅するまで継続される。

各ユニットの性能

ユニット名耐久移動範囲回数特殊
ライトロード6252反撃
グランディーノ8223対空
ファルコンナイト2612空中
ライトナイト4412 
ファイター2211反撃
アーチャー1231対空
ホワイトドラゴン空反
反撃…相手から攻撃された場合に、相手が攻撃射程内なら一回反撃する。
空中…移動に地形の影響を受けず、かつ相手からの攻撃が当たり難くなる。
対空…空中ユニットへの攻撃が当たり易くなる。
空反…空中と反撃と両方の特殊能力を持つ。

各ユニットへの命令

各ユニットに対し命令を与えるには、テンキーでカーソルを命令したいユニットまで移動させ、"Enter"キーを押すことで移動、"5"キーを押すことで攻撃の命令待機状態(ユニットが点滅を繰り返す状態)になる。

移動の命令待機状態になったユニットは、以後テンキーを押すごとに対応した方向にユニットが1マスずつ移動していく。移動できるマス数はユニット毎の移動力になるが、進む先が森や城壁の場合は1マス進むごとに移動力を2消費し、岩や川の場合は進むことができない(ただしファルコンナイトなど空中ユニットは移動に地形による影響を受けない)。
※ちなみに敵ユニットと隣接してしまうと、その敵ユニットがいなくなるまでその場から移動できなくなるので注意。

攻撃の命令待機状態になったユニットは、テンキーで攻撃したい敵にカーソルを合わせ"Enter"キーを押すことで攻撃を実行できる。射程が2以上あるユニットの場合はユニット同士が隣接していなくても射程範囲マス内にいる敵であれば攻撃が可能。また攻撃回数が2以上のユニットは、1回の攻撃命令で攻撃回数分続けて攻撃を行う
※ちなみに射程が2以上でも、攻撃ユニットと対象ユニットとの間に他のユニットまたは障害物が存在する場合は攻撃できないので注意。

ユニットに与えられる影響

攻撃に関しては命中判定が存在し、命中すれば相手の耐久力を1点減らすことができ、相手の耐久力が0になった時点でそのユニットは消滅する。

また戦略モードで戦闘が発生した地域に、「攻撃」の魔法をかけていた場合は命中時に2点減らせることがあり、「防御」の魔法をかけていた場合は被弾時に減点されなくなることがある(どちらも効果が発揮すると画面がフラッシュする)。

追加ダメージやダメージ無効の効果は非常に大きいので、戦闘が発生した地域にはできるだけ攻撃や防御の魔法をかけておくとよいぞ!

同じターンに別々の場所で戦闘が発生する場合には、1回しかかけれない魔法をどこの地域にかけるべきか…ここが悩みどころね

ちなみにマップ上の地形については移動力への影響だけでなく、例えば森の中にいれば防御に有利、山の斜面にいると攻撃に有利砂漠だとどちらも不利というように命中判定への有利不利が設定されている。

またファルコンナイトなどの空中ユニットは地形に関係無く常に防御に有利という特性を持っているのだが、弓兵や同じ空中ユニットが相手の場合その有利は無くなるなど、ユニット同士の相性なども設定されているので、各ユニットの特性とマップの地形効果をしっかり把握して有利に戦術モードを進めていきたいところだ。

「エルスリード」の問題点

本作「エルスリード」は当時珍しかったファンタジーシミュレーションゲームではあったが、NCSが初めて手掛けたシミュレーションゲームという事もあって、ゲーム内容に関する問題点がなかった訳ではなかった。という訳で、次は本作の問題点について1つだけ紹介しよう。

プレイヤーの得られる情報が少ない

孫子の兵法の中に「彼を知り、己を知れば百戦殆からず」という一説がある。これは戦い勝つためには何よりもまず"情報"が重要であることを解いている言葉だと思うのだが、これは本作のようなシミュレーションゲームおいても間違いなく通じる話だろう。

しかし本作は、この"情報"をプレイヤーが得ることが非常に難しかった。これは結構な問題点であると言えるだろう。具体的に言うと以下の2点だ。

  • 敵の情報が全く分らない。
  • 味方の情報もわかり難い。


まず戦略モードでヴェルゼリア軍がマップ上を進軍してくる際、進軍している部隊の種類が全く分からない。このゲームは部隊による有利不利(特に空中ユニットと弓兵)があるので、当たり前だがプレイヤーとしては敵に対して有利な部隊を送り込みたいのだ。

しかしゲーム内では、実際に同じ地域で戦闘が発生するまで戦う相手が何なのかわからないのである。ゲームスタート時に不明なのはしょうがないとして、せめて索敵なり偵察ができるともっと遊びやすかったと思う。

次にこれは主に戦術モードでの話になるが、ゲーム中にプレイヤーが得られる味方ユニットの能力情報が、移動待機状態になったときに確認できる耐久と移動力のみというのが辛い。攻撃回数や射程距離については少なくともゲーム中では確認できないのだ。

しかも味方ユニットが敵ユニットと隣接してしまうと移動ができなくなるので耐久と移動力すら確認できなくなるのだ。特に戦闘中にユニットの耐久が解らなくなるのは致命的である。せめて耐久だけは移動待機中でなくても表示して欲しかったところだ。

「ウォーシミュレーションゲーム」というジャンルにおいて、このように彼を知ることも己を知ることも厳しければ百戦は不安でしかない。ここは残念なところではあるが、最初に言ったようにシミュレーションゲーム処女作ということで致し方ないところもあったと理解する。

確かに「信長の野望」とか「三國志」とか「大戦略」とか、世に名をあげたシミュレーションゲームって"情報"へのこだわりが特に凄いように思うわ

ただ"情報"が過多だと逆に取っつき難さをプレイヤーに抱かせる問題もあるんで、その辺の塩梅も難しいところじゃのう

「エルスリード」の総評

エルスリードの大きな功績

さて本作「エルスリード」の総評としては、システム面でまだ未熟なところはあったが、1980年代後半、ウォーシミュレーションゲームと言えば「信長の野望」などの歴史ものや、「大戦略」などの現代兵器ものが定番だった時代に、戦車や戦闘機に代わって、ファンタジー世界の住人による部隊を指揮したり相手にして戦ったりできる作品を世に出したのは、まさに先見の明であったといえる。

また筆者もそうなのだが、まだ歴史にも現代兵器にも興味が無くてファンタジーもののゲームばかりで遊んでいたPCゲーマーを、ウォーシミュレーションゲームの世界に惹きこんだという功績は非常に大きいものだったと評価して良いだろう。

ちなみに筆者の初ウォーシミュレーションゲームは、TAKERU(※)で購入したX1版の本作である(余談)。
※TAKERUは当時あったパソコンゲームの言ってみれば自動販売機

ファンタジーSLGの元祖は?

最後に、こういったファンタジーもののウォーシミュレーションゲームの元祖というとシステムソフトの「マスターオブモンスターズ」という認識があるかもしれないが、マスターオブモンスターズの発売は1988年であり、「エルスリード」は1987年であるためエルスリードのほうが先発ということになる。

また、実はシステムソフトはマスターオブモンスターズの前年に「ファンタジーナイト」というファンタジーもののウォーシミュレーションゲームを発売しているのだが、こちらは1987年11月発売でありエルスリードは1987年3月の発売であるため、またしてもエルスリードのほうが先発ということになる。

なので現在存在している「ファイアーエムブレム」シリーズや、近く新作が出るという「タクティクスオウガ」あたりのファンタジーシミュレーションRPGの原点は本作「エルスリード」ということになると言えるだろう。

だからと言って、別にエルスリードの方がマスターオブモンスターズより偉いとかそういう話をしたいわけではない。

実はエルスリードにはユニットの成長要素が存在しておらず、ファンタジーナイト(及びマスターオブモンスターズ)には成長要素が存在しているため、ファンタジーシミュレーション"RPG"という事であればこちらが原点といえるかもしれないのだ。

またファンタジーナイトやマスターオブモンスターズは、ゲームの主役(主人公ではない)であるユニットはほぼほぼモンスターであるのに対して、エルスリードはゲームの主役であるユニットが人間(地竜やファルコンはいるが、それを操っているのは人間)という違いがあり、それこそファイヤーエムブレムのような、人間たちのユニットが主役となってドラマチックな物語を作っていくという作品に影響を与えているのかもしれないとも思う。

こういう風に現代の作品に当たり前に存在している要素が、どういう過去作品のこういう部分が源流となっているのかもしれないと思いを馳せるのは、レトロゲーマーとしての楽しさだと筆者は常に感じているのだ。

ちなみに本作の続編となる「ガイアの紋章」の中にも、後のファンタジーシミュレーションRPGのドラマチックな部分に影響を与えているのかも?と思うような部分があるのだが、それはまた次の機会に紹介してみようと思っている。

遊びたくなったら?

もし今回の記事を読んで「エルスリードに触れてみたい」とか、「エルスリードをまた遊んでみたい」と思った方は、以下のサイトを参考にして欲しい。

パソコン版

レトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」にてPC-8801版とMSX2版が現在配信中。PC-8801版は対応機種が版Win10より古いものになっています。筆者のWin10環境で動作確認はできていますが、購入については自己責任でお願いします。

関連作品

同じくレトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」では、エルスリードと世界線を同じくする「ラングリッサー」シリーズについても現在配信中です。興味があればこちらも購入をご検討してみてください。

≫EXIT

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