元帥の塔 33F/No.0246
前作から「戦略モード」を思い切ってそぎ落とし、より多彩な「戦術モード」が楽しめるように変更された「エルスリード三部作」の第2作目となるSLG。
≫ENTER
いらっしゃいませ!
管理人じゃ。
謎の妖精よ。
今回紹介する作品は、以前紹介した「エルスリード」の続編にあたるんじゃが…続編にしてはちょっと思い切ったレベルで変更を行った作品なんじゃよ
続編で路線を変えてきたシリーズ作品ってこと?まあ多くはないけど、それほど珍しくも無いって感じはするけど…
いや、実はこの作品の思い切った変更というのは…前作のほぼ半分をそぎ落としてしまったんじゃよ
え、それじゃ前作からめっちゃボリュームダウンしてるってことじゃない、大丈夫なのそれ?
ではその辺の話も含めて紹介していくとしようかの。
では準備ができたら入るがよい、元帥の塔33Fじゃ!
本記事を読み進める前に…
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「ガイアの紋章」とは
基本情報
タイトル | ガイアの紋章 |
---|---|
シリーズ | エルスリード三部作 |
ジャンル | ファンタジーシミュレーションゲーム |
発売年 | 1987年、1988年(PCE) |
販売/開発 | NCS(メサイア) |
発売機種 | PC-88、X1、MSX2、PCエンジン |
前作 | エルスリード |
次作 | ガイフレーム |
作品概要
ガイアの紋章について
「ガイアの紋章」は、1987年に「日本コンピュータシステム(以外:NCS)」より発売された、ファンタジー世界を舞台としたウォーシミュレーションゲームであり、前作「エルスリード」、次作「ガイフレーム」と並んで「エルスリード三部作」と呼ばれるシリーズ、その2作品目である。
本作は前作「エルスリード」の一応続編の扱いだが、世界や時代の設定は前作のまま、さらにストーリーもエルスリード王国にヴェルゼリア王国が突如侵攻してきた!というところからスタートするという、前作と全く同じ設定になっていた。
続編なのに、前作の戦いの後とかその前のストーリーとかじゃないのね…
んー、むしろ前作のストーリーをより濃密にしたって感じじゃな?
では前作「エルスリード」と本作「ガイアの紋章」の違いは何かというと、前作でのメイン部分とも言えた「戦略モード」をバッサリ切り捨てて、局地戦の「戦術モード」のみでプレイする作品にしたのである。
新たなゲームモードと追加要素
しかし「戦略モード」を単に切り捨てただけでは前作のゲームボリュームが ただ半分になっただけだ。そこで新たに遊び方の異なる3つのゲームモードを用意した事で、「戦術モード」だけでもゲームボリュームを大幅にアップさせる試みが採られていた。
3つのゲームモードとは以下の通り。
- シナリオモード
- コンストラクションモード
- キャンペーンモード
各モードの詳しい紹介は後述するが、中でも前作で"エルスリード軍"と"ヴェルゼリア軍"とで行われたであろう戦いを25箇所の局地戦に分け、それぞれに添えられたストーリーの"シチュエーション"に合わせた戦場マップと敵味方ユニットで戦う「シナリオモード」は本作の目玉、メインコンテンツと言えるだろう。
またゲームのモードが3つになっただけではなく、新たな戦場マップや敵味方ユニットの追加、さらに魔法の一新、システムの微調整など大幅なボリュームアップが行われている。
特に前作には無かった"海上戦"マップが登場した事で、それに合わせてこれまでの地上・空中ユニットに加えて、"水上ユニット"が複数追加された。また本来の世界観から逸脱したオマケユニットなどが登場するのも注目のポイントだ。
ではここからは、本作の大きな特徴と言える3つのゲームモードなどについて紹介していくがその前に、今回「ガイアの紋章」の紹介については、前作「エルスリード」と仕様を同じくする部分については改めて紹介はしない。
なので本記事を読み進める前には、一度「エルスリード」の紹介記事を読んで頂けるようお勧めする。
《特徴》3つのモードを遊びつくせ
ストーリーを追う《シナリオモード》
シナリオモードとは
まず「シナリオモード」についてだが、こちらはエルスリード軍とヴェルゼリア軍との戦役の中で行われたであろう戦いを25本のシナリオにまとめたものの中から、プレイヤーが好きなシナリオを1本選んで遊ぶというゲームモードである。
1つのシナリオには、それぞれその戦いに至るストーリー、その戦いが起こった戦場マップ、その戦いに参加した敵味方ユニットが事前に用意されており、プレイヤーはこの用意されたシチュエーションの中でエルスリード軍のユニットを指揮し、敵ユニットとの戦闘を繰り広げていくのだ。
この時戦闘で使用されるのが、前作での言うところの「戦術モード」となる。
シナリオは1〜25まであり、順番に進めていくとストーリーの中で戦況がどんどん進んでいき、最後のシナリオ25ではヴェルゼリア軍を居城まで追い込んだジークハルトがボーゼルと直接対決する内容となっていた。
ん…?なにこの「1988年、日本」ってシナリオ…
それは本伝ではなく、後で紹介する外伝シナリオじゃな?
シナリオモードのルール
本モードでは、プレイヤーが敵ユニットを全滅(退却含む)させるか、味方ユニットが全滅するかで戦闘は決着。最後に倒した敵ユニット、倒された味方ユニットにより"勝利ポイント"が表示されてゲーム終了となるが、シナリオモードではこのポイントは特にゲームに影響しない。
またシナリオモードにおいてはシナリオを1から順番にプレイしていく必要はなく、どのシナリオからでもプレイヤーの自由に遊ぶ事ができるのが大きな特徴である。ただしその代わりに1つののシナリオをクリアしても、次にプレイするシナリオに何かしらのデータが引き継がれるようなことは一切無い。
という感じでシナリオモードは、完全に独立したシナリオ、そのシナリオで定められたシチュエーションの中でプレイヤーが戦闘を楽しむというモードであった。
ちなみに戦闘の際には魔法の使用も可能なのだが、本作では魔法の仕様が大きく変わっているので、それについては後でまとめて紹介する。
外伝(EX)シナリオ
先程からシナリオは1〜25までと言ってきたが実はシナリオは全部で30存在し、残りの5本は外伝(EX)シナリオとなっている。外伝シナリオでは、エルスリード軍の前に現代兵器の部隊や、戦国時代の騎馬隊が現れたりなど驚きのシナリオが楽しめるので、是非遊んでみて貰いたい。
自由にカスタム《コンクエストモード》
コンクエストモードとは
次に「コンクエストモード」だが、こちらはある意味で「シナリオモード」の真逆と言えるゲームモードである。
どういうことかと言うと先程シナリオモードの紹介では、シナリオで定められたシチュエーションの中でプレイヤーが戦闘を楽しむ、という話だったが、コンクエストモードではそのシチュエーションをプレイヤーが自分で定める事ができるのだ。
コンクエストモードは、
- 全部で30ある戦場マップから好きなものを選択
- そのマップの占領状況を味方占拠/敵占拠/中立から選択
- エルスリード軍所属のユニットの中から好きなものを選択
- ヴェルゼリア軍所属のユニットの中から好きなものを選択
- エルスリード軍が使用する魔法を選択
- ヴェルゼリア軍が使用する魔法を選択
以上の流れでプレイヤーの自由にゲーム内容を設定する事が可能であり、ゲームが始まった後はシナリオモードと同じ流れとなる。
このゲームモードは本当に自由にシチュエーションを設定できるので、味方を強力なユニットだけにして無双プレイを楽しむのもよし、逆に厳しい条件でのマゾプレイを楽しむもよし、シナリオモードでは無かった組み合わせの戦いをやってみるのもよしと、幅広いプレイを楽しむ事ができる。
また他のモードの戦いで苦戦してしまう敵ユニットとの戦い方の研究や、戦場マップの下見やポイントとなる場所での戦闘リハーサルなど、シミュレーターとして利用することも可能な便利なゲームモードだ。
味方を現代兵器部隊に、敵を戦国部隊にして「戦国自衛隊ごっこ」なんて遊び方もできるぞいw
歴史は我々に何をさせようというのか?
対戦プレイも可能?
ちなみにこれはPCエンジン版だけの機能なのだが、PCエンジン版ではシナリオモードとコンクエストモードのみ、1人がエルスリード軍、もう1人がヴェルゼリア軍となって対戦プレイをする事が可能であった。
そのうえ、対戦プレイでなくてもプレイヤーがヴェルゼリア軍となってシナリオモードやコンクエストモードをプレイできるようにもなっており、これはパソコン版にも是非欲しかった機能だと思う。
戦役を戦い抜く《キャンペーンモード》
キャンペーンモードとは
そして最後の「キャンペーンモード」だが、こちらはこれまでの「シナリオモード」と「コンクエストモード」を掛け合わせて+αしたようなモードであると言って良いだろう。
まずキャンペーンモードは、シナリオモードのようにシナリオ単位でゲームを進めていくのだが、こちらは必ずシナリオ1から始めてシナリオ2、3…シナリオ25と順番にクリアしていく必要がある(クリアまでのプレイ時間が相当長くなるので、1シナリオクリア毎にセーブが可能)。
次にキャンペーンモードでは、コンクエストモードのようにゲーム中でプレイヤーが使用するユニットをプレイヤー自身で選択する事が可能となっている。ただしユニット選択の際には、ポイントを消費する必要があるため、コンクエストとは違い何でもかんでも自由に選べるわけでは無い、というのがこのモードの"ミソ"である。
キャンペーンモードの流れ
キャンペーンモードでは最初に"50ポイント"がプレイヤーに与えられる。そしてプレイヤーが欲しいユニットを選択すると、そのユニットの"消費ポイント"がポイントから差し引かれる仕組みになっているので、プレイヤーは与えられたポイントの範囲内で自軍を編成していく必要がある。
当然だが、強いユニットほど消費ポイントは高く、弱いユニットほと消費ポイントは低い。限られたポイントで最良の軍団を編成するのは、プレイヤーのユニットへの理解度が試されるところだろう。
自軍の編成が終わったら、今度は次の戦いに出陣させるユニットを選択し、次の戦いで使用する魔法を選択する事でゲームがスタートし、それ以降は基本的にシナリオモードと同じで、敵を全滅あるいは退却させる事で1シナリオがクリアとなる。
ちなみに、生き残った味方ユニットは次のシナリオでも引き続き出陣が可能になり、かつ前の戦いで消耗した耐久力については全回復する。ただし、前の戦いで死亡したユニットについては復活することはない。
勝利ポイントが勝利の鍵
さて他のゲームモードとは違って、キャンペーンモードではこの1つのシナリオのクリア後が非常に重要な部分となってくる。
と言うのも、クリア後にはエルスリード軍とヴェルゼリア軍の"勝利ポイント"というのが表示されるのだが、なんとこの勝利ポイントの半分がユニット選択用のポイントに加算されるからだ。そして合計のポイントで失ったユニットを補充、新たなユニットの加入を行って次のシナリオへ進む事になる。
この"勝利ポイント"というのは、その戦いで倒した敵ユニットのに設定された必要ポイントを合計したものになるのだが、退却したユニットの分はポイントに加算されない仕組みになっているので注意が必要だ。
そのためキャンペーンモードでは、出来るだけ敵を退却させないで、出来るだけ多くの敵ユニット(特に高ポイントのユニット)を倒して勝利ポイントを増やし、かつ味方ユニットは損失しない、そんな難しい戦い方を求められることになるだろう。
敵は逃がさず全滅を目指し、味方は損害を出さないようにする…いやーそれは厳しいわよ(汗
なのでシナリオモードやコンクエストモードで、十分な経験を積んでから挑戦するのがベストなゲームモードじゃろうな
《特徴2》魔法とユニットの変化
前作から一新された《魔法》
魔法はどう変わった?
本作「ガイアの紋章」が前作「エルスリード」から大きく変更された部分について、ゲームモード以外で挙げるとすればそれは間違いなく"魔法"の仕様が一新された事だろう。
元々エルスリードでの魔法は「戦略モード」にて使用し、それが「戦術モード」に影響を及ぼすものもあったが、殆どは戦略モードに影響するものだった。しかし本作では戦略モードそのものが無くなってしまったため、魔法自体も大きく変わらざるを得なかったと思われる。
ではまず魔法の種類からだが、魔法は前作の6種類から一気に増えて15種類になり、そのうち「攻撃」と「防御」の魔法を残して他は全て撤廃、戦術マップで効果のあるもののみに変わった(攻撃と防御の魔法も名前は変更されている)。
魔法の一覧
「ガイアの紋章」で登場する魔法は以下の通り。
魔法 | 説明 |
---|---|
力 | 50%で追加ダメージ |
剣 | 攻撃回数が1増える |
技 | 命中確率が20%増える |
甲 | 50%でダメージを無効化 |
鋼 | 耐久力が2増える |
加速 | 移動力が2倍になる |
減速 | 敵の移動力が1/2 |
靄 | 全ユニットの射程が1/2 |
霧 | 全ユニットの射程が1に |
風 | 靄、霧の効果を無効化 |
稲妻 | 敵の全ユニットに攻撃 ※1 |
雷雲 | 20%で敵の全ユニットを攻撃 |
竜巻 | ユニットが15(20)%で消失 ※2 |
時空 | 自軍が地形効果を無視できる |
圧迫 | 10%で敵ターンを無くす |
※2…効果はシナリオ開始時1回のみ。自軍は15%、敵軍は20%で消失
魔法の使い方
本作において使用できる魔法は、シナリオ開始時にプレイするシナリオ毎に決められた3種類の中から1つだけ選ぶと言うように限定されており、好きな魔法がどれでも使用できるという訳では無くなった(ちなみにコンクエストでのみ、3種類の魔法は自分で設定できる)。
シナリオ開始時に選択した魔法は、毎ターン最初に"詠唱判定"を行い成功した場合はそのターンに魔法の効果が発揮される(魔法の詠唱成功率は魔法ごとに固定)。ただし「カ」や「甲」の魔法は、詠唱成功とは別にユニットが攻撃した際、あるいは攻撃された際に個別で魔法の"判定"を行うものもある。
魔法は基本的に毎ターン効果が起きるものが殆どなのだが、中にはシナリオ開始時に1回だけ効果を発揮するものや、相手が特定の魔法を使用している場合にのみ効果が発生するものなどがあり、使用魔法の選択についてはプレイヤーの理解と経験が重要になってくるだろう。
相手が何を使ってくるかも予想して、魔法を選らばないといけないのかぁ…
まあぶっちゃけ、嫌な魔法を敵が選んだらリセットするっていうのもアリなんじゃがw
大幅に増加した《ユニット》
ユニットはどう変わった?
次の大きな変更点としては、大幅に追加されたユニットだろうか。
ユニットの種類はエルスリードの正規軍だけでも前作の7種類から15種類に大きく増え、さらにEXシナリオに登場し、かつプレイヤーが使用できるユニットが8種類存在しているので、トータルではなんと23種類にも増えた。
その中でも特に目を引くユニットはやはり"水上ユニット"だろうか、「アクアファイター」「タートルナイト」「アクアナイト」「ガレーシップ」などは、前作では空中ユニットしか通れなかった"水上"の地形を、地上と同じように移動する事が可能なのだ。
本作では水上の地形が多いマップや、殆どが水上のマップなども追加されているので、そういった場面で水上ユニットは欠かせない存在となるだろう。ただ逆に言うと、そういう場面以外での水上ユニットの活躍は微妙になるとも言えるのだが。
自軍ユニットの一覧
本作に登場し、プレイヤーが使用することができるユニットは以下の通り。
エルスリード軍 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ユニット名 | 耐久 | 移動 | 範囲 | 回数 | 特殊 |
ライトロード | 6 | 2 | 5 | 2 | 反撃 |
グランディーノ | 8 | 2 | 2 | 3 | |
ファルコンナイト | 2 | 6 | 1 | 2 | 空中 |
ライトナイト | 4 | 4 | 1 | 2 | |
ファイター | 2 | 2 | 1 | 1 | 反撃 |
アーチャー | 1 | 2 | 3 | 1 | 対空 |
ホワイトドラゴン | 40 | 5 | 2 | 12 | 空反 |
アーマーナイト | 6 | 2 | 1 | 2 | 反撃 |
ドラゴンナイト | 6 | 6 | 2 | 2 | 空中 |
クロスボー | 1 | 1 | 6 | 2 | 対空 |
アクアファイター | 1 | 2 | 1 | 1 | 反撃 |
タートルナイト | 10 | 1 | 1 | 1 | |
アクアナイト | 3 | 4 | 1 | 2 | 水専 |
ガレーシップ | 6 | 3 | 5 | 2 | 水専 |
シビリアン | 1 | 2 | 1 | 0 | 反撃 |
EXユニット | |||||
ユニット名 | 耐久 | 移動 | 範囲 | 回数 | 特殊 |
74式戦車 | 9 | 4 | 8 | 5 | |
現用歩兵 | 1 | 2 | 5 | 2 | |
AH-1コブラ | 5 | 6 | 6 | 7 | 空中 |
ジープ | 2 | 5 | 5 | 3 | |
足軽 | 1 | 2 | 1 | 1 | 反撃 |
騎馬武者 | 2 | 4 | 1 | 2 | 反撃 |
鉄砲 | 1 | 2 | 5 | 2 | 対空 |
忍 | 2 | 3 | 1 | 3 | 反撃 |
空中…移動に地形の影響を受けず、かつ相手からの攻撃が当たり難くなる。
対空…空中ユニットへの攻撃が当たり易くなる。
空反…空中と反撃と両方の特殊能力を持つ。
水専…水上専用ユニット。地上へは上がれない。
気のせいかしら?攻撃回数0っていうユニットが見えるんだけど…
「シビリアン(民間人)」じゃな。民間人じゃから戦闘能力はないんじゃよw
注目の新ユニット
また水上ユニット以外で注目したいのは、「アーマーナイト」「ドラゴンナイト」らの前作から既存ユニットの上位互換ユニットだ。特にアーマーナイトは、ファイターから大きく耐久力が増した事と、特殊能力"反撃"が組み合わさり強力な壁役が期待できる。
さらに「ドラゴンナイト」も「ファルコンナイト」から耐久力が上がって更に射程が2になったこともあり、高い移動力も相まって揺動や奇襲、援護だけでなく、前線をも任せられるほど幅広い活躍を期待できるユニットだ。
この2種類がシナリオモードに登場するときは特性を活かして使用したいし、キャンペーンモードでは自軍の要として積極的に加入させ、そして大事に使ってていきたいところである。
その他のちょっとした変更
ユニットの攻撃回数
最後にちょっとした事だが、ユニットの攻撃演出についても変更があった。
例えば前作では攻撃回数が3の「グランディーノ」の場合、一度攻撃命令を出すと攻撃の演出が3回行われ、演出1回毎に命中判定を行っていた。そのため攻撃回数が多いユニットが沢山いる戦場だと、1ターンがどうしても冗長になっていたのだ。
それに対して本作では、3回攻撃可能でも一度の攻撃命令で行われる攻撃演出は1回のみとなり、その1回で命中判定を3回行う仕様に変わった事で1ターンの冗長さが無くなったのである。
ユニットの耐久表示
また前作では敵と隣接していると、そのユニットの耐久力が確認できない問題があったが、本作では敵と隣接しているユニットでも確認できるように変わっている。
それぞれ小さい変更じゃが、こういう積み重ねによって本作は前作よりも間違いなく遊びやすくなっていると言って問題ないじゃろう
不満があったような場所を、ちゃんと改善するのは良い会社の証ね!
《総評》現代のシミュレーションRPGに繋がる作品?
「ガイアの紋章」の総評
本作「ガイアの紋章」は、前作「エルスリード」を構成していた"戦略モード"と"戦術モード"から戦略モードを撤廃しゲームとしてその半分を失いながらも、残った戦術モードに新たに異なる3つの遊び方を与えることで、前作を上回る遊び甲斐のある作品になったと言えるだろう。
しかし、いくら遊び方が3つあったところで結局は同じ"戦術モード"でやることも同じじゃないか」と思うかもしれないが、そこは"勝利ポイント"の存在によって、うまくゲームモードの差別化が図られていたと言えるだろう。
とうというのも、シナリオモードやコンクエストモードは"勝利ポイント"がゲームに何の影響も与えないので、どれだけ損害を受けようとも最終的に勝てばOKなのであるが、キャンペーンモードはユニットの補充や加入に"勝利ポイント"が大きく影響する。従って敵は多く倒しつつも味方の損害はゼロに抑えるという全く別の戦術を練らなければならず、でなければ最悪ゲームが行き詰ってしまうのだ。
なので、"勝利ポイント"のおかげでゲーム部分は同じであってもその性質は全く違うものになったのだ。ここは「ガイアの紋章」という作品の大きく評価して良いところではないだろうか。
シミュレーションRPGの礎か?
ここまで「ガイアの紋章」を紹介してきてふと考えたことがある。
本作のシナリオモードは、ガイア大陸の戦役を綴ったシナリオのストーリーを追いつつ、そのシチュエーションで定められた戦闘を戦うモードだった。そしてキャンペーンモードは、自身で編成した軍団を極力生き残らせるように戦い、さらに自軍にユニットを加入させ強化させていくモードだった。
この2つのゲームモードが合わさると、シナリオ毎にストーリーとシチュエーションがあり、その中で味方を失わないように戦い、味方を増やして自軍を強化していくシミュレーションゲームになる。すなわち本作は成長要素こそないが、後の「ラングリッサー」や「ファイヤーエムブレム」などのシミュレーションRPGの礎となった作品なのではないだろうか。
少々大げさかもしれないが、これが今回筆者が「ガイアの紋章」という作品を通して感じた事であったのは確かなことである。皆さんはこの「ガイアの紋章」という作品を通して、何か感じた事はあっただろうか?もしあったら、是非コメントで教えていただきたい。
遊びたくなったら?
もし今回の記事を読んで「ガイアの紋章に触れてみたい」とか、「ガイアの紋章をまた遊んでみたい」と思った方は、以下のサイトを参考にして欲しい。
パソコン版
レトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」にてPC-8801版が現在配信中。対応機種が版Win10より古いものになっています。筆者のWin10環境で動作確認はできていますが、購入については自己責任でお願いします。
PCエンジン版
PCエンジン版はレトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」、及び任天堂「バーチャルコンソール」にて現在配信中。同じく対応機種など購入については自己責任でお願いします。
≫EXIT
お疲れ様でした!
今回の記事はどうだったかの?何か感じた事があればどんなことでもコメントに残してくだされ。それと当ブログは以下のブログランキングに参加しておる。クリックして貰えるとわしの「やる気」がめちゃアップするぞい!
いつもバナークリックや拍手していただいて、誠にありがとうございます!
コメント
>ユニットを鍛え上げる楽しみ
HEX形式だと川中島の合戦(光栄)、HEXZOC形式だと大戦略(システムソフト)などが基礎的作品になるとは思うのですが、ここにユニットの成長をストーリーに
加味することによってよりエンターテイメント(ゲーム)性が増した感じがします。
大戦略(初代)でもユニットレベルはあったもののあくまでマップ単位での成長なので、次のマップへの引き継ぎは「マスターオブモンスターズ」や「キャンペーン版大戦略Ⅱ」などを待たなくてはなりません。
その中でエルスリード、ガイアの紋章は、SLGでも稀有なゲームだと思います。
と記載していたら、ファーストクイーン(呉ソフトウェア工房)を思い出しました。
>>1
>エンターテイメント(ゲーム)性が増した
ここは本当にガイアの紋章の大きな功績だったと思いますね。最初のシチュエーションだけ決まってて、あとのストーリーはプレイヤーが創造していくと言うのも良いんですがね。やはり続いていくストーリーがあると、プレイヤーのの没入感も全然違いますし。
>「マスターオブモンスターズ」や「キャンペーン版大戦略Ⅱ」など
ガイアの紋章に唯一足りなかったのは、やはりユニットの成長要素でしたね。それさえあれば、ラングリッサーを出す前にシステムソフトと肩を並べるシミュレーションゲームの大手になっていたかもしれませんw
>ファーストクイーン
実は遊んだ事ないんですよね。いつか扱ってみたいものです。