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『ファーランドストーリー』当時のパソコンSLG界のブルーオーシャンを狙った作品?【クラシックゲーム紹介】

元帥の塔 16F/No.0119

本記事は、2012年11月3日に書かれた同作品の記事をリメイクしたものです。

さて今回も過去記事のリメイクになるんじゃが、今回はあることがきっかけでリメイクすることを決定したぞい!

ある事って?

なんとProjectEGG様にて、2023年04月25日よりこの「ファーランドストーリー」が販売開始されたんじゃ!

他にも「EDGE]とか「ソードダンサー」とかTGL作品が発売開始してるみたいね?

という訳で、これを機に本作を皆にも遊んでほしいという気持ちで、今回この記事をリメイクすることに決めたんじゃよ(興奮

なるほど、ではそういう訳なので入ってみてください、元帥の塔 16Fよ!

台詞とられた…

本記事を読み進める前に…

本記事を読み進める前に、以下の点についてご了承願います。

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  • 記事に書かれている内容についてはあくまで投稿時の状況や筆者の認識であり、現在の状況や筆者の認識と必ずしも同じではない場合があります。ご了承ください。

また本記事はこんな人向けに書かれています。

  • 「ファーランドストーリー」という作品を知らない。
  • 名前くらいしか知らない。
  • 知っていた筈だけどもう忘れた。

「ファーランドストーリー」とは

基本情報

タイトルファーランドストーリー 遠い国の物語
シリーズファーランドストーリー
ジャンル戦術シミュレーションゲーム
発売年1993年
販売/開発TGL
発売機種PC-9801など
前作なし
次作ファーランドストーリー伝記 アーク王の遠征

 「ファーランドストーリー 遠い国の物語」は、1993年に「TGL」よりPC-98用に発売された”ファンタジーシミュレーションRPG”です。後にシリーズ化し、1994年には続編となる「ファーランドストーリー伝記 アーク王の遠征」が発売、さらに1996年までには全8作が発売される人気シリーズとなりました。本作はその記念すべき第一作品目になります。

 また本作はスーパーファミコンやPC-FX、プレイステーション、セガサターンなど家庭用向けにも移植されていますが、パソコン版とは仕様に若干の違いがあるため、本記事ではPC-98版を基準に説明していこうと思います。

どんなゲームなのか?

 ではまず「ファーランドストーリー」という作品が、どういうゲームなのかというところから説明していきましょう。

 本作「ファーランドストーリー」は、ジャンルで言うと“シミュレーションRPG”に類する作品であり、プレイヤーは主人公の「アーク」となって自軍の部隊(ユニット)を操作し、ステージ毎に設定されたマップ上の敵ユニットを全滅させる事でステージクリア、次のステージに進むということを繰り返すステージクリア型の“戦術級”シミュレーションゲームとなっています。

 本作に近いタイプのゲームとしては、正にシミュレーションRPGの先駆け的作品である「ファイアーエムブレム(1990年/任天堂)」や、「ラングリッサー(1991年/メサイア)」、そして「シャイニングフォース(1992年/セガ)」などが該当しており、本作は1990年以降のこれらシミュレーションRPG台頭の影響を受けて登場した作品では無いかと思われます。

どんな特徴があるのか?

 1990年以降登場し始めたファイアーエムブレム、ラングリッサー、シャイニングフォースなどのシミュレーションゲーム(以下SLG)には、それまでの「大戦略シリーズ」や「マスターオブモンスターズ」などのSLGとは大きく違う特徴を持っていました。そしてそれは本作「ファーランドストーリー」にも備わっていた特徴で、主に以下の3つになります。

  • 主人公と敵味方含めて、ユニットにキャラクター性が備わった事。
  • そのキャラクター達を中心に、ゲーム全体でストーリーが展開する事。
  • ユニットは生産や召喚ではなく、ストーリー展開の中で増えていく事。
ユニット一つ一つに”キャラクター性”が与えられていて、そのキャラクター達によってゲームの中でストーリーが描かれていくのが、シミュレーションRPGの大きな特徴だろう。

 シミュレーションRPGなのだから成長して強くなることも特徴じゃ無いのか?と思う方もいるかもしれません。確かにそれも特徴の一つなのですが、ユニットが戦闘を重ねて強くなるのは「現代大戦略」という大戦略シリーズの最初の作品から既にあったものなので、ここでは敢えて挙げませんでした。

まあ確かに戦って成長するってんなら、「三國志」シリーズの一部なんかもシミュレーションRPGになるわね?

 個人的にですが、ファイアーエムブレム以降登場するシミュレーションRPG作品は、単にRPGのようにユニットが成長すると言うだけでなく、まるでRPGのようにキャラクター(ユニット)達が”ドラマチックなストーリー”を繰り広げる、という意味でシミュレーション”RPG”とさ銘打たれているのではないかと考えています。

どんなストーリーなのか?

 では本作のストーリーとはどのようなものなのでしょうか?それについては、以下のようなものになっています。

 あるところに人間、エルフ、ドワーフ、セイレーンの4種族が生きている世界がありました。

 今から数百年前、この世界に魔界から「魔王」が現れ侵略を開始しますが、4種族の協力により魔王は魔界に追いやられます。その後魔界への入り口は封印が施され、封印の鍵は各種族の代表に託されます。そして封印を見守るためにそこに王国(後のフェルサリア)が築かれたのでした。

 そして現在より10年前、フェルサリア王国の王妃が病で亡くなり、国王は新しい王妃を迎えたものの、その後国王も病に倒れてしまいます。国王は王妃に国の全権を委ね、王妃とその娘、そして先代王妃との間にできた王子を残して息を引き取ったのです。

 その後王妃はフェルサリア女王を名乗り国政を執ることになるですが、ある日を境に突然王都と各地との連絡が途絶えてしまいます。さらに王都周辺には怪物が徘徊するようになり、やがて王都から現れた謎の軍団が、怪物どもを率いて各地を襲い始めたのです。

 人々は彼らを「魔軍」と呼び恐れました。

 そして現在。魔軍によって親を奪われた子供たちが住む村に、アークという少年とその幼馴染みのフェリオという少女が住んでいました。2人とも幼いころに魔軍により両親を失い、この村の長に助けられていたのです。そしてアークが18歳になったころ、彼が剣の師匠であるランティアと修行に出ている間に、村が魔軍に襲われたとの連絡が入ります。

 こうしてこの物語の主人公アークの、壮絶な戦いの幕が上がるのでした。

これは、アークの出生が匂うストーリーね!

ぷんぷん匂いますなぁw

基本的なルール

ゲームの流れ

 本作はステージクリア型のシミュレーションゲームとなっていて、ステージ毎に決められたマップ上に配置されている敵ユニットを自軍のユニットで倒していき、全滅させられればマップクリア、次のステージに進めるという仕組みになっていました。
因みにステージは、全部で14ステージ用意されています。

各ステージのマップには、初期状態で既に敵が配置されている。基本的にはこの配置された敵を全滅させればステージクリアだ。

 また本作はターン制となっていて、各ターンの最初に味方の行動順(フェーズ)があり、その後敵の行動フェーズがあってターンの終了、次のターンに移行と言うのをステージクリア(またはゲーム終了)まで繰り返す流れでした。

 各フェーズではユニットの移動、敵ユニットへの攻撃(味方ユニットへの回復)、またユニットの装備変更やアイテムの使用などが行えますが、本作はフルマウスオペレーションとなっており、それらの行動は全てマウスによるカーソル移動と、ユニットやコマンドウインドウを選択(クリック)する事で実行が可能です。

 マウスでの操作については、かなり直感的に操作できたのでストレスフリーであり、またここがこの頃マウスが標準装備だったPCの強みだと感じられるところでしたね。

特にユニット数が多くなってくると、キーボードやコントローラーでは目的のユニットにカーソルを合わせるのも大変だったりするからのう…

これはマジで、マウスが使えるパソコンの強み!

ユニットの存在

 本作に登場するユニットは、大戦略シリーズやマスターオブモンスターズなどのユニットとは扱いが大きく異なっていましたので、先にここで説明して置きましょう。

 まず第一に、例えばかつて魔軍に両親を殺された主人公の「アーク」、アークの剣の師匠である騎士の「ランティア」、そしてアークの幼馴染の司祭「フェリオ」というように、本作では1つ1つのユニット毎に“名前”と”キャラクター性”が与えられていました(少なくとも味方は全員)。

少なくとも味方ユニットについては「名もない兵士」などではなく、全てのユニットに名前とキャラクター性が与えられているので、ゲームを続けていくと次第に愛着がわいてくる。

 第二に、ユニットはプレイヤーの意思で増やす(生産や召喚、雇用する)事は出来ず、本作ではプレイヤーがゲームを進行させる事でストーリーが進んでいき、その中で登場する人物が新たな仲間(ユニット)として戦線に加わると言うものになっています。

 味方には名前もキャラクター性も無い、所謂モブキャラクターのようなユニットは存在しないため、捨て駒や使い捨てにできるユニットは存在しないと言えるでしょう。因みに敵のユニットについては、ステージボス以外その殆どがモブキャラクターです。

 因みに大戦略やマスターオブモンスターズなどの機種や種族にあたるものも、本作では“職業(クラス)”として存在しており、職業毎に特性や職業同士の相性などが設定されています。また特定の条件を満たす事で、上位の職業にクラスチェンジする事も可能でした。

 ユニットの特徴についてはまだ幾つかありますが、一旦ユニットの説明についてはここで止めて話を先に進めましょう。

ゲームの終了

 ゲーム中の各ユニットにはそれぞれHPが設定されており、攻撃を受ける事でHPが減少していき、0になると敵ユニットはマップから消滅、味方ユニットは”戦闘不能”となってしまいます。戦闘不能になったユニットは、回復を受けるか特定のアイテムを使用する事で復帰できますが(ペナルティ有)、主人公のアークだけは”例外”となります。

 例外というのは、本作においてゲーム中に主人公であるアークが戦闘不能になると、如何なる状況であったとしてもその時点でゲームは終了、つまりゲームオーバーとなるからです。アークは他と比べて強い部類に入るユニットですが、とは言え考えなしに動かすとあっという間に戦闘不能になるので、運用には気を配りましょう。

アークは主人公と言えど、ゲーム内では1つのユニットに過ぎない。無茶な運用をすればあっという間にゲームオーバーの憂き目にあうことも…。

 将棋で言うところの王将にあたる、ゲームの勝敗を分ける存在が最前線で戦う事になる、と言うのもシミュレーションRPGによく見られる特徴と言えるかもしれませんね。

実際にゲームの進めてみよう

 本作のゲームシステムは特に複雑なものではないので、ここでは実際にゲームをプレイしていくような流れでシステムを説明していこうと思います。

ステージの開始

 では早速ステージ1を始めていきましょう。各ステージの最初には、味方ユニット同士が会話形式のやりとりで、現在の状況を説明してくれます。

 ステージ1では、剣の修行を終えて村の近くまで帰ってきた「アーク」と「ランティア」のところに、村の神殿に務めるプリーストの「アリシア」がやってくるところから始まります。アリシアの話では、どうやら村は魔軍に襲われてアークの幼馴染である司祭の「フェリオ」が行方不明になったとの事です。それを聞いてアークは直ちに村に向かう事を決めるのでした。

 こちらがステージ1の全体マップ。アークたちはマップの左上から行動開始となり、目的となる村は一番南にありますが、村を守備するように敵ユニットが5体配置されています。さらにマップ中央あたりにも村が一つあり、こちらにも守備の敵ユニットが4体配置されています。

 本作ではこのように敵は初期段階で既に配置されており、ステージによって増援が来る場合があるものの増援の数は決まっていますので、基本的には決まったユニット数同士での戦闘になります。

 そのうえでステージクリアするためには敵ユニットを全滅させる必要があり、また全体を通して味方ユニット数のほうが圧倒的に少ないので、プレイヤーは如何にして不利な状況にならないように戦うかを考え、進軍ルートを決めていかなければいけないでしょう。

ここが、この手のシミュレーションRPGにおける醍醐味じゃよな

ユニットの移動

 進軍ルートを頭の中で決定したら、実際にユニットを移動させていきましょう。ユニットを移動させるには、移動させたいユニットをマウスカーソルでクリックし、右下に出るコマンド一覧から”移動”を選択するとそのユニットの移動できる範囲が表示されます。

 その後移動したいマスをクリックすることで移動は完了します。尚、移動できる範囲はそのマス目の地形によって影響され、特に森林や荒れ地では極端に移動範囲が限定されるのですが、空を飛べるユニットや、地形に対する特性のあるユニットはその影響を受けません。

 因みに、移動後にそのユニットが攻撃可能な範囲に敵ユニットがいた場合、そのまま攻撃に移ることが可能です。

敵ユニットへの攻撃

 マップ中央の村に向かって進軍していると、村を守っていた敵ユニット(魔軍兵)がアークたちを発見して接近してきました。では魔軍兵に攻撃してみましょう。攻撃は移動後に攻撃可能範囲内に敵がいるか、敵が攻撃可能範囲にいる状態でコマンドから”攻撃”を選ぶことで可能です。

 ユニットは装備している武器によって近接攻撃、遠距離攻撃、魔法攻撃が可能で、中には一つの武器で近距離と遠距離両方に対応できるものもあります。ナイトのランティア(画面中央の鎧を着たユニット)が装備している「ランス」がまさにそれで、隣のマスにいる敵と1マス離れたところにいる敵とどちらにも攻撃が可能です。

 ランティアを魔軍兵から1マス離れたところまで移動させて移動を終えると、ランティアが攻撃可能な範囲にいる魔軍兵に”剣のマーク”が表示されるので、攻撃したい相手にマウスカーソルを合わせてクリックで選択すると戦闘が実行されます。

 すると戦闘画面が開き、ランティアが投擲したランスが魔軍兵に命中、18ダメージを与えることができました。通常であればこの後敵の反撃が来るのですが、魔軍兵は近接攻撃しかできない武器しか持っていない為、ランティアの遠距離攻撃に対し反撃ができません。

てか、戦闘画面のチビキャラ可愛いなw

攻撃のアニメーションがちゃんと動くだけじゃなく、攻撃を喰らった側のアニメーションもちゃんとあるのが地味に凄いんじゃよな

かわいい顔して、思いっきり助走をつけて敵をメイスで殴るアリシアw

 ランティアの攻撃により瀕死になった魔軍兵に、アリシアを接近させ近接攻撃でとどめを刺すことに成功、敵を倒したことでお金(ゴールド)とアリシアには”経験値”が入ります(ちなみに攻撃をしただけでも若干経験値は入る)。本作ではこのように、遠距離武器で反撃できない相手のHPを削って近接ユニットでとどめを刺す戦法が有効です。

 因みにアリシアはプリーストなので、HPが減った味方を回復させることが可能です。本来はそれがメインの役割なのですが、実は本作では味方への回復行為で経験値が入らない為、こうやって回復役も成長させるために戦わせる必要があるんですね。

お金の使い道と稼ぎ方

 先ほど、敵を倒したときにはお金(ゴールド)が手に入るという話をしました。しかしよく考えてみたら、こういうSLGでお金が手に入ったとしていったいどうやって使うんでしょうか?

 実は本作では、マップの中に敵によって占領されてしまっている村が存在し、そこに居座る敵を倒して村の中に入るとその村を開放したことになり、貯めたお金で”買い物”ができるんです。

最初の村にはロングソードが売っていた。非常に親切なことに、装備時の効果や装備可能クラスの説明もしてくれる。

 村で買えるものは主に武器とアイテムの購入が可能で、ラインナップは村によって変わります。そして買ったものはどのユニットが買ったものであっても全ユニット共通の持ち物として管理されるので、ゲーム中であればいつでも好きな時に誰でも使う事が可能です。ただし、武器は設定されているクラスのユニット以外は装備できません。

アイテムを事前に所持させたり、途中で受け渡しとかしなくていいのは地味に便利ね?

 尚、基本的にユニットの武装の強化は店からの購入になり、また売られているものの中には使用したユニットの能力値を上昇させられる便利な物もあるので、お金はしっかり稼いでおきましょう…とはいったものの、敵は決まった数しかでてこないので得られるお金も決まっているのでは?と思うかもしれません。

 確かにそうなのですが、実は敵を倒す以外にもプラスでお金を得る方法が本作にはあります。マップをよく見てみると、マップの中に何カ所か”お花畑”がある事に気が付くでしょう。実はこのお花畑にユニットを停止させると”宝箱”を見つけることができ、その中からお金やアイテムを入手することができるのです。

 中には結構な額のゴールドや、重要なアイテムが入っている宝箱もあるので、マップ上にお花畑を見つけたら行ってみる事をお勧めします。ただし、行ってみても何もない花畑だったり、花畑じゃないところに宝箱がある場合もありますので注意は必要ですね。

花畑じゃないところでも、あからさまに「何かある?」って感じの怪しい地形だったりするので、ちゃんとマップを確認していれば結構気が付けると思うぞい

マップボスとの対決!

 中央の村を魔軍から解放した後、アークたちを南下させ最終目的地であるアークたちの村へ向かいます。そこで迎撃してきた魔軍兵との戦闘の中で、アークとランティアがレベル2になりました。

 レベルが上がると、このように何の能力値がどれだけ上がったかをちゃんと解りやすく見せてくれます。この辺も表現力の高いパソコンゲームならではのものでしょうかね?

 そしてなんやかんやで雑魚の魔軍兵を全て倒し、残ったのは村に居座る「魔軍隊長」なるこのマップのボスユニットのみ。こいつはクラスがナイトで、ランティアと同じくランスを装備しているので今までの魔軍兵と違い近距離も遠距離も対応できるユニットです。

 そのうえ魔軍隊長は村の上にいるので、地形による防御効果も得ています。これまで以上に、戦い方もちゃんと考えないと損害が増えるかもしれません…

 なんて思っていたら、黒騎士からの遠距離攻撃を受けたランティアの反撃が”クリティカルヒット”し、あっという間に魔軍隊長のHPが瀕死状態に。まだレベル1だったアリシアですかさず魔軍隊長を撲殺、見事ボスを討ち取ったアリシアもレベル2になることができました。

魔軍隊長のやられ顔も可愛いw

ステージの終了

 全ての敵ユニットを排除して目的地である村に入るとステージクリアとなり、ステージ開始時と同じように会話形式でストーリーが展開されます。

 村の中に「フェリオ」の姿は無く、ただフェリオからの手紙だけが残されていました。それによるとどうやら、この村を襲った黒い鎧の騎士(さっきのボスではない)の目的はフェリオをさらうことにあったらしく、それを知ったフェリオは同じ神殿にいるプリーストの「メル」と村からの脱出を試みたようです。

 しかし先ほどの魔軍隊長は、死ぬ間際に「既に女司祭は黒騎士とともに遥か彼方だ」と言っていたので、どうやらフェリオたちは脱出に失敗して「黒騎士」とやらに捕まってしまったのだとアークは理解します。こうしてアーク、ランティア、アリシアの3人は、さらわれたフェリオたちを助け出す旅に出るのでした。

 と言う感じでこれにてステージ1は終了となり、続いてステージ2に挑戦するという流れになります。

おまけ。新たな仲間の加入

 最後に、ステージ1では起きませんでしたが、本作ではユニットを自分で増やすことができない代わりに、ストーリーを進行させることで新たな仲間が加わるという形式になっていました。

 その例として、ステージ2ではマップの途中にあるドワーフの村を解放するとドワーフの「ゴダール」が仲間に加わり、マップの最後で橋を守っているバーサーカーの「ドカティ」という男はアークとの一騎打ちを望んできますが、それに勝つことができればアークの力を認めて仲間になってくれます。

 本作ではこのような感じで仲間を増やしていく訳ですね。ちなみにこのドカティさん…

 見た目がまんま「デス・アダー(ゴールデンアックス)」です。

格好だけじゃなく、斧も金斧じゃからのう…

揺るぎねえな!

まとめと感想など

 では本記事の最後に、ここまでのまとめとこの作品に関するちょっとした感想を。

まとめ

 まとめると「ファーランドストーリー」とは、大体このような作品だったといえるでしょう。

  • 「ファイアーエムブレム」や「シャイニングフォース」などの影響を受けたシミュレーションRPG。
  • ステージクリア制で、ステージマップ内の敵を全て倒せばクリア。ステージは全部で14ある。
  • ユニット1つ1つが”キャラクター”を持ち、ユニット同士のやり取りによって物語が展開される。
  • 敵味方共にユニットを生産などで増やすことは出来ず、基本決まったユニット数同士での戦いになる。
  • 基本的にユニット数ではプレイヤー側が劣るので、不利にならない戦術的な立ち回りを要求される。
  • 複雑でないシステムと、フルマウスオペレーションによるストレスフリーな操作感覚。

個人的な感想など

 正直に言ってしまうと、本作ファーランドストーリーという作品は”ファイアーエムブレムっぽい作品をPCで発売した”だけの作品と言われてもしょうがないかもしれません。それほど目立った”個性”が感じられないというか、そこを16ビットパソコンの表現力で何とかねじ伏せた感じと個人的には受け取れました。

 ただ当時パソコンSLGの世界では、「信長の野望」や「三國志」のシリーズが波に乗ってきていたり、「プリンセスメーカー」から始まった育成シミュレーションが花開いた時期でもあり、とにかく複雑で数字とにらめっこする難解なシステムが主流だったという印象が個人的にあります。

 そんな中でシステムは解りやすくUIも遊びやすい、それでいて戦術SLGとして遊びごたえが十分にあったこの「ファーランドストーリー」は、少なくともあの時代のパソコン市場における”ブルーオーシャン”に見事に着水したのではないでしょうか?あくまで個人的な意見ですが。

 筆者は当時三國志シリーズにハマっていましたし、「卒業」や「誕生」などの育成シミュレーションも遊んでいましたから、複雑で難しいと感じるシステムが面白くないとは思いません、寧ろそれが楽しかったのも間違いないのでこれはこれで大事なことだと思います。

 ただ一方で、解りやすく遊びやすいシステムというのも同じように同じ量だけ大事なことなんですよね。当時のパソコンユーザーは、兎角パソコンだからできる複雑で難しいものに傾きがちでしたが、この「ファーランドストーリー」によって、そういう事に気が付けたのかもしれません。

 だからこそ全8作品も発売された人気シリーズになったのかもしれませんね。というわけで、パソコンSLGとしては初心者でも遊びやすいこの「ファーランドストーリー」という作品は、今遊んでも十分に楽しめて手ごたえがある作品なので、これを機に遊んでみてはいかがでしょうか?

 ではまた別のゲーム紹介記事で。

速報!

 この記事を執筆している間に、素晴らしい報告が入りました!

 なんと!「ファーランドストーリー 遠い国の物語」に続き、その続編である、「ファーランドストーリー伝記 アーク王の遠征」ProjectEGG様にて2023年05月23日に発売決定となりました!

 まあ来るだろうとは思っていましたが、やはり実際決定すると嬉しいですね。これはPC-98版の全7作もいずれコンプリート出来てしまうのでしょうか?もしかしたら7作まとめてパッケージ販売される可能性もありますね。

 色々込みで今後の情報に期待です!

遊びたくなったら?

 「プロジェクトEGG」様にてPC-9801版が配信されています。興味のある方は購入をご検討ください。
※プロジェクトEGGは、ゲーム購入費とは別に550円の月額費用が掛かります。

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. 魚屋海乃輔 より:

    >シミュレーションRPGの勃興…
    このジャンルの魅力として、兵士一人一人にバックグラウンドを設けて、成長させる動機を
    プレイヤーに与えるという部分にあるのかと思います。
    戦略を重視したシステムのSLGは、そこまでユニット一つの能力に重きを置いていません。
    それこそ大戦略ならF-15を生産するまで待つよりリアジェットを大量に生産して前線投入
    するのが、ゲームでの常道と思います。
    光栄初期の三國志や信長などは、武将能力で決まる部分と武将数で決まる部分とがあります。
    この辺りは戦略SLGの根幹(最低50人ぐらいはいないと統一できない)でしょう。
    やはり戦略SLGは、相手に攻め込まれることを想定して配置をしており、シミュレーション
    RPGは、前進のみの展開なのでストーリーとともに楽しめるゲーム性となったと考えています。

    • songoski songoski より:

      コメントありがとうございます。
      >成長させる動機をプレイヤーに与える
      確かに私なんかだと、この手のゲームは多少弱くてもムサいおっさんより可愛い子を育てたいと思っちゃいますもんね。
      あと同じように「成長させざるを得ない動機」を与えることにもなりますよね。例えば第二次スーパーロボット大戦αのアイビスとかアラドはユニットとして弱いけど、主人公なんで育てないわけには行かないとか、大事なイベントに関わるキャラだから育てざるを得ないとかw
      >光栄初期の三國志や信長などは
      因みに私は名前の通り孫呉好きなので、三國志をやる時は多少能力が劣ろうとも、孫呉武将ファーストで遊んでいます。まあこれも私がキャラクター(武将)に史実のバックグラウンドを与えているからなんですけどね。

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