賢者の塔 19F
No.0059
発売年:1987年
開発元:スタジオWING
ジャンル:コマンド選択式AVG
発売機種:PC-88、FM-7、MSX2
≫ENTER
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「波動の標的」とは
「波動の標的」は1987年に「白と黒の伝説」や「魔界復活」で知られる「スタジオWING」より発売されたアドベンチャーゲームで、PC-88、FM-7、MSX2などで発売されました。
本作は以前紹介した「魔界復活」や「怨霊戦記」のようなホラーものではなく、「白と黒の伝説」や「デストラクション」などのスタジオWINGがお得意な「超能力もの」でした。
作品としては「白と黒の伝説」の後に発売された作品なのですが、特に続編という訳ではありません(ただし作中にちょっとだけ名前は出ます)。
ちなみに画像は冒頭のシーンなんですが、ちょっと角川映画「幻魔大戦」のオマージュ入ってる気がするのは私だけでしょうか?作品のテーマ的にもちょっと似てるしねw
宗教団体の施設で見つけたものは…
ストーリーのほうは、新聞記者である主人公「草薙史郎」は、ある夜一人の易者から「お前は凶星を呼び寄せ、人々に災いをもたらす。」などと不吉な事を言われます。
翌朝、後背記者の坂本に起こされ、ある村で起こった「メサイア教団」の集団自殺事件の取材に出掛けた草薙は、教団の施設の中で不思議な祭壇と絵を見つけました。
取材を終え会社に報告を入れた草薙を待っていたのは、唐突なベトナム派遣取材の指示でした。ベトナムで起こっていると言う「ジャングルの急成長」について調査する為に、草薙は一路ベトナムへ向かいます。
しかしベトナムへ向かう飛行機の機内で…。
とまあこんなお話です。
システムはコマンド選択式
本作のシステムは「コマンド選択式」で、画面に表示されているコマンドに該当する数字キーを押す事でゲームを信仰して行きます。「魔界復活」で正直不便だった、コマンドの数字キーを押して選択、その後リターンキーを押して決定。という二度手間方式は撤廃されていました。
グラフィック面での特徴として、最初に表示された画面から何か動きがあったときに、疑似的なマルチウィンドウのように、前に表示されていた画面の上に重なるように新しい画面が表示される表現方法とがとられていました(日本ファルコムの「アステカ」のような感じ)。
また若干ですがアニメーションもします。
この頃のAVGはもう選択肢のミスで即ゲームオーバーというものは少なくなっていましたが、本作ではちょっと間違えればバンバン死にますし「ハマり」もやたらあります。さらにバグによる「ハマり」もあったりしますw
とはいえ即死になるような罠は理不尽な仕掛けじゃなくて、事前にそれっぽい事が予想できるシチュエーションにはなってるから回避は可能なレベルではあると思います。
(そうでないのもあるけどねw)
全12章もの大ボリューム
本作は全部で12章に分かれていて、そのボリュームは前作の「魔界復活」と比べてもかなり大きいです。とはいえ、ビジュアルシーンのみで終わる章とかもあるので、純粋にゲームとしてのボリュームはそこそこって感じですね。
物語は最初ちょっとホラーな殺人事件捜査から始まり、一転ベトナムでは映画「プレデター」を思わせるようなジャングルサバイバル風に変わり、日本に戻ってくると「幻魔大戦」のようなサイキックウォーものへと変わっていきます。
このように本作にはいろんな内容が詰め込まれてはいるのですが、プレイして思ったのは「ベトナム編」はそのボリュームに対して内容の必要性が薄いということですかね。この部分で伝えたかった事は解るんですが、それはベトナムじゃなくても良かった気がします。
なんか無理矢理尺伸ばし的に、ジャングルアドベンチャーを入れたようにも感じました。
プレイしてみた感想
本作は、前作の「魔界復活」と比べてシステム面で改善されてる点もあるし、ストーリー的な厚みと深みも増しているように感じました。正直プレイする前はあまり期待していなかったのですが、プレイして行くうちにこの後の展開が楽しみ!と感じ始めてもいました。
ただ「魔界復活」のときも言いましたが、あいかわらず1キャラクターに対しての厚みや深みは存在せず。後半主人公の仲間になる超能力戦士達も、ただ単にあるイベントの為に登場し、イベントと共に消えていくというキーアイテムレベルの存在感しかありません。
というかクリアしてなお、主人公のキャラクター像がはっきりしないって言うのはどういう事なんだか。またヒロインも登場しますが、登場するたびに顔が変わるので、最終的にどんな人物だったのかも思い出せませんw
色々急過ぎる展開、思わず「?」っとなるおかしな台詞回し、送り仮名の標記ミスなども相変わらずですが、この辺まで行ってしまうともはやこれが「スタジオWINGの味」なんじゃないかとも思えてしまうのは不思議です。
とはいえ、そういう事は忘れるくらい「音楽は」いい出来でした。
勇壮とか透明感のあるBGMというのとはかけ離れた無骨なサウンドではあるのですが、使用される場面の雰囲気とも非常にマッチしていて、絵とメッセージの表現の弱さを大きくカバーしています。
そこは評価できる部分でした(このメーカー絶対力入れるところ間違えてるよね)。
またストーリー面において、新興宗教の力により日本政府の与党と野党が手を組み、日本を軍事国家に変え、国民から自由を奪い、遂には核ミサイルまで配備したことで、諸外国が日本を危険視し始め、アメリカとソ連(当時はまだソ連でしたね)が手を組み日本を…。という展開は面白かったです。
今の日本を見ていると、安易に「突拍子もない話」とも笑い飛ばせる状況じゃない気もしますね…。
≫EXIT
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コメント
似てるというか「波動の標的」といタイトル自体「幻魔大戦」の主人公が作中で執筆した本のタイトルで「幻魔大戦」が元ネタだって示しているんでしょう
>としさん
> 主人公が作中で執筆した本のタイトル
ほおおーー!マジですか?!それは知らなかったです。
貴重な情報ありがとうございます!なるほど、じゃあ意図的に似せてたんですねー。