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『軽井沢誘拐案内』堀井ミステリー三部作の最後を飾るに相応しい作品

賢者の塔 35F
No.0111

発売年:1985年
開発元:エニックス
ジャンル:コマンド選択式AVG
発売機種:PC-88、FM-7、X1、MSXなど
※画面はすべてPC88版です

≫ENTER

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「堀井ミステリー三部作」のラストを飾る

みなさんは「ポートピア連続殺人事件」というAVGをご存知ですか?あるいは「北海道連鎖殺人オホーツクに消ゆ」というAVGをご存知ですか?

この2作品はもともとパソコン用ゲームだったのですが、ファミコンに移植されたことで知名度が大きく上がったのでご存知の方も多いかもしれませんね。

この2作品は共に国民的RPG「ドラゴンクエスト」の生みの親「堀井雄二」氏が手がけた作品で、「堀井ミステリー三部作」と呼ばれています。

ん?三部作?

ということは「ポートピア連続殺人事件」と「北海道連鎖殺人オホーツクに消ゆ」以外に、もう1作品あるってこと?

はい、そうです。そのもう1作品というのが今回紹介する「軽井沢誘拐案内」になります。

「軽井沢誘拐案内」とは

「軽井沢誘拐案内」は1985年にエニックスから発売されたAVGで、恋人の「久美子」とその妹の「なぎさ」がいる別荘にやってきた主人公が、出かけたきり行方不明になってしまったなぎさを「もしや誘拐されたのでは?」と考え捜索に出るという内容の作品でした。

本作は三部作の中で最後の作品になるのですが、過去の作品と大きく違うのは過去2作品の主人公が”刑事”であり管轄で起こった事件の捜査が目的なのに対し、本作の主人公は”一般人”で別荘に戻ってこないなぎさを探しにいくだけ、ゲームが始まった段階ではまだ事件かどうかもわからない状態だということです。

作中の登場人物として刑事が登場しますが、そういった理由でまったく相手にされず協力もしてくれません。そのわりに主人公は一般人として逸脱しているような行為(家宅侵入とか)もバンバンやっちゃいますけどねw

コマンド選択式でゲームを進行

システム面では「オホーツクに消ゆ」の翌年発売ということもあり、オホーツクと同じコマンド選択式を採用していました。またこれもオホーツクと同じですが、特定の場合のみ”キーボードからの手入力”が必要となります。

この手入力で行う回答は、そこまでの内容をある程度は理解していないと解らないものなので、単に総当たりでコマンドを実行しているだけだと詰まってしまう可能性がありました。

”取る”や”調べる”などの一部のコマンドは、状況によりコマンド一覧から対象を選択する場合と、画面上に表示されるカーソルを使って対象を指定する場合があり、後者の場合はかなり正確に位置を指定しないと駄目なことが多いので、結構重要なアイテムを見落としてしまうケースもありましたね。

”AVGパート”でのシステム面は使いやすくてストレス無く遊べましたが、まあ難があるといえば画面に人物がいる場合、何を聞くにも見せるにも最初に”はなしかける”を実行して挨拶しないといけないことでしょうか。

挨拶するとしないとで相手の反応が変わるとかならともかく、挨拶しないと何もできないんですから意味が無いんですよね…。

パイロット版「ドラゴンクエスト」?

場所移動がまんまドラクエ

さて本作最大の特徴というか異色といってもいい部分が”場所移動”のシステムです。

大抵のAVGでは場所移動コマンドを実行すると、何処へ行くか?という行き先の一覧が出てくるのが普通ですが、本作での場所移動はなんとまるで「ドラゴンクエスト」のようなフィールド移動画面を採用していたんです。

画面に表示されるマップの上で白い人間(主人公)を操作し目的の場所へ行き、そこで”あたりをみる”や”なかにはいる”を実行するとまたAVGパートに画面が切り替わるという当時でもかなり異色のシステムでした。

ちなみに似たようなシステムを採用したAVGとしては「は~りぃふぉっくす MSXスペシャル」(1986/マイクロキャビン)がありますね。

あ、ドラクエの名前は出しましたが、ドラクエが発売されるのは1986年で本作の翌年です。後述するある要素も加えて考えれば、ある意味これがドラクエのパイロット版だったんでしょうか?

個人的にはドラクエというよりも「夢幻の心臓II」のフィールド画面に見えてしまうのは、ちょっとうがった考え方でしょうかね?w

コマンド選択式バトルまである

この移動画面は、ゲームのクライマックスで別のシステム”RPGモード”として再登場します。

なんとこのモードでは移動画面で主人公を操作するのは同じなのですが、フィールド上にいる人間(悪党)と遭遇すると本当にドラクエのようなコマンド選択式の戦闘が始まるのです。

主人公には体力、攻撃力、防御力が設定されていて、悪党と戦い勝つことによってレベルアップ…はしませんが、ちょっと能力がアップします。

悪党はマップ上に10人ほど配置されていますが、それぞれの強さは固定になっていてある程度順番に倒していかないと勝つのは難しく、一部の敵には絶対勝てないようになっていたり、ある謎を解かないと最後の敵には絶対勝てないというような仕掛けがありました。

ゲーム後半で主人公と共に行動する女性2人もこの戦闘には参加できますが、所詮女性ということなのか攻撃させても「ポカポカポカ」という情けない効果音が表示されるだけでまるでダメージを与えられません。

しかし彼女たちは”投げキッス””パンチラ”というまさに女の武器を使うことにより主人公に貢献できます。

っていうか、ぶっちゃけパンチラ無いと勝てないんですw

引き込まれるシナリオ

ゲームの難易度としてはそれなりに高くやり応えがあり、オホーツクで不評だったからなのかゲームが進まなくなるハマリ要素はなかったと思います。即死トラップなどもありませんが、RPGモードで悪党に負けるとゲームオーバになります。

ストーリーの方はというと、そこはさすがの堀井さん。オホーツクもそうでしたが、遊んでいるうちにサスペンスドラマを観ているような気持ちを感じられます。

画面に表示される文字数も、画像数もそれほど多くはないのですが、それ以上の情報量をプレイヤーに与えてくれる感じがしました。

特にプレイ中プレイヤーに与えられる情報にほどよく”疑問を持たせる”のが巧みで、「あれ?おかしくね?」という疑問を感じそれを考えつつプレイを進めることで、気がつかないうちにゲームの主人公と一体化しているんです。

まあ途中展開が一時的におかしな方向に行ってしまい、主人公自身がそれに突っ込んじゃうなんて事もありますがw
シリアスだけだけじゃなく息抜きも、ということなのでしょう。

ファミコンに移植されなかったのは…

本作の作品としての完成度はかなり高い方なのですが、本作はポートピアやオホーツクのようにファミコンには移植されませんでした。

過去2作品に比べて内容がボリューミーというのも理由としてあるのかもしれませんが、もしかしたら本作の内容が結構アダルティーだったというのも理由かもしれませんね。

主人公と恋人との会話ややりとりはかなり大人なものだったし、物語の表現やグラフィックの一部も対象が低年齢のファミコンには適切ではないのが多かったですからね(別荘で秘密の大麻パーティとか)。

じゃあそういうの排除して移植すればいいじゃん。とも思いますが、ポートピアもオホーツクも”刑事もののドラマ”というシチュエーションを強く意識して作られている作品で、本作も刑事ものではないにしろ”サスペンスドラマ”を強く意識して作られているというのが伝わってくる作品です。

サスペンスドラマといえば、恨みや憎悪、嫉妬からくる殺人、それに絡む裏社会の人間や麻薬の影、そして女性の濡れ場っていうのはお約束の要素。それを排除してしまったら、作品の根本を失ってしまう。

まあ堀井さんが実際にそう考えたかはわかりませんが、私個人としてはそう考えることで本作のファミコン版が出なかったことの理由として納得できました。

最後に…

さて最後に、本作には非常に面白い”ゲスト”がある場面で登場していました。
それは非常に美しい女性なのですが、
両親は既に亡くなっていて、
昔刑事をやっていた兄がいる、
「ふみえ」という人物”
です。

さあ、誰なんでしょうね?w

≫EXIT

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