勇者の塔 26F
No.0076
発売年:1995年
開発元:フォレスト
ジャンル:ファンタジーRPG
発売機種:PC-98、Winなど
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「黒の剣」とは
「黒の剣」は1995年に「Forest」より発売されたファンタジーRPGです。Forestという会社はアダルトゲームメーカーで、パソコンでの格闘ゲームとして比較的有名な「人形使い」や「さよならの向こう側」というADVあたりが有名な会社です。
ですが本作はエルフの「ドラゴンナイト」シリーズのように”アダルト要素のあるRPG”ではなく、アダルトゲームメーカーが作った”一般向けRPG”というちょっと風変わりな扱いとなっていました。
ちなみに本作はよく”マイナーのメジャー作品”と言われる事が多く、PC-98の末期に出た作品だったこともあり、あまり広く知られている作品では無いのですが、知っている人には有名で評価も高い作品となっています。
ストーリー
かつて”クライツェン”という国を滅ぼしかけた凶悪な”漆黒の竜”がいた。
人々は魔の力をもってこの竜を滅ぼす事が出来る剣”黒の剣”を作り出したという。
このクライツェンに向かう船の中に”シノブ”という名の1人の少女がいた。
彼女は”黒の剣”を持ち、その剣を使いこなせる剣士を探してクライツェンへ向かっていたのだ。
そしてこの船にはもう一人、剣の修行の為に旅を続ける”カイエス”という剣士が乗っていた。
しかし2人の乗った船は、嵐に巻き込まれてしまう…。
システム(フィールド)
本作は非常にべ–シックなフィールドタイプのRPGで、町や屋外だけでなくダンジョンもすべて上から見下ろすタイプのフィールドとなっています。
町の中では人との会話が中心となり、人から頼まれた依頼で用心棒をしたりモンスターを倒したりし、その依頼をクリアして行く事でストーリーが進行していきます。
フィールドの移動は中々スムーズで斜め移動もできるうえに、それほど全体マップも広くないのであちこち迷うような事も少ないです。
ちなみにセーブは宿屋で無くても、イベント中・戦闘中でなければいつでもセーブ/ロードが可能です。
システム(戦闘)
リアル等身の戦闘画面
本作の特徴といってもいいのがこの戦闘シーンです。
まず驚くのは当時のRPGでは一般的だった敵も味方も2~3頭身キャラクターというものではなく、ちゃんとリアル等身のキャラクター達による戦闘です。
しかもキャラ絵が大きいうえに、これがかなりアニメーションするんですからなかなかの迫力です。
また、地味ながら背景の書き込みっぷりも驚かされるものです。
戦闘はターン制なのですが、実は物語の中盤くらい(?)までパーティはシノブかカイエスの1人しかいません。にもかかわらず敵のほうは複数(最大で4体?)で登場するので、正直不利といわざるを得ない状況になります。
(しかも中盤以降でもパーティはMAX2人なんでw)
戦闘では剣技と魔法が”キモ”
敵は複数出てくるのにこちらは1人で戦わなければいけない。この不利な状況を打開してくれるのが”剣技”と”魔法”の存在です。
シノブは”魔法”、カイエスは”剣技”を使え、これらを使用するとMPを消費しての強力な一撃や、敵複数体を一度に攻撃することができます。
魔法や剣技にはそれぞれ敵単体のみに有効、敵前列にのみ有効、敵全体に有効、あるいは敵の種類によって効果が違うなどの特徴があり、それらの特性を理解していないと無駄にMPを消費することになります。
このゲームの戦闘シーンでは剣技と魔法が”キモ”で、ぶっちゃけ通常攻撃は殆ど行いません。できるだけ素早く剣技と魔法を使って敵の数を減らす。そうしないと敵にボコボコにされてすぐゲームオーバーになってしまうでしょう。
(ゲームスタート時からHP200くらいはあるが敵が一撃で40だの60だの食らわせてくるので長期戦は”死”につながる)
歩くだけでMP回復
でもそんなに技や魔法を連打したら、すぐにMPが尽きちゃうんじゃないの?と思うかもしれませんが、そこにはちゃんと救済措置が設けられています。
まず、このゲームではフィールド上で移動しているだけでHPとMPが自動回復していきます。また実際に移動しなくても、壁に向かって歩いてるだけでも回復するんです。なので、前の戦闘でMPを使いきったとしても、回復するまで壁に向かって歩き続けていれば、またMPフルの状態で敵と戦う事が可能なんです。
さらにもしボス戦などで戦闘中にMPが付きた場合は”防御”を行う事でもMPが回復するんです。もちろん防御とはいえダメージが0になる訳では無いのと、敵によってはその間にHPを回復してしまうかもしれないというデメリットはありますが。
ちょっと暗めな展開
ちなみにゲームを始めるとシノブを主人公とした物語が始まり、そのストーリーが一定の部分まで進むと、今度はそこからカイエスを主人公にした物語がスタート。
そしてカイエスの話が一定まで進むと、シノブとカイエスが合流するという展開になっています。
この2人はありがちな勇者的冒険の旅をしているわけでは無く、もちろん正義感は人並みにもっていますが、基本的にそれぞれの目的の為に行動しているので、あまり「世界を救おう!」的な展開はありません。
その辺ちょっと「ダイナソア」に似てるかもしれませんね。
また登場する人物たちは、差別意識の塊の湯な貴族や、貴族支配に慣らされた平民、私利私欲に溺れる兵士、研究の為に危険を冒す科学者などが大勢登場し、物語が進むにつれどんどん人間達がカオスになっていくので、全体的にお話も暗いというか重いです。
夢や希望!友情と絆!そういう展開が好きな人には向いてない作品かもしれませんね。
なんかちょっと”アレ”っぽくない?
さすがにPC-98末期の作品名だけあってか、グラフィックの質はハンパ無いです。書き込みも細かいし、ヴィジュアルシーンの絵も大きいですしね。
また言い方悪いかもしれませんが、さすがアダルトゲームメーカーというべきか”エロスを感じさせる女体”の描き方は堂に入ったものだと感心しました。
しかしフィールド画面について言うと…これ”アレ”ですよね?絶対”アレ”参考にしてますよね?
FF4とかFF5とか?まんまじゃんw
戦闘シーンやヴィジュアルシーンについてはオリジナリティーが光っているのに、なんでフィールド画面だけFFパクっちゃったんでしょ?それがちょっと勿体無い気がします。
ただゲーム全体での完成度は高かったと思います。良作と言っていいレベルです。
なにより解りやすくて遊びやすいですし、遊んでいて不満に思う部分が少ない。
パソコンゲームって言うよりは、家庭用ゲーム機での一般大衆向けRPGだったかもしれません。
とはいえ実はこの作品初代プレイステーション用に移植されていまして、その割に今一つ話題に上がらなかったのはやっぱり全体的に暗いからかな?w
ちなみにPS版は2011/10/12よりプレイステーションストアにて「ゲームアーカイブス」として配信が開始されていますので、昔パソコン版で遊んだ方、興味のある方は購入してみてはいかがでしょうか?
因みにPS版は基本的にPC版に忠実に移植されており、イベントで声が入るほか、フィールド面がFFっぽくなくなっていますw
≫EXIT
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