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『マスターオブモンスターズ』ノウハウは活かしつつも差別化を図るということ【クラシックゲーム紹介】

元帥の塔2F/No.0010

本記事は、2011年7月26日に書かれた同作品の記事をリメイクしたものです。

突然じゃが、ある会社があるものをテーマにした1つの作品を作って、それが結構人気になったとするじゃろ?

ふんふん。

じゃあ次に同じような作品を”テーマを変えて”作ってみよう!となったときに、大事な物ってなんじゃろうな?

まあもうベースは出来上がってるんだから、どれだけ楽にテーマだけを入れ替えられるか…?

会社的にはそうかもしれんが、ただテーマを挿げ替えただけではそのテーマが好きな人の心には届かんと個人的には思うんじゃよな?

入れ替えただけでは足りないと?

そう、扱うテーマ”らしさ”がそこに現れていないと足りないと思うんじゃよ。というわけで、今回はそんな”らしさ”を大事にした作品の「マスターオブモンスターズ」の紹介じゃ。

では入るがよい、元帥の塔 2Fじゃ!

本記事を読み進める前に…

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  • 記事に書かれている内容についてはあくまで投稿時の状況や筆者の認識であり、現在の状況や筆者の認識と必ずしも同じではない場合があります。ご了承ください。

また本記事はこんな人向けに書かれています。

  • 「マスターオブモンスターズ」という作品を知らない。
  • 名前くらいしか知らない。
  • 知っていた筈だけどもう忘れた。

「マスターオブモンスターズ」とは

基本情報

タイトルマスターオブモンスターズ
シリーズマスターオブモンスターズ
ジャンル戦術シミュレーションゲーム
発売年1988年
販売/開発システムソフト
発売機種PC-88、X1、PC-98、MSX2など
前作なし
次作マスターオブモンスターズII

どんなゲームなのか?

 本作「マスターオブモンスターズ」は六角形のマス(ヘックス)で構成された戦場で、自国の部隊(ユニット)を操作して敵国に攻め込ませ、敵ユニットを倒しながら最終的に敵の本拠地にいる総大将を倒す事で勝利となる、ターン制の“戦術級”シミュレーションゲームとなっています。

 ただ細かい話をすると、本作にはユニットの生産(ゲーム上では召喚)という概念があり、後方から状況に応じて部隊を送る事ができるので、厳密には“戦略級”のシミュレーションゲームだとする意見もあります。

 本作に近いタイプのゲームとしては、同じ「システムソフト」が1985年からシリーズ展開を行っていた「大戦略シリーズ」がそれに該当しています。本作は大戦略シリーズのノウハウを活かしつつも、改良を加えてきっちり差別化も図られていたと言えるでしょう。

どんな特徴があるのか?

 本作と先の大戦略シリーズとの大きな違いであり、かつ本作の特徴と言えるものは、大戦略シリーズは現実世界が舞台であり、使用するユニットも戦車や戦闘機などの“現代兵器”であるのに対し、本作はファンタジー世界が舞台であり、使用するユニットはリザードマンやドラゴンなどの“モンスター”となっている事です。

 ただこれは本作だけの違い(特徴)とは言えません。何故なら、システムソフトは本作が発売される一年前の1987年に大戦略をベースに現実世界をファンタジーに、現代兵器をモンスターに挿げ替えた「ファンタジーナイト」という作品を発売していたからです。

 では「ファンタジーナイト」には無い、本作「マスターオブモンスターズ」の特徴(大戦略との違い)とは何なのでしょうか?それは、タイトルにも含まれている「マスター」と呼ばれる魔法使いが、マップ上に“ひとつのユニット”として存在している事でしょう。

「マスター」とはどんな存在?

 「マスター」とは、ゲーム中におけるプレイヤーの分身であり、かつマップ上に存在する国(青、赤、緑、黄の4国)の”君主”のような存在です。マスターはマップ上にある居城に強力なユニットとして存在していますが、マスターは居城と周囲の城郭でしか活動できないため、自身で敵国に攻め込む事ができません。

マスターは強力なユニットだが、マップ上で移動できる範囲が極端に少なく自由に活動することができない。

 しかし、その代わりにマスターにはモンスターを召喚し使役できるという能力があり、召喚されたモンスターはマスターの命令によりマップ上を自由に行動できるため、マスターは自由に動けない自分の代わりにモンスターを自身の手駒として操り、敵国に向かってる攻め込ませる事ができるのです。

だからタイトルが「マスターオブモンスターズ(モンスター達の主)」なのね?

うむ!

 またマスターは「エレメンタル(精霊)」を召喚したり、魔法使いらしく「大魔法」を使用して、離れた場所にいる敵への攻撃(または味方の回復)が行えるので後方にいても活躍が可能です。ただしマスターが敵に攻撃されて死亡した場合は、どれだけモンスターがいてもその国の敗北となる為、モンスターでマスターを守護る事も必要になります。

 大戦略シリーズのように「本拠地」を守るのではなく、「マスター」守る必要があるという事も本作の大きな特徴と言えるでしょう。

「マスターオブモンスターズ」の基本的なルール

ゲームモード

 ではまず最初に、本作で遊ぶことができる3つのゲームモードについて簡単に説明しましょう。

マップモード

 全部で20あるマップの中から一つを選択して、プレイヤーとCPU含め2〜4人までで遊ぶ事ができるモードです。マップ以外にも様々な条件や設定を、プレイヤーの任意で変更して遊ぶことができるのが特徴と言えるでしょう。

 マップモードで設定変更できるのは、以下の内容になります。

国名各国の国名を決められます。設定しない場合はBLUE、RED、GREEN、YELLOW。
魔法使い各国のマスターを、ウォーロック、ソーサラー、ネクロマンサー、ウィザード、サモナーから決めます。
魔力ターンの最初に増加する魔力(MP)を国別に設定できます。
操作各国の操作をPlayer、Computer(CPU)、Notから選べます。
Notの場合、その国はマップから除外されます。
ターンゲームの終了ターン数を決めます。
索敵索敵の有り無しを設定します。
索敵有りにすると、敵ユニットが至近距離にいないと視認できなくなります。

因みに索敵で敵が見えなくなるのはプレイヤーだけで、CPUにはバンバン見えてるっぽいぞい。

どM…いや、より難しいゲームで遊びたい人向けね?

キャンペーンモード

 プレイヤーが1人でCPUを相手に、決められた設定のうえで全8マップを戦って行くモードです。

 ひとつのマップをクリアするとまた次のマップが始まるので、またそれをクリアして…と言うのを繰り返して行くモードですが、次のマップに移る際に前のマップで所持していた魔力や、モンスターの成長状態を引き継げるのが特徴です。

マップエディット

 最初から用意されているマップとは別に、プレイヤーが自身で自由にマップを作成できるモードで、作成したマップは保存した後にマップモードで選んで遊ぶ事ができます。

 以上が本作で遊べる3つのゲームモードになりますが、今回はあくまで「ゲーム紹介」ということで複雑にならないように基本の「マップモード」を軸に説明していく予定です。

ゲームの流れ

 次にゲームの流れですが、本作はターン制のシミュレーションゲームとなっていて、ターンが始まると青国>赤国>緑国>黄国の順に行動順(フェーズ)が回ってきます。
※ただし、マスターが設定されていない(操作が”Not”の)国は順番から除外されます。

 各フェーズでマスターが行える主な行動は、ユニット(マスターやモンスター)の移動、敵ユニットへの攻撃、大魔法の使用、精霊(エレメンタル)の召喚、そしてモンスターの召喚です。これらの行動は対応するファンクションキーを押す事で実行できました。

 各国が自フェーズで行動を行い最後の国が行動を終えると、その時点で1ターンが終了、次ターンとなりまた青国のフェーズになります。本作ではこれをゲームが終了するまで繰り返すのです。尚、1ターン経過する毎にマスターの”魔力”が規定値増加し、”時間”が朝、昼、夕、夜と変化していきます。

現在の時刻は、画面の右下にアイコンで表示される。

ゲームの終了

 ては、本作における”ゲームの終了”とはどういう状態なのでしょうか。本作でゲームが終了するのは、以下の2つの条件のうちどちらかを満たした場合にゲーム終了となります。

  • 1国を除く全てのマスターが死亡、または無条件降伏した場合。
  • ターン数がマップで決められた最大ターン数に達した場合。

 尚、最大ターン数に達しても決着がついていない場合、戦況如何に関わらず”引き分け”でゲーム終了となります。

マスターが行う「行動(コマンド)」について

 ではここからは、ゲーム中の1ターンの間にマスターが実行できる行動(コマンド)について説明していきましょう。

召喚

 マスターの周囲にある城郭か塔にカーソルを合わせて、F5キーを押す事でその位置にモンスターを召喚する事ができます。これは本作の”要”と言えるもので、これをしなければ何も始まらないと言っても過言ではありません。

 本作にて召喚可能なモンスターは42種類いますが全てを召喚できるわけではなく、マスターによって召喚出来るモンスターが違います(共通なものもいるが)。また経験を積んで、“進化”しないと登場しないモンスターも存在します。経験?進化?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、それについては後で纏めて説明しましょう。

 ところで、召喚については気をつけなければいけない事があります。それは、召喚にはモンスター毎に決められた分”魔力”を消費するという事と、ゲーム中に召喚できるモンスターの数は、マップ上で現在自国の支配下にある”塔”の数+1までという事です。

 支配している塔の数と毎ターン増加する魔力には関係性が無いので、どれだけ塔を支配していても魔力が足りなければ召喚できないし、どれだけ魔力が余っていても支配している塔が少なければモンスターは増やせなくなります。無用な魔力消費は抑え、塔は積極的に取りに行きましょう。

敵の支配している塔を占拠したところ。敵の塔を奪えば、こちらはユニットを1つ増やせるだけでなく、敵はユニットを1つ増やせなくなるのでその効果は大きい。

敵国の塔を取りに行くだけじゃなく、同時に自国の塔を守ることも考えないといけないわけね?

塔の所有権をめぐってのバトルも、本作の熱くなる部分じゃな!

移動

 対象となる味方ユニットにカーソルを合わせ、F1キーを押すとユニットの移動が行えます。この時マップ上の色付きマスがユニットを移動できる範囲で、色無しのマスは移動できない範囲を表しています。

 移動できる範囲については、ユニットそれぞれに陸、海、空の移動適性があり、ユニットの移動適性と移動先のマスの地形によって決まります。因みにですが「ZOC」の概念もあるので、その影響も受けます。

「ZOC」とは主に戦術シミュレーションなどで用いられる用語”Zone of Control”の略で、ユニットがマスに存在することで周囲に与える影響の範囲やその影響の内容を指す。本作のような作品の場合、主に敵の周囲マスに入り込むことで移動力が極端に減少する効果を表すために使用される場合が多い。

赤丸のユニットを移動させようとした場面。カラーのマスには移動できるが、モノクロのマスには移動できない。また矢印の方向に進もうとしても移動力は十分あるのにZOCの影響があるため、1マスしか進めなくなっている。

 そして移動範囲内に「塔」があってそこに止まった場合、その塔を敵国が所有しているか、または無所属の塔である(マスの色で解る)ならば、その塔を”占領”し自国のものとする事が可能です。

 因みに本作ではユニットの移動に対して、”燃料を消費”するという概念が存在しないので、面倒な”補給”について考える必要がありませんでした。また占領についても特定のユニットでなければ実行できないということもありません。この辺も大戦略シリーズとの差別化ですね。

確かに、戦術シミュレーションで「補給」が必要になるだけで、ハードルが一段階上がる気がするわね?

その辺のややこしさを撤廃して、遊びやすさを優先した感じじゃな

攻撃

 対象となる味方ユニットにカーソルを合わせてF2キーを押すか、ユニットが移動中にF2キーを押す事で、ユニットの周囲1マスにいる敵ユニットに対して攻撃を行うことができます。尚、移動を完了してからの攻撃は不可能です。

攻撃させたいユニットにカーソルを合わせてF2を押すとこのような画面になり、周囲にいるユニットから攻撃したいものを選べるようになる。

 各ユニットには攻撃手段として、全てのユニット備わっている近距離攻撃と、一部のユニットにのみ備わっている遠距離攻撃の2種類があり、攻撃時に好きな方を選ぶ事が可能でした。そして攻撃を仕掛けるユニットとその攻撃方法を選択する事で戦闘画面に移行します。

「リザードマン」が敵の「バーバリアン」に攻撃を仕掛けたところ。リザードマンが遠距離武器を持っているのに対し、バーバリアンは遠距離武器を持っていないので、この場合一方的にリザードマンが攻撃を仕掛けることができる。

大戦略みたいに、バーッていっぱいキャラが出てくるわけじゃないのね?

本作は1ユニット=モンスター1体なので、戦闘もバチバチのタイマン勝負なんじゃよ

 攻撃手段にはそれぞれ攻撃力攻撃回数の設定があり、戦闘が開始すると味方は自身の攻撃回数分攻撃を仕掛け、敵も自身の攻撃回数分反撃をしてきます。そして双方が攻撃回数分を攻撃完了すると戦闘が終了となります。因みに、遠距離攻撃を持っていないユニットに遠距離攻撃を仕掛けると、反撃を受けないという利点がありました。

 各ユニットにはそれぞれHPが設定されており、攻撃を当てると攻撃力分相手のHPが減り、攻撃を受けると相手の攻撃力分HPを減らされます。尚、攻撃の命中率は相手のいる地形によって決まり、攻撃力は現ターンの”時間”により加減しますので、攻撃を仕掛ける相手の地形や現在の時間は非常に重要になります。

モンスターにはそれぞれ、LAW/NEUTRAL/CHAOSという属性が設定されており、LAWのモンスターは昼なら攻撃力が+25%、夜なら-25%、CHAOSのモンスターは昼なら攻撃力が-25%、夜なら+25%の補正を受ける。
因みにNEUTRALの場合は時間による補正を一切受けない。

 攻撃(または反撃)によって対象のHPを0にする事ができれば、相手のユニットは死亡となりマップ上から消滅します。そして死亡してしまったユニットの復活は不可能です。

 因みに本作では何度も攻撃を行なっても“物資”や”残弾”などを消費する事が無いので、こちらも移動と同様に補給が必要になる事はありません。この辺が大戦略シリーズからかなり遊びやすく改良されている部分だなと感じられました。

大魔法

 召喚の説明で、召喚は魔力を消費する必要があるという話をしましたが、この魔力には召喚以外の使い道があと2つあります。その1つが「大魔法」の使用です。

 大魔法は、魔法を使用したいユニットにカーソルを合わせてF3キーを押す事で実行可能で、味方ユニットに対してはHPの回復を行ったり、敵ユニットに対してはダメージを与えたり、足止めを行ったりする事が可能です。尚、敵味方共にマスターに対しては魔法を実行できません。

魔法は味方に使用する場合と、敵に使用する場合とで使用できるものが変化する。中には敵のHPを強制的に半減するものや、指定ポイントの周囲にメテオを落とすという範囲魔法まである。

 魔法は非常に強力ですが1ターンに1回しか使用できない制限がある為、使い所が重要な存在と言えるでしょう。特に本作において、味方ユニットに対するまともな回復手段は魔法くらいなので、魔法を回復に使うか攻撃に使うかの見極めも重要です。

当然、魔法に消費するくらいなら強いユニットを召喚した方が良いという場面もあるじゃろうな

ご利用は計画的に!

精霊(エレメンタル)

 そしてもう一つの魔力の使い道が「精霊(エレメンタル)」の召喚です。モンスターの召喚と何が違うの?と思うかもしれませんが、そこには大きな違いがありました。

本作で召喚できる「精霊」は全部で4種類。通常マスターはどれか1種類しか召喚できないのだが、サモナーのみすべての精霊を召喚可能となっている。

 モンスターはマスターの周囲に召喚でき、召喚後は倒されない限り永続的に活動が可能ですが、精霊は敵のユニットに対して召喚する事で強制的に戦闘を発生させ、戦闘が終わるとその結果に関係なく消滅してしまうという違いがありました。

 そして精霊の召喚も魔法と同じく魔力の消費が大きく、かつ1ターンに1回しか実行する事ができません。その代わり精霊は通常のモンスターよりも1ランク強く設定されている為、邪魔な雑魚ユニットの除去や強敵のHPを削る際などに役立つでしょう。

炎の精霊「ファイアー」を「マンティコア」に対して召喚。ファイアーは攻撃力9の攻撃を5回も繰り出せる強力なユニットだが、当たらなければ意味がなく、逆に反撃を喰らってピンチになることも…

 以上がターン内で実行出来る行動についての説明となります。少々説明が長くなりましたが、ここは本作におけるキモの部分なので、ご了承下さい。

成長と進化

 では最後に本作における、モンスターの”成長”と”進化”についての話をしてシステムについては終わりにしましょう。

 本作に登場するモンスターは、戦闘を繰り返す事で経験値が増えていきます。そして経験値が一定値まで貯まる事でレベルが1上昇します(レベルは最大で3まで)。因みにマスターは最初からレベル3なので成長せず、精霊は最初からレベル2ですが、戦闘後に消えてしまうので成長しません。

 そしてモンスターはレベルが上がるとともに全く違うモンスターに姿を変かえる、つまり”進化"する事ができるのです。例を挙げると「バーバリアン」は、レベル2で「バーサーカー」になり、レベル3になると「ダークナイト」に進化すると言うような感じですね。

 モンスターが進化するとHPや攻撃手段が変わるほか、中には遠距離攻撃を新たに会得したり、新たな特性を得るモンスターもいます。例えば「ロック鳥」は進化すると「フェニックス」になるのですが、フェニックスになるとターンの最初にHPが完全回復するという凄い特性を得ることが出来るのです。

 モンスターの進化については、全く進化しないものもいれば、レベル2までしか成長しないもの、あるいは同じモンスターなのにマスターが違うと進化先も違うものなど非常に多種多様であり、この経験によって単に強くなるだけでは無いところに、大戦略シリーズとの差別化が現れていたと感じます。

あれ?全く進化しないのもいるってことは、そういうユニットには経験値を稼がせても無駄?

いや、戦闘の際に経験値の量により有利な補正がはいるんで、決して無駄では無いぞい?

終わりに…

 ではこの記事の最後として、まずここまでのまとめと簡単な感想を書かせて頂きます。

本作のまとめ

  • 本作は大戦略シリーズと同じような感覚で遊ぶ事が出来るターン制のシミュレーションゲームである。
  • しかしその舞台はファンタジーで、ユニットはドラゴンやリザードマンなどと大きく変わっていた。
  • 本作ではマスターと呼ばれる国の代表がユニットとして登場し、召喚したモンスターをマップ上で自由に使役できる。
  • モンスターは敵国に攻め込ませて敵モンスターと戦わせたり、重要な塔を奪ったり防衛したりさせるのが役割。
  • マスターは活動範囲が限られているが、後方から「大魔法」の使用や「精霊」の召喚でサポートも行える。
  • 戦闘を繰り返すとモンスターは成長し、中には進化して違うモンスターになるものもいる。
  • 移動や戦闘による燃料や物資の消費という概念が無く、その辺を気にしないでプレイできるのでハードルが低く感じられる。
  • 大戦略というヒット作品のノウハウ継承しつつも、しっかりとした差別化と遊びやすさへの改良を図った良作。

簡単な感想

 当時筆者は本作のMSX2版をプレイしていた記憶がある。友人がよく大戦略シリーズを遊んでいて、それを見せてもらってはいたのだが、いかんせん当時の筆者の頭の中はファンタジーかSFかしかなかったので現代兵器を扱った作品には触手が動かなかった。

頭の中がファンタジーって今もじゃん

誰が頭の中お花畑じゃい!

 1987年の「エルスリード」もそうだが、このあたりから徐々にファンタジーものの戦術シミュレーションゲームも登場し始めてきていたので、筆者もX1の「エルスリード」とMSX2版の「マスターオブモンスターズ」を通して戦術シミュレーションゲームを遊ぶことができたのだ。

 とは言え当時の筆者にはまだ難しかったので、あまり熱をあげて遊んではいなかったと思う。

 そういうこともあり当時はあまり深く考えていなかったが、改めて遊んでみるとユニット同士の相性、現在の時間による戦闘力の影響、さらに極地戦に強いユニットややっかいな特性を持つユニットなどかなりしっかり作られていて、そりゃ何にも考えないで遊んでた当時は難しいと思うはずだわとw

 そしてそういう部分が理解できてくると格段に面白みが増してくるのだが、だからと言って簡単になるというわけでもなく、CPU相手だと結構陰険かつ露骨な攻め方(足止めや集中砲火)をされて辟易してしまう場面もちらほら…。できればCPUの難易度設定もあったら嬉しかったかもしれない。

 そんなわけで大戦略のようで大戦略とは一味違うこの「マスターオブモンスターズ」、もし気になったという方は是非遊んでみてはいかがだろうか?そして立派なモンスター達の主になってみよう!

 ではまた次のフロアでお会いしましょう…さようなら。

遊びたくなったら?

 「プロジェクトEGG」様にてPC-8801版、MSX2版が配信されています。興味のある方は購入をご検討ください。
※プロジェクトEGGは、ゲーム購入費とは別に550円の月額費用が掛かります。
※対応機種が現行OSより古いものになっています。購入に際しては自己責任でお願いします。

≫EXIT

お疲れ様でした!

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