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『夢幻の心臓II』ドラクエよりも先に出てたんですよ?

勇者の塔 20F
No.0058

発売年:1985年
開発元:クリスタルソフト
ジャンル:ファンタジーRPG
発売機種:PC-88、PC-98、X1、FM-7、MZ-2500

はじめに…

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ドラ●エの原型

「夢幻の心臓II」は1985年に「クリムゾン」「アスピック」などで有名な「クリスタルソフト」から発売されたRPGで、1984年に発売された「夢幻の心臓」の続編になります。

本作はPC-88、PC-98、X1、FM-7、MZ-2500などで発売されました。

機種ごとに大きな違いは無いのですが、フィールド上に表示されるキャラクターや町の絵(アイコン)などが、他の機種は単色表示(白)なのに対し、X1版のみそれらに彩色がされていましたね。
(今回紹介する画像はすべてX1版です)

ストーリー

前作「夢幻の心臓」において、死ぬ間際に神を冒涜する言葉を吐いてしまった為、「夢幻界」という天国でも地獄でもない世界に落とされてしまった主人公でしたが、なんとか「夢幻の心臓」を手に入れ蘇ることが出来ました。

しかし、彼がよみがえったのは元いた世界では無く「エルダーアイン」という異世界だったのです。
今度こそ自分のいた世界に戻る為、主人公は「エルダーアイン」での冒険を開始します。

ってのが大まかなストーリーです。

前作からこう変わった

「視界」の導入

前作から大きく変わった部分としては、まずフィールド画面が前作の5x5マスフィールドから、どーんと大きくなり、フィールド上でキャラクター達が動き回るようになりました。街に入った時も、前作までは町の1枚絵のみでしたが、町にもフィールドが存在し自由に動き回れるようになりました。
(ひらたく言うと「ウルティマ」風になりました)

フィールド上における本作の特徴として「視界」という概念があります。これは主人公がいる位置から見た方向に障害物がある場合、そこから先のフィールドが見えないというものです。

画像を見てもらうと解りやすいのですが、まず主人公から下側はすべて「森」になっていて、木が障害物となる為何も見えない状態になっています。上側は少し視界が開けているのですが、すぐ先に「山」がある為そこから先が見えなくなっています。

この「視界」という概念は町の中でも適用されているので、建物の中が見えないのはもちろん、主人公から見て建物の影になる部分はまったく見えなくなります。

このシステム自体は面白いんですが、このせいで色々面倒な事もあったりします…。

「シンボルエンカウント」への変更

フィールド上では主人公や人間達だけでなく「モンスター」達も徘徊していて、これに接触すると戦闘になる、いわゆる「シンボルエンカウント制」となっています。

また本作の特徴として、フィールド上に登場する敵は「地域」によってその強さや種類が変わるという事は無く、どこでも共通の敵が共通強さでうろうろしています。

解りやすく説明すると、画像で主人公の斜め右下あたりに茶色い敵がいますが、こいつは「トリロイド」といって初期の主人公でも勝てるレベルの敵ですが、下にいるのは「ドラゴン」で初期段階ではどうあがいても勝つ事が出来ない強敵です。

このように強さの異なる敵が同フィールド上に共存している為、うっかり近付いたら絶対勝てない相手だったということが何度も起こります。こまめにセーブしながら、それぞれの強さとアイコンの種類を覚えておくしかありません。

また前述した「視界」の概念のせいで、周りが全然見えない森をうろうろしていたら、ある日森の中ドラゴンに出会った♪って事にもなりかねないのです。

最大5人のパーティ編成

戦闘においては、前作までは主人公一人での冒険でしたが、本作では仲間を「雇う」ことができるようになり、最大で5人パーティでの冒険が可能となりました。ただし仲間には1日毎に報酬を払わないといけませんでしたが(無償で仲間になる人もいる)。

それに準じて敵も複数体登場するようになりましたが、1度の戦闘で登場する敵の種類は1パターンのみで、敵の種類によって登場する数も決まっています。

例えばドラゴンであれば必ず1匹、ガーゴイルなら3匹と決まっているので、1度その敵と戦って勝てたのであれば、敵の数量にバラツキが無いので次からも基本的には勝てる。という事になり、戦う敵を選びやすくなります。

それ以外にも前作からの変更点は多く、ぶっちゃけもう「別のゲーム」と考えてもらって良いかと思います。

…と私。

さて、私は前作である「夢幻の心臓」を当時からプレイしていたのですが、本作はプレイしていませんでした。プレイできる環境はあったのに。

その大きな理由は、前作があまりにも「鬼畜」過ぎた為、明らかに本作を「警戒」していたからですw

前作を「クソゲー」とは言いませんが「鬼ゲー」であった事は事実だと思います。

ゲームが始まっていきなり「農民」に殺される主人公、街に行ってもまともな情報は貰えず手探り状態な冒険、最弱の敵を倒す事でさえ容易ではないというのにその上「武器防具が壊れる」っていう仕様、一人旅しかできないのにまともな回復手段が無いとか、魔法はあるけどMPは回復しないとか(一応MP復活はできる)、敵と遭遇するたびにいちいちLINE文とPAINT文で絵を書き始めるとか、まだまだある過酷な仕様に加えて、クリアまでの制限日数付きとか(汗
※ちなみに今回も日数表示がありますが、前作のように日数に期限はありません。

こういった殆どトラウマになりそうな鬼仕様を見せつけられて、どうして続編に期待できようか!?w
そう思っていた時期が、僕にもありました…。

しかしそれは間違ってたんですよね。何十年後かにプレイしてやっとその事実を知りました。
私が前作で味わったトラウマ仕様は、本作ではほとんど解消されていたんです。
そしてシステムは単調だけど、とても遊びやすくストレスを感じないゲームになっていました。
クリスタルソフト、グッジョブです!(いまさら?

しまったなあ、あのときあのトラウマに立ち向かう勇気が私にあれば…orz

某国民的RPGとの

余談ですが前作「夢幻の心臓」から既にそうでしたが、本作は特にフィールド移動は「ウルティマ」、戦闘は「ウィザードリィ」という名作RPGの良いところを組み合わせた作品となっていました。

そして本作が発売された翌年1986年、ファミコンにて夢幻の心臓IIのシステムと同様の「ドラゴンクエスト」が発売されました。

まあ同様のコンセプトであれば「似てるね」ってだけで済んだ話なのですが、ゲーム中の謎の部分、仕掛けの部分に似ている箇所があったりしたために「ドラクエは夢幻の心臓IIのパクリだ!」なんて噂が立ちました(まあ私もそれを思ってた一人なのですがw)。

確かに色々似ている部分はあるんですよね。

しかし所詮パソコンとファミコン、その能力の違い容量の違いから「ゲーム」としてのボリュームは圧倒的に「夢幻の心臓II」のほうが高い。最初に命令だけして、あとは死んだ時の叱責以外役目のないドラクエの王様と違って、本作の王様はレベルアップする毎に「報酬」をくれたりするしw

ただ、現代において「夢幻の心臓」と「ドラゴンクエスト」どちらが「勝ち組」であったかという点で言えば、答えは聞くまでもない事だと思う。

ドラクエは確かに色数や容量面において貧弱ではあったが、徹底的に「解りやすい」「受け入れられやすい」王道的作品となっていた。さらにファミコンのほうが子供が入手しやすい(値段面などで)というのもあったと思います。

まあ今さらパクったのなんだの蒸し返す事は無意味な事ですが、たまにドラクエが日本におけるRPGの元祖みたいな言われ方をするたびに、「ブラックオニキス」と「夢幻の心臓」のほうが先やで~、と心の中で突っ込んでしまいますw

余談ですが、エニックスがドラゴンクエストIIを発売したのと同じ年に、クリスタルソフトがドラクエIIとそっくりな「クリムゾン」という作品を世に出したのは、ちょっとした「意趣返し」だったのかもしれません。

≫EXIT

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