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『怨霊戦記』ゲームに「怨霊退散護符」なんてものが付属していました

賢者の塔 49F
No.0163

発売年:1988年
開発元:スタジオWING
ジャンル:コマンド選択式AVG
発売機種:PC-88、FM77、MSX2、PC-98など
※指定の無い画像はすべてPC-88版です

≫ENTER

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「怨霊戦記」とは

「怨霊戦記」は、1988年に「魔界復活」や「波動の標的」でお馴染みの「スタジオWING」より発売されたコマンド選択式ホラーアドベンチャーゲームで、プレイヤーは主人公「北原弘行」となり、仕事帰りのある夜に古池で「黒マントの男」、そして恐ろしい化け物に遭遇したことをきっかけに巻き込まれる恐ろしい事件を解決していくのが目的です。

スタジオWINGといえば「魔界復活」や「波動の標的」にも多分に含まれていた「和風ホラー」のイメージが強く、またストーリーに「宗教」が絡んでくることでもお馴染みですが、本作でもその両方のテイストがガッツリ盛り込まれており、さらにはゲームボリュームの面でも以前より増量されたスタジオWINGの集大成のような作品となっていました。

ちなみに、「波動の標的」では超能力や国外での活動もストーリーに絡んできましたが、本作においては超能力ではなく霊能力がメインで、舞台も現代の日本のみ、しかも架空の都市「宮寺市」の中だけで物語が進んで行くというものになっています(その割りにボリュームが多い)。

シンプルなコマンド選択式

最初に書いたように本作では「コマンド選択式」を採用しているのですが、「魔界復活」や「波動の標的」と比較しても実行できるコマンドの数がシンプルになっています。他の二作よりもあとに作られた作品なので、もっと細分化されて複雑化していてもいいような気がしますが、まったく逆でメインとして使用するコマンドは基本的にはたったの4つだけなんです。

その4つとは「見る」「聞く」「考える」「行く」というAVGでは基本となるコマンドだけで、それぞれに対応するサブコマンドもそれほど多くはありません。

例えば「見る」コマンドは画面上すべてに対して有効で、いちいちサブコマンドで「壁」とか「男」とかを選択する必要がなく、また「調べる」というコマンドも包括しているので今見えている画面に何か隠されているものがあれば「見る」一つだけで処理できてしまいます。

コマンド選択式AVGにおいてコマンドが多いというのは、特に推理モノ、脱出モノなどでは主人公とプレイヤーの一体感を表現するためにも有効だと思いますが、かといって無駄にコマンドが多ければ良いわけでも無く、似たようなコマンドで効果も同じようなものが存在するは「水増し」感を感じる事もあります。

本作ではストーリー上主人公は「調査」を行っていきますが、ゲームとしては「調査する事」が目的ではなく、ストーリー展開を主にしている為、このようにシンプルなコマンドのほうがテンポがよく、またストレスも感じにくいと私は思います。

でも「宮寺市」は複雑

とは言いましたが、本作でもちょっと複雑というか「面倒臭い」部分がありました。

それは場面間の「移動」についてです。最初に本作は架空の都市「宮寺市」を舞台にしていると書きましたが、その宮寺市は現実世界の「市」と同じく幾つもの「町」によって構成されています(確か15個くらいの町があったと思う)。

ゲーム中はこれらの町々を移動しながらストーリーを進めていくのですが、メインコマンドの「行く」を選択したときこれらの町全部に対して移動が可能なのではなく、本当に現実世界と同じように今主人公がいる町に接している町、あるいはその町の施設(寺や神社、登場人物の自宅)に対してしか移動できないのです。

これがかなり面倒で、例えば主人公の自宅から「山城」という登場人物の自宅に移動するためには、自宅>南宮寺町>古池町>山城の自宅、というような手順で移動していく必要があるんです。

1度や2度移動するくらいなら別にいいんですけど、本作で実行するコマンドにおいて「移動」が占める割合ははかなり高いため、何度も何度もこういった手間のかかる移動を繰り返すのがかなりの「ストレス」になってしまいます。

悪霊には「お札」や「九字切り」で対応

先ほどの移動に関係する話ですが、主人公がある場所に移動するとそこで悪霊や餓鬼に遭遇することもあり、その場合襲い掛かられたり、道を塞がれて先に進めなくなったりします。

ストーリーの進行状況によりますが、こういった場合は「魔よけのお札」や主人公が会得した「呪文」などにより撃退することが可能です(聞かない場合もある)。

呪文、例えば「九字の法」を会得している場合、これを実行すると画面右に主人公の手が表示され「印」を結んでいきます(「臨兵闘者皆陣列在前」ってやつね)。これがなかなかに本格的な雰囲気で、私のオカルト好きな心をグイグイ刺激してくれましたね。

私は昔から「永久保貴一」氏の漫画「カルラ舞う!」が大好きだったので、その中に出てきた九字の結び方を必死で覚えて真似してた事…を今思い出して耳が真っ赤になりましたw 中二病全開だったな!

時間とデータの管理が重要

さて、システムの話で他に重要なことといえば、あと「時間」と「コンピュータ」についてでしょうか。

本作では日付の概念があり、1日は昼パートと夜パートに分かれていました。時間とはいっても1コマンド毎にに時間が進んで昼から夜に切り替わるというわけではなく、そのパート中に自宅に戻って「休憩を取る」というコマンドを実行することで時間が進み、昼から夜、夜から日付が変わって昼、というように変化していきます。

これにより特定の日時や特定の時間帯にしか会えない人、行けない場所なども存在しました。

また自宅で実行できるコマンドには他に「コンピュータ」というものがあります。主人公はプログラマーという設定になっていて、この事件に関わったことをきっかけに事件用のデータベースを作成します。

このプログラムを使用するのが「コンピュータ」というコマンドです。

これを実行することによって登場人物の詳細データ(住んでいる場所や他の人物との関係)や、その日宮寺市で起きた怪奇事件を確認することができるのですが、これらは単なる情報というだけでなくゲーム進行のフラグともなっていて、ここである情報について確認していないと、ある場面でゲームオーバーになってしまう…なんてことも在りました。

ちなみにその日得た情報は、自室でコンピュータを作動させる度に最新情報として保存されるようになっています。

非現実的な世界でのリアル

さて肝心なゲーム内容についてですが、ストーリーはかなり面白いと思います。

最初は単なる変死事件にまつわるオカルト話レベルで誰も信用していなかった怨霊や餓鬼の存在を、ストーリーが進むに連れて徐々に町の人たちが信用し始め、ついには警察や市、そして国までが一連の騒動を「怨霊事件」として解決しようと動き始める流れがなかなかに秀逸で、騒ぎが大きくなるにつれ恐れるあまり市外へ引っ越す人や、事件を解決できると触れ回る宗教団体に傾倒していく人たちの心理が妙にリアルでした。

また事件が公になって怨霊対策のための儀式が行われることになると、それをメディアがイベント事のように解説者をまじえて生中継したりするのもね。確かにこうなるだろうなあと感じましたね。

スタジオWINGのクセというかなんと言うか、主人公のキャラが立ってない、登場人物達にいまひとつ「味」がないというのは相変わらず難点ではありますが、そこも事件に巻き込まれなければただの一般人だった感としてはリアルかもしれません。

あ、でも一人だけやたらとキャラが立っていた人物がいましたよ、

「鳴神恭介」という、時折主人公の前に現れて謎めいた言葉を残して去ったり、稀に主人公を助けてくれたりもする自称「小説家」の謎の男なのですが、彼ばっかりキャラが立ちすぎてて
もう存在がネタバレレベルでしたねw

まあそういうお約束的なところも含めて、話の先が気になってしまう引き込まれるストーリーだったと思います。

お解り頂けただろうか…

では最後に本作の非常にホラーテイストなところを紹介しましょう。

本作の夜間パートにおいて、場所を移動していると画面が切り替わった瞬間に一瞬なにかが表示されて、すぐ消えるという現象に遭遇することがある。実はこれは市内を徘徊する「怨霊」の姿でゲーム自体の進行とは関係ない現象なのだが、いつどこに現れるかはっきりしないので突然これが登場するとさすがにドキッとしてしまう。

しかもこの怨霊達は、最初のうちは現れてはすぐ消えるだけなのだが、ストーリーが進行し宮寺市が怨霊で溢れかえるようになると、現れても消えずにそこにずっと居続けずっとプレイヤーを見ているのである…。

ではご覧頂こう。
画像中央のやや左、道路の脇に立ってこちらを見ている長い髪の女が写り込んでいるというのだが…

お解り頂けただろうか…?

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. K より:

    >>九字の結び方を必死で覚えて真似してた事
    小学校低学年の頃、孔雀王の実写版映画がテレビであったその翌日に、九字が流行った記憶が……。
    しかし今回のオチ、夏を感じますね。怪談特集はどこへ行ってしまったんでしょうか。

  2. ソンゴスキー@れとろげ より:

    >Kさん
    >孔雀王の実写版映画が
    ありましたねー、確か三上博史さんでしたね、演じてらっしゃったのは。
    確か舞台がほとんど海外(香港?)だったような記憶がわずかにあります…
    >怪談特集はどこへ行ってしまったんでしょうか
    最近はあっても心霊写真とか、どこぞの心霊ビデオをそのまま借りて垂れ流してるだけのが多くて再現ドラマ系は減りましたね~。あなたの知らない世界とか好きだったんだけどなあw

  3. 匿名 より:

    コンピューターゲーム初期の和風ホラーアドベンチャーゲームの金字塔ですね。
    このゲーム、ホラー感は管理人様の書かれている通り、ストーリーが秀逸であることには
    違いないのですが自分が何より感銘を受けたのは、音楽です。
    FM音源の高音を使って、かなりキてるサウンドでした。
    後に発売されたPCエンジン版は、何だか普通の音楽っぽくて物足りませんでしたねえw

    • songoski songoski より:

      コメントありがとうございます。
      >和風ホラーアドベンチャーゲームの金字塔
      マジでそうだと思います。80年代の日本のオカルト漫画の雰囲気が凄く滲み出ていますね。
      
>FM音源の高音を使って、かなりキてるサウンドでした。
      表現は古いですが、スタジオWINGのBGMは本当にビンビン来るんですよねw
      
>PCエンジン版は、何だか普通の音楽っぽくて
      PCからコンシューマへの移植作品は、確かに音楽は豪華になってるのかも知れないけれど、それでは摂取できないモノが確かにあります。

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