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『時の継承者 ファンタシースターIII』実はあのDQ5より先に結婚システムを採用した作品

勇者の塔 48F
No.0190

発売年1990年
販売/開発セガ
ジャンルSFファンタジーロールプレイングゲーム
発売機種メガドライブ

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「時の継承者 ファンタシースターIII」の概要

「時の継承者 ファンタシースターIII」は、「ゴールデンアックス」や「シャイニング・アンド・ザ・ダクネス」などで有名な「セガ」より1990年に発売されたメガドライブ用SFファンタジーRPGです。

1987年にセガマークIIIより発売された「ファンタシースター」、そしてメガドライブで1989年に発売された「ファンタシースターII 還らざる時の終わりに」に続く、ファンタシースターシリーズの3作目にあたる作品となります。

また現在ネットゲームとして人気の高い「ファンタシースターオンライン2」及び、2014年11月24日に発売予定のPlayStationVita用RPG「ファンタシースターノヴァ」も、このファンタシースターシリーズの系列にあたります。

本作品は、後述する「結婚システム」によりシナリオが分岐し、プレイヤーの分身である主人公が親から子供、そして孫への3世代に渡っていくという画期的なシステムを採用しており、それだけでなく分岐によりシナリオの内容、そしてエンディングも変わるという「マルチエンディング方式」も採用したことで話題となりました。

ストーリー

1000年前、この世界にライアという超能力を持った少女が現れた。彼女は超能力でモンスターを造りだし、それを率いて世界を征服しようとする。人類の科学文明は強力なモンスター達の前にまるで歯が立たず、世界の半分をライア軍に支配されてしまった。そんな中、ある国に「オラキオ・サ・リーク」という男が現れる。

彼は自身が作り上げたロボット軍団を率いてライア軍に反撃を開始、一時は退けるものの、その後オラキオ軍とライア軍の戦いはさらに激化、戦いの中でオラキオとライアは相討ちとなり、双方軍の中心人物を失ったことで戦いは勝者の無い状態で沈静化する。そしてこの戦いは「ライアとオラキオの戦い」と呼ばれ、やがて伝説として語り継がれた。

「ライアとオラキオの戦い」でオラキオと共に戦ったものが「オラキオの民」、ライアと共に戦ったものが「ライアの民」と呼ばれるようになってから1000年後のこと、オラキオの血を受け継ぐ「リーク国」の王子「ケイン・サ・リーク」は、散歩中に浜辺に流れ着いた一人の記憶喪失の美しい少女を助ける。

「マリーナ」という名前しか覚えていない彼女を自分の城で保護し、共に暮らし始めたケインはやがてマリーナに恋をする。隣国に許嫁がいる為(ケインはその許嫁の顔も知らない)両親には反対されたが、結局ケインは彼女に求婚。そして国をあげての二人の幸せな結婚式が行われるはずだったのだが、結婚式の最中に現れたドラゴンによってマリーナはどこかへ連れ去られてしまうのだった。

フィールド

では、ゲームシステムについて説明していきましょう。

まず本作は「ウルティマシリーズ」や「ドラゴンクエストシリーズ」と同じ「フィールド探索型」のRPGとなっており、それについては一般的なシステムなので特に問題はないのですが、ただゲームを始めて少し歩いてみるとすぐ「ワールドマップがやたら狭い」ということに気がつきます。

一般的なRPGならば、最初の街から次の大きな町へ行く程度の距離を歩くともう世界の端が見えてしまうんですね。

なのでマップ上の街の数も少なく寂しく感じるのですが、ワールドマップ上にある特定の洞窟から通路を抜けると、そこには別のワールドマップが存在しているんです。そこもそれほど広くは無いんですが、また別の洞窟から別のワールドマップへと繋がっていて、まるで洞窟を通じていくつかのワールドマップが葡萄の房のように繋がっている感じなんですね。

どうして一枚の大きなワールドマップではなく、こんなややこしいものにしてしまったのか?実はそれにはちゃんと意味があって、物語の中盤あたりでそれが明らかになると「あー、なるほど!!」と思わず感心してしまいます。

ちなみに前作「ファンタシースターII(以下:PS2)」では、ワールドマップも街やダンジョンも非常にSFチックなデザインとなっていましたが、本作ではダンジョンや一部フィールドを除けば非常にファンタジー色の強いデザインとなっていました(科学文明が退廃している世界だからでしょう)。

ダンジョン

そのダンジョンですが、初代「ファンタシースター(以下:PS1)」では「ウィザードリィ」タイプの擬似3Dダンジョン、前作PS2では「ドラゴンクエスト」のような見下ろすタイプのダンジョンになっていましたが、本作では前作からの仕様を引き継いで見下ろし型のダンジョンになっています。

ただ前作を引き継いでとは言いましたが、前作で正直邪魔だった(ゲーム機の機能を見せたかっただけ?)、地面と天井のオブジェでの無理矢理な多重スクロールは無くなり、またこれも前作で評判が悪かった解りづらい複雑なダンジョンやトラップは鳴りを潜め、比較的攻略しやすいものになっていましたね。

しかし、ワールドマップでも街中でもダンジョンでもそうなのですが、歩行スピードが遅いのは前作のままでしたね。ここは改善してほしかったところではあるのですが…もしかして1つのワールドマップ狭さを感じさせないためにわざと歩行スピードを遅いままにしたんじゃ?なんて邪推もしてしまいたくなりますw

戦闘

隊列とグループの判断が難しい

さて本作では、ワールドマップやダンジョンを歩いているとランダムで敵と遭遇し戦闘になります(状況により街中でも遭遇する)。

戦闘シーンはPS2に似ており、遭遇した敵が画面に全部一度に表示されます。敵の配置は「大型」は後列、「小型」は前列というように配置され、さらに配置された場所により左グループと右グループに分けられています。キャラクターが装備できる武器には攻撃できる範囲が決まっており、この敵の配置はそれに影響します。

戦闘では個別に攻撃やテクニック(魔法)、アイテムなどの使用を決定するコマンドとは別に、戦闘が終わるまで手持ちの武器で攻撃し続ける「フルオート」(途中キャンセル可能)と、1ターンのみオートで戦闘する「1ターンオート」がありました。

しかし本作ではぶっちゃけ回復以外のテクニックの使い勝手が悪く、しかも広範囲を攻撃できる武器が多い上に結構強いのでボス戦以外はフルオートで構わないという状態でしたね。

武器の範囲については、近接武器は敵単体(ただし前列がいるときは後列を攻撃できない)、射撃武器も敵単体(ただし前列がいても後列に攻撃可能)、スライサー系は敵前列か後列に範囲攻撃、ニードル系は敵右か左グループに範囲攻撃といった感じです。

本作では敵が最大で8体登場するうえに全体的に被ダメージも大目なので、スライサーやニードル系の武器は大変重宝し、特に序盤からお金さえ溜めれば買える「ラコニアニードル」という武器は、あるとないとでゲームの進行が結構変わりました(もしかしてPSOシリーズのスプレットニードルはここから?)。

迫力が増したような減ったような…

本作では前作に比べて敵が大きくなって、登場時に後方から飛び出してきたり、戦闘中の背景もスクロールしたりと見た目が派手にはなっているのですが、前作であった味方パーティが攻撃する際のアニメーションが一切表示されなくなったうえに、敵キャラクターもアニメーションはするんですがチープなものになっていたのが非常に残念でした。

例えば巨人だと指が1本ピクピク動くだけとか、キャラが反転して左右に動くだけとか…まさかPS2の敵どころか、セガマークIIIの初代PS1よりも敵キャラがアニメーションしないとは思いませんでした。敵のグラフィックはとても個性的なものが多く、興味が惹かれるものであった分、そこが本当に残念でしたね。

あと戦闘に関してでは、戦闘中のBGMが戦闘の状況(通常、敵の奇襲をうけた、こちらが有利になったなど)によって変化するというのがちょっと変わっていましたね。あ、BGMといえば、フィールド移動中のBGMはストーリーが進みパーティメンバーが増えるごとに豪華になっていくというものでしたね。こういった試みは面白いと思います。

テクニック

さて次は本作の中核となる「結婚」について紹介して行こうと思ったんですが、その前に「テクニック」について、こちらも独特なシステムなので軽く紹介させてください。テクニックというのは一般的なRPGで言われる「魔法」のことで、「ファンタシースターII(以下:PS2)」よりテクニックという名称になり、以後のシリーズに引き継がれている設定ですね。

本作のテクニックにはまず4つの分類(回復/攻撃/補助1/補助2)があり、1つの分類にそれぞれに4種類のテクニックが存在しているのですが、全部で12種類しか無いので一般的なRPGの魔法に見られる強魔法(例えば「ホイミ」に対しての「べホイミ」、「ブリザド」に対しての「ブリザラ」など)が存在しません。

ではどうやって効果の高い魔法を使うのかというと、各所の街にある「職人」の店で分類別に「配分」を設定するんですが、この配分を決めるシステムが非常に独特なものでした。職人に再配分を依頼すると、4種類のテクニックそれぞれの配分値を現すマークが四角い枠で表示され、その枠の中央に十字のマークが表示されます。

方向キーでこの十字マークを下に動かすと上に配置されているテクニックの配分値が増えて使用時の効果も上昇します、ですが下に配置されているテクニックの配分値は逆に減り、その効果も減って行きます。カーソルを上に動かすとその逆になり、左右に動かしても同様に配分値が変わります。

このようなちょっと特殊な方法で魔法の効果量を設定するのですが、ちなみに効果がダメージ量や回復量でなく「成功か失敗か」という効果のもの(例えば復活や即死効果のものなど)は、配分値がその成功率に影響していました。ただ毒の治療すら確率制にするのはやめてほしかった。このゲーム、毒攻撃してくる敵が異様に多いので…。

結婚とストーリー分岐

結婚によって物語も主人公も変わる?

ではいよいよ本作の目玉ともいえる「結婚」そしてシナリオ分岐について紹介して行きましょう。本作はストーリーとして全部で3つの章に分かれています。そして第1章と第2章では物語の最後に大きな2つの選択肢があり、ユーザーがそのどちらを選んだかによって物語が分岐し、それによって次の章の内容どころか、主人公までもが変わってしまうのです。

このユーザーが行う選択というのはその章の主人公を誰と結婚させるのか?というもので、その章の主人公はストーリーの中で2人の女性と出会い、最終的にそのうちどちらかと結婚することになります。そしてその後2人の間には子供が産まれ、十数年後にその子供が次の章の主人公となって旅立つのです。つまり、本作は最初の主人公から3世代(孫まで)に渡っての壮大な物語になるのです。

前回記事のストーリー説明でも書きましたが、この世界には2つの対立する民族が存在し長く争いを続けています。そして主人公の2人の結婚候補はこの対立する民族の重要人物というパターンが多く、結婚相手を誰にするかで生まれる子供が変わるだけでなく、父親の所属する国も変ることで戦うべき相手も変わってきます。(この辺の変化が顕著なのは第2章ですかね)。

君は誰と結婚をする?

さて次の世代の章に移ると主人公が前の主人公の息子に変わるのですが、そのとき親から引き継げるものとしてまず能力があります。両親の組み合わせでオラキオの民の血が濃ければ息子は戦闘能力に長け、ライアの民の血が濃ければテクニック特化に、両方がバランスよければバランスタイプになります(オラキオの血が濃いと強いんですがテクニック、特に回復魔法が使えないので攻略が少し辛くなる)。

次に引き継げるものは、最初の主人公が途中で仲間にした女性型アンドロイド「ミュー」と男性型アンドロイド「シーレン」です。この2人はアンドロイドなので主人公達とは違い歳を取らないため、3世代にわたって主人公と行動を共にしてくれます。さらにレベルや与えた装備もそのまま引き継ぐので、この2人を武器防具を優先的に強化すると次の世代が最初から楽になりますね。

最後にある意味これが一番助かる引継ぎ要素かもしれません「メセタ」、つまりお金です。このゲーム、他のRPGのように宝箱から強い武器が拾えるケースが少ない(というか全体を通して宝箱の数が少ない)ので、パーティの装備強化は大抵店で購入したものになります。なので次世代に資産を残しておけば、子供の冒険に大きな助けになるのです。

もうちょっと結婚相手との絡みがあれば…

さて、本作では主人公の結婚相手を決めることで次世代の主人公が変化するのですが、それと同時にストーリーとエンディングも変化します。そのストーリーなのですが、全体的に話の流れを整理して見ていくと非常に良くできた物語になっているんです。が、ゲーム中の圧倒的な台詞(イベント)の少なさにより、恐らくプレイヤーには物語の面白さを半分も伝えられていなかったんじゃないでしょうか?

それは「結婚」についても言える事で、結婚相手とまともに話すのはその人がパーティに加わったときぐらいで、あとその道中にはイベントらしいイベントも会話も無く、最後の最後で「じゃあ結婚相手をこの二人から選んでください」と言われても、思い入れも何もあったものじゃない!となり、結婚というこのゲームの目玉部分がまるで「ハイ/イイエ」のような単なる選択肢になってしまっているのがもったいないですね。

また各キャラクターそれぞれに背負った背景のようなものが見え隠れはするのですが、それがゲーム中で上手く表現しきれていないので、なんか消化不良のまま物語が終わっていく感じがしました。せめて花嫁候補とのイベントは何個か入れて欲しかったと思うのですが、恐らく容量的に苦しかったのでしょうね。他のRPGと比べて、街中にいるNPCの少なさからも、そういうところが伺えます。

《総括》システムは時代を先取りしていたが…

割と世間では低い評価

もうちょっと書きたい事もあるのですが、また長くなるのでここらへんでまとめたいと思います。
本作はゲームファンの間では非常に低い評価を受けることが多いのですが、この時期のひとつのRPGとして見れば及第点を与えられる作品ではあると思うんです。

決定的に駄目な部分があるわけでもないし、ゲームとしても遊びやすい(恐らく過去の2作品と比べたら遊びやすさでは一番だと思う)。しかもあの「DQ5」より先に、結婚と3世代にわたる物語をRPGで表現したのも評価できる。

ただやはり過去シリーズ(特にPS2)と比較されてしまうと、色々違う部分、劣る部分が目立ってしまうのでしょう。特に前作PS2は難易度は高かったけど、話題にもなり人気も出た名作だっただけに、その続編にかけるユーザーの期待値も必然として高まったでしょうからね。名作の次に凡作が現れれば、実際の出来以上に低く思われてしまうものです。

私も今回の紹介記事で色々良くない部分も書いてきましたが、そういう部分はゲームを決定的に駄目にしている要素ではなく、あくまでここが惜しかった残念だったという点なんですよね。

そこが上手く行っていれば、「もっと」いい作品になったという部分なんです。とはいえイベントの少なさ、敵アニメーションのショボさにしても、現在ならともかく当時では容量の問題というのもあったでしょうから、難しいところですね。

色んな部分でボリュームが足りなかった

例えば普通のRPGで一人の勇者が旅立って魔王を倒すまでの物語を10の容量で作るとして、それとほぼ同じ容量で単純に3世代にわたる物語を作るとなると、世代ごとに3・3・4といった容量の割合で作る必要があります。

しかし本作はシナリオ分岐により、2世代目は2パターン、3世代目は4パターンのストーリーが存在するわけですから、共有できる部分はあるとはいえ、容量的にはかなりキッツキツだったのではないでしょうか?

そう考えると全体的な表現力不足も、シナリオ分岐があるのにセーブスロットが2箇所しかなかったのも致し方なかったと言えませんかね?

最後になりますが、本作は世界観的に前作PS2を全然引き継いでいないという意見(批判?)もよく聞きますが、本作は話的にはPS2の後の話ではあるものの、ファンタシースターシリーズの舞台であるアルゴル太陽系を脱出した人々がそれすらも忘れてしまった時代の話なので、既に独自の文化形態が根付いていた世界と考えればちょっと納得は出来る気がします。

そういう世界観だからゲームタイトルも外伝的な感じで「時の継承者」が主題で、「ファンタシースターIII」が副題になっていたのかもしれません。ちなみにPS2の世界観を引き継いで後のシリーズにも継承したのは次回作、シリーズ4作目の「ファンタシースター 千年紀の終わりに」となります。

といったところで終了です。
みなさんはこのゲーム好きでしたか?

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. 名無しさん より:

    [絵文字:v-10][絵文字:v-442][色:990000]色付きの文字[/色]
    懐かしいですシーナっち神凰拳弁天様ちゃんさんはボディースーツなんですよおはようございますそれではさようなら

  2. ソンゴスキー@れとろげ より:

    >名無しさん
    弁天様もそのうち扱おうかなとは思っています。

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