勇者の塔 46F
No.0185
発売年 | 1992年 |
販売/開発 | リバーヒルソフト |
ジャンル | ファンタジーロールプレイングゲーム |
発売機種 | PC-98、PCエンジン、スーパーファミコンなど |
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「プリンセス・ミネルバ」とは?
「プリンセス・ミネルバ」は、「殺人倶楽部」、「琥珀色の遺言」などで有名な「リバーヒルソフト」より1992年に発売されたPC-98用ファンタジーRPGで、後にPCエンジンCD-ROM2、スーパーファミコンに移植されました。企画に「サクラ大戦」などでお馴染みの「レッドカンパニー」か関わっており、本作を原作としたメディアミックス展開(漫画、小説、OVAなど)も広く行われていました。
リバーヒルソフトの作品といえば、「J.B.ハロルドシリーズ」や「一九二〇シリーズ」などのシリアスで骨太な推理AVGや、「BURAIシリーズ」のような少年漫画テイストのある王道RPGというイメージがありますが、あえてそれらを「硬派」と称するならば、本作はかなり「軟派」な作品であり、全体的にノリが軽く(ギャグ要素が多い)、またメディアミックスを意識して作られているからなのか内容よりも「キャラクター」に重きを置いている、そんな感じの作品でした。
ストーリー
ウィスラー王国のわがままプリンセス「ミネルバ」は、17歳の誕生日を前に「自分の親衛隊を作りたい」と言い出し、周りの反対を押し切って家柄も素性も知らないような女性を集めて「ミネルバ親衛隊」を結成しました。
そんな時、王国のあちこちで部下に女性をさらわせている魔術師「ダイナスター」からミネルバ宛に挑戦状ともとれる手紙が届きます。
もちろん喧嘩を売られて黙っていられるミネルバではありません。
ミネルバは親衛隊とともにこっそり城を抜け出し、ダイナスターを討伐する旅にでるのでした。
「ミネルバ親衛隊」とは?
さて、その「ミネルバ親衛隊」のメンバーは以下の8名になります。
ブルーモリス | ウィスラー王国近衛隊副体長であり、ミネルバの守役。 |
チロリア | 「死神」の名を持つ凄腕の賞金稼ぎ。 |
ケスレー | チロリアと同じく賞金稼ぎだが、まだ売り出し中。 |
オーリン | 問題を起こして教会を追い出された元僧侶。 |
トゥア | オーリンが保護しているハーフエルフの少女。 |
ラクロア | 本業は商人だが、夜の酒場でSM女王として活躍していた。 |
エラン | 学者であり、古代魔術の専門家でもある。 |
ミズノ | 東の大陸から渡ってきた格闘家。 |
本作ではプレイヤーが操るキャラクターとして、ミネルバ+親衛隊の合計9名が存在します。
これだけのキャラクターがいる場合、普通のRPGであればシナリオ進行によってメンバーが途中で抜けたり、新たにメンバーが加わるなどの「メンバーの入れ替え」が行われるパターンが多いかと思いますが、本作ではゲームスタート時からラストまでメンバーはこの9人と決められています。
これ以上メンバーが増えることも無ければ、途中で減るということもありませんでした。
最初に言ったように、本作はメディアミックスという趣旨も踏まえて「キャラクター」を前面に出した作品なので、シナリオ展開によりシナリオ終盤から参入したり、途中で抜けてしまったりすることでそれぞれの印象に差ができてしまうことなどを考慮して、シナリオ進行によるメンバー入れ替えをしなかったのかもしれませんね。
9人で3人パーティを3組作る
じゃあ入れ替えが無いって事は、この作品では9人パーティで行動するのか?という疑問が沸くと思いますが、それはそうではなく、魔術師ダイナスターが王国で同時多発的に事件を起こしていることに対応するために、ミネルバ含め9人のメンバーを3人ずつ3つのパーティに分けて、それぞれを事件の起こっている3つの地方へ派遣するという方法が取られています。
どこの地方へ向かわせるパーティメンバーを誰と誰と誰にするのか?というのはプレイヤーが自由に決定することができるようになっていて、向かわせた場所のシナリオ展開やパーティバランスによってゲームの難易度は結構変化しました(手詰まりになることは無い)。このへんの自由度が本作のウリでもあり、一度ゲームクリアしたあとでも組み合わせを変えて再チャレンジする楽しみというのもありました。
ただしパーティの自由度の弊害ともいえる点として、パーティメンバー間の会話や関係性の表現が乏しくなるというのがありました。それを考慮してか、後に移植されたPCエンジン版とスーパーファミコン版についてはパーティは3つに分けるが常に一緒に行動するように変更され、そのおかげでキャラ同士の掛け合いなども多く楽しめるようになっていましたね。
見やすく解りやすいフィールド画面
さてシステムの説明に行こうと思います(ちなみにシステムについては、PC-98版をベースにしています)。
本作は見下ろし型のフィールド探索型RPG(まあ要するに「ドラクエタイプ」)で、街や城内部のマップで情報収集や買い物を行い、情報をもとに全体マップ上で次の目的地(新たな町やダンジョンなど)へ向かい、それらの場所で起こるイベントを発生させてゲームを進行していきます。
この当時ではもうそれほど珍しい事でもありませんでしたが、本作はマップ上に表示されるキャラクター(自分達やNPC、建物など)のサイズが大きくて見やすく(また解りやすい)、操作しているキャラクターの移動速度が比較的速いうえに「斜め移動」もできるため、街やダンジョン、全体マップでの移動に関してのストレスが非常に少ないものになっています。
全体マップは、ある程度の地域ごとに分けられており、地域内では進んだ方向にスクロールしていきますが、その地域の端まで進むと次の地域にマップが切り替るという仕様になっていました。
また全体マップのときのみ、コマンドからその地域のマップを見ることが出来たため、自分達の位置(マップ上で赤いマークになる)や目的地の把握がしやすいのが便利でした。
お着換えシステム?
次に本作のある種「目玉」でもある「お着替えシステム」についてです。
本作にて各キャラに武器や鎧、盾などを装備させようとすると、画面が切り替りそのキャラが現在装備中のアイテム一覧と装備によるキャラの能力、そしてそのキャラが現在装備している鎧を装備した状態のグラフィックがどどんと画面に表示されるのです。
しかもどの装備も結構エロエロしい!(感涙
本作では防具の能力は単純に防御力の高さだけでなく、素早さや魔法防御力に与える影響も重要になってきます。なかには防御力よりも素早さ(魔法防御)のほうが大きく上がる装備などもあり、どの能力を重要視して装備品を考えるのかは、それぞれのキャラのもつ「資質レベル」により変わり、また資質レベルにより装備できない装備などもあります(「資質レベル」については後編で説明)。
しかし、その装備がどのパラメータがあがるものなのかは装備してみないと解らないし、買ってみたらまだ装備できないものだったという場合もあります。そこで本作の防具屋には「試着室」というものがあり、そこで売っている防具を試着しパラメーターの変化とグラフィックを確認することができるのです。便利ですね。
ただし容量の都合だと思うのですが、幼女であるトゥア以外のお着替え時のキャラグラフィックは全員共通のものとなっており、親衛隊で最もグラマラスなラクロアと、最もスレンダーなケスレーが同じ体つきという色々大変な事態になってしまっていますw
キャラクターの個性を表す「資質」
さて次は戦闘について…と行きたいところですが、先にさきほどちょっと触れた「資質レベル」というものについて説明しておいたほうが、後々わかりやすいでしょう。
当時の一般的なRPGではキャラ毎に職業が決まっており、「戦士」であれば戦闘するごとに「戦士の経験値」があがり、戦士と魔術師の能力を持つ「魔法戦士」であれば戦闘するごとに「魔法戦士の経験値」が上がり、その値が一定値になるとそれぞれのキャラに設定された職業(あるいは魔法戦士)のレベルが上がるというシステムが普通でした。
しかし本作に登場するキャラにはシステム上「固定の職業」というものがなく(設定上の職業はあるが)、その代りに「資質」というものでキャラ能力の個性を表現しています。資質には、剣や固い鎧で戦う「剣士」、体術を得意とする「格闘家」、攻撃魔法を得意とする「魔術師」、回復・防御魔法の「僧侶」、失われた古代魔法を使用する「エルフ」の5つがあります。
いやだから、その資質が「職業」って事なんでしょ?と思う方もいるかもしれません。それは概ね合っているのですが、それだけではなく本作では1つのキャラが複数の資質を持っているんです。例えばミネルバは、剣士と格闘家、さらに魔術師と僧侶の資質をもっていて、剣や体術で戦うだけでなく、攻撃魔法や回復魔法なども使用できるオールマイティタイプ、一方でミズノは資質を「格闘家」しか持っていないスペシャリストという設定になっています。
しかしそうなると、いろんな資質を持っているキャラのほうが有利なのではと思ってしまいますが、キャラが持っている資質にはそれぞれ「経験値」「レベル」「資質%」が設定されていて、例えば格闘家70%、僧侶30%の資質を持つキャラは戦闘で得られた経験値が70%の確率で格闘家の経験値に、30%の確率で僧侶の経験値に入ります(割合での分配ではない)。一方で格闘家100%のキャラであれば経験値は必ず格闘家に入ります。そして資質の経験値が一定の値になると資質レベルが1上昇するんです。
資質の%は必ず合計で100%になるので、これにより資質を多く持つキャラほど1つの資質レベルが上がる速度が遅くなり、逆に少ないほど早く上がるようになります。資質レベルは覚える技能(技や魔法)や装備できる武器防具の制限に関係するので、スペシャリストはその辺が有利になります。
ちなみに初期段階ではキャラの資質%は決められていますが、一度ゲームをクリアしてから再スタートすると、資質の%をプレイヤーが自由に設定できました。
「属性」が重要になる戦闘システム
うーむ、資質レベルの話が長くなってしまったけど、資質も本作の重要な要素なのでしょうがないか。さてでは続いて戦闘システムについて説明しましょう。全体マップやダンジョンなどを歩いているとランダムで敵と遭遇し、画面が戦闘シーンに移行します。本作の戦闘シーンは、初期のファイナルファンタジー的なサイドビューになっていました。
戦闘シーンではターン毎に各キャラの行動をコマンドで決定し、全て決定したら以後は敵味方入り乱れて(ほぼ素早さ順)に行動します。コマンドには通常攻撃やアイテム使用、退却の他に、資質毎にある技能(剣技、格闘、魔法、召喚)や、3人一斉に接近攻撃をする「突撃」などがありました。また前のターンに行ったことをそのまま実行する「前回同様」というコマンドがあったり、前回と同じ行動を指定回数繰り返させることもできるなど、プレイヤーへの配慮がかなり充実していました。
本作の戦闘において非常に重要になったのが「抵抗力」の存在で、敵味方共にそれぞれの使用する攻撃には「属性」が、それぞれのキャラには属性に対しての「抵抗力」が細かく設定されていて、相手が高い抵抗力をもつ属性で攻撃してもほんとに雀の涙程度しかダメージは与えられないので、敵への有効な攻撃の把握(特にボス相手)は非常に重要でした。
ちなみに本作に登場する敵モンスターの殆どは、魔術師ダイナスターがさらった女性をモンスター化させたもので、その姿はモンスターというより「コスプレ(中には着ぐるみレベルも)」といったほうがいいかもしれません。あ、でも断っておきますが、本作で敵モンスターを倒しても
エッチな悪戯はできませんよ?(そういうゲームじゃねえから、これ
ボスがなんでこんなに可愛いのかよ
本作ではイベントで訪れるダンジョンや塔などで、最後にボス的な敵とのイベント&バトルが存在しますが、その中でもストーリーの重要なところに出てくる魔術師ダイナスター直属の部下達(もちろん全員女性)との戦いでは直前にデモシーンが流れ、下手したら親衛隊メンバーよりも目立つようなどアップのグラフィックが表示されたりします。それがまた可愛い(美しい)ものですから、ほんとに本作はキャラクターに力を入れているなあと感心してしまいました。
しかしただ可愛い(美しい)だけではなく彼女達は当然ながら「強敵」なので、戦闘ではかなりの苦戦を強いられるでしょう。彼女達は「夢のナビ」「水のグローヒル」というように、それぞれに名前に得意とする属性が付けられており、例えば「夢のナビ」は戦闘画面の背景を夢の世界のようなものに変えると同時に、全体に混乱攻撃をしてくる「ワールドチェンジ」というえげつない技を使ってきていましたね。
中ボスやボスは得にという話なんですが、直接攻撃への抵抗が高いボスに直接攻撃メイン(特に格闘家は技能も「直接属性」がほとんど)のパーティで挑んだり、魔法抵抗の高いボスに魔法攻撃メインのパーティで挑んだりすると半端じゃなく苦労することになるので、最初のパーティ編成は属性のバランスを取る事を重視し、2周目以降はボスの属性を当て込んだ編成にする、なんて楽しみ方もできると思います。
軟派に見えても中身はしっかり
さてではそろそろまとめるとしますか。本作は最初に言ったようにキャラクターを前面に出した作品にはなっていますが、だからと言ってゲームそのものの出来が悪いかというとそうではなく、メディアミックスという部分を除いて、一つのRPGとして見ても標準以上の評価が出せる遊びやすいゲームだと思います。属性や資質の存在についてはちょっと最初は戸惑いますが、すぐに慣れるでしょう。
難易度としては、ゲーム進行については情報をしっかり追っていけばあまり引っかからないレベルなのだと思いますが、ボスがいる辺りの敵が他に比べてかなり強いので、レベル上げを怠ると逃げ回らなければいけない状況になってしまいます。そこを意識してなのかエンカウント率は結構高めでした。
また男子(?)としてはやはり「お着替えシステム」が結構楽しく、街に入ったら意味も無く防具屋に行っていろんな装備を着せ替えて遊んでしまったりしてしまいます(俺だけか?w)。さらに本作では装備を変えると、移動中及び戦闘中のちびキャラのグラフィックも変わるというのも楽しかったです。こうなってくると、つい「装備がもっと欲しかったな…」と欲張った感想を持ってしまいましたねw
実は私はまだこの作品を最後まで遊んでいないので、いつかプレイ日記を書きたいなあと思っているのですが、PC98版とPCエンジン版のどちらで遊ぼうかで悩んでいるところです。グラフィックの綺麗さでは当然98版のほうが高いのですが、何と言ってもPCエンジン版は「声」が出ますからねえ…デモシーンの楽しさがまた違ってきますよ。
うーん、いっそ両方やるか?(無理w
並行でプレイするって言うのも、企画として面白いかもねw
あ、最後に余談といえば余談なのですが、PC98版のパッケージには「謎の封筒①、②」というのがあり、ゲームを進めていくと「ここで封筒①を開けてください」というようなメッセージが表示される場面がありました。一種のコピーガードなのかもしれませんが、正直この封筒は無くてもなんとかなるものでした(めんどいけどねw)。
プリンセス・ミネルバ―ウィスラー王国物語 (集英社スーパーファンタジー文庫) (1992/12) 舞阪 洸、REDカンパニー 他
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≫EXIT
お疲れ様でした!
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いつもバナークリックや拍手していただいて、誠にありがとうございます!
コメント
こんにちは。
独自ドメインを手に入れましたので、URLとタイトルが変更になりました。
時間がありましたら、リンクの変更お願いします。
URL http://schwarzgeist.jp/
タイトル 神威雅人のSchwarzGeist-GameBlog.
それでは、応援ぽちっとさせてもらいます。
こんばんは。
ゲームブログ大変ですね。
いつもながら応援ぽちっとさせていただきます。
それでは失礼しますね。^^
>神威雅人さん
対応遅れて申し訳ありませんでした。リンク修正しました。
独自ドメインとは、また気合入ってますねー!すばらしい。
あ、そちらにもお邪魔させていただきましたよー。
PCエンジンので、井上喜久子さんらが?出ているといた記憶しかナイ・・・・
というより98のってあったんデスね・・・・・
今が2014年だから・・・・PCエンジンも「劣化到達年」らしいデス。
ちなみにウチは・・・・使ってません(所持してますが)
何しろケーブルの劣化がヒドすぎて・・・
あー、井上さんのブルーモリスはアニメビデオ版かな?PCエンジン版は江森浩子さんでした。
本作は、主人公ミネルバが伊藤美紀さん、チロリアが田中敦子さんとか、やったら声優が豪華でしたねえ。
PCエンジン、そろそろCDも寿命が近いって言いますよね。
やっぱりバックアップは取っておくべきなんでしょうか…。
これのPCエンジン版
私のブログで攻略中です
気になる方は、FC2ブログ、レトゲ攻略日記にどうぞ!
っと、宣伝失礼しましたw
>もののふさん
おおっと!これは助かります!
もし攻略する際には、参考にさせていただきます!