闘士の塔 15F/No.0092
発売年:1987年
開発元:アイレム
ジャンル:パズルACT
発売機種:MSX2、ファミコンディスクシステム
※「スーパーロードランナー」の画像はすべてMSX2のものです
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「スーパーロードランナー」とは

「スーパーロードランナー」は1987年に「ジッピーレース」や「スペランカー」で有名なアイレムより発売された面クリアタイプのパズルアクションゲームです。同タイトルでMSX2版とファミコン(ディスク)版の2作品あり、基本的ルールは同じですが、面構成などは違っていました。
本作は後述する「ロードランナー」という作品のアレンジ版で、特に同社が発売していたアーケード版「ロードランナー」(4作品)をベースにアレンジした作品となっています。
*ストーリー
魔神帝国に奪われた宝をすべて取り戻すために勇敢なコマンダーが挑戦する。
そこはまるでパズルのような地下世界だ。
宝を守っている子の番兵達が襲い掛かる。ひるむなコマンダー!!戦いは始まったばかりだー。
(付属マニュアルより)
「ロードランナー」について

ある程度レトロなゲームを知っている人で「ロードランナー」という作品を知らない人はいないと思いますが、一部勘違いしてしまっている人もいると思うので簡単に説明しておきます。
「ロードランナー」は1983年にブローダーバンド社からApple II用として発売されたのが最初で、同年に日本でもPC-8001mk-II用がシステムソフトより移植発売され、後に様々なパソコンにも移植されました。
パソコン版のロードランナーは、キャラクターが小さな棒人間のようでしかも自キャラと敵キャラが同じグラフィックの色違いというお世辞にも良いグラフィックとは言えないものでしたが、パズル性とアクション性が巧みに両立されているこの作品においては、1画面で全体を見渡せ敵の動きも把握できるという事が重要であり、そうなると当時の解像度の問題からもこうせざるを得なかったという事情もあるのだと思います。


そして翌年1984年に、本作のベースでもあるアーケード版ロードランナー(画像左)がアイレムより発売、同年にファミリーコンピューター版ロードランナー(画像右)もハドソンより発売されました。
アーケード版は解像度の高さからキャラクターを大きくさせてかつ1画面で見渡せるという仕様を実現できていましたが、ファミコン版は子供向けにキャラクターを見やすい大きさでコミカルなものにしたものの、解像度の問題で1画面に収まらせる事ができず複数画面でスクロールさせるという仕様になってしまったため、パソコン版を知っていたファンをがっかりさせました(複数画面化するのはブローダーバンド社も反対したらしい)。
ちなみに同年には、セガSG-1000版のロードランナーも発売されており、こちらはパソコン版にかなり忠実なものでした。
しかしやはり当時ファミコンで遊んでいた年齢層にはこのわかりやすいキャラクターがマッチしたようで、ファミコン版ロードランナーは大ヒット、結果的にロードランナーという作品の知名度を大きく高める結果となっています。
ただこのせいで、今でもロードランナー=ハドソンのゲームと勘違いしている人もいるようですがw
「スーパーロードランナー」のゲームルール

さてロードランナーの話だけですっかり長くなってしまいました(苦笑)、本作についての話に戻りましょう。
MSX2版のスーパーロードランナーはパソコン版と同じでキャラクターを小さくし、1画面で全体を見渡せる仕様になっています(ファミコン版はやっぱりスクロールする)。とはいえキャラクターはさすがに棒人間ではなく、小さいながらもアーケード版をイメージしたものになっていました。
プレイヤーはカーソルキーでコマンダー(自キャラ)を操作し、”ヲ”キーでコマンダーの左の床に、”ン”キーで右側の床に穴を開けることが出来ます。
地面に開けられた穴に敵が入った場合、そこに落ちますが一定時間後に穴から這い出してきます。プレイヤーが開けた穴は一定時間で塞がるので、塞がるタイミングで敵を落とすと埋め殺すことが可能です。
またプレイヤーが穴に落ちた場合、下にさらに床がなければそのまま下に降りることが可能ですが、プレイヤーは自力で穴から這い出ることはできないので下にさらに床があった場合はハマってしまい1ミスとなってしまいます。
ちなみにプレイヤーの真下には穴は掘れないほか、そもそも掘ることが出来ない床も存在します。

ステージの至る所には金塊が落ちていて、画面内すべての金塊を拾うと画面上部に抜けられるハシゴが現れ、そこを登るとステージクリアとなります。
金塊は単に床に落ちているものから、計画的に床を掘っていかないと取ることが出来ないものもあります。さらに敵が金塊の上を通過すると、金塊は敵に奪われてしまい敵を穴に落とすなどしないと奪い返すことができません。
敵の追撃を避けながら自分が埋まらないように計画的に穴を掘り、時にはうまく敵をも利用しつつ、いかにして金塊を回収するか?これを頭をフル回転させて考える、それが本作のみならず「ロードランナー」という作品共通の醍醐味であると言えるでしょう。
ちなみに本作オリジナルの要素として”動かせるブロック”なんていうのもありました。
隠しフィーチャー

本作がアーケード版をベースにしていたのはキャラクターと一部の面構成だけではなく、アーケード版の特徴とも言える「隠し要素」についても引き継いでいました。
例えば、一番最初に取ると高得点な金塊や、敵を一匹も殺さない、あるいは一度も穴に落とさないでクリア、敵が身動きできないような位置にはめた状態でクリアすると、クリア後に特別ボーナスが入るようなシステムはアーケード版から引き継いでいます。
※ただアーケード版にあった「隠しキャラ」はいなかったと思います。
ちなみに上の画像は、敵が死ぬことも這い上がることも出来ない状態にハメたところです。これでクリアすると2万点のボーナスが入ります。プレイに慣れてきた人は、こういった隠し要素をどんどん狙っていくという楽しみも用意されていました。
実際にやってみるとロードランナーというゲームで、敵を穴に落とさないでクリアするってすごい難儀だとわかります(私がヘタだけなんだとも思いますがw)
2人同時プレイも可能だった?

本作には2人プレイモードというのもあったのですが、これは1Pと2Pが1ミス毎に交互にプレイするのではなく、同じステージで1Pと2Pが同時にプレイできる2人同時プレイモードの事で、ぶら下がっている片方のプレイヤーの足にもう片方がぶらさがりながらの移動、片方の頭の上に片方が乗ったままの移動など2P同時プレイ独自の行動が可能でした。
ちなみに1人プレイモードと、2人プレイモードは自由に遊びたいステージを選ぶことが出来ます。
チャレンジモードは、通常のステージよりも難易度の高いステージをステージ1から順番にクリアしていくもので、ステージクリアするたびにパスワードが表示され、次回からはパスワード入力でクリアしたステージから再開できるようになっていました。
エディットモードは、家庭用ロードランナーではお馴染みの自分でステージを作る事ができるモードで、全部で10ステージまで作成できました。
《最後に》「バンゲリング帝国3部作」とは
と主な説明が終わったところで最後に余談になるのですが、ロードランナーを制作したブローダーバンド社には、ロードランナー以外にも日本でも有名な作品「チョップリフター」と「バンゲリングベイ」があります。
実はこの3作品は「バンゲリング帝国3部作」としてゲームの世界がつながっているのはご存知でしたか?
機械化人間集団である「バンゲリング帝国」その前線基地を壊滅する作戦をテーマにしたのが「バンゲリングベイ」、帝国に囚われた捕虜を救出する作戦が「チョップリフター」、帝国に奪われた金塊を奪取する作戦が「ロードランナー」だったんです。
※これは後付された設定ではなく、当初から付けられていた設定
ちなみに確かにロードランナーの敵キャラは機械化人間(ロボット)ですが、そのロボットが自我に目覚めボンバーマンとなり地上に脱出してロードランナーのキャラになる、という設定はハドソンオリジナルのものです。
≫EXIT
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コメント
この時点ですでに二人同時プレイがあったんですね。
うちの嫁がなぜかSFCのロードランナーツインが思い出のゲームだということで、その時まで二人同時プレイのロードランナーなんか聞いたことなかったのです。
しかもそのツインはT&Eソフトなんですよねぇ。
> この時点ですでに二人同時プレイがあったんですね。
アイレム版だとファミコン(ディスク)版のスーパーロードランナーも2人同時プレイが可能、というか2Pモードっていうのがありましたよね。そこがハドソンと違うアイレムのアイデンティティなんでしょうかね?
ロードランナーツインは、もはや原型がなかった気が…w