射手の塔2F/No.0045
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「スタートレーダー」とは
基本情報
発売年:1989年
開発元:日本ファルコム
ジャンル:横スクロールSTG
発売機種:PC-88、PC-98、X68000
ゲームの概要
「スタートレーダー」は、1989年に日本ファルコムから発売されたシューティングゲーム(以下:STG)で、STGでありながらアドベンチャーゲーム(以下:ADV)やRPGの要素を取り入れるという、当時ではかなり斬新なタイプのゲームでした。
また当時、「イース」や「ソーサリアン」などのアクションRPGで名を馳せていた「日本ファルコム」による初のシューティングゲームということで、非常に注目された作品だったとも記憶しています。
因みに本作は最初PC88版が発売され、その後PC98版、そしてX68000版が移植されましたが、X68000版は後述する事情により、かなり内容に変更が加えられているバージョンとなります。
ストーリー
かつて「エースストライカー・カイン」と呼ばれた男「カイン」。彼は「スタートレーダー(恒星間の運搬屋)」として、密輸や非合法の運送を生業とし、いつも危険と隣り合わせの生活をしていた。
そんなカインの元へある日「レフィ」という少女が訪れ、”高名な学者である祖父を探してほしい”という依頼を持ってくるところから物語は始まる……。
2つのゲームパート
本作には大きく分けて2つのパートがあります。
ひとつは客と会って依頼を受けたり、依頼の報酬で自機の武装を整えたり、ストーリーを進行させるADVパート。もうひとつは自機を操作して敵と戦いながら、目的地までたどり着くSTGパートです。
実はこのSTGパートが少し特殊で、他のSTGであれば単純にSTAGE1、STAGE2、STAGE3…と順に進んで行くと思うのですが、本作ではADVパートで自分で受ける依頼を決め、その依頼によりプレイするステージが変わるという仕様になっていました。
(ここに、いささか問題もあるのだが)
STGパートは非常にシンプルな横スクロールタイプで、操作はテンキーで自機を8方向に操作し、XキーでマウントウェポンAを、ZキーでマウントウェポンBを発射すると言うものです。
因みに、ADVパートで武装を購入していれば、STGパートが始まる直前に武装の換装を行う事が出来ました。
自機には耐久力があり、STGパート中は画面の左下にゲージで表現されています。そしてSTGパート中にこのゲージが0になると…即ゲームオーバーです(残機制ではありません)。
STGパートの道中にはパワーアップや回復アイテム的なものは出現せず、更に敵を倒してもお金が得られる訳でもないので、無理に敵機を撃墜しようとして消耗するよりも、敵を避けつつボス戦に向けて耐久力を温存させる方が得策と言えるかもしれませんね。
ちなみに本作のSTGパートには、恒星のプロミネンスや、地面から生える触手、画面を覆うような巨大戦艦など「どこかで見たような」敵も登場していました。
本作の抱える問題点
本作には様々な問題点がありました。
まず肝心のSTGパートにおいて、画面上下が狭いせいで敵の攻撃や体当たりを上下移動ではかわし難い事です。
さらに1ステージの長さが普通のシューティングゲームに比べて結構長いので、かなり耐久力の消耗を強いられます。
また背景に流れる隕石と敵の弾の区別が付きにくかったりもしました(隕石は当たり判定なし)。
そしてやはり最大の問題は、ぎこちないスクロールと処理落ちだったと言えるでしょう。これはマシンの性能上仕方のないこととはいえ、あそこまで快適なアクションRPGを作れる日本ファルコムであってもこの問題はどうにもならなかったのかと驚かされました。
とは言うものの、これまで世に登場したパソコンSTGに比べれば、本作は非常に水準の高いものであったと個人的には感じられた。
またADVパートでは選択の自由がウリだったはずが、ストーリーが進んでいないといけない場所が多いためあまり自由に行動ができず、結局はストーリーに沿って進む事が殆どになってしまい、ステージ間にデモがあるSTGとほとんど同じレベルになっていたのはちょっと残念でした。
本作で得られた自由といえば「武器の選択」と、ストーリー上での「選択肢」くらいだったかもしれません。(選択肢は結局何を選んでもあまり変わらなかったような…)。
本作は、STGとADVの融合で革命を起こすという意気込みだったようですが、革命は成功しませんでしたね…。残念。
総評、無理なものは無理?
当時「アクションゲームやシューティングはパソコンに向いていない」というのが、後にX68000が登場するまでパソコンユーザー共通の認識であり、パソコンでシューティングゲームを発売するというのはかなりハードルの高い事だったと言えたでしょう。
しかし逆に言えばハードルが高いという事をユーザーも認識しているからこそ、多少出来に問題があったとしても「これはこれでしょうがない」と思ってしまう部分があったのも事実です。
しかしそういうある意味「タブー」なジャンルに、あの日本ファルコムが挑むと言う事で、ユーザーは必要以上の期待を本作に持ってしまったのかもしれません。
先にも述べましたが、本作は既存のパソコンSTGと比べたら出来は良いといえるものです。しかしユーザーの期待が大きすぎたせいで、評価が必要以上に低くなってしまったのではないでしょうか?
個人的にそう考える部分もある作品が、この「スタートレーダー」でした。
X68000版で復活!
前述の「アクションゲームやシューティングはパソコンに向いていない」という、ある種業界の常識をぶち破ったのはX68000の登場でした。目を覆いたくなるようなグラディウスやゼビウスではなく、アーケードほとんどそのまんまのグラディウスやゼビウスがパソコンで動くという事実は、パソコンゲーマーの度肝を抜きました。
そしてPC88版、PC98版「スタートレーダー」の発売から2年後の1991年、なんとスタートレーダーはそのX68000に移植されたのです(ただし販売・開発はファルコムでは無い)。
しかしこの移植は単純な移植では無く、X68000の性能を活かしてSTGパートを「遊べる」本格的なSTGに進化させ、かわりに余り意味の無かったADVパートをバッサリ切り、通常のSTGのようにステージを順にクリアして行き、そのステージの間にストーリーデモが入るというように改良されていたのです。
これは本来の「スタートレーダー」の目指した形としては違うのかもしれないが、本作のジャンルが仮にもSTGである以上、STGとして完成度の高い方が良いのではないだろうか?と私は思ってしまうのだが、みなさんはどう思うでしょうか?
≫EXIT
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コメント
さすがファルコムなので、グラフィックは綺麗なんですが、壮大な舞台設定の割りにはあまり記憶に残っていないですね。
あちこちお使いをしながらお金を貯めて装備整えての繰り返しをしていたなぁ、くらいの印象しかない。。。
シューティングが苦手なのに、このゲームに手を出したのは、当時ファルコムというブランドに絶大なる信頼を持っていたからでしたが。。
>幻妖斎さん
ほんと「あの日本ファルコムでも、ここまでが限界なのか!?」ってのが、当時の率直な感想でしたね。