勇者の塔 24F
No.0073
発売年:1988年
開発元:システムソフト
ジャンル:ファンタジーRPG
発売機種:PC-98など
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「ティル・ナ・ノーグ ダーナの末裔」とは
「ティル・ナ・ノーグ ダーナの末裔」は、1988年に大戦略シリーズでお馴染の「システムソフト」から発売された”ケルト神話”をベースにしたファンタジーRPGです。
本作の大きな特徴として後述する”シナリオジェネレーター”というものがありました。このシステムにより他のゲームでは考えられない「無限のシナリオをプレイできる」というのが話題となりました。
シナリオジェネレーター
昔のコンピューターRPGというのは、一度クリアしてしまうと二度三度と楽しむと言うのはなかなか難しいものでした。
一度クリアしてしまえばシナリオも解っているので、新しい楽しみや驚きもありませんからね。今のゲームと違いやり込み要素や隠し要素があった訳でもありませんし、サブルートとかマルチエンディングなんてのもそれほど多くありませんでしたからね。
そんな中で登場したのがこの”シナリオジェネレーター”というシステムでした。まずこのゲームを始めるにはこのシナリオジェネレータをまず実行しなければなりません。それにより”自動でシナリオが作成される”のです。
さらに作成されるのはシナリオだけでなく、ワールドマップ、地名、町の配置、登場人物名、ダンジョンマップまでもこのシステムにより作成されました。
そしてこのシナリオジェネレーターを実行するたびに、また新しいシナリオとその他の要素が新たに作成されるので、1つのシナリオをクリアしてもまた新しいシナリオで遊ぶ事が出来る。つまり”無限にゲームを楽しむ事が出来る”のです。
(シナリオは1枚のセーブディスクに最大4つまで同時に保存できました)
さらにシナリオジェネレーターで作成されたシナリオには、10桁の”シナリオコード”というものがありました。
このコードを別の人に教えて、その人がシナリオジェネレーターにそのシナリオコードを入力すると、全く同じシナリオを別の人のパソコンでも楽しめるという面白い機能もついていました。
システム(フィールド)
本作は見降ろし型のフィールドになっていて、テンキーでキャラクター(矢印)を上下左右に操作します。町やダンジョン、階段の上に来たらカーソルキーの上下で中に入ったり上り下りができます。
フィールドに存在する町や城には個別のMAPが無く、中に入ると使用できる施設の一覧が表示されて、テンキーで使用する施設を選ぶというちょっと寂しいものでした。
使用できる主な施設には、宿屋、酒場、よろず屋、医療所、占い師の家などがあり、酒場では冒険する仲間を募ったり、占い師の家では今後のゲーム進行のヒントなどを教えてもらう事が出来ました。
またこの世界には日付と時間の概念(昼と夜)があり、フィールドやダンジョンを移動していると時間が経過し昼→夜→昼と変化して行きます(商店などは昼間、酒場は夜間のみ営業)。
システム(戦闘)
フィールドやダンジョンを移動しているとランダムで敵と遭遇(ランダムエンカウント制)、戦闘シーンに移行。本作の戦闘シーンではパーティメンバーをプレイヤーが動かす事は出来ません。
プレイヤーが出来るのは大雑把な”命令”を与える事だけで、パーティメンバーはその命令に従う形で自動で行動を行います。命令には大きく”全体命令”と”個別命令”があり、それぞれ攻撃/防御/撤退があります(個別にのみ”魔法”がある)。
”攻撃”は仕掛けるターゲットを選択することで、それに対して移動しつつ攻撃を仕掛る。
”防御”は基本的に移動はせず、敵が近付いてきたら逃げ回る。
”撤退”は逃げる方向を指示すると、戦闘を放棄して指示した方向から脱出する。
ちなみに主人公以外のメンバーが脱出しても戦闘は継続されますが、主人公が脱出した場合は戦闘は強制終了されます。
遭遇するモンスターは地域によって多少の違いはありますが、スタート地点付近の最弱の敵でも主人公一人で戦うのはかなり不利になるので早めに酒場で仲間を募った方がいいかもしれません。
また遭遇するのはモンスターだけでなく、エルフやドワーフ、妖精などと遭遇する場合があり、その場合は仲間に誘う事も出来ます(強制的にパーティに入ってくるやつもいる)。
”無限のシナリオ”とは言うけれど…
さて本作のウリとしてはシナリオジェネレーターによる無限のシナリオ生成で、何度でも楽しむことができる!というものでしたが、実際はそんなすばらしいものでもありませんでした。
毎回違うシナリオとはいっても基本的なシナリオは、その国の王様の一族がそのシナリオのラスボスにさらわれたので主人公に助け出してほしい。という部分はテンプレとなっており、変わるのは王様が女王様だったり、さらわれたのが王子、王女、后などに変わる事、そしてそれぞれの名前(国やキャラクター)が変わると言う程度のものです。
※とはいえテンプレは一応数パターンある。
こちらの画像は別々に作ったシナリオそれぞれの導入部分なんですが、観てもらえばわかるように固定のメッセージの一部分だけを入れ替えたものだと言う事が解ると思います。
ゲームの進行としても各地に点在するダンジョンを順番にクリアして行くと最後にラスボスがいるという流れは変わりません。さらにシナリオが違ってもアイテムなどは共通なので、レアアイテムが登場するシナリオなんてのもありません。
そういった理由から、やっぱり数回遊ぶとどうしても飽きるんですよね。
また稀にですが、シナリオ生成にミスってどうしても行き詰るシナリオが出来たりもしたそうです。次のダンジョンに必要になるアイテムが出なかったり、行けない場所が出来てしまったりというように。
最初からそれが解れば作りなおせばいいのですが、頑張ってシナリオを進めて行って最後の方で手詰まりになったりするのはガッカリもいいところですよね。
パーティシステムにもやや問題が
ちなみにこのゲームで作成できるキャラクターはプレイヤーキャラのみで、それ以外のパーティーメンバー(最大4人)は酒場で冒険者を募るか、冒険中に遭遇した様々な種族のキャラクターを仲間に誘うしかありません。
しかしこの仲間と言うのが曲者で、相手の能力は仲間にするまで解らなくて、仲間に入れてみたらとんでもなく役立たずだったり(キャラクターの名前も能力もジェネレーターで作成されるから予想できない)、こっちがOKしてないに「付いて行くぜ!」とかいって勝手にはいってきたり、挙句に唐突にパーティーを抜けたりします。
しかもキャラクターがパーティーに入ると強制的に所持金がパーティ人数で分配され、さらにパーティー内でお金の移動ができないので、パーティーから抜けられると分配された分を持ち逃げされるんです。
場合によっては強制的にパーティーに入ってくる→お金が分配される→あっさりパーティー抜けられる、というちょっとした”当たり屋”みたいなことをされたりします。
まあお金の事は置いといたとしても、良い武器防具を与えた主戦力のキャラクターに、ダンジョンの下層でいきなり抜けられると頭が真っ白になりますね(汗
(っていうかお前は1人で帰れるのかよw)
問題はあれど未来を感じる作品
まあそういった問題部分なんかを許容できる人向けのゲームではないかと思います。
本作はゲームそのもの、RPGそのものとしては、この頃の水準をちょっと下回るレベルのものだった気がしますが、シナリオジェネレーターによる無限のシナリオ生成という試みはコンピューターRPG業界に置いて革新的だったと思います。
昔のゲームは容量の問題もありそれほどボリュームが多くありませんでした、それだけに作る方は工夫して1本のゲームを出来るだけ長く遊ばせるという試みを行っていましたから、このシナリオジェネレーターというシステムはまさにそれを実現するものだったのではないでしょうか?
ただいくつかのテンプレに手を加えただけと言うレベルのものでなく、もっと複雑なシナリオを生成できていたなら、もっと化けていた作品かもしれませんね。
ちなみに本作はその後、Windows版として5まで発売されていましたが、そちらのほうは未プレイなので、シナリオジェネレータがどこまで進化したかは解りません。
機会があったら遊んでみたいと思います。
≫EXIT
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コメント
まともにプレイしたことは無いのですが、雑誌記事を見て凄いとおもってました。さすが98専用とも。あと、フォントの加工がかっこよくて羨ましかったです。