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『トリトーン』白いイルカに乗った少年は出てきません

勇者の塔 47F
No.0189

発売年1985年
販売/開発ザインソフト
ジャンルアクションRPG
発売機種PC88、FM-7、X1、MSXなど
※画像はすべてPC88版です

≫ENTER

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「トリトーン」とは?

「トリトーン」は、1985年に「未来」や「DIOS」などでお馴染みの「ザインソフト」から発売されたアクションRPG(ゲームタイトルでは「リアルタイムRPG」)で、簡単に言うとナムコの名作アクションゲーム「ドラゴンバスター」のようなサイドビューのアクションに、T&Eソフトの名作ARPG「ハイドライド」の成長・宝箱システムを合わせたようなタイプのゲームでした。

プレイヤーは勇者「トリトーン」となり、妖怪「ペイ・バルーサ」とその手下によって支配されてしまった孤島「ルワンダ島」を救うべく、古より伝わる「五色の妙薬」を手に入れ、ペイ・バルーサを倒す為の旅に出ます。本作は比較的シンプルなゲーム性であり、ボリュームもそれほど大きくありませんでしたが、手軽に何度も楽しめる良さがあり、のちに続編とアレンジ移植作が作られました。

ちなみに手塚治虫先生の漫画「海のトリトン」及びそのアニメーションとは関係ありません(言われなくても解る)。またこれも余談ですが、本作の制作会社「ザインソフト」は、なぜか何年かごとに社名を「SEIN」、「XAIN」、「ZAIN」(読み方は全部「ザイン」)と変更していましたね。

ゲームの基本操作

本作はサイドビュー(横からの視点)の画面切り替えスクロールタイプ(画面端に行くと画面が切り替る)で、操作はキーボードの”4”と”6”でトリトーンを左右に動かし、”8”でジャンプさせることができます。ジャンプは”8”だけだと真上ジャンプ、”4”か”6”どちらかと同時に押すと斜めジャンプになります(若干判定が辛い)。

トリトーンは、キーボードの”X”を押して剣を振ることで敵に攻撃を加えることができます。剣は振り始めると、順番にトリトーンの頭上、目の前、足元の1マスに攻撃判定が発生します。またジャンプ中に剣を振ると”攻撃力が2倍”(兜割り?)になるので、強敵相手には如何にジャンプ中に攻撃を当てるかが勝利の鍵となります。

それ以外では”5”キーで画面上にある穴に入ることができ、”Z”キーで「マジックボール」をトリトーンの進行方向に撃つ事ができます。マジックボールに攻撃判定は無いのですが、敵に当たった場合はしばらく動きを止めることが可能です(ぶっちゃけ「ある目的」以外には全然使いませんがね)。ちなみにマジックボールは、初期段階で10発撃てます。

ゲームシステム

さてゲームが始まったら、プレイヤーはトリトーンを操作して画面を移動したり、穴に入ったり(別の場所にワープする)して、どこかにある5つの薬を探し出さなければいけません。しかし画面のあちこちにモンスターがうろうろしており、中には最初の段階では絶対勝てないような敵も存在するため、まずはトリトーンを成長させなければいけません。

トリトーンは敵を倒すことで経験値(EXP)が上昇し、経験値が1000になるとレベルが1上昇し、トリトーンの体力(H.P.)の最大値と、攻撃力(STR)が100ずつ上昇します。次のレベルに上がるためにはまた経験値を1000ためればよいのですが、レベルが上がると自分より弱い敵から貰える経験値が下がってしまい、やがて貰えなくなるのでそうなったら今までよりも強い敵と戦う必要があります。

戦闘中にダメージを受けていき体力が0になるとゲームオーバーとなりますが、減少した体力は一定時間ごとに10ずつ回復するので、危なくなったら安全地帯を探てそこで体力回復を行う必要があります。今戦っている場所で、敵が入って来れないような安全地帯を見つけ出すのも、本作では重要なことです。

「お宝」をゲットせよ!

本作にて、レベル上げの為に同じ敵を何匹も倒していると、突然アラームが鳴り画面下に何かのアイコンが表示される場合があります。これはゲーム内の「特殊アイテム」で、特定の条件を満たす(大抵は敵を一定数倒す)と取得することができ、取得することでトリトーンの能力が上昇したり、特定の場所への扉を開いてくれるなどの効果があります。

また特殊アイテムは、画面上に置かれた「宝箱」の中に入っているものもあり、この場合はトリトーンを宝箱と重ねることで取得できます(一部鍵が必要)。こういった特殊アイテムの中には、ゲームクリアの目的でもある「五色の妙薬」も含まれているため、この特殊アイテム探しも重要な目的となります(この辺は「ハイドライド」っぽいですね)。

これらの特殊アイテムの取得方法は、ナムコの「ドルアーガの塔」なんかに比べたら遥かに解りやすいレベルなので、アイテムが見つからなくて詰まるということはありませんが、1個だけ非常に特殊な行動をしなければ得られないアイテムがあり、しかもそれが無いとゲームクリア不可だったのは難儀でした。まあぶっちゃけ「ハイドライド」にそっくりな仕掛けありましたけどねw

ゲームの攻略方法

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さて本作では、安全地帯を見つけ出すことができれば一方的にリスク無く敵を殺しまくることができたりもしますが、一方でサイドビューでジャンプができるという特色がありながら狭い場所が多いために、敵を避けるために飛び越そうとしても越せなかったり、天井と敵に挟まれ抜けられないまま一方的に攻撃されて死ぬなんて部分もありました。

なんせ、ラスボスにすら安全地帯があるくらいですからw
シンプルなARPGゆえの、良くも悪くも雑な部分ですね(それがこの時代のいい特色でもあるのだけれど)。

アイテム取得方法以外の「謎解き」の部分については、基本的にはアイテムを取得していけば次の場所への道が開けるようになっていたので詰まるような場所はなかったものの、一部ノーヒントでは確実に予想できない(ある場所にマジックボールを当て続けるとか、背景にしか見えない墓標が出入り口だったりとか、ラスボスの仕掛けなど)箇所はありました。

とはいえそれくらいの不親切さがなかったら、ぶっちゃけこのゲーム3~4時間程度でクリアできてしまうので、簡単にクリアされてしまわないように会社のためにも、また折角お金を払って買ったユーザーのためにも、若干の理不尽さは必要だったのかもしれませんね。

「ハイドライド」に…似てません?

しっかしよく似てるなあ…
ちょっとハイドライド(X1版)と並べてみたんですけどね。ゲームロゴ、各ステータスやアイテムの配置場所、おまけに右下の小窓に戦っている敵の情報が体力つきででるあたりまで。さらにもっとよく見たらアイテムの種類もかなり似ている…(ゲームクリアのキモになるアイテムが右下に並ぶところも)。
まあもちろんゲームシステムは全然違うんですけどね(そっちはドラゴンバスターだし)。

ちなみに念のため書いておくと、ハイドライドは1984年発売でトリトーンの1年前、ドラゴンバスターはトリトーンと同年ですがドラゴンバスターのほうが半年ほど早く稼動しています。まあこの当時、ゲームシステムやレイアウトが他の作品と似る(あるいは似せる)というのはよくあった話ですからね。ただこの会社、「未来」って作品でも同じようなことしてるんだよなあ…。

本作に限らずですが、他社作品の良いところを自社作品に取り入れるというのは、まあ綺麗な話ではないにしろ業界的に「パクリつつ、パクられつつ」ってのが普通にあった時代ですから(今もあるしね)それは構わないと思うんですよ。ただ私的に嫌なのは、それが単なる「劣化コピー品」になってしまうこと。どうせパクるんならそのパクリ元を越える、越えられないならせめて横並びになれる良作をつくれよ!と言いたい。

あ、ごめんなさい。こういう書き方をすると本作を非難しているように思われるかもしれませんが、確かに本作はハイドライドとドラゴンバスターを合わせた様な作品なんですが、その2つを上手く調合しているという点で評価できるんですよ。ハイドライドのようなフィールド探索感を、ドラゴンバスターのようなアクションで遊ぶというのが上手く表現できている。

だから、明らかに他社の2作品を合わせた様なものであってもユーザーが楽しめて、そして今でもこの頃の良作(あくまでザインソフト作品内でかもしれないけど)だったと褒める人もいるのだと思います。
皆さんは、この作品好きでしたか?

≫EXIT

お疲れ様でした!

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