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『ツインビー』コミカルでメルヘンなシューティングゲーム

射手の塔 25F
No.0233

コナミを代表するシューティングゲーム。そのコミカルでメルヘンな世界観を見てみよう。

昔から、見た目が可愛いゲームは難易度が高い、なんて言われたりする事があると思うんじゃが、今回の作品もそういう言葉に当てはまる作品じゃと思う。
というわけで入るが良い、射手の塔 25Fじゃ!

「ツインビー」とは?

基本情報

タイトル:ツインビー
シリーズ:ツインビー
ジャンル:縦スクロールシューティングゲーム
発売年:1985年
発売元:コナミ
開発元:コナミ、SPS(X68000版)
発売機種:アーケード、ファミリーコンピュータ、MSX、X68000など
前作:なし
後作:もえろツインビー シナモン博士を救え!
※使用している画像は指定が無い限りX68000版のものです

概要

 「ツインビー」は1985年に「コナミ」から発売された縦スクロールシューティングゲームで、アーケードゲーム基盤「バブルシステム」を搭載した最初の作品である。同基盤を搭載したゲームとして同年の「グラディウス」や「ギャラクティックウォーリアーズ」などがある。

 当時では珍しいコミカルでメルヘンチックなキャラクターによるシューティングゲームであり、独特なパワーアップシステムや、シューティングゲームでありながら二人同時プレイができる点など、非常に個性的かつ革新的な作品であったと言える作品だろう。

ゲームの目的と流れ

 ストーリー上の目的は、ドンブリ島に攻めてきた「スパイス大王」とその部下である将軍たちを、シナモン博士が作った戦闘機「ツインビー」と「ウィンビー」で倒すというものだ。

 ゲーム中ではプレイヤー1がツインビー、プレイヤー2がウィンビーを操作してプレイする事になる。

 本作には空中と地上の概念があり、敵は空中を飛んでくるものもいれば、地上から弾を撃ってくるものおり、これらをスティックで8方向に移動しつつ、空中ショットと地上ショットの2つの攻撃方法を使い分けるて攻撃し倒していく。

 この辺りは「ゼビウス(ナムコ/1983)」と同じ感じだ。

 また強制縦スクロールであることもゼビウスと同じであるが、違うのは一定距離進むとボスキャラクターが登場し、それを倒す事でステージクリアとなり次のステージに進むという点だろう。

 アーケード版は全国10ステージの構成で、ステージ10をクリアすると難易度の上がったステージ1からの再スタートとなる。

敵の親玉である「スパイス大王」はステージ5と10に登場するんじゃが、倒しても特にエンディングもないんじゃよなw

 本作は残規制でありゲーム中に敵や敵の弾に当たった場合、後述する特別な場合の除いては撃墜され残機を1失ない、かつ残機が0の状態で撃墜されるとゲームオーバーとなる。

 従って撃墜されてゲームオーバーにならない様に進みつつ、如何にスコアを稼ぐかと言うのがプレイヤーにとっての目的と言えるだろう。

コミカルでメルヘンなキャラクター

自機がコミカル

 この時代のシューティングといえばSFテイストなものが多く、大抵が未来・近未来の戦闘機で侵略してきたエイリアンや彼らが操縦する兵器と戦うという(あるいは現代兵器同士の戦いなど)ものだった。

 しかし本作は、それらとはかけ離れた兎に角コミカルでメルヘンを感じさせる要素が多分に含まれている作品だったと言える。

 まずそもそも主役機のツインビーとウィンビーの見た目だ。カラーは青やピンクに黄色とカラフルで、しかも全体的に丸みを帯びたとてもSTGの自機とは思えぬ可愛いデザイン。

 さらには機体から腕のようなものが出ており、ポスターなどで確認するとまるで「Dr.スランプ アラレちゃん」に出てくるメカを彷彿とさせるような腕なのである。

可愛い過ぎかよ!

 ゲーム中では地上ショットを撃つと、この腕でショットを地上に向けて「撃つ」ではなく「投げる」のだが、その仕草もまたコミカルで可愛い。

 ちなみにゲーム中に敵の弾や体当たりがこの腕に当たると、この腕は取れてしまい地上ショットの連射力が落ちる。さらに反対側の腕にも当たってしまうと地上ショットが完全に撃てなくなってしまうのだ。

メルヘン?な救急車

 しかし手がなくなると同時に、画面上部からサイレンと共に「救急車」がやってくるので、これと接触することによって修理され、また腕が生えて再び弾を投げられるようになるという、徹底したコミカル&メルヘンぶりを見せてくれる。

 しかし本作のコミカルでメルヘンな部分は自機だけの話ではない、相対する敵も相当にコミカルでメルヘンなのだ。

敵もメルヘン

 まずステージ1で登場する雑魚敵はその姿が皆野菜型の戦闘機であり、ステージの最後にいるボスも「オニオンヘッド将軍」というまんま玉ねぎの形をした母艦だ。

 さらにステージ2では戦闘機は台所用品となりボスは皿。ステージ3では動物、4では文房具など、テーマに合わせた形の敵があれやこれやと登場するのである。

ステージ1のボス「オニオンヘッド将軍」

 本作は自機やザコ敵・ボス加えて、さらに画面を流れていく背景もとてもじゃないが上空で激しいドンパチが繰り広げられているとは思えないのほほんとしたコミカルでメルヘンな背景であり、加えてBGMですらフンワカした気持ちの良いものだった。

 本当に目に入るもの耳に入るもの全てが、コミカルでメルヘンな作品であったのだ。

コミカルでメルヘンなパワーアップ

ベル(鈴)でパワーアップ?

 本作はシステム面でもコミカルでメルヘンな部分を持ち合わせている。それがパワーアップのシステムだ。

 この時代のシューティングゲームのパワーアップは、基本的に敵を倒して出現するアイテムを取るというものだったが、本作はここからもう変わっていた。

 まず本作においても、それまでと同様にパワーアップアイテムが存在し、それを取る事でパワーアップするという仕組みは同じだ。

メルヘンな「ベル」

 しかしそのパワーアップアイテムがまず「ベル(鈴)」だというのがなんともメルヘンであり、さらにベルが出てくるのは敵を倒した場合ではなく、画面を流れる雲を撃った場合なのだ。

 つまりふわふわの雲から鈴が出てくるわけである。

メルヘンにメルヘンの重ねがけじゃなw

 しかしこのベルはただ出しただけではパワーアップ出来ない。

 出現したベルを何度か撃っているとベルの色が基本色の黄色から様々な色に変わる、この色が変わった時に取る事でその色に該当するパワーアップを得るのである。

 因みにこのベルを撃った時の♪リンリンとなるSEが、また心地よかったりする。

ベルの色とパワーアップについては以下の通り。

ベル色取得時の効果
ベルの基本色。パワーアップはしないが、取る事でボーナス点が入り、続けて取る事でどんどんボーナス点が上がっていく。
初期状態の黄色ベルに5発当てると変化。初期状態で前方1発しか出なかった空中ショットが、横に2発並んで出るようになり攻撃判定が広がる。通称ツイン砲。
白状態のベルに5発当てると変化。自機の移動スピードが上がる。取るたびにスピードが上がり、最大で16段階まで上がる。
青状態のベルに5発当てると変化。自機と同じ攻撃をする分身が3つつく。バリアを装備している場合にはこの色に変化しない。
緑状態のベルに5発当てると変化。自機の周囲に敵の攻撃を一定数防ぐ円形のバリアをはる。分身を装備している場合にはこの色に変化しない。

 パワーアップの種類は多くはないものの、ベルの取り方によってプレイヤーがパワーアップオーダーを自分で自由組み立てられるのは本作の大きな特徴と言えるだろう。

 さらにスピードの段階やパワーアップの組み合わせも自分で選択できるというのは、同年のグラディウスと同様に非常に画期的なシステムであった。

ベル以外でのパワーアップ

 また雲からではなく、地上物を破壊した際にもパワーアップベルが出る(コンシューマ版ではキャンディ)場合があり、こちらは取る事で前方三方向に弾を撃てるようになるが、白ベルの効果とは共存できない(後から取った方に上書きされる)。

 また地上物からは画面上の敵を一掃する「スター」や1UPする「ミルク」なども登場し、全くもってメルヘンに余念がない

コミカルでメルヘンな合体攻撃

2人同時プレイが可能

 本作が発売された当時、シューティングゲームにおける2人プレイというのはまず1P側がプレイして、ミスしたら交代して2P側がプレイするというのが基本であった。

 しかし本作では1つの画面に1Pと2Pのキャラクターが同時に存在し、それぞれが同じ画面内で自由にプレイできる「2人同時プレイ」が可能だったのである。

 しかもただ2人同時プレイできるというだけでなく、2人同時プレイでしかできない特別な体験を盛り込んでいた。それが「合体攻撃」である。

 そしてこの合体攻撃の方法がまたコミカルでメルヘンなものであり、それはなんと

ツインビーとウインビーで手を繋ぐ

というものだった。

2人同時プレイならではの要素

 具体的に言うと、1Pが操るツインビーと2Pが操るウインビーを横に並べて繋げるのだ。これにより手を繋いでいる間は2機の間から大きな火球「ファイヤー」が発射されるようになる。

 さらに1人の後ろからもう1人が突っつくように体当たりをすると、今度は5方向にショットが飛ぶ「スター」攻撃ができたりもするのだ。

 さらに2人プレイならではの要素として、残機のおすそ分け機能というのもある。

 これは2人同時プレイ中に片方の残機が0になってゲームオーバーになっても、もう片方に残機が残っていればスタートボタンを押すことでゲームオーバーになった側に残機を渡すことができるというものだ。

つまりカップルで同時プレイして、彼女が「ゲームオーバーになっちゃったー」とか言って彼氏が「じゃあ俺の残機をあげるよ」とか言って彼女が「ありがとー、優しい!」とかイチャイチャするわけだ!(憤怒)

…兎も角、本作は単に2人で同時プレイできるというだけではなく、それに加えて2人プレイだからこそ楽しめるコミカルな要素を加えた作品だったのである。

コミカルでメルヘンな割にシビアな難易度

 ここまで説明してきたように、本作は様々な点でコミカルでメルヘンな部分がある可愛らしい作品であり、これにより小さい子でも女の子でも興味を抱けるような作品でもある。

 だがしかし、だからといって本作がそんな人たちにとっても優しい作品であるかと言うと…意外とそうでもない、見た目に反して割とシビアな難易度のゲームなのだ。

跳ね回るベルの制御

 まずこのゲームにおいて肝心なパワーアップからして難しい。パワーアップについては前述のように、雲の中から現れるベルに弾を当てて変化させる事で可能となる。

 しかしこのベルは雲から出てくると放物線を描くように一旦画面上方向に飛んでから画面下に向けて落下するように移動し、さらに弾を当てるとまた少し上に上がってまた放物線を描いて下に落ちてくるのを繰り返すのだ。

 従ってベルを撃つ位置などによってベルがあっちへ放物線を描いたり、こっちに放物線を描いたりとなかなか安定しないのである。

 しかもベルは画面内に複数出てくる場合もあるので、それらを落とさないように調整しつつ、決まった回数のみ弾を当てるというのは結構難しい。しかもベルが出ている間でも敵は容赦なく攻撃してくるので、攻撃、回避、ベルの制御を同時に行わなければならないのだ。

パワーアップ系STGの宿命

 さらに厳しいのは撃墜された後の復帰である。自機が撃墜されると今までのパワーアップは全て失われてしまうのだが、そこからまたベルを出して、色を変えてというのを何度もやるのは正直キツイ。

 しかもステージが進むほどに敵の攻撃も激しくなるので、当然ミス後の復帰も難しくなり、そんなこんなで焦ると今度はベルに余計な弾を当ててしまったりと、どんどん状況が悪くなる。

 特に初心者であるほどミスしてしまいがちなので、最初のうちはなんとなくパワーアップも出来ていたが、一度ミスしてからはもう復帰が出来なくなりゲームオーバーへ一直線というのは往々にしてあった。

 そしてこのミス後の復帰という問題は、以後のコナミシューティングゲームにずっとついて回る問題(宿命?)ともなったのである。

コミカルでメルヘンはさらに増していく

以降の続編や移植

 では最後に、本作「ツインビー」以後のシリーズ展開について簡単に話そう。

 1985年にアーケードで登場した本作は、1986年にはファミリーコンピュータやMSXなどに移植されている。

 こちらは流石にグラフィック面では劣っていたものの、そのコミカル&メルヘンな持ち味は失っておらず、ファミコンブームの後押しもありゲームセンターに行かない子供や女の子にも本作の知名度を広げた。

 その影響もあってか続編として「もえろツインビー シナモン博士を救え! 」、「ツインビー3 ポコポコ大魔王」が続けてファミリーコンピュータで発売されている。

 更に1988年には、X68000版「グラディウス」にてアーケードと殆ど遜色の無い移植を見せた世間を驚かせた「SPS」よりX68000版「ツインビー」が発売され、こちらもアーケード版にせまる完成度の移植作品となった。

 そしてツインビーにとっての転機が訪れたのは1991年、再びアーケードでの新作ツインビーとなった「出たな!!ツインビー」であろう。

合言葉はBee!

 この新作では、キャラクターデザインで後の「パロディウス」シリーズでも活躍した「Shuzilow.HA」氏が参加しているのだが、ツインビーという作品のコミカルでメルヘンな世界観を全く壊さず、それどころかさらに発展させたコミカルでメルヘンな世界観を作り出していた。

 ちなみにこの作品からツインビーたちに腕だけでなく「足」まで生え、さらに自我まで存在するようになった。

 またこれきっかけにゲーム以外のメディア展開も行われ、「出たな!!ツインビー」を原作とした「ツインビーPARADISE」というラジオ番組が誕生し、さらにそこから主題歌CD、ドラマCD、遂にはOVAまで発売されるに至った。

 「合言葉はBee!」というフレーズは、90年代のゲーム好きなら一度はどこかで聞いた事があったのではないだろうか?

 以後1993年の「Pop’nツインビー」、1995年の「ツインビーヤッホー! ふしぎの国で大あばれ!! 」以降はシューティングゲームとしての新作は出てはいないものの、ツインビーは他の作品にゲスト出演することも多く、そのコミカルでメルヘンな世界観で間違いなくコナミの「顔」となった作品であったといえるだろう。

遊びたくなったら?

 今回の記事で「ツインビー」が気になった方、または昔遊んだ思い出があり久々に遊んでみたくなったという方は、現在アーケード版がハムスターの「アーケードアーカイブス」にて配信中なので購入を検討されてはいかがだろうか。

 またコナミの「アーケードクラシックスアニバーサリー」(PS4/XBOX ONE/Steam/Nintendo Switch)にも収録されているので、こちらもお勧めだ。

ちなみにファミリーコンピュータ版については、「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」で遊ぶ事も可能である。

気になった方は、是非遊んでみてはいかがかな?

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. マーフィ大尉 より:

    コナミよ、あなたは凄かった……。
    母さん、僕たちが愛したコナミはどこへ行ったんでしょうねぇ?
    ほら、アーケードでも、PC(主にMSX)でも僕らを魅了した、あのコナミですよ。

  2. ソンゴスキー より:

    >>1
    ♪ママー、どーゆーリメンバー
    「名作の証明」

  3. 名無しの冒険者 より:

    >>1
    体操のお兄さんが、飛んだり跳ねたりするのを見て、そのアクション性は受け継がれている…のは考えすぎですね(体操服の背中にビックバイパーぐらい載せてもいいと思います)。

  4. 名無しの冒険者 より:

    >ツインビー
    その昔、ツインビーと◎パ◎パ(ファンタジーゾーン)との区別ができませんでした。

  5. 名無しの冒険者 より:

    懐かしいゲームのレビューに思わず読み入りました
    「x x xするわけだ(憤怒)」
    に吹いちゃいました

  6. ソンゴスキー より:

    >>3
    体操服の背中にビックバイパー…欲しいなそれw

  7. ソンゴスキー より:

    >>4
    腕が生えてるのがツインビーで、足が生えてるのがオパオパですね。まあツインビーも後に足生えちゃいましたがw

  8. ソンゴスキー より:

    >>5
    ありがとうございます。
    個人的な何かがもれてしまいましたねw

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