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『Wizardry #1』コンピュータRPGの歴史に永遠にその名が残るであろう名作【勇者の塔10F】

コンピュータRPGの歴史に永遠に残るであろう名作。その魅力とは…。

勇者の塔 10F
No.0034

≫ENTER

いらっしゃいませ!

フロア案内役の”管理人”じゃ。

観覧者の”謎の妖精”よ。

世の中には「コンピュータゲームの歴史として永遠に語り継いでいくべき作品」というものがある。

随分と大仰な話が出てきたわね?

今回紹介する作品は、間違いなくそういった永遠に記録として残すべき作品のひとつじゃろう。

そう言わせるだけの作品…興味があるわ!

では入るが良い、勇者の塔10Fじゃ!

本記事を読み進める前に…

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「Wizardry#1」とは?

基本情報

タイトルWizardry #1 Proving Grounds of the Mad Overlord
シリーズウィザードリィシリーズ
ジャンルファンタジーRPG
発売年1981年、1985年(国産PC版)
販売/開発Sir-Tech、アスキー(国産PC版)
発売機種AppleⅡ、PC-8801、PC-9801、X1、FM-7、MZ-2500、ファミリーコンピュータ、MSX2など
前作無し
次作Wizardry #2 Knight of Diamond

作品概要

 「Wizardry #1 Proving Grounds of the Mad Overlord」は、1981年に「Sir-Tech」社よりAppleⅡ用に発売された、擬似3Dダンジョン探索型ロールプレイングゲームである(日本国内でのタイトルは「ウィザードリィ シナリオ1 狂王の試練場」)。

 世界的に知名度も高い「Wizardryシリーズ」の記念すべき第1作目であり、シリーズは現在までにSir-Tech社の正式ナンバリングタイトルだけで全8作品が発売されている。

 元々海外のテーブルトークRPG「Dungeons & Dragons(D&D)」をコンピュータ上で再現させる試みで製作された作品であり、ACの存在や、各種判定が内部的にダイスで行われるなど、D&D(またはAdvanced Dungeons & Dragons)が由来となっている点が多く存在する。

  因みに、5作品目までタイトルのナンバリングに「#(シナリオ)」がつくのも、D&Dに由来している点である。

D&Dについては、こちらの記事で詳しく触れています。良かったら見てください。

 コンピュータRPGとしては、同時期の「ROGUE」「Ultima Ⅰ」と並び、世界的にも最初期に登場したコンピュータRPGとして有名であり、本作の持つ様々な特徴はその多くについて、前述の2作品同様に後の数多くのRPGに強い影響を与えた。

例としては「Might and Magic」「夢幻の心臓」「ドラゴンクエスト」などかのう?

おお、ドラクエも!

Wizardryシリーズとは

以下のリンクにて、本作を含めた「Wizardryシリーズ」について簡単に解説しているので、シリーズについて知りたい方はこちらをどうぞ。

ストーリー

この国の君主トレボーはまぎれもなく狂気にとり憑かれていた。それも世界制覇という野望に…。だが彼は愚か者ではなかった。その証拠に彼は計画実行のためには二つのことが必要だという冷静な判断を下している。

 一つは13レベル以上のキャラクターたち。そしてもう一つは彼の領土にいながら堂々と歯向かっている悪の魔法使いワードナを倒し、盗まれた魔除けを奪還することだ。

 ワードナの非道ぶりは国中に鳴り響いている。例えば失踪する馬車の行き交う大通りを渡りたがる老婆がいたなら、親切そうな顔をして道の半分までは連れていってやり、そこで財布を取り上げて逃げるなんてことは呼吸をするくらい当たり前にやってのけるのだ。こんな小さな悪事から大きな悪事まで何でもこなすワードナこそ、真の極悪人といえるだろう。

 トレボー王の命のもと、冒険者たちは町はずれの大迷宮で自らを鍛えあげ、その奥深くに住んでいるワードナから魔除けを取り返さねばならない。そしてこの使命が果たせないようでは、これから先の試練は到底やり遂げられない。健闘を祈る!

ちょっとワードナ、

あんたセコイよ!

極悪人というより、ただの小悪党なんじゃ…?

Wizardry #1はこんな風に遊ぶ

ではここからは、ゲームの基本的な流れを説明していこう。

街について

 本作の舞台は都市国家「リルガミン」である。

 この街(城下街)にはパーティを編成するための「ギルガメッシュの酒場」、HPやMPの回復に使用する「冒険者の宿」、状態異常の回復や死者の蘇生を行う「カント寺院」、アイテムの売買や鑑定を行える「ボルタック取引所」などが存在している。

 また「街外れ」には本作の冒険の舞台となる迷宮や、キャラクター作成を行う「訓練場」などもあった。この街は以後#2、#3、#5における共通の舞台となる。

冒険の始まり

 街外れにある「訓練場」で6人ほどのキャラクターを作り、ギルガメッシュの酒場で最大6人までのパーティを組む。

 その後(PC版では初期装備が無いので)ボルタック取引所で最低限の装備を買い揃えたら、街外れから「迷宮」、つまりダンジョンに入ることとなる。

 本作のダンジョンは「ワイヤーフレーム(白い線)」によって一人称視点で描かれたやや無機質な表現となっており、ダンジョン内が暗いため灯りの魔法を使用しないと一歩先までしか表示されないようになっている。

 またダンジョン内の1フロアは20×20マスという結構な広さがあり、落とし穴や回転床、見えない扉や一方通行の扉、更には特定場所に飛ばされる床や何も見えなくなるダークゾーンなどもあるため、方眼紙などでの自力マッピングは必須であった。

自分でマップ書くのとか、めんどくさそうね…

方眼紙マッピングは、古のゲーマーの嗜みじゃぞ?

敵との遭遇

 ダンジョン内での敵との遭遇は、歩いているとランダムで起きる場合と、特定のマスに入った時だけ起きる場合の2パターンがある。

 遭遇する敵はグループ単位で登場し、1グループは1種類の敵が最大9体まで、そして最大4グループまでが同時に現れる。

 遭遇時、画面にはこのグループ単位で敵のグラフィックが横一列に並ぶのだがこれが非常に臨場感があり、これは本作の大きくかつ革新的な特徴だったと言えただろう。

隊列やグループを意識する戦闘

 本作の戦闘はターン制で、パーティメンバーの行動を選択し、全員の選択が終わると選択した行動を敵味方関係なく素早さ順に実行していく。

 その結果HPが0になった敵、またはパーティメンバーは除外され1ターン終了。生き残りがいれば次ターンに移り戦闘継続、どちらかが全滅(または逃走)で戦闘終了という流れになっている。

 本作における戦闘の特徴は「隊列」であり、パーティメンバーのうち先頭3人までが前衛、のこり3人が後衛という隊列を組んでいる。

前衛前衛前衛
後衛後衛後衛
パーティの隊列イメージ

 前衛は近接攻撃が可能だが、敵からの近接攻撃も受ける。後列は近接攻撃は不可能だが、敵からの近接攻撃も受けないという特徴がある。ただし魔法または、敵の使用する「ブレス」は隊列の影響を受けない。

 本作の魔法については前列や後列といった隊列に関係なく、「単体」「1グループ」「全グループ」というように効果範囲が魔法によって設定されていた。こういう仕様も今では当たり前だが、当時は非常に特徴的であった。

因みに味方のパーティは、1人でも6人でも”1グループ”扱いなので、グループ魔法で全員がダメージを食うぞい。

敵は同じ種族や職業で1グループなのに、なんかズルいw

街に帰るまでがダンジョン探索

 戦闘終了後には、生き残ったメンバーで経験値とゴールドを分配するが、固定エンカウントでの遭遇だった場合には宝箱が出現し、その中からは装備品やアイテムが得られる場合もあった。

 詳しくは後述するが、本作は非常に死にやすい作品であるため、戦闘終了後にはメンバーの残りHP、回復魔法や攻撃補助魔法の残り使用回数などに気を払い、ギリギリまで探索を続けるような事はせずに、余裕を持って街に戻る事が求められる作品である。

 街に戻ったら探索で見つけた物品の鑑定や処分、そして宿屋(馬小屋)でのMP回復(HP回復は基本魔法で行うのがセオリー)、または経験値が一定値貯まっていた場合はレベルアップを行う。

 そしてまた支度を整えて再びダンジョンへ挑み、そしてまた街に生きて戻る。これをひたすら繰り返しながらパーティを強化し、最下層地下10階にいるワードナーを倒し、アミュレットの奪還を目指すのだ。

 と、ここまでが本作の大まかな流れである。次からは、本作について個人的にどこが魅力だったのかをこれから3つのテーマに絞って語っていきたい。

ここからまた長いので、少し休憩してから進んでおくれ。

コーヒーブレイク!

妄想が捗る?自由度の高いキャラメイク

キャラクター基本設定

 まず本作の魅力として語りたいテーマは「キャラメイク(キャラクターメイキング)」についてである。

 プレイヤーはゲーム内にある「訓練場」と呼ばれるところでキャラクターを6人程作成し、そのキャラクターでパーティを組んで迷宮へと挑む事になるのだが、この訓練場でのキャラクター作成が、非常に自由度の高いものだったのた。

本作のキャラメイクでは種族、性格、職業、この3つの要素の組み合わせでキャラクターを作る事ができるのだが、それぞれで選べる選択肢は以下の通りである。

種族人間、エルフ、ドワーフ、ホビット、ノーム
性格善、中立、悪
職業基本職…戦士、魔術師、僧侶、盗賊
上級職…司教、侍、君主、忍者

 これを見てあなたはどんなキャラクターを作りたいと思っただろうか?屈強なドワーフの戦士?聡明なエルフの魔術師?それともすばしっこいホビットの盗賊?

 本作のキャラメイクでは、そういうあなたが思い描くファンタジー世界のキャラクターを、自由に(やや語弊はあるがまあ概ね)創造する事ができたのである。

 しかしキャラメイクの段階では必ずしも希望通りの職業につける訳ではない。選択した性格によって選択できない職業もあれば、各職業毎に能力値の条件が存在するので、キャラクターの能力値がそれに満たなければその職業には就けないのである。

 そしてその条件を満たすために必要になるのが、キャラクター作成時にランダムで配布される「ボーナスポイント」だ。

ボーナスポイントで能力設定

 このボーナスポイントを、種族毎に決まっている初期能力値に職業条件を満たすように振り分ける事で目的の職業に就けるようになる。

 ただし種族によって初期能力値は異なり、戦闘職向き、魔法職向き、盗賊向きなど向き不向きがあるので、当然向いている職業の方が就きやすい。しかしボーナスポイントの振り方次第では、向いていないような職業に就かせることもできるのだ。

 とは言え、不向きな職業に就けばやはりその分多くボーナスポイントを消費するので、結局ゲーム進行が不利になるのでは?と思うかもしれない。

 しかし本作ではレベルアップ時に能力値の変動(−1〜+1)があり、さらに能力値の最大値は18と上限決まっているので、レベルが上がっていけば最終的に能力値の差はあまり意味がなくなるのだ。

ボーナスポイントに拘る必要は余りないのね?

最初から侍とかの上級職を作ろうとするんで無ければ、そこまで必死にならんでもええじゃろうなぁ…。

 従って、キャラクター作成はプレイヤーの自由に行って良いのだ。

 例えばエルフの戦士や侍なんて厨二病をくすぐるキャラクターも、ドワーフの魔術師や盗賊など、色んなキャラクターも作れてしまうし、なんならパーティ全員ホビットにして指輪物語ごっこだってできる。

 プレイヤーの妄想を捗らせてくれる非常に自由度のあるキャラクター作成、これこそが本作の魅力なのである。

 少し補足をさせてもらうと、ボーナスポイントの最大値はある程度限定されてしまうので、どうやってもキャラクター作成の団塊では就く事が不可能な職業もある。

 しかし先ほども言ったようにレベルアップ時に能力値は変動するので、それにより能力値が条件を満たしたなら、後からでも「転職」という形で別の職業に就くことが可能であった。

 キャラクターメイキングについて、もっと細かく知りたい方は以下の記事を参照のこと。

補足記事

装備強化はトレジャーハントで

ボルタック取引所という商店

 次のテーマについて語る前に、本作において装備品やアイテムを購入できる唯一の店(ボルタック取引所)について少し解説しておこう。

 この店では様々な武器防具、アイテムなどを購入できるのだが、ゲーム開始時に買う最低レベルの装備以外は、値段の高い商品ばかりでまず手が出せない。

 ゲーム開始直後からある程度強い武器や防具などが売っているというのはRPGとしては凄い事なのだが、高いうえに品揃えも偏っており、後年のRPGのように高いお金を払って買ったものが値段相応に強いものかとなるとかなり微妙なのだ。

 このような状態なので、正直「買う」という目的で言えば、ボルタック取引所という商店は利用価値が薄いのである。

なんか「+1」ってつくだけで、アホみたいに値段が高くなるわね?

ボリすぎじゃない?

ユーザーからは「ぼったくる取引所」なんて揶揄されておったくらいだしのうw

 装備を売っている店が信用できないのであれば、どうやって装備品を整えていけば良いのだろうか?それが次に魅力として語りたいテーマ「トレジャーハント」なのである。

戦闘後のお楽しみは宝箱

 本作では固定エンカウント(決まった場所での遭遇)での戦闘終了後に「宝箱」が現れるのだが、この宝箱の中にはゴールドと何かしらの物品(装備品やアイテム)が入っている場合がある。

 この宝箱からでる物品は、戦う怪物毎に決められた幾つかのアイテムテーブルから確率で決まり、強い敵になるほど良い物品がテーブルに含まれるようになっている。

 そしてその中には店売りされていないような装備品や、滅多に手に入らない激レアアイテムまで存在しているのだ。

 言わば現在で言うところの「ガチャシステム」のようなもので、本作ではこの宝箱ガチャを繰り返す「トレジャーハント」によって装備品を整えていくのが本作におけるセオリーと言えるだろう。

 とは言え最初のうちからそんなレアな装備品は出ないのだが、それでもお店では高くて買えない、または売っていないようなものも出て来るのでとりあえずはそれで装備を整えていく。

 そしてもし要らない装備、被った装備が出てきたときは、お店で売れば定価の半値で買い取ってくれるので、トレジャーハントは装備品の充実だけでなく金策としても役に立ってくれるのである。

探せ、激レア装備!

 そしてやがて迷宮の最下層部である地下9階、地下10階までいけるようになると、今度は「MURAMASA BLADE!」や、「GARB OF LORDS」、「DAGGER OF THIEVES」などの激レア装備を探す、胸踊る本当のトレジャーハントが始まるのだ。

 特にMURAMASA BLADE!は侍専用ではあるものの、レベル1の侍ですらマスタークラス(レベル15以上)の攻撃力にさせると言われるほどチート級の強さであるため、当時のプレイヤー達は皆血眼になって探したものである。

 宝箱が出る固定エンカウトは階を移動すれば何度でも復活するので、トレジャーハンターはその階の固定エンカウトを回っては別の階に移動し、それからまた戻って再び固定エンカウトを回るという作業を繰り返すのである。

 終盤では毎回迷宮に潜るたびに、ラスボスである「ワードナ」のいる最下層最奥の部屋の手前まで宝箱を漁りに行って、ワードナの中には入らずに街に戻るなんてことを繰り返していた、なんてプレイヤーも多いのではないだろうか。

 このように本作においてトレジャーハントは大きな魅力であり、大いにハマる要素でもあった。

 ただ本作にはゲーム中のストーリー進行やゲーム内クエストなどといった、手近な目標となるものがほぼ皆無であるため、より一層このトレジャーハントが「ゲームの目的」となってしまったという側面もあるだろう。

 それだけに本作といえばトレジャーハントという印象が強くなり、さらにはWizardryシリーズといえばトレジャーハントという「やや偏ったイメージ」が出来上がったと言える。
※実在そこまでトレジャーハント要素が強く無いシリーズ作品もある

トレジャーは未鑑定

 少し補足として、宝箱から出てくる物品は最初「SWORD」や「ARMOR」といった、正式名称が判らない「未鑑定品」として出てくる。未鑑定状態では売る事も出来ず、装備はできるが、それが呪われた装備品の場合、ペナルティを受けるうえ装備が外れなくなってしまう。

 そのため「鑑定」という作業が必要になる。

 鑑定は取引所でも可能だが鑑定料で定価の半分(つまり売値と同じ額)を取られてしまうので、節約のためにも育てる予定は無くても取り敢えず鑑定のできる司祭を作っておくのも、また本作のセオリーであった。

司祭に未鑑定品を集めて、鑑定させている間がまた楽しいんじゃよな。

冒険者としての充実感が味わえるわね!♪何が出るかな〜、何が出るかな〜

隣り合わせの灰と青春

「死」にも段階がある

 さてWizardryの魅力、最後のテーマは「死」についてである。本作が以後の RPGと大きく一線を画す点として「死以上の状態」が存在することがあるだろう。まずはそこについて先に解説する。

 まずそのキャラクターのHPが0になると、そのキャラクターは死んだ状態の「DEAD」、つまり「死体」となる。

 この状態は街にあるカント寺院で、または僧侶系の上位魔法によって蘇生する事が可能であるが、この蘇生には失敗する場合もあり、そうなると状態は「ASH」つまり体が「灰」と化してしまうのだ。

 本作ではなんとこの状態でももう一度だけ復活のチャンスがある。ただしそれにも失敗すると「LOST」となりキャラクターは強制的に埋葬され、この世界から完全に「消失」してしまうのである。

 そして本作はゲーム全編を通じて、この「死以上の状態」に陥りやすい。

「死」に最も近い場面

 死に最も陥りやすい場面とは、言うまでもなく戦闘時の事だ。本作ではゲーム開始時の装備は弱く、しかもHPも少ないうえ、敵は最初から結構強かったり集団で襲ってきたりするので、下手をしたら最初の戦闘の最初の1ターン目で死人が出る事も往々にしてある。

 そして序盤に最も死にやすいのは前衛なのだが前衛が1人死ぬと、自動的に後衛が1人前衛に押し出される。後衛職は前衛職より圧倒的に戦闘力が低いのに、それが前衛に押し出されてしまったらどうなるかは言うまでもない。

 つまり前衛が1人死ぬと全体的な攻撃力が下がり、かつ全体的な防御力も下がる。その結果連鎖的に死者が発生し、あっという間にパーティ全滅の憂き目に遭ってしまうのだ。

 ちなみに辛うじて全滅を免れた場合、死体を持って街に戻った途端にカント寺院に死体は回収され、多額の蘇生費用を請求される。仮に蘇生費用が払えても、前述したような灰化、消滅のリスクがある。

 では装備が整ってHPも増えてくれば、もうそんな目には合わないのか?と聞かれれば、実はそんな事もないと答えるしか無い。何故なら下の階層に行けば行くほど、当然敵もどんどん強くなるからだ。

 そうなるとかすっただけで首を刎ねてくるやつ、パーティ全体への範囲魔法やブレスを使ってくるやつ、麻痺、石化、そしてエナジードレイン攻撃をしてくるやつ、そういうのが集団であるいは複合で襲ってくるのである。例え装備が強くてもHPが高くても、こういう相手にはひとつ対応を間違うだけでパーティ全滅への道が待っているのだ。

そして更に前のテーマで出てきた宝箱にすら、パーティ全滅への道が含まれているのが本作である。

「宝」か「死」か

 宝箱には様々な「罠」が仕掛けられており、引っかかるとダメージ、毒、石化など様々な被害を被るのだが、その中でも最も恐ろしいのが「TELEPORTER」の罠であろう。

 この罠はパーティ全員を迷宮内のランダムな位置に飛ばしてしまうというもので、飛ばされてしまった先が通路や部屋ならばまだしも、もし壁の中に飛ばされてしまった場合は壁と一体化してしまい、DEADもASHも飛び越して一発LOSTとなってしまう恐ろしい罠なのだ。

 と、このように本作では常に「死」が隣り合わせで存在しており、その先には「灰」と「消滅」が待ち構えていた。

 だからこそ、無理無茶な行動はせず余裕を持った探索、敵を見極め最善の一手を選ぶ戦闘、財宝への衝動を抑え冷静な罠への対処を求められる。そして、この絶妙な緊張感の中で常にプレイできる事が、本作の大きな魅力なのだと言えるだろう。

まだRPGが何者かもわからなかった少年が、こんなドキドキを与えられたらハマらない訳がないじゃろう?

今の「死にゲー」に通じるドキドキ感かもしれないわね。

「死」から逃れる方法

 本作は確かに死と隣り合わせだ。だがだからといってプレイヤーがその死を受け入れるかどうか、それはまた別の話である。

 そうなのだ、プレイヤーにはキャラクターを死から救済してくれる術があるのだ。それは…神の大いなる一撃「リセット」である。

 本作では戦闘終了後にオートセーブが働く仕様になっているので、もし戦闘中に死人が出たり、パーティが全滅するような損害を受けたり、宝箱の罠に引っかかってしまったら即座にゲームをリセット!これで今の戦闘を無かったことにできるのだ。

 少し卑怯に思えるかもしれないが、正直リセットを駆使しなければ本作はキツすぎて無理、そういっても過言では無い。

こんな昔に、既にリセット世代が…w

我ら元祖リセット世代!

Wizardryからドラクエへ、そしてウィザードリィへ…

 ここまでのように、この作品はキャラクター作成の自由度の高さ、身近すぎる死へのスリル、そして死の危険を犯してでも探し続けたくなるトレジャーハント要素、そういったところに特に魅力があった作品だったと個人的に考えている。

 もちろん、本作の魅力はまだまだあるのだが本当に長くなってしまうので今回は割愛させていただいた。

 しかし当然ながら、本作には魅力だけでなく良くないところも多くあった。全体的に一言でまとめるととにかく「プレイヤーへの突き放し感が酷い」作品であり、今回あげた魅力についても「解っているから魅力に感じる」という部分も正直に言えばあるだろう。

 故にこういった昔のPC作品への耐性、またはテーブルトークを含むRPGというものに馴染みの無い人には、受け入れられにくい癖の強い作品だったかもしれない。

 ちなみに国産RPGの代表格である「ドラゴンクエスト」シリーズを手がけた堀井雄二氏は、本作「Wizardry」や「Ultima」にハマっていた時期があり、Wizardry戦闘シーンやUltimaのフィールドなどの良いとこ取りをしたRPGをファミリーコンピュータで作りたいという気持ちで、ドラゴンクエストを制作したと語っている。

「ドラゴンクエストII(1987年)」真っ暗な背景、白い枠、横並びのモンスター…なるほど。

 そして言わずもがなだが、このドラゴンクエストという作品の最大の特徴は「解り易い親切なRPG」というところであり、この作品のおかげで日本の一般層にもコンピュータRPGというジャンルが浸透したと言ってもまったく過言ではない。

 そしてこのドラゴンクエストが発売されたのが1986年で、本作Wizardry #1のファミリーコンピュータ版が発売されたのが1987年12月である。(因みにドラゴンクエストⅡは1987年1月)

 堀井雄二氏がWizardryやUltimaに影響を受けて、こういう作品が作りたいと製作したドラゴンクエスト。それが日本のコンシューマゲーム業界に「コンピュータRPGの普及」という影響を与え、その結果やや癖の強いWizardryでも受け入れられやすい土壌が日本にも出来上がり、さらに日本でもWizardryシリーズが独自の発展を見せるほどに盛り上がったというのは、「堀井雄二の恩返し」という昔話といってもよいのではないだろうか?

遊びたくなったら?

別記事の「Wizardryシリーズについて」でも話したんじゃが、残念ながら現在は権利の問題で本作含む5作品目までについてのアーカイブ化、リメイクなどはできんようになっておる…。

ファミコン版のアーカイブも無理なのかぁ…好きな人にはキツいわね…

そうなんじゃ。

遊びたくなったら中古品に頼るしかない状況じゃな…本当に何とかして欲しいのう。権利関係のゴタゴタはゲーマーにとっての悲しみでしかないわい。

同じような理由でアーカイブ化出来ない作品とか、他にもあるんでしょうねぇ…?

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. 名無しの冒険者 より:

    私の幼少のみぎり、父が持っていたのがPC6601だったんで、実際遊んだ3Dダンジョンタイプのゲームは「リザード」ってゲームでした。
    Wizを遊べたのはそれからだいぶ時間が経過してからだったんですが、やはりあの時期に遊べることが大事なゲームだったんだなぁ、と思いました。
    もう中学生になってたんですが、Wizよりマイト&マジックの方が面白い、とか思ってたもんなぁ。

  2. 名無しの冒険者 より:

    中学生の頃に初めて触れ、そして育て上げたキャラクター達の名前は
    未だにキャラ作成時の名前として使っているくらいに
    思い入れがあるゲームですねぇ……
    なお、ゲームを始めて最初に作ったキャラは
    最初に開けた宝箱のばくだんの罠で全滅。
    まさに死と隣り合わせを体験させてもらった記憶が(笑)

  3. ソンゴスキー より:

    >>1
    例えば今3D格闘ゲームはあちこちにもありますが(バーチャファイターesなんかも話題ですね)、新しいゲームになるほど面白くなるのは当然であっても、やはり初代ストⅡや初代バーチャが世に出てきた時の凄さというのは、あの時期に遊べたからこそ感じられた大事なものなんだと思いますね。

  4. ソンゴスキー より:

    >>2
    おおっと!EXPLODING BOX
    やっぱり思い入れが湧きますよね。私も一番最初に友人宅でウィザードリィが遊べるってなった時に、その友人からワープロ借りてメンバー6人の名前とか種族、職業、簡単な設定とか書いて印刷して持って帰って、家でニヤニヤして眺めてました(ちょっと痛いw)

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