発売年:1987年
開発元:日本ファルコム
ジャンル:ファンタジー ARPG
発売機種:PC-88、X1、PC-98、FM-7/77、FM-77AV、MSX2など
勇者の塔 14F
No.0042
はじめに…
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パソコンゲーム界に伝説を作った作品
「イース」は1987年に「日本ファルコム」から発売されたアクションRPGで、プレイヤーは主人公「アドル」を操作し、色々な登場人物と出遭い、物語を進めていきながら、行く手に立ちふさがる様々な敵を倒してゲームをクリアして行きます。
「イース」はPC-88での発売を最初に、X1、PC-98、FM-7/77、FM-77AV、MSX2がほぼ同時期に発売され、かなり後になってからX68000にも移植されました。さらに家庭用機ではファミコン、セガマークⅢ、セガサターン(ファルコムクラシックに収録)にも移植されています。
※イースはこの他にもⅠ・Ⅱが一緒になった作品や、アレンジ版や完全版などが多数ありますが、今回の紹介では「オリジナル版イースⅠ」を元にしています。
ストーリー
「アドル・クリスティン」は、16歳の時から63歳でこの世を去るまでに数々の冒険に挑み、それを冒険日誌として世に残していた。百余冊にものぼるその冒険の記録には「アルタゴの五大竜」「セルセタの樹海」「砂の街ケフィン」などがある。
この物語はアドルが17歳で人生最初の冒険に挑んだ時の記録、「失われし古代王国」を小説化したものである。(っていう設定)
冒険の旅に出掛けたアドルは貿易が盛んな「ブロマロック」という港町で、呪われた国「エステリア」の噂を耳にする。「エステリアには直径200メートルもの大穴がある」「鉱物の産地として名をあげていたエステリアとの連絡が途絶えた」「エストリアに向かった船はすべて嵐に巻き込まれて沈没する」それらの噂に興味を持ったアドルは、漁師から1隻の船を購入しエステリアに向かう。
しかし噂は事実であった。アドルの船は嵐に巻き込まれ沈没、アドルは海に投げ出されてしまう。気が付くとアドルはエステリアの砂浜の上で倒れていた。
その後、アドルは「バルバド」という港町の人々に助けられ、一時の休息を得る。バルバド周辺ではいまモンスター達が大量に発生しており、村人たちはその撃退に苦労していた。砦の町「ミネア」にいけば、モンスター発生の原因を知っているものがいるかもしれない、という村人の話を聞いたアドルは恩返しの為にもミネアの町に向かうことを決めた。
そしてアドルが「ミネア」についたところからゲームは始まります。
ゲームシステム
「イース」ではテンキー(または矢印キーやゲームパッド)を使用して、アドルを4方向に動かす事が出来ます。
敵に攻撃をするには剣などを振る必要はなく、アドルを敵キャラにぶつける(または重ねる)ことでダメージを与える事が出来ますが、同時に敵からも攻撃を受けてしまう可能性があるため、敵の背後から攻撃するか「半キャラずらし(アドルの体半分だけを敵キャラにぶつけるとダメージを受けない)」を使うのが基本的な戦い方でした。
敵を倒すと経験値とお金(GOLD)を得る事が出来、経験値が一定値(画面下段のEXPに表示)に達すると、レベルが上がりアドルのHPや能力が上昇します。アドルのHPは画面下に数字で表示されていますが、さらにその下にグラフとして表示されているので、プレイヤーは基本的にそこだけを見ていましたね。
「イース」のシステムは、全体的にT&Eソフトの「ハイドライド」のシステムと似ていましたが、画面表示が広くなり、余計な情報は消して別画面で確認できるようにしたり、画面切替も4方向スクロールになったりと「ハイドライド」のシステムを踏まえたうえで、より遊びやすくしたものになっていました(ちなみにハイドライドはX1版のみ4方向スクロール)。
もちろんこれは「ハイドライドが悪かった」というのではなく、発売された時期がイースの方が3年も後なので、より良くなっているのは当然の事なのですが。
デカキャラバトル
「イース」より前に日本ファルコムから発売されていたアクションRPG「ザナドゥ」では、ボスキャラとして様々な「デカキャラ」が登場し、そのバトルが話題になりましたが、イースにもそれは受け継がれており、ストーリーが進むごとに大きな(当時としてはね)「ボスキャラ」との戦闘がありました。
詳しくは後述しますが、イースには「優しいけれど、易しくは無い」という評価があり、その「易しくは無い」という要素の一つが、このボスキャラ(デカキャラ)との戦闘だったと言えるでしょう。
ボスキャラ達は、それぞれ独特な動きと攻撃方法を持っていて、これを上手く回避しながら敵と交差しダメージを与えていくのが、投げ出すほどではないけれど、楽勝と言う訳にはいかないと言う「絶妙なバランス」の難易度だったのです(一部余裕な敵もいましたがw)。
特に当時はMSXユーザーでもなければ「ゲームパッド」なんて持っていない人がほとんどで、大抵はテンキーのみでのプレイであったため、それがより難易度をあげていたともいえます。指がつる思いでボスと戦ったプレイヤー達も多かったのではないでしょうか?
(個人的にはカマキリがトラウマです)
RPGは優しさの時代へ
解けなくて当たり前の時代
「イース」が登場するまでのパソコンゲームにおけるRPGというのは「解けなくて投げる」というのが普通でした。RPGに限りませんがその頃のゲームと言うのは「出来るだけ長く遊ばせる」という名目(言い訳)のもと不親切な謎や、クリアできなくなるようなハマりというのがいたるところにありました。
特に海外からの移植ゲーム(ウルティマやマイトアンドマジックなど)は、全体的に不親切であり、買ってはみたものの訳も解らずレベル上げだけやってるうちに飽きる。というものが多かった気がします。「ゲームがクリアできた」と言う人が「凄い」と言われる時代。だったかもしれません。
誰でも解けるが、簡単ってわけじゃない
しかし「イース」は「誰にでもクリアできるゲームだけど、簡単ってわけじゃない」ということをコンセプトに作られたゲームであり、ゲームシステムは遊びやすく単純、謎もちょっと考えれば思いつけるレベルの難易度でありながら、アクション性が高く手強いボス戦が良いアクセントとなっていました。
各所に登場するボスキャラは、レベルが低ければまともにダメージを与えられないが、レベルをいっぱい上げて楽に倒そうと思っても、システム上レベルが上がると同じ敵からでも得られる経験値が減ってしまう為、ボス周辺の敵では必要以上のレベル上げが難しく、さらにレベルの上限も決まっている為、途中のボス、及びラスボスとも常に「五分」の状態で戦う、という絶妙なゲームバランスがゲームの完成度を上げていました。
(実際アクションゲームが得意ではない私でもクリアできましたから)
その結果「イース」は大人気のゲームとなり、当時パソコンで遊んでいた人達で知らない人はいないと言われるほどの知名度を得、まだRPGというジャンルに与えられていた「ちょっと根暗・アングラ」なイメージをも払拭しました。また現代まで続く「アクションRPGのスタイル」というものを完成させたのも、この「イース」という作品ではなかったかと私は思っています。
イース以後の時代
個人的な感想ではありますが、イース発売の後、パソコンRPG業界には2つのある現象が起きたと思います。
一つはRPGというジャンル全体で難易度ががくっと下がり、ストーリー性を重視する作品が増えてきた事。もう一つは、色んなメーカーから「イースっぽいアクションRPG」がやたら発売された事ですね。
しかし所詮真似て無理矢理なオリジナルシステムを加えただけがほとんど、結局「イース」を越えられる作品は登場しなかったのではないでしょうか?
(数少ない成功例といえそうなのが「Xak(サーク)」かもしれませんが)
ゲーム史に残る音楽たち
「イース」を語る上で、また「イース」が成功した要素の一つとして欠かせないのが「音楽」です。
当時「アルバイト」扱いでファルコムに入社していた「古代祐三」氏はPC-88版イースのほぼ全曲を担当し、そのFM音源を最大限に生かした、神秘的で透明感のある曲、あるいは躍動感の溢れる曲の数々はユーザーを魅了し高い評価を受けました。
当時ゲーム評論家として有名だった「山下章」氏は古代氏をこう評価しています。
「イメージに合った楽譜を作るのは、音楽をかじった人になら誰にでもできる、しかしイメージに合った楽譜を作り、さらにイメージに合った『音』を作り出せる事において、古代祐三の右に出るものはいないだろう。」
電波新聞社発行「チャレンジ!!アドベンチャーゲーム&ロールプレイングゲームⅢ」より
できることなら今の「生音っぽい音楽」でしかゲームをプレイしていない人にも、古代氏によるFM音源の美しさと言うものを感じて欲しいと思います。
未だにPC88版イースのミュージックアルバムを「名盤」と評価する人達が多い理由が、解るのではないでしょうか?
…と私。
は、かなり長くなってしまったので、そのうち書こうと思います。
今回はできるだけ簡潔に書くつもりだったけど、結局長くなっちゃったなぁw
≫EXIT
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コメント
これも懐かしいw視力が落ちた原因のゲームw
当時のFalcomのグラフィックは他を圧倒していたが、
Ysはストーリー・音楽・グラフィックの全てにおいて最高
のゲームだった。このゲームの音楽テープも持ってた
位ハマったわw
しかし、山下章懐かしいな。当時は確か一橋大の学生
で、電波新聞社刊行の雑誌に連載持ってたな。一時期
テレビにも出てたし。今何やってんだろ?
しまった、管理者だけに表示するにチェック忘れたw
BookMarkに入れておくので、またチョコチョコ見に来ますw
ファルコムが現在に至ってもまだ存在していられるのは「イース」の御陰と言ったら言い過ぎかもしれませんが、このゲームは日本ファルコムだけじゃなく、日本ゲーム界をも変えた作品だと思います。
> しまった、管理者だけに表示するにチェック忘れたw
> BookMarkに入れておくので、またチョコチョコ見に来ますw
いっぱいコメントありがとうございました。嬉しかったです、うちコメント少ないものでw
是非今度は解るようにHN付けていただけると、なお嬉しいです。
どもども(^▽^;)管理者さんにコメ頂いている様なので、HN追加で参上仕まつりました。
我々の世代はひとつ前の世代みたいにブリキのおもちゃとかGIジョーとか
じゃなく、やっぱゲームでしたからねぇ。漫画の黎明期みたいに、今となっては映像とか音楽とかちゃちでしたけど、その分シンプルで味わいのあるゲームが多かった気がします(いや、今のゲームも面白い物は面白いんですけどねw)。
やっぱ、とっかかりのゲームはXanaduかなぁ。あの頃のFalcomは傑作ばっかだった。
因みに、ハミングバード(だったと思うが・・・)が出してた「めぞん一刻」のAVGとか御存知?意外にデキが良くて面白かったですよw
> どもども(^▽^;)管理者さんにコメ頂いている様なので、HN追加で参上仕まつりました。
HNでの参上、ありがとうございますw
おそらく同じような時期を生きてきたのではないかと思いますが、たしかに今考えるとあの頃の技術はまだまだ未発達でしたけどその分「工夫」が多く見られたと思います。
足りない技術で、どれだけ良いものができるか?まあ今にして思えば、あれだけ面白かったゲームがよく2~3枚のフロッピーに収まっていたものだと感心しますねw
> 因みに、ハミングバード(だったと思うが・・・)が出してた「めぞん一刻」のAVGとか御存知?意外にデキが良くて面白かったですよw
ありましたね「めぞん一刻」のAVG、おそらくおっしゃってるのはマイクロキャビンのだと思います。
あそこは他にも「ホワッツマイケル」とか「きまぐれオレンジロード」とか「うる星やつら」なんかの漫画原作AVGを多く出していたと思います。
また遊んでみたいものですが、版権とかあるんでしょうかね?なかなか再販とかは難しそうです。
ソンゴスキー@れとろげさんこんばんは。
イースのテンキー操作はきつかった(^^;
ボス2体同時に出てきてその周りを石?がぐるぐる
回っているのは倒すのどれほどかかったか~
>はぎさん
こんばんは。当時私の周りでも、テンキーが当たり前で、パッドを使うのは邪道!みたいな空気がありました。
でもやはりテンキーでカマキリは辛くて、結局パッドを使った記憶がありますw
イースは音楽も良かったし、敵にぶつかった時のズババッ!という効果音も爽快でした。
コウモリボスで苦労したなぁ。。
当時のファルコムは本当に良作揃いでしたね。
オープニングの半裸女神を見た父親から、『エッチなゲームじゃないだろうな?』と突っ込まれたのは良い思い出(笑
写真にもありますが、最初に金の台座を拾って装備を整えてました。
>幻妖斎さん
本当にイースは当時あらゆる面で革新的でしたね。そしてイースのOPタイトル演出は、同じファルコム作品のソーサリアンと並ぶ傑作だと思っております。
懐かしいですね。
当時PC-8801mkⅡSRを持っている友人宅に通い詰めてやっていました(笑)
因みに廃坑ボス(コウモリの集合体)で挫折しましたorz
後にPCE版でリベンジしましたが…。
最近、EGGの88版で再チャレンジしたところ、廃坑ボスは3回でクリアできてしまい拍子抜けでした(そのかわり、ダームの塔にいる赤鬼青鬼ボスに手こずりましたがww)。
テンキーヽ(´ー`)ノマンセー
>(数少ない成功例といえそうなのが「Xak(サーク)」かもしれませんが)
Xakもソフト評価のバイト中バイト先でクリアしました。
終盤のシューティング等『イースを超えようとする意欲』は見えましたが、武器防具のレベル制限、半キャラの当たり判定等々、ストレスも多かった気がします。
>当時17歳さん
最初のボス2体は、がんばってレベルをあげればごり押しでなんとかなるんですが、こうもりあたりからかなりのテクニックを求められますよね。
私も最初のこうもりは当時苦戦した思い出があります。
不思議なもので、当時はテンキーでも操作できたのに、今となってはコントローラーじゃなければまともに操作できないんですよねw
サークのシューティング面…縦スクロールなのに縦に画面が狭くてなあ…。
〉ソンゴスキーさん
FM音源を買って初めて聞いたのが、このイースのオープニングでしま。それまでBeep音だったので、それはまあ感動したのを覚えています。
ソーサリアンも名作でしたね。シナリオを追加していく、今でいう課金システムの先駆けですかね(笑。
不老不死キャラにして戦国やピラミッドを周回しまくっていました。
いつか記事にしてくれると嬉しいです。
>幻妖斎さん
作成したキャラで別ゲームを遊べるというのはウィズやブラックオニキスなどがありましたが、ソーサリアンは、さらに細分化してシナリオ(クエスト)単位で自由に遊べるというのが画期的でしたね。いつかは取り上げたい作品です。