勇者の塔 31F
No.0095
発売年:1988年
開発元:日本ファルコム
ジャンル:ファンタジーアクションRPG
発売機種:PC-88、PC-98、X1turbo、FM-77AV、MSX2ほか
※画像はすべてMSX2版のものです
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「イースⅡ」とは?
「イースⅡ」は1988年に「ザナドゥ」「ソーサリアン」などでお馴染みの「日本ファルコム」より発売されたアクションロールプレイングゲームで、1987年に同社より発売された「イース」の続編であり、1989年の「ワンダラーズ・フロム・イース」の前作となります。
前作よりシステム面ではほとんど変更をせず、シナリオやゲーム内容を純粋にパワーアップさせた”正当な続編”といって良い作品で、3作目の「ワンダラーズ・フロム・イース」とは違い前作のファンにもすんなりと受け入れられました。
また本作の迫力あるオープニングシーン及びBGMは当時のパソコン少年達に強烈なインパクトを与えることに成功し、今でも一定以上の年齢層に”強烈な印象を受けたゲームのOPといえば?”と聞けば「イースⅡ」と答える人は多いでしょう。
かくいう私も少年時代電気屋で本作のOPシーンを見た時は、パソコンの前にまさに”釘付け”と呼ぶに相応しい状態になった記憶があります。
ストーリー
ダルク=ファクトとの戦いを終え6冊全てのイースの本を集めたアドル・クリスティンであったが、イースの本の力によって遥か上空に現れた大陸「イース」へと飛ばされてしまう。
廃墟に落下し気を失っていたアドルは「リリア」という娘に助けられ、リリアの住むランスの村へと連れられていくが、リリアの母である「バノア」よりリリアが重病にかかっていることを知らされる。
リリアの病気を治せるのは医者の「フレア」だというのだが、フレアの弟から彼は岩盤崩れによって「廃坑」のどこかに閉じ込められているらしいと聞かされる。
自分を助けれくれたリリアの為にも、アドルは廃坑へ向かうこととなる。
本作は前作とストーリーも完全に続いており、前作でゲームタイトルでありながらはいまひとつハッキリしなかった「イース」という古代王国についての話がメインとなっています。
システムは前作とほぼ同じ
システムについては前述したように前作である「イース」とほぼ同じで、主人公アドルをカーソルキー(テンキー)で4方向に移動させ、アドルを敵であるモンスターに衝突させることでダメージを与え、モンスターを倒していきます。
ちなみにコチラ側から一方的にダメージを与えられるテクニック「半キャラずらし」は本作でも引き続き有効です。
敵を倒すと経験値とゴールドを入手でき、経験値が一定値になるとレベルアップします。前作ではレベルの上限が10までしかありませんでしたが、本作では25がレベルの上限となりました(ただしゲームスタート時は1から)。
これにより前作のように”中盤であっさり最高レベルになってしまい、後半雑魚敵と戦う理由が失われる”という事がなくなり、終盤までRPGらしく育成にも力を注げるようになっています。
武器防具の装備、及び道具の使用などについては前作までとかわりません。違いがあるとすれば、今までは武器防具の装備と、使用するアイテムの選択は同じ画面で行なっていましたが、本作では武器防具の装備画面と、使用する道具の選択画面が別々になりました。
新要素「魔法」
本作は基本的に前作からのシステムを引き継いでいますが、もちろん大きく変わった部分もあります。
その最たるものが”魔法”の存在でしょう。本作では序盤でアドルは今まで使えなかった魔法を使用できるようになりますが、魔法はレベルアップで勝手に覚えるというタイプではなく、魔法の力が宿った杖を装備することでのみ使用が可能です。魔法の種類は以下の6種類。
ファイヤー:火球を放って当てた相手にダメージを与える。
ライト: 光を照らすことで見えていなかった物が見えるようになる。
リターン:ランス村にワープすることができる。
テレパシー:聖獣ルーに変身しモンスターと話ができるようになる。
タイムストップ:ボス敵以外全ての敵の動きが停止する。
シールド:敵の攻撃を受け付けなくなる。
魔法の使用にはMPが必要で、魔法により杖を装備した瞬間から解除するまでMPが減少し続けるものや、魔法使用ボタンで使用した分だけMPが減少するものがあります。
特にファイヤーの魔法は、今までできなかった遠距離攻撃が可能になるため大変便利(というかほとんどのボスはこれじゃないと倒せない)なものですが、MPはHPと違い自動回復せず特殊な施設あるいは道具でのみ回復が可能なため、道中で無駄に雑魚相手に使ってしまうといざ必要になった時にMPが足りない!という事態になります。
お馴染みデカキャラバトル
前作イースでは巨大な(当時では)ボスとのバトルが醍醐味のひとつでしたが、本作でも引き続き巨大なボスキャラバトルが存在します。
前作以上に特殊なオリジナリティある巨大モンスターとのバトルは迫力あるもの…なのですが、前述したようにほとんどのボスはファイアーの魔法でしかダメージを与えることが出来ない為、ボスに接近してのインファイトではなく、ボスから離れての遠距離攻撃がメインとなっていました。
こういうシューティングゲーム的な要素は、一部のユーザーにはあまりウケがよくなかったようですが、私個人としては目新しさもあって結構楽しかった記憶があります。
ちなみに前作に引き続き、本作でも戦闘中に回復アイテムの使用、武器防具の変更などは行えません。
ただし一部のボスについては、戦闘中に部屋から出るということが可能でしたね。
理想的な「続編」ゲーム
本作はストーリー的に前作と直結した物語となっており、「イース」そして「イースⅡ」とプレイすることで1つの大きな物語が完成し、完結するという作りになっていました。
また何度も言っていますがシステム面では前作からの変更を最小限に抑え、前作をプレイした人がすんなり本作にも入り込めるようになっていました。
なんと言いましょうか、プラモデルで例えるなら作品というパーツ同士の繋ぎ目にできるバリ(出っ張り)が発生しないように上手く作られている作品という感じがします。
かといってグラフィックやフィールド、モンスターなどは流用されているわけで無く、それどころか前作ではちょっとグラフィック面では表現が寂しかった、単調さがあったのに対し、フィールドの各オブジェの表現から、フィールド自体のバリエーションなども豊富になっており、”パワーアップした”という事を実感させてくれます。
前作をプレイしたユーザーへの違和感を最小限にして、かつ新たな要素による驚きも十二分に与える。「イースⅡ」という作品は、まさに”理想の続編”と言っても過言ではない作品だと私は思います。
最後に
最後にちょっと個人的な「イースⅡ」に関する話をして締めたいと思います。
私は前作である「イース」をX1という機種(正確にはX1twin)でプレイし、その世界観や美しいBGMの完成度、何よりプレイの楽しさに心奪われました。そしてイースの続編が出ると知って大変喜びました。
しかし残念なことにイースⅡはX1ではなくX1turboというX1の上位機種で発売されてしまいました。これは非常にショックで、やっと親に買ってもらったパソコンなのに、まさか1年も使わずに別の機種がほしいだなどとは口が裂けても言えず。かといって自力で買うことも無理な値段。
しばらくは友人達が楽しそうにイースⅡの話をしているのを我慢して聞いているしか無い状態でした。しかし我慢しきれなくなった私は、とうとうその年の正月にお年玉でMSX2を購入したのです。
もちろん親にパソコンだと知られると面倒くさいので”ファミコンのようなもの”と説明、X1にTVとしても使用できるモニタがついてきていたので、X1のモニタの前にMSX2をおいておけば親にはどっち使ってるかなんて分からないですからw
こうして私は念願のイースⅡを自宅でプレイできるようになったのです。つまりイースⅡは私をMSXユーザーにしたきっかけのソフトということですね。
≫EXIT
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コメント
いつも楽しく読ませていただいてます。
私もX1Dでイースをやって、X1turboの発売にショックを受けた組です。今となってはいい思い出ですが。
> 名無しの冒険者さん
ありがとうございます。本当にあれはショックでした。同じクラスにいたX1ユーザーと悔し涙を流したものです。今思えば、あれがX1からMSX2に乗り換えるきっかけだったかもしれませんね…