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『ROGUE』「トルネコの大冒険」「風来のシレン」の御先祖様です

勇者の塔 61F
No.0215

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さて、2016年12月16日より映画「スターウォーズ エピソードIV/新たなる希望」の前日譚となる映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が日本でも公開開始されたようじゃな。

これはエピソードIVにて、レイア姫がR2-D2に隠してオビ=ワン・ケノービに託した帝国軍の要塞「デススター」の設計図。これを同盟軍が入手するまでのストーリーを描いた作品じゃ。

実際エピソードIVのラスト、同盟軍がデススターに総攻撃を仕掛ける際にも、同盟軍の司令官が「この設計図を入手するのに多くの犠牲を払った」というような台詞を言っておったからのう、きっと壮絶な戦いだったというのが想像できる。わしも近いうちに観にいくつもりじゃて。

というわけで今回は、映画史に残る不朽の名作「スターウォーズ」の新作映画である「ローグ・ワン」の公開記念ということで、コンピューターRPG史に残る不朽の名作のほうの「ローグ」を紹介したいと思う。

では中に入るがよい、勇者の塔 FLOOR 61じゃ!

本記事を読み進める前に…

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「ROGUE(ローグ)」とは?

基本情報

タイトルROGUE(ローグ)
ジャンルダンジョン探索型ロールプレイングゲーム
発売年1986年(UNIX版は1980年)
発売/開発アスキー(UNIX版は配布のみ)
発売機種PC-88、PC-98
前作無し
次作無し
※画像は個別に指定が無い限りPC-88版のものです

「ROGUE」ってどんな作品?

 「ROGUE(ローグ)」は、1980年にアメリカ在住の2人の大学生(Michael ToyとGlenn Wichman)がUNIX用に開発したダンジョン探索型RPGで、その後BSD UNIXというソフトウエア群の中の1つとして「配布」されたことで広まり有名になった作品である。

当初はソース未公開だったものの、後に「ROGUE CLONE」(ROGUEとは仕様が若干異なる)としてソースが公開された事で、ユーザーでも自由にその亜種を作成できるようになった。

本作の大きな特徴としては、以下の3点が挙げられる。

  • ゲームのあらゆる物がASCII文字のみで構成されていること。
  • ゲームをプレイする度にダンジョンのマップが変わる(ランダム生成ダンジョン)ということ。
  • ゲームをクリアすることが必ずしもゲームをプレイする目的ではないこと。

 これらの特長により本作に嵌り込んだプレイヤーは非常に多く、本作が後の世に与えた影響も強かった為、本作に似た仕様のゲームも多く製作され、これらの総称として「ローグライクゲーム(「ローグ」っぽいゲーム)」というジャンルまで生まれている。

 発売こそしていなかったものの、1980年に開発されたRPGということで「世界初のコンピュータRPG」とも言われているのだが(諸説あり)、日本ではかなり後の1986年に「アスキー」より発売されており、その頃には既に「ザナドゥ」や「ハイドライド2」などグラフィカルなRPGが業界を席巻していたため、ゲーム画面だけで見ればその当時でもう「古い作品」という印象であった。

 さらに値段が12,800円と結構な高額であったこともあってか(ちなみにザナドゥは7,800円)、本作に食指を伸ばすプレイヤーは余り多くなく、結果日本においては近年「トルネコの大冒険」が登場するまでローグライクゲームというジャンルは余りメジャーな存在にはならなかったと言える。

(スーパーファミコン版「トルネコの大冒険」/1993年/チュンソフト)

ASCII文字のみで描かれたダンジョン

 では具体的にこのローグのゲームシステムについて説明していこう。
 ※PC-88版の仕様に準拠しています

 まずこのローグという作品は、全てのものがASCII文字で表現されている。それは文章だけという意味でもなければ、アスキーアートで表現しているという事でもない。百聞は一見にしかず。それを理解してもらうには画像を見てもらうのが一番早いだろう。

 この画像中央部分を良く見て欲しい。これは決して画面が「バグった」ものではない。正常にゲーム進行中の画面である。

 そしてこの画像の中にある”@”の文字。これが「HERO」、すなわちプレイヤーが操る主人公だ。そして”-”や”|”がダンジョンに配置された部屋の外壁であり、”+”がドア、”#”が部屋同士を結ぶ通路を表現している。さらに部屋にある”:” 、”!”、”]”などは落ちているアイテムで、大文字のアルファベットらはダンジョンに潜むモンスターを表現しているのだ。

 ちなみにモンスターは、例えば”B” はバット(蝙蝠)、”H” はホブゴブリン、”S” ならスライムというように、モンスターの頭文字になっている。

 とこのように説明したわけだが、だからといってぱっと見てそのASCII文字が何なのかがすぐ解るかといわれれば解るわけがない、当たり前だ。従ってゲームを進行するには、まずは何の文字が何なのかをしっかり覚える必要があるだろう。

 またこのゲーム画面は、ゲームスタート時には主人公と主人公がいる部屋しか表示されていないのだが、主人公を動かしてドアから部屋を出て行くと、そこからは歩くごとに通路が徐々に表示されていき、次の部屋に入る事でまた新しい部屋が画面に表示される。

 部屋や通路は通過した後でも画面に残るので、歩き続けていくことでやがてフロアすべての構造が画面に表示されるという仕組みになっている。

 ダンジョンの中には「明かりの無い部屋」も存在し、そこに入っても部屋の様子は表示されず、通路と同じように歩くことで徐々に周りの様子が解るようにな仕掛けになっている。こんな文字だけの単純な画面にもかかわらず、通路や明かりの無い部屋で突然モンスターに遭遇すると結構驚いてしまうのが面白い。

(右が通常の部屋で、左が明かりの無い部屋)

ゲームの操作方法

 では次にゲームの操作方法(コマンド)について説明しよう。本作においてプレイヤーがゲームで実行するコマンドは、キーボードから基本的には1文字ないし2文字のアルファベットを入力することで行う。

 例えば主人公(@)を上下左右に動かすならばキーボードから、j、k、h、l のいずれかを押すことで動かすことができ、さらに y、u、b、n のいずれかを押せば斜めに移動することも可能である。移動についてはカーソルキーとテンキーにも対応しており、そちらが使いやすいのではあるがSHIFTキー+ j、k、h、l(つまり大文字)で入力することでその方向にダッシュ(自動移動)ができるので、移動は j、k、h、l で覚えたほうが結果的に便利とも言える。

 本作には本当に大量のコマンドがありそれを覚えるのと、前述したダンジョン内の何の文字が何を表しているのかを覚える、というのが本作に馴染む為の1つの大きなハードルになっている。その全てをここで説明することはできないので、よく使用するコマンドだけいくつか説明しておこう。

普通に移動しているだけでは見つからないシークレットドアを探す。
階段(%)から下のフロアに下りる(上るときは”<“)。
武器を持ち返る。
W鎧を装備する(既に装備している鎧は”T”で外す)。
荷物の中にある食料を食べる。
荷物の中にあるアイテムを確認する。
荷物の中にある巻物を読む。
荷物の中にあるポーションを飲む。
Sゲームをセーブする。
Qゲームを中断する。

 上記のコマンドを見ても解ると思うが、同じ1文字でも大文字と小文字でコマンドの意味が全然違うため非常にややこしく、慣れるまではかなりの頻度で間違う事になるだろう。とはいえ、頻繁に使用するコマンドは多くないので、最初のうちは最低限上記のものさえ覚えていれば何とかなるであろう。

 もしコマンドが解らなくなった時は、非常に親切な事にゲーム中いつでも”?”キーを押すことでコマンドの一覧が確認できる。

ただし説明は全部英語なのだが…

モンスターとのバトル、そしてGAME OVER

 さて本作の戦闘システムを説明する前に、本作の根本的な「ターン制」の仕組みについて説明する必要があるだろう。

 本作は所謂「ターン制」なのだが一般的なターン制のRPGとは少し違っており、戦闘中だけでなく通常時の移動やアイテムの使用などあらゆる1回の行動でプレイヤーは1ターンを消費する。そしてプレイヤーが1ターンを消費すると、次はそのフロアにいる全てのモンスター達が1回行動をしてくるのだ。

 つまりこちらが移動中であっても休憩中であっても、モンスター達はお構い無しに攻撃してくるし、目の前のモンスターを殴っている間でも背後から徐々に別のモンスターが迫ってくることもあるので、RPGでありながらまるでアクションゲームのように常に気が抜けない状態なのである。

 ただしアクションゲームと違って、こちらが行動しなければ相手も一切行動しない。つまり次の一手を考える時間はあるという事だ。

 さてでは戦闘についての説明をしよう、戦闘は基本的に隣接しているモンスターのいる方向への移動キーを押すことで、手持ちの武器で攻撃を行ったことになる。また離れているモンスターに対しては、”t”コマンドで弓を射たり武器を投げたりする遠隔武器を行うことも可能である。

 ちなみに「防御」のコマンドは無い。

(画面下に表示されているステータス)

 攻撃が敵に命中すれば相手のHPを奪い倒すこともできるが、倒しきれなかった場合は当然敵のターンで反撃が来る。敵の攻撃が当たってしまうとこちらのHP(画面上の「Hits」の値)が減少していきHPが0になるとゲームオーバーとなる。ちなみに敵への攻撃については画面上の「Str」と手持ち武器の性能、敵からの攻撃については画面上の「Armor」の値が影響する。

 戦闘に勝つと経験値が獲得でき、一定の経験値獲得でプレイヤーのランク(画面右下の称号)が上がる。ランクが上がると体力の最大値が上昇するほか、画面には表示されないがStrにも補正値が掛かる。ちなみにランクはゲーム開始時の称号無しを除いて全部で20種類あるらしい。

(死んでしまったら、残るものは墓標だけ…)

 一般的なRPGでは戦闘に負けてゲームオーバーになれば、直前にセーブしたところからやり直し、あるいは教会に戻されて蘇生というのが基本だが、本作においてゲームオーバーとはそんな生易しいものではない。

 死んでしまえばそれで最後、復活もしなければセーブポイントからのやり直しも無い。全てを失った状態で、また0から新しいダンジョンへの再挑戦となるのだ。勿論それまでのデータも引き継がれることは無い。

 それだけにRPGでありながら「死」が意味することは重く(当たり前なのだが)、戦闘行動には非常に気を使わなければならない。

 前述したように、本作では自分も敵もターン制で行動するので同じ部屋に複数のモンスターが見えている状態で迂闊にどれかを攻撃しにいくと、別のモンスターに別方向から接近されて囲まれる事もある。なのでそういう場合は、部屋の入り口や通路まで敵を引き込んで、脱出路を確保しつつ一対多の状況を避けるなどの戦術が必要になってくるのだ。

(敵の大群に遭遇したら、一対多にならない位置取りを心がける)

 また本作では一定歩数毎に体力は1ずつ回復するものの、それ以外の回復手段がポーションしか存在せず、しかもダンジョン内には宿屋も道具屋も存在にないため、そのポーションはダンジョンで手に入れるしかない(しかもランダム配置)。

 つまり本作には回復手段が非常に乏しいので、無用なダメージを被る事は極力避けたい。

KEY POINT!

 前述のようにHPが0になってゲームオーバーになるのを防ぐには、モンスターとの戦闘に常に注意を払って戦術を考えて行動しなければならないのだが、実は本作にはプレイヤーにとって、モンスターよりもさらに脅威となりうるものが存在する。

 それは「食料」だ。

 本作には「空腹度」というステータスが存在する。空腹度は何か行動する毎に上昇していき、やがて空腹>虚弱>朦朧というように常態が変わって行く。そして状態が朦朧になると、行動しようとしてもできずにしばらくの間動けなくなってしまうことが頻繁に起こるのである。

 もし動けない間にモンスターに近寄られたら…戦うことも逃げることもできず、成す術なく一方的に攻撃されるだけ、それはもう死に極限まで近い状態といえるだろう。

 空腹度は”e”キーで食事を行うことで回復するのだが、当然ながらそれは荷物の中に食料があればの話だ。ゲーム開始時には1個だけ食料を持っているが、それを食べてしまったらあとはダンジョン内で自分で見つけるしかない。しかも食料はポーション同様、ランダムで配置されるのでそのフロアに有るかどうかもわからない。完全に運任せなのである。

 あいにく本作には倒したモンスターの肉を食すというシステムはないので、食料を持っていない状態で空腹状態になると、もっと探索をして食料を探したいが、たくさん探索するとそれだけ空腹度が増すというジレンマで本当に恐ろしくなる。

 ゲーム序盤で一定数の食料が確保できなかったら、ゲームをやり直したほうがいい、そういっても過言ではないだろう。それだけに、ダンジョン内で空腹状態のときに食料のマーク「」を見つけたときは、まるで砂漠でオアシスを見つけたときのような喜びがあった。

ゲーム上の目的とプレイヤーの目的

 本作には一般的なRPGのような目的が一応存在する。それは「運命の洞窟」から「イェンダーの魔除け」を持ち帰って来るというものなのだが、ゲーム中にその目的に纏わるようなストーリー展開は存在しない。

 またプレイヤーにとっても「魔除けを持ち帰る」というゲーム上の目的は1つのフラグに過ぎず、プレイヤー自身が目指すものはまた別に存在していたといえるだろう。それがスコアアタックである。

 ダンジョンを探索していると、稀にゴールドを見つける事がある。ゴールドを拾うと画面下「Gold」の値が増えていくのだが、前回ちょっと説明したようにこのダンジョンには「ショップ」というものは存在しないのだからお金の使い道などないのだ。ではゴールドには何の意味があるのだろうか。

 実は獲得したゴールドがゲーム終了時の「スコア」になるのである。

 そしてプレイヤーは、ゲームオーバー、あるいはゲームクリアまでに、ダンジョンを探索してどれだけのゴールドを集められるか、つまりスコアを稼げるかを目指し、他のプレイヤー達とハイスコアを競うのである。(因みにダンジョンから魔除けを持って帰ってきた場合のみ、所持しているアイテムが全てゴールドに換算されるようになっていた。)

 日本でも本作が発売される前に、アスキーネット(パソコン通信のホスト局)上で本作と同様のものが遊べた時期があり、その際にもネット上の他のプレイヤー達とのスコアアタックは、かなり白熱したと言われている。

ランダムだらけのダンジョン

 さて、このように本作ではRPGでありながら何度もプレイして「より高得点を目指す」というところに重きが置かれていたと言える作品だったのだが、それだけにダンジョンの浅い階層は当然何度も通過することになる。

 普通の感覚で言えば、同じ階層を何度も何度も通過するのは億劫だし飽きるものなのだが、本作にはそれを感じさせない要素があった。それが「ランダム生成ダンジョン」というシステムだ。

 本作ではゲームスタートすると、同じ地下一階でも前回プレイした時の地下一階とは全く違う構造になる。これは地下一階の構造にいくつかのパターンが用意されているということではなく、毎回ランダムで部屋や通路、下への階段などが配置されるようになっているのだ。

(同じ地下一階なのに、毎回構造が変わる)

 またランダムなのはダンジョンの構造だけでなく、配置されるアイテムやモンスターの種類、数、その出現位置も全て毎回変わるのである。とはいえある程度の規則によって配置されるので、地下一階からドラゴンが登場したり、アイテムがどこにも配置されていないというような事態にはならないようになっている。

 さらにダンジョン内に落ちているポーション、巻物、杖、指輪については、なんと毎回ランダムで効果までが変わるのである。例えば「Red Portion」というアイテムが前回は体力回復薬だったのに、今回は毒薬になってるというようなことが普通に起きるのだ。まさに徹底したランダム生成ダンジョンである。

 RPGに限らず普通のゲームなら繰り返しプレイすれば、マップの構造や敵やアイテムの位置も覚えられ、それを次のプレイに活かせるのだが、本作ではこのようにそれらが毎回変わるので、今回のプレイで得たそれらの知識の殆どが次回のプレイでは通用しないのである。

 そういう言い方をしてしまえばマイナスなイメージになってしまいそうだが、逆のこのお陰で何度遊んでも飽きる事なく、いつも新鮮な気持ちでプレイできるのである。これは繰り返し遊ぶ事を前提としているゲームとしては、非常に得難い魅力であると言えるだろう。

生き残るための鍵はアイテムにあり

 先ほど「今回のプレイで得た知識は、次回のプレイで殆ど通用しない」と言ったが、戦略・戦術的な知識についてはその限りではない。本作の画面こそ単純なものだが、だからと言って考えなしの力押しプレイが通用するほど単純なゲームでもないのだ。

 筆者が本作をプレイして感じた戦術というか「コツ」をちょっと紹介しよう。

 まず拾った効果の解らないアイテムについては、兎に角使ってみることである。ダンジョンでアイテムを入手した場合その殆どは未鑑定の状態で手に入るので、アイテム鑑定できる巻物を使用するか、実際に使用するまでそのアイテムの効果は全く解らない。

 しかし一度でも使用すれば鑑定され名前が解る、あるいはプレイヤーが自由に名前をつけられるので、以後同じ効果のアイテムを入手した場合にその名前で表示されようになるのである。

(未鑑定のアイテムはドンドン使って識別させるのが鍵)

 もちろん使用してマイナス効果があるものも存在するが、流石に使用したら “一発で死亡” などというアイテムは存在しない(はずな)ので、早いうちに使用して、辛くなる中盤以降に備えるためにも何が何なのか解るようにしておきたい。

 そして効果が解ったアイテムは使い惜しみしないことだ。

 前回も説明したが本作は死んでしまったらそれまで。その場で全てを失い、復活もデータの引き継ぎも無いのだ。だから有効なアイテム(特に体力回復効果のもの)は惜しまず使用して何よりも生き残ることを優先しなければならない。

 また飲むと害になる毒薬や混乱薬でも、敵に向かって投げつければその効果を敵に与える事ができるので、こちらも惜しまずにガンガン投げつけよう。大したことないような話だが、これを徹底するだけで驚くほど生存確率は上昇するはずだ。

敵を知ることは戦術の基本

 次にモンスターとの戦い方だが、これもただ突っ込んでいって殴っていれば勝てるほど甘くはない。前回紹介した部屋での位置取りもそうだが、モンスターの性質を理解することは生存確率を高める事に大いに役立つものである。

 まず基本的にモンスターは部屋の中でこちらを見つけると追いかけてくるのだが、たまに全く反応が無く動かないことがある。これはそのモンスターが部屋で寝ていることを現しており、その状態だとこちらから接触しなければ追いかけてくることはない。

 今のHPが低い場合、あるいは現時点で戦えばこちらの損害も多くなるような相手の場合なら、避けられる戦闘は避けることも生き残るためには重要である。

(部屋の隅で眠っていて動かないモンスター…先手を打つか?撤退するか?)

 またモンスターは種類こそ26種類と多くは無いものの、最初期のRPGとは思えないほど多彩な性質を持っている。

 中でも序盤から中盤にかけてプレイヤーを悩ませるのは、こちらの攻撃力を下げる毒を使うガラガラヘビ(”R”)、冷凍攻撃でこちらを行動不能にするアイスモンスター(”I”)、そしてこちらの鎧を錆びさせACを下げるアクエイター(”A”)の存在だろう。

 ガラガラヘビとアクエイターの特殊攻撃はやっかいなことに自然回復せず、ポーションや巻物の効果でしか回復しない。アイスモンスターの冷凍攻撃は自然回復はするものの、遠距離からでも撃ってくるので他のモンスター達に絡まれているときに離れたところからやられると、攻撃も離脱も一切できなくなり死を待つだけの状態になりかねないほど危険になる。

 従って重要になるのは、やっかいな敵は覚えておき優先的に対処するか接触を避ける事

 そしてこちらも弓や投擲武器、ポーション、杖などの遠距離攻撃を多用して近付かれる前にできるだけダメージを与えることである。ガラガラヘビやアクエイターの特殊攻撃は隣接しなければ使ってこないので、効果は抜群である。もちろんそれら以外の敵と戦う場合にも、遠距離攻撃は非常に有効である。

(ダークゾーンに入った瞬間目の前にガラガラヘビ…)

 しかし暗闇の部屋で突然そういった厄介な敵にいきなり遭遇することもあるだろう。そういったときは敵を弾き飛ばす杖や、自分がテレポートできる巻物なども存在するのでそれらを使うと言う手もある。そのためにも前述したように、拾った未鑑定アイテムはさっさと使用して効果を明らかにしておくのが良いのだ。

 敵(の性質)を知り、己(のアイテム)を知れば、百戦危うからず。まさにそう言うことである。

まとめ

 さて、ここまでこの「ローグ」という作品について説明してきたが、もしかしたらこれを読みながら感覚的に「そんなに言うほど珍しい仕様でもないよなぁ…」と感じた人もいたかもしれない。確かに今の感覚で考えるならそれほど特筆するようなものでは無いかも知れない。しかし思い出して欲しい、この作品は

 コンピューターRPGの始祖とも呼ばれている作品なのだ。

 最近最新作が発売されたり発売が予定されている「ドラゴンクエスト」だって「ファイナルファンタジー」だって、今まで我々が触れてきたすべてのRPGだって、”ここから始まっている”と言っても全く過言ではない作品なのである。

 一番最初のRPGでありながら(何度かバージョンアップはされたが)、今でも通用しうるこれだけの要素を既に持っていたのだから、改めてその完成度に驚愕してしまう。

 そしてお世辞を抜きにして、今遊んでも時間を忘れてかなり楽しめるのだから凄い。
『ゲームの「楽しさ」は、グラフィックの良し悪しに必ずしも左右されるものではない』
改めてそれを実感させられる作品である。

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≫EXIT

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コメント

  1. 神楽 より:

    これも当時ログインあたりの記事で見た記憶はありますが
    値段までは見てなかったなぁ、そんなにお高いんだ。
    そしてコマンドが結構多いんですね、これは見た目大変そうですね。

  2. もののふ より:

    さすがに記号だけでは、想像力フル稼働は難しいファミコン世代ですw
    ああ、でも確かスマホアプリで出てたような覚えがありますね、ローグ
    通常の記号表示モードと画像表示モードが選択できるようになってて、記号表示も大きく見やすく変更はされてましたが
    やってみようかしら?w

  3. MA2 より:

    >お値段が高い
    駿河屋などで見られるものからすると
    88版は9800円のようなので98版とで値段差があるか
    発売時期が違ってたりするのかなー…?

  4. 名無しの冒険者 より:

    自分はトルネコで知った世代なので初めてフリー配布されているクローン版を遊んだ時は衝撃でした。
    文字を覚える大変さはあるしグラフィックも無いに等しいけれど、このモンスターや部屋の壁はこんな感じなのかなーとか妄想しながら遊ぶ楽しみは他じゃ中々味わえませんね。

  5. ソンゴスキー より:

    >神楽さん
    コマンドも多いし、覚えないといけない記号も多い。
    それだけに最初のハードルを高く感じるんですよねー。
    ただ最低限覚えればいいことであれば、多くはないのであとは徐々に慣れて行くって感じですね。

  6. ソンゴスキー より:

    >もののふさん
    そうなんですよ。昔私もiPhoneのアプリで遊んだ記憶があったので後編でそれを書いたんですが、どうも現在のiOSに対応してないっぽいんですよね…残念。

  7. ソンゴスキー より:

    >MA2さん
    そうかもしれませんね。少なくとも98版は一万円超えてたはずです。確認したらチャレアべにもその値段で載ってたし。
    とはいえ、値段が下がったとしてもあの時代に9800円でこれを売るのは…豪気だなあw

  8. ソンゴスキー より:

    >名無しの冒険者さん
    自分が遊んでハマった作品の原点となった作品を知るというのは、すごく意味があるし楽しい事ですよね。人にもゲームにも歴史あり。なぜこうなったのか、どこから進化したのか、何が失われて何が残っているのか。そういうのを自分の目で見て実感するのは、とても充実感があります。

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