勇者の塔 44F
No.0177
発売年 | 1987年 |
販売/開発 | 工画堂スタジオ |
ジャンル | SFロールプレイングゲーム |
発売機種 | PC-88、PC-98、X1、FM-7、MSXなど |
≫ENTER
本記事を読み進める前に…
本記事を読み進める前に、以下の点についてご了承願います。
- 当ブログで掲載している画像の、著作権または肖像権等は各権利所有者に帰属致します。もし掲載に問題等御座いましたらご連絡下さい。迅速に対応を取らせて頂きます。
- 筆者は本作品において、100%の知識と十分なプレイ経験を持っているとは限りません。誤りがある部分については、コメントにて優しくご指摘よろしくお願いします。
- 記事に書かれている内容についてはあくまで投稿時の状況や筆者の認識であり、現在の状況や筆者の認識と必ずしも同じではない場合があります。ご了承ください。
「サイキックウォー」とは?

「サイキックウォー コズミックソルジャー2」は、1987年に「工画堂スタジオ」より発売された擬似3Dダンジョン探索型のSFロールプレイングゲームです。
サブタイトルに「コズミックソルジャー2」とあるように、1985年に発売された「コズミックソルジャー」の続編にあたります。
本作は「工画堂らしさ爆発!」といった感じの独特な画面構成に、RPGでありながら「リアルタイムバトル」を取り入れた事などが非常に印象深い作品でしたが、それよりなにより画面の1/6をも占領した
セクシーアンドロイドの可愛さが印象的でした。
ストーリー
ストーリーとしては、
前作の戦いから4年後の星暦3656年、かつてKGD星域を侵略し支配していたがサイキックソルジャー達の活躍により、KGD星域からの撤退を余儀なくされていた帝国軍は、人工的にサイキックウェーブを作り出すことに成功、その力により再びKGD星域を侵略しようと企てた。
というもので、プレイヤーはサイキックソルジャーの1人となって、帝国軍が星域侵略の拠点として製造した人工惑星基地の破壊を目指します。
擬似3DダンジョンRPGだけど…

本作は「ウィザードリィ」シリーズのような擬似3Dダンジョン探索型RPGなのですが、他社がつくる同ジャンル作品と比べて、とにかくダンジョン描画エリアが小さいというのが特徴でした(っていうかこの頃の工画堂作品の特徴とも言えますね)。
なんせ上の画像で言うと、ダンジョン描画エリアは左下のオレンジの枠内だけですからね(オレンジの枠はわかりやすくするために、編集して付けたものです)。
大抵RPGのダンジョンの画像っていうのは、画面全体とか左上に大きく表示されているものが殆どだと思うんですよね。
そういうシステムに慣れているものだから、画面の左下の小さな描画部分をずっと見ながらプレイするっていうことに、結構な違和感を覚えてしまいます(これも慣れれば問題ないんですが)。
しかしゲーム中でそのダンジョンの「マップ」とある「アイテム」を手に入れると、画面上にそのダンジョンのマップを表示させる事ができます。
さらに自分が今いる場所を点滅するカーソルで表示してくれるというダンジョンRPGではかなり画期的なシステムになっているので、状況次第ではマッピングなども必要なくなります(ただどこに何があるかまではわからない、あと肝心なマップが解り難いという問題はありますがw)。
リアルタイムサイキックバトル!
遭遇した瞬間から戦闘は始まっている

ダンジョンを探索していると、ランダムエンカウントで敵が現れて画面下部での戦闘シーンに移行します。
この戦闘シーンが本作のある種の「ウリ」の部分で、最初にもちょっと触れましたが何と本作の戦闘シーンは、当時RPGの主流だったターン制(敵味方が交互に攻撃する)タイプのものではなく「リアルタイム制」だったのです。
しかしリアルタイム制とは言っても、RTS(リアルタイムストラテジー)みたいな大層なものでもないですし、そんな複雑なシステムでもありません。プレイヤーが行うのは、スペースキーかリターンキーを押し続けるだけです。
遭遇した相手が敵対する存在だった場合、敵は問答無用でこちらにビームを撃ってきます。このときボケーっとして何もしないでいると、パーティの先頭にいるメンバーから敵の攻撃によりどんどんHPが奪われてしまうんですね。
そこでスペースキーを押すとこちらもビームを発射して相手のビームに対抗し、リターンキーを押すとシールドを張って相手のビームを防ぎます。(当然ながらキーから指を離してしまうと、また一方的に敵のビームを食らい続けることになる)
つまり遭遇した瞬間に戦闘が始まる、そういう意味でのリアルタイム制な訳です。
ドラゴンボール的なビームの撃ち合い

しかし相手のビームに対して、こっちもビームをだしたらお互い攻撃くらい続けることになるのでは?と思うかもしれません。しかしここからが本作の面白いところなんです。
双方がビームを発射するとお互いのビーム同士が衝突し、ビームの鍔迫り合いのような状態になり、やがて総サイキックパワーの弱いほうが押し込まれダメージを受け始めます。そして敵の体力(各キャラの真下の数字)を0にすると勝利となります。
とはいえ一度押し込めばもう一方的にHPを削れるかというとそうでもなく、たまに押し込まれた側が盛り返してくることもあり、これがさながら「かめは○派」の撃ち合いのようで楽しいんですよね。
しかも敵によってビームのグラフィックが違ってたりするという部分に、変な力の入れ様が見えますw
ちなみにリターンキーでシールドを張れば、ダメージを受けることなくずっと戦闘を維持できますが、ビームの撃ち合いもシールドでの防御も永遠に続けられるわけではありません。
ビーム(及びシールド)を出し続けていると「トータルサイキックパワー(アンドロイドお姉ちゃんの太ももの下にある数字)」もどんどん減り続け、これが0になってしまうと行動不可能となりあとは一方的にボコられるだけです。なのでそれまでには戦闘に決着をつけなければいけません。
ただし敵はHPとサイキックパワーを1つの値で共有しているため、こちらがシールドを張り続けていると、敵はサイキックパワーと同時にHPもどんどん減っていき勝手に自滅するなんて事も起こりますw
重要なのは総サイキックパワー

さて、さきほど「総サイキックパワー」の話をしましたが、味方の総サイキックパワーはパーティメンバーのESP値の合計になるのでパーティメンバーは多いほうが戦闘に強いわけです。
しかしゲームが始まった直後は、味方はプレイヤーの分身であるキャラクター1人のみなので、いきなり敵対する相手に出会ってしまったらまず勝てないでしょう。
そこで最初にプレイヤーが行うのは「仲間集め」です。
先ほどから「敵対する相手」という言葉を使っているように、ランダムエンカウントで遭遇する相手には「敵対しない中立な相手」というのも存在し、その相手に話しかけることで仲間に入れることができます(仲間は最大3人で計4人パーティになる)。
もうパーティが満員状態のとき、あるいは遭遇した相手を仲間に入れたくないときは、話しかけてゲーム攻略に必要な情報を聞き出すことも可能ですが、めんどくさかったらスペースキーを押して…
ぶっ殺してしまうことも可能です(鬼畜
本作には「破邪の封印」のように「カルマ(知名度)」がある訳じゃないので、気にせずやっちゃえます。
ちなみにパーティが満員のとき、仲間に入れたい相手と遭遇したらパーティメンバーの入れ代えは可能です。
お金もショップも無いRPG
さてここまでは主に戦闘シーンについて説明しましたので、ここからは戦闘終了後について説明していきましょう。

本作では敵を倒すと他のRPG同様経験値が手に入り、一定値溜めるとキャラクターのレベルが上がります。
がしかし、ゴールドとかジェムとかゼニーとかそういった通貨的なものは一切手に入りません。それもそのはず、なんせこの作品にはショップ的なものが存在しないんですから。
え?じゃあ装備や道具はどうやって手に入れるの?って思いますよね。その辺はすべて「現地調達」になります。
敵の支配する惑星のダンジョンには、敵が使用するために保管していたと思われる装備が置いてある場所があり、そこに辿り着くことで装備が無料で入手できます(防具を装備すると画面下のキャラのグラフィックが変わるのは芸コマ)。
また回復アイテムなどは、同様に敵の医療施設のような場所で入手できます(いくらでも補充可能)。
装備品を買うためのお金稼ぎとかが必要ないのは助かるんですが、必要になったときにいちいちその場所に取りに行かないといけないのは若干面倒ではありますね。
でも考えてみたら、プレイヤーは敵の惑星に潜入して調査している立場なんですから、その惑星でそういう人間に武器を売る商人がいたらちょっとおかしいですよね?その意味では作品の世界観に合わせた仕様だったと思います。
仲間は「超能力」で選べ

さて本作のタイトルが単純にサブタイトルの「コズミックソルジャー2」ではなく「サイキックウォー」であった理由とも言え、本作のキーポイントとなる要素がサイキック、つまり超能力です。
本作には戦闘で使用する「ビーム」以外にも様々な超能力があり、それを上手く活用しないとゲーム進行が困難になるどころかクリアそのものが不可能になってしまいます。
まずゲームが始まった直後、主人公はサイキックソルジャーとか言いながら超能力は「ビーム」しか持っていません。なので彼1人では戦闘中に「シールド」を張ることすらもできないのです。
主人公はレベルが上がることで、シールドや特定の超能力を覚えますが、この作品レベルが上がるのが超遅いのでそれまでシールド無しでは生きていけないでしょう。
そこで前回説明した「仲間」の存在が活きて来るのです。
ゲーム中に仲間にできる種族はそれぞれ特有の超能力を持っていて、例えばシールドを持っている種族を仲間にすれば、主人公がシールドを覚えていなくても戦闘中にシールドが張れ、ハイパーを持つ種族がいればパーティ全体の攻撃力が上昇します。

しかしパーティ全員が「シールド」を持っていたとしてもシールドの能力が上がるわけではありません。
主人公がシールドを覚えたらシールドしか持っていないメンバーは無意味になるのでパーティから外して、他の超能力を持った種族と入れ替えるというように状況に合わせてメンバーは入れ替えていく必要があります。
しかしどの種族であっても仲間になるとレベルが0から始まる為、メンバーの入れ替えを立て続けに行うと、一気にパーティ全体の戦闘力がガタ落ちしてしまうので注意です。
また新たに仲間にしたメンバーを、パーティの一番左側に配置してしまうと、弱い状態で敵の矢面に立ってしまい即死する可能性もありますので、入れ替え候補となるメンバーは一番左に配置しないように考慮する必要があったりします。
ちなみに超能力には戦闘時に使用しないものもあり、敵の姿をコピーする「デュプラスト」や、場所を記憶してどこからでもその場所にワープできる「プレトメモリー」「プレトリフト」は戦闘時には使用しませんが、ゲーム進行上重要になる超能力です。
このように本作は、ダンジョンの攻略に伴いパーティメンバーの入れ替えを考慮していかなければいけませんが、なんせレベル上げが結構大変なゲームなので、新しいメンバーが加わるたびに0から育てなければならないのがかなり億劫ですね。
正に看板のアンドロイド娘

野郎ども!待たせたな!!
さて本作が前作である「コズミックソルジャー」から変わった部分、進化した部分というのは多々あるのですが、なによりも大きく変わったと言えるのは主人公の相棒であるアンドロイド娘が、
超絶可愛くなった事でしょう。
前作ではSF作品らしく彼女に「アンドロイド」という設定はあったものの、その姿は正直ただ派手な水着を着たピンナップガールにしか見えませんでした。
しかし本作の彼女は、いかにも、いかにもアニメや漫画のSF作品に登場するアンドロイド娘といった感じにリファインされていました。
腕や脚、肩にはアーマー、耳には突起したセンサー、手には銃のようなものを持ち、さらにその体には寺沢武一氏の漫画に登場するギャルを髣髴とさせるような水着を纏っています。
超絶可愛いよね!?
しかし残念ながら彼女は前作と同様に戦闘には参加してくれません。あくまでサポート要員であり、「破邪の封印」で言うところの妖精のようにゲーム進行のナビをしてくれるだけです。
ですが途中で入手できるアンドロイドのパーツを到着させることで、マップ上に自分達の場所を表示してくれたり、暗号を解読してくれたりと色々役に立ってくれるうえに、なんとクライマッスク間近ではあんな事もできちゃうとか…(鼻血
最後に

とりあえずいつもならここで「まとめ」に入るところなんですが、今回記事用に本作をプレイしていたら思った以上に嵌ってしまったので、今度はこの作品のプレイ日記を書こうかと思います。
なのでもうちょっと細かい情報や、最終的なまとめ・総評はそのときに書くということで、よしなに。
それはそうと…工画堂スタジオさん。
このアンドロイドのフィギュア作ってください!
買いますので!!買いますので!!
そういや余談だけど、本作の続編に「サイキックウォー2 グレートアッシュ」って作品があるらしいですね。
内容はRPGじゃなくて、戦術アクションゲームみたいでしたが…。
![]() | サイキックウォー 2 グレートアッシュ (2000/04/07) Windows
|
≫EXIT
お疲れ様でした!

今回の記事はどうだったかの?何か感じた事があればどんなことでもコメントに残してくだされ。それと当ブログは以下のブログランキングに参加しておる。クリックして貰えるとわしの「やる気」がめちゃアップするぞい!

いつもバナークリックや拍手していただいて、誠にありがとうございます!
コメント
最後の画像に今回の記事は力が集結しているような気がします。
超絶可愛いですね!
ちなみに破邪の封印と聞けば「なんかあるよ」という言葉がまず浮かんでしまいます……。
プレイ日記楽しみにしてます。
当然×××はしますよね。
期待してますんで(笑)。
それにしても。
光画堂の作品って、面倒くさいところとか多々あるのに、なんかのめり込みますよね?
この作品しかり、覇者の封印、アルギースの翼しかり。
不思議な魅力ありますよね。
>Kさん
何のことですか?嫌だなあ、変な言いがかりは止めてくださいよー(震え声
記事書いてる途中で、あれ?これビキニアーマー美女列伝だったっけ?とか思ったりしてませんよ?
してませんともさ。
>おんちゃんさん
XXXですか?なんのことだろーなー、わからないなー(棒
当時の工画堂のゲームは、その時の流行のシステムから意図的にずらしてるところがありますよね。
独自性が強すぎて最初はとっつきにくさも感じるんですが、慣れると嵌ってしまうというw
不思議なメーカーでしたねぇ。
チャレアベで知ってたけどプレイはしたことないんですよ。
やってみたかったなぁ。
やっぱりこの頃の8色のグラフィックはたまりませんね。
自分も何かゲームを作りたいとごにょごにょプログラミングして
ますけど、なかなか進まないです。
レトロゲームのフィギュアとかも作ってみたいですねー。
>XTCさん
たった8色という少ない色数で、ほんとに様々のものを表現してくれていましたね。
あの頃の私たちの「世界」は8色でできていたといっても過言ではないでしょうw
レトロゲームギャルのフィギュアは、もっといっぱい出てほしいですよねー?
アンドロイド娘!
おそらくは『Emmy』。工画堂スタジオが開発し、アスキーから発売された
エミーのグラフィックを担当された方によるデザインではないかと
個人的に推測しているのですが、今見ても全然魅力的ですよね!
>コーセーさん
> エミーのグラフィックを担当された方によるデザインではないかと
あー!確かに言われてみれば、アンドロイド娘の目つきが、エミーIIの娘と似ていますね。
ふむ、確かにありえるかも…。
マップさえキチンと頭に入っていれば、
2回戦こなしてクリアすることも可能ですよ(←経験者)
あと、このアンドロイドさんには【サミア・ブルネード】という名前があるそうです。
当時のコンプティークに書いてありました(私も良く覚えてるな…)
>マグ部屋の主さん
> 2回戦こなしてクリアすることも可能ですよ(←経験者)
まじですか!
> あと、このアンドロイドさんには【サミア・ブルネード】という名前があるそうです。
マジですか!(二度目)
ゲームの方はなかなかモチベーションが回復しなくて、プレイ日記も頓挫しちゃってます。
お盆休みあたりでなんとか決着付けたいものです。
そしてアンドロイド娘の名前、そんな名前だったんですね。驚きです。
貴重な情報ありがとうございました。
サイキックウオーはアンドロイド娘を見て
即買った口ですw
とはいえ、FM77AVユーザーでしたからしばらく待ちましたけどw
パソコンショップなどは都会にしかなかったので
工画堂へ直接現金書留を送り付けるという通信販売でしたけど
ファンレターとイラストを添えて送りましたなら
販売促進用のグッツを山ほど入れて送られてきました
アンドロイド娘のPOPなんかも入ってました
当時は、ユーザーとソフトハウスとは、身近に感じられる所が多かったですね
>なおさん
レス遅れて申し訳ありません
おお、FM77AVをお持ちだったんですね!
当時は憧れましたぁー。総天然色とあのサウンドがなんとも…。
確かに昔は、ファンがゲーム会社に見学に行ったりとかできたところもあったようですね。
今じゃ考えられないw