賢者の塔 43F
No.0149
発売年:1985年
開発元:コンプティーク
ジャンル:コマンド入力式AVG
発売機種:PC-88、FM-7など
※画像は全てPC-88版です
≫ENTER
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「カムイの剣」とは
「カムイの剣」は197年に矢野徹氏が書いた小説で、日本で明治維新がおきる少し前の時代、育ての親を殺した疑いをかけられ追われる身となった主人公「次郎」は、「天海」という隠密に助けられ忍びとして育てられる。忍びの修行を終えた次郎に天海は、次郎の本当の父親である「太郎左」を探す旅に出ることを命じるのだが、実は…。という感じのストーリーでした。
この小説は1985年にアニメーション映画化され、監督であるりんたろう氏の独特な映像と、宇崎竜童が担当した音楽の絶妙な融合が話題となりました。ちなみに今回の記事を書くに当たり、十何年ぶりにこの映画を見ましたが、今見ても映像美に圧倒されてしまいましたね。
ゲーム版「カムイの剣」とは

ではここからゲーム版「カムイの剣」についての説明に入りましょう。
「カムイの剣」は、1985年に「アズテック」や「バルダーダッシュ」など海外ゲームの移植を主に行っていた「コンプティーク」という会社より発売されたコマンド入力式アドベンチャーゲームで、同年に公開された映画「カムイの剣」の内容をベースに作られています(あくまで「ベース」です)。
いわゆる版権モノのAVGには大きく2種類のタイプがありまして、1つは原作の話を忠実に再現してプレイヤーが追体験できるタイプと、もう1つは原作とは世界観や登場人物が同じなだけのオリジナルストーリーのタイプですね。
本作はどちらかというと前者で映画の展開に近いものではあるのですが、まあ当時約二時間もあるような映画の内容を完全にゲームに詰め込むなんてことは土台無理な話なので、ゲーム用にいろいろ手を加えた結果、なんか「カムイの剣」風味のAVGみたいになっちゃってましたw
英/カナ併用のコマンド入力式

システムの説明をすると。最初に言ったように本作はコマンド入力式AVGなので、プレイヤーは「動詞+名詞」のかたちで実行したいコマンドをキーボードから入力します。
例えば目の前にある箱を開けたいときは「OPEN BOX」と英文で入力すればOKなのですが、本作ではカナ入力も可能になっているので「アケル ハコ」でも受け付けてくれます。
ゲーム中のテキストはすべてカナで表示されていて、一部のAVGのように名詞に該当する英単語の表記もないのでカナ入力のほうがやりやすいかもしれません。
ちなみに場面の移動については方角をE/W/S/Nの一文字で指定するのですが、コマンド入力時に今の画面から移動できる方向が常に画面上に表示されているのは解りやすくてよかったですね。
カムイの剣はどこに…?

本作では、選択を間違うことで即ゲームオーバーになる「デストラップ」的なものは何箇所か存在はしますが、主に戦闘の場面などに多いので普段はそこまで気にしなくてもいいレベルです。
またゲームが進行しなくなる「ハマり」も基本的には無いのですが、1箇所だけ選択肢を間違うともうどうにもならなくなる場所はあります(しかもラスト直前でw)。
全体的に、コマンドの難易度としてはそれほど難しくはないのですが、物語の主軸となる(はず)の「カムイの剣」を手に入れるために、ある村に侵入する方法が個人的には難しかったです。
版権モノAVGの場合、こういった謎部分は原作などに含まれている場合もあるのですが、このカムイの剣を手に入れる部分は映画の中には存在しませんでしたから。
というか原作でのカムイの剣は、赤ん坊の次郎が育ての母に拾われたときに一緒にあったもので、本当の次郎の両親の形見のような重要なアイテムです。が、それを本作では
ある村から次郎がかっぱらいます(どん引き

父親の形見というか手がかりになる重要なアイテムなのだから、原作と同じように最初からもっていても問題ないアイテムだと思うのですが、製作者側としてはヒロイックファンタジーにありがちな「伝説の剣を手に入れた!」的なシチュエーションがほしかったのでしょうかね?
それにしても盗んじゃだめだろう、とは思うんですがゲームが開始していきなり民家に入り込んでお金を盗んだり、壁にかけてある他人の熊の毛皮を盗んだりするくらいですから今更なんですけどねw
でもその割りに、あるアイテムについてはちゃんとお金払って(盗んだ金だけど)買うんですが…。
もちろん原作の次郎はそんな盗賊まがいのことはしません、仲良くなった黒人労働者の自由を自分がお金出して買うくらい超善人です。
映画の「風味」は感じられる

映画を見たあとに本作をプレイしていると、ストーリー的なずれはあるものの映画のシーンを再現したようなグラフィックもところどころで表示されるので、前述したように原作の「風味」は感じられる作品になっています。
ただそういう風味は感じられるものの、プレイヤーがゲーム中に多くの時間を割くことになるAVGとしての部分についてはほぼゲームオリジナルの内容であるために、その風味すら薄れて途中で「これ何のゲームだっけ?」と考えてしまうこともよくあります。
特に映画で重要なポジションを担う、

「お雪」というくのいちが、ゲームラスト3画面前くらいになってやっと登場して、実はこうだったのよとゲームで表現しなかった部分の説明を一気にしゃべってそのままいなくなるという急展開。
映画を知っている人は「ええええええ?」と困惑するだろうし、知らない人は唐突過ぎて( ゚д゚)ポカーンとすること間違いなしです。
また映画では前半とラストの舞台が日本で、中盤~終盤にかけての物語の「キモ」となる部分は舞台が海外に移るのですが、その海外の部分が本作ではほぼカットされています。
一応あることはあるのですがびっくりするくらい急展開で話が進みます。それまでにプレイしてきた時間を10とするなら1あるかないかというレベルです。
最初にもちょっと触れましたが、2時間モノの長編アニメーションの内容を当時のゲームで完全再現なんていうのは無理な話ですし、逆に忠実に再現しすぎればまだ作品を見ていない人への「ネタバレ」になりますから結果としてこういう内容にならざるを得なかったのかもしれません。
なので、これを単に「酷いゲームだった」と切り捨ててしまうのも酷なのかもしれませんね。
≫EXIT
お疲れ様でした!

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コメント
伏せ字5文字で当てた強者がいましたね。
すげ~や[e:330]
最初から当てさせないつもりで行ったんだけどなあ。
ツワモノですなw