勇者の塔 64F
No.0245
前作にてヒロインだった「アフロディテ」が、今作では全作主人公の「ポポロン」と並んで主人公に昇格。二人の能力に違いはあるのか?どちらを使えば良いのかなどを説明していきます。
≫ENTER
いらっしゃいませ!
管理人じゃ。
謎の妖精よ。
一年位前に、コナミが自社の過去タイトルを対象にした新しいゲームの企画を募集する「KONAMIアクション&シューティングゲームコンテスト」というのを開催していたんじゃが、先日その審査結果と金賞をとったタイトルが発表されておったぞ
へー、なんか面白そうな企画ね。コナミのタイトルからなら、金賞を取ったのは「グラディウス」とか「がんばれゴエモン」あたりかしら?
それがなんと、金賞を取ったのは「ガリウスの迷宮」だったんじゃよ
ガリウスの迷宮?…あんま聞いたことないタイトルなんだけど、有名なのそれ?
ある有名な作品の続編なんじゃが、正式タイトルをみればピンとくるかもしれんのう。というわけで、今回は金賞を受賞したことで「リメイク」が決まった「ガリウスの迷宮」を紹介するぞい!
では準備ができたら入るがよい、勇者の塔64Fじゃ!
※参考リンク※
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「ガリウスの迷宮」とは
基本情報
タイトル | 魔城伝説II ガリウスの迷宮 |
---|---|
シリーズ | 魔城伝説シリーズ |
ジャンル | アクションロールプレイングゲーム |
発売年 | 1987年 |
発売元 | コナミ |
開発元 | コナミ |
発売機種 | MSX |
前作 | 魔城伝説 |
次作 | シャロム 魔城伝説III 完結編 |
作品概要
魔城伝説の続編だけどジャンルが…
「魔城伝説II ガリウスの迷宮」は1987年にコナミから発売されたアクションロールプレイングゲームであり、1986年に同社から発売された「魔城伝説」の続編にあたる作品である。
騎士「ポポロン」は前作の戦いで救い出したグリーク王国の姫「アフロディテ」と共に王国に戻るが、城は大魔司教「ガリウス」によって支配されていた。グリーク城を奪い返す為に、ポポロンとアフロディテは、もはや魔城と化したグリーク城に乗り込む。
というのが本作「ガリウスの迷宮」のざっくりとした物語で、ここからわかるように本作は前作終了直後から直に繋がっている続編作品となっていた。
え、アフロディテも一緒に入るの?
そうじゃ、そしてそこが本作の大きな特徴に繋がるんじゃよ
しかし、物語としては繋がっているものの前作と本作には大きな違いが存在する。
それはゲームの"ジャンル"そのもので、なんと前作「魔城伝説」は縦スクロールのシューティングゲームだったが、本作「ガリウスの迷宮」はサイドビューのアクションRPGと全く違うジャンルとなっていたのだ。
ちなみに本作の続編となる「シャロム 魔城伝説III 完結編」のジャンルはアクションアドベンチャーゲームとなっており、この魔城伝説シリーズは続編が出るたびにジャンルが変わるという世にも珍しいシリーズとなっている。
ポポロンとアフロディテで大魔司教ガリウスを倒せ!
本作の目的としては、魔城と化したグリーク城の内部を探索して「ワールド」と呼ばれる別世界への秘密の入り口を見つけ、ワールドの最奥に潜む「大悪魔」を倒すこと。ワールドは全部で10存在し、10番目のワールドにいる「大魔司教ガリウス」を倒せばゲームクリアとなる。
プレイヤーは目的達成の為にグリーク城内と各ワールドを探索していくのだが、そこには様々な障害や仕掛けが行手を阻み、さらに邪悪な魔物たちも待ち構えている。
それに対しプレイヤーはメイン武器となる"剣"や、サブ武器となる"弓"などの武器を使って敵を排除し、さらにジャンプなども駆使して段差や穴などの障害を飛び越えていく必要があるのだが、城(またはワールド)内には様々なアイテムが隠され(または売られ)ており、それらを入手することで探索や戦闘を有利に進めていく事もできた。
加えて様々な問題を乗り越えるため上記のものとは別に、本作の目玉とも言える手段が存在する。それが主人公である「ポポロン」と「アフロディテ」の"操作切り替え"である。
ポポロンとアフロディテにはそれぞれ個性(得意分野)が設定されており、プレイヤーはいつでもこの2人を切り替えて操作することが可能なので、状況に応じてポポロンを操作したりアフロディテを操作したりと、それぞれの個性を活かした探索を行なっていく必要がある。
そしてここが本作の「キモ」となる部分だといえるだろう。
主人公を切り替えられるアクションゲームって、面白そうだけど切り替えるタイミングの判断がむずかしそうね
その辺の判断については、あとで詳しく解説するぞい
ストーリー
遠い遠い昔から語り継がれた伝説。
悪の大魔王ヒュドノスにさらわれたグリーク王国の姫アフロディテを救出する為、正義の騎士ポポロンはアトス山の奥地にある魔城へとと向かっていた。
しかし、それは大魔司教ガリウスの罠だったのだ。彼は悪魔を使い自らの欲望を満たす黒魔術の第一人者で、自らも悪魔に魂を売り悪の権化と化していた。そして、ポポロンが留守のグリーク王国に悪魔どもと共に攻め入り、世界中を魔界にする為の拠点にしてしまっていたのだった。
真の魔城とはグリーク城そのものだった。その上、彼は数年後、ポポロンとアフロディテの間に生まれるはずの幼子パンパースを天界に行って誘拐し、人質として場内に監禁していた。
アフロディテを無事救出し、グリーク城へ帰ったポポロンは妖気を発する城を見て全てを悟った。愛する我が子を救い、グリーク城を悪魔の手から取り戻す為、2人の男女は死を覚悟して門をくぐった。
今、まさに魔城伝説は真のクライマックスを迎えた。
「ガリウスの迷宮」の特徴
ではここからは、概要でも少し触れたが本作「ガリウスの迷宮」の主な特徴について、詳しく触れていくこととしよう。
広大なグリーク城を探索
冒険の主な舞台となる「グリーク城」の内部は複数のブロックで区切られており、そのブロックは縦16の横15、全240ものブロックで構成されている事になるのだが、そのうち実際入る事ができるのは150ブロック程である。
一つのブロックは一画面分に該当しており、画面上にはそのブロックを横から見た様子が表示される(サイドビュー)。その為、本作においては画面上の上から下に向かって"重力"が働いており、ブロック内の段差や通路などから地面に何もないところに踏み込むと下に落ちてしまう。
ブロック間の移動は、画面の右(左)端に到達すれば右(左)のブロックに移動でき、画面の上(下)端まで伸びている梯子を登る(降る)と上(下)のブロックに移動する事ができる。また、画面下端の足場が無いところ(穴)に落ちると、強制的に下のブロックに移動させられるという仕組みだ。
下手に下に落ちちゃったら、戻ってくるのに苦労しそうな感じね
じゃがワザと下のブロックに落ちないと、行けない部屋や乗れない段差があったりするんじゃよ…
ちなみにグリーク城の何処かには、別の空間である「ワールド」に行く事ができる入り口があるのだが、このワールドもグリーク城ほど広大ではないものの、同様に複数のブロックで構成されており、ブロック間の移動の仕組みもまた同様となっている。
本作ではこのように広大なグリーク城(及びワールド)を探索していくことになるのだが、この特徴から本作のゲームのイメージとしては、1985年にアスキーから発売された「ザ・キャッスル」にやや近いと言えるかも知れない。
ポポロンとアフロディテの個性
主人公が二人いる理由
次は本作の最も大きな特徴と言える「ポポロン」と「アフロディテ」、二人の主人公についてだ。
本作の主人公は、前作「魔城伝説」の主人公であった「ポポロン」が引き続き務めているのだが、本作にはもう1人主人公がいて、それがなんと同じ「魔城伝説」で拐われていた姫「アフロディテ」なのである。
さらに驚く事に、前作でアフロディテは"拐われた姫"といういかにもか弱そうな存在だったにもかかわらず、本作ではなんと騎士であるポポロンとほぼ同等の能力を持った騎士として登場するのだ。
前作から今作までの間に、彼女にいったい何があったのか…
ユリ・サカザキかな?
アフロディテが元々強い女性だったのかはともかく、本作においてはこの二人が主人公として存在しているため、プレイヤーはゲーム中任意のタイミングで「ポポロン」と「アフロディテ」という二人の主人公を切り替えてゲームを進めて行く事になる。
では何故、わざわざこの二人を"切り替えて"プレイする必要があるのだろうか?
その大きな理由としては、ポポロンとアフロディテの能力の違いがあるだろう。前述したように、確かにポポロンとアフロディテはほぼ同等の能力なのだが以下のような個性の違いがあり、そこが非常にゲームに影響するのだ。
ポポロン | アフロディテ | |
---|---|---|
岩の破壊 | 3回攻撃 | 15回攻撃 |
ジャンプの高さ | 調整可能 | 一定 |
サブ攻撃 | 2連射可能 | 3連射可能 |
回転扉の通行 | 可能 | 不可能 |
特殊な壁の破壊 | 可能 | 不可能 |
水中移動時 | ダメージ大 | ダメージ小 |
ワールド5 | 侵入可能 | 侵入不可 |
ワールド7 | 侵入不可 | 侵入可能 |
このため、プレイヤーであるあなたはこの二人の個性をしっかり把握し、目の前の状況に合わせてポポロンとアフロディテを適切に選択してゲームを円滑に進行する必要が発生するのである。
体力と経験値は別々の管理
前述のようにゲーム中では、状況によりポポロンとアフロディテを切り替えながら進行していくのだが、そこで気を付けなければいけないのは二人の体力(VIT)と経験値(EXP)についてだ。
というのもポポロンとアフロディテの"体力(VIT)"と"経験値(EXP)"は画面の上部を見てもらえば解るように別々の管理となっており、ポポロン操作時にダメージを受けるとポポロンの体力ゲージのみが低下し、敵を倒すとポポロンの経験値ゲージのみが上昇する(アフロディテ操作時も同様)。
ちなみに本作には、経験値の概念はあっても"レベル"という概念は無い。そのため敵を倒して経験値を貯めゲージを最大にしても、ポポロンにもアフロディテにも能力の変化は起きず、体力の最大値も上昇しない。ただその代わりに体力が最大値まで回復する、という仕組みになっているのだ。
経験値を稼いでも体力の最大値は変わらないのだとしたら、どうやったら体力の最大値は上げられるのか?ポポロンもアフロディテも初期体力最大値は低く、安全に探索を進めるためにも、これはなんとか上げたいところである。
その答えは「グレートキー」というアイテムを取得すれば良い、だ。
グレートキーをどっちで取るか
グレートキーはそもそもはワールドへの扉を開けるのに必要な鍵なのだが、同時に取得したキャラクターの体力最大値を上昇させるという効果もある。グレートキーはゲームスタート地点のすぐ近くに一個だけあり、それ以外は各ワールド(10を除く)のボスである大悪魔を倒す事で一個取得できる。
つまりグレートキーは全部で10個までしか取得できない有限なアイテムであり、かつポポロンかアフロディテどちらか鍵を取った方の体力最大値しか上げてくれないため、どういう順番でどっちが鍵を取って体力最大値を上げて行くのかを考える必要が出てくる。
2人の体力を満遍なく上げるか、どちらかの体力だけを優先して上げるか…
うーん、ここは悩みどころね…
ちなみにもしポポロンかアフロディテどちらかの体力が0になってしまった場合、そのキャラクターは死亡扱いとなりもう片方のキャラクターを強制的に使用せざるを得なくなる。
死亡扱いとなったキャラクターは一度だけ復活させることは可能なのだが、そのために結構な手間とコストがかかるため、そうならないためにもメインとして使用するキャラクターの体力をまず優先してあげるのがいいのかも知れない。
多種多様なアイテムとその探索
次は本作の攻略を大きく左右する「アイテム」の存在についてだ。本作には兎に角多種多様なアイテムが登場する。このアイテムは大きく「消耗品」と「備品」の二つの属性に分けられると言って良い。
消耗品タイプ
消耗品には、矢(矢筒)、コイン、鍵があり、矢はサブ武器のアローを使う際に消費し、コインはショップでアイテムを購入する際に消費、鍵は城内の鍵のかかった扉を開ける際に消費する。要は消費する事で効果を発揮するアイテムだ。
消耗品の入手方法は、雑魚敵を倒した場合にランダムで落とすもの(落とさない場合もある)を取得するか、城内にあるショップにてコインと交換することで入手が可能となっている。
備品タイプ
一方備品に該当するアイテムについてはかなり多くの種類があり、その数はおよそ40種類程にもなる。
その効果は非常に様々だが、持っている事で移動が早くなる、攻撃力が上がる、敵の飛び道具を防げる、特定のトラップからのダメージが防げるなど、基本的に所持している事で効果を発揮し、攻略にも大きく役立つものが殆どだ。
中には前述のポポロンとアフロディテの能力のうちマイナスの要素を打ち消す(アフロディテでも岩を簡単に壊せるようになるなど)効果を持つものまで存在する。
これら備品アイテムは基本的に城内のどこかに直に配置されていてるか、配置されている岩の中に隠されているのだが、一部特殊な条件でなければ取得できないアイテムなどもある。
収集と攻略、どっちを優先?
こう言ったアイテムは前述のように持っているとゲーム進行が有利になるので、ワールドの攻略より先に場内探索を優先して、アイテムを取れるだけ取ってその後の探索を楽にするというやり方もできるだろう。
ただし城内を歩き回ってアイテム探索するには、やはりそれなりの体力がないと死んでしまう危険もある。しかしその体力を上げるには、前述のようにワールドを攻略してボスを倒さないといけないのだ。
グリーク城内の探索と各ワールドの攻略、このゲーム進行の配分をどうするかについては決まりというものはなく、ある程度はプレイヤーであるあなた自身の判断に委ねられている(特定のアイテムを所持していないとクリアできないワールドもあるが)。
このあたりは、本作の自由度の高さを表していると言える部分だろう。
多種多様な敵とワールドのボス
最後の特徴としては、アイテムと並びこちらも多種多様な敵(悪魔)達の存在である。
行手を阻む雑魚敵
グリーク城内、そして各ワールドにはプレイヤーの行手を邪魔する数々の敵がおり、中には遠くから飛び道具を飛ばしてくる、盾で正面からの攻撃を完全に防御する、ポポロンらと横軸が合うと高速で突撃してくるなどなど、一癖も二癖もあるものが存在した。
しかしゲーム中最も厄介だと思われる敵は、恐らく「蝙蝠」と「エクトプラズム」ではないかと思われる。
この2種類の敵は、共に空中を移動することができ、さらには壁や床をすり抜けて移動する事もできてしまう厄介者で、積極的にこちらを狙ってはこないもののそれだけに動きが読めなく、後述するノックバックの問題もあって非常に邪魔な存在だ。
どのくらい邪魔なのかと言うと、蝙蝠を全滅させたり、エクトプラズムからダメージを受けなくなるアイテムがわざわざ存在するくらい
めっちゃ深刻やん
待ち構えるワールドボス
次に各ワールドのボスについてだが、まず各ワールドの最奥にはボス戦専用のブロックが存在している。そこは入れば一目でわかるような特別な場所なのだが、そこに入っただけでは何も起きず、ボス戦にもならないのである。
実は各ワールド内のブロックのどこかに8文字程度の"呪文"が記された石板が配置されており、これを「虫メガネ」というアイテムで見ることにより呪文を知ることができる。そしてこの呪文をボス戦専用ブロックで入力する事でボス戦が始まるという仕組みなのだ。
ところでその呪文は、各ワールド毎に違うものなの?
全部違う呪文じゃな。その代わり同じワールドであれば呪文は固定なので、一度見つけられれば次のプレイでは探す必要はないぞ
各ワールドのボスは、竜や植物、スライムなど様々な姿をした巨大な存在となっており、当然雑魚とは比べものにならないほど大量の体力を持っている。中には弱点以外は攻撃できない、攻撃できるタイミングが限られるなどのボスもいるため、ボス戦は雑魚戦以上にアクション性を求められる闘いになるだろう。
各ワールドに待ち構えるボスたちはどれも中々の強敵なのだが、各ワールドそれぞれに配置されている特定のアイテム(マント、ロッド、聖水)を入手していれば、ボス戦が破格に戦いやすくなるので、ボス戦を始める前までに必ずこの3つは取得しておきたい。
「ガリウスの迷宮」の問題点
正直なところ、本作については流石「コナミのMSXゲーム」と言ったところか、しっかりまと纏まった作りになっていて、これと言った欠点も問題点も見当たらない。
そんな中で強いて言うならというレベルのものを少し上げさせて貰おう。
ノックバックの厳しさ
まず本作では、敵(または敵の吐いた弾)と接触した場合に反対方向に対して"ノックバック(吹き飛び)"が発生してしまう。
このノックバックにより、せっかく登った段差や梯子から落とされたり、隣のブロックに飛ばされたり、酷い場合だと穴に落ちて下のブロックに落とされたりする。これがほんとうにキツイ。
特に前述の、足場や壁を無視して移動する蝙蝠やエクトプラズムとの理不尽な接触によるノックバックは、この作品最大のストレス要素と言ってもいいだろう。
コナミのアクションゲームって、こういう話多くない?
特に代表的なのは「悪魔城ドラキュラ」シリーズじゃろうなw
とは言え画面上の蝙蝠を全滅してくれたり、エクトプラズムに接触してもダメージを受けないアイテムがちゃんと用意されているので、その点はまだ良心的と言え、致命的な問題点にはなっていない。
回復手段の乏しさ
先程の蝙蝠やエクトプラズムもそうだが、グリーク城内やワールド内を探索していると、気をつけてはいても想定外にダメージを被るケースは非常に良くある。しかし、その割に本作には回復手段となるものが乏しいのだ。
まず本作ではこの手のアクションゲームでありそうな、敵を倒すと敵が薬草的なアイテムを落とすというような事が一切無い。しかも本作に用意されている回復手段は、以下の3つしか存在しないのだ。
- 経験値を最大まで貯める。
- グレートキーを取る。
- 「妖精」を捕まえる。
妖精について説明しておくと、グリーク城内のある決まったブロックには"妖精"が隠れており、この隠れている妖精をある行動を行って見つけ出して捕まえると、なんと体力を全回復してくれるのである。
ただし"見つけ出す行動"というのが隠れているブロックによって違い、その方法もノーヒントなんじゃよなあ…
うーん、便利だけどちょっと気軽な回復手段とは言い難いわね
もう少し気軽に回復できる方法があれば、もっと遊びやすかったかもしれないと思うのだが、実は本作には取得経験値が"2倍"になるというアイテムが存在しており、これと先程の蝙蝠を全滅できるアイテムが有れば、非常に楽に経験値を貯められるようになる。
そうなれば、経験値を貯めて回復するのが最も手軽な手段ものになるかもしれない。
アフロディテの存在価値は
本作の中で強いてあげる問題点の中でも、多分一番の問題点といえるような部分があるとすれば、それは「アフロディテ」の微妙な存在価値だ。
ここまでの内容でお解り頂けたと思うが、本作は能力の異なるポポロンとアフロディテを、状況に合わせて切り替えて進行するというのが大きなゲームコンセプトとなっている。そのうえで、もう一度二人の主人公の能力の違いを確認してほしい。
ポポロン | アフロディテ | |
---|---|---|
岩の破壊 | 3回攻撃 | 15回攻撃 |
ジャンプの高さ | 調整可能 | 一定 |
サブ攻撃 | 2連射可能 | 3連射可能 |
回転扉の通行 | 可能 | 不可能 |
特殊な壁の破壊 | 可能 | 不可能 |
水中移動時 | ダメージ大 | ダメージ小 |
ワールド5 | 侵入可能 | 侵入不可 |
ワールド7 | 侵入不可 | 侵入可能 |
改めてこの二人の能力の違いを確認してみて、あなたならゲームの攻略を進め易いキャラクターはどっちだと思うだろうか?どう見ても、ポポロンの方がアフロディテに比べて出来る事が多い、つまりポポロンの方がゲームを進めやすいと思えないだろうか?
アフロディテの"アドバンテージ"と言えるのは、サブ武器が3連車可能なのと水中で受けるダメージが少ない事だけであり、正直サブ武器の連射能力はボス戦でもなければそれほどメリットは見出せ無い。
水中でのダメージについては、ダメージ差が結構あるのでこれは大きなアドバンテージと言える。ただしゲーム中に水中を移動しなければならないような場面はごく稀であり、その時だけアフロディテを出しても正直困らない程だ。
となるとゲーム進行においてはポポロンをメインで使い、体力の最大値を上げるグレートキーもポポロンで取ってしまって問題無いのでは無いか?やはりアフロディテの存在ら微妙ではないか?そんな風に思えてしまう。
ただ問題はポポロンが入れないワールド7の攻略である。ワールド7にポポロンが入れないとなると、当たり前だがアフロディテで攻略するしかない。しかしポポロンだけを育ててきた場合だと、このワールド攻略は尋常じゃなく厳しいものになるだろう。
ところがなんと、ポポロンでもワールド7に入れるようになるアイテムなんてものまで存在するので、それが入手できるのであればやはりポポロン一人で良いのでは無いだろうか…。
まあ色違いの同じ見た目とはいえ、やっぱり直前までただのお姫様だったのと、前作で魔物を打ち倒した実績のある騎士とでは違うってことかしらね…
逆にアフロディテの方がポポロンより有能だったら、前作の主人公って肩書が飾りになってしまうじゃろうしなぁ…
「ガリウスの迷宮」の総評
では最後になるが、本作「魔城伝説II ガリウスの迷宮」とはどんな作品だったのか、という部分に触れて今回の記事を締めようと思う。
本作「魔城伝説II ガリウスの迷宮」は、1987年というコナミのMSXゲームに脂が乗っていた時期の作品で、"流石のコナミ"というべきかゲームシステム自体はMSXらしい判り易いアクションゲームでありつつも、広大なグリーク城と10ものワールドで構成されるゲームのボリュームと、様々な効果を持つ数多くのアイテムが存在し、それらを探し、活用し、そのうえでゲームを進行させていくという奥深さはMSX2のゲーム並みのものを持っていた名作だったと思う。
特に大量にある「アイテム」の存在がやはり大きく、本作はどれだけのアイテムを探し出して入手できるかによってゲームの進め方も難易度も大きく変わってくると言い切ってしまってよいほどアイテムが非常に重要な作品であった。
実際、さっきのポポロンとアフロディテの能力問題も、お互いの欠点を打ち消せるアイテムが入手できるのとできないのとであれば、攻略のし方も変わってくるからのう
アイテムが入手できる前提なら、全部アフロディテでプレイするってのもアリなのかもねw
そしてこのようなアイテムが重要なタイプの作品では、得てしてせっかくアイテムを見つけてもそのアイテムの"効果"が解らなくて悩むというパターンもあるのだが、本作はその辺はマニュアルにしっかり書かれている(一部はヒントだが)のでそこに悩む必要がなく、そのアイテムを持っていることで何処で役に立つのかという"ゲーム攻略"にのみ集中することができるのだ。
そしてアイテムが重要なのは確かだとして、じゃあアイテムを揃えてしまえばヌルゲー化するのかというと全然そんなことはなく、純粋なアクションゲームとしても歯ごたえは十分過ぎるほどあるので、アイテムさえあればなんて気持ちで嘗めてかかるとこのゲームの攻略はままならないだろう。
広い城内を探索してアイテムを見つけ出すのも重要で、そして純粋にアクションゲームに対する腕前も重要という、このバランスの取れたコナミの名作アクションRPG「魔城伝説II ガリウスの迷宮」。機会があればぜひあなたにも一度遊んでみてほしいと言える作品である。
そして最後に、このガリウスの迷宮のリメイク作品がいったいどのようなものになるのかについても、今後ぜひとも注目していきたいところである。
余談だが、本作には同年に発売された「魔城伝説II 大魔司教ガリウス」というファミリーコンピュータ移植版が存在する。ゲームとして基本的な部分は本作MSX版と同じなのだが、様々な部分に違いがあって一概に同列並べるのは難しいため本記事では同じ作品という扱いにはしていない。
ちなみに同じアクションゲーム作品においてファミコンとMSXで比較した場合、大抵ファミコン版のほうに軍配が上がることが多いが、本作に限ってはまったくそんなことは無かったぞい!
そこまで言えちゃう作品も珍しいわね
遊びたくなったら?
もし今回の記事を読んで「ガリウスの迷宮に触れてみたい」とか、「ガリウスの迷宮をまた遊んでみたい」と思った方は、以下のサイトを参考にして欲しい。
パソコン版
レトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」にてMSX版が現在配信中。対応機種がWin10より古いものになっています。筆者のWin10環境で動作確認はできていますが、購入については自己責任でお願いします。
関連作品
同じくレトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」では、他の「魔城伝説」シリーズについても現在配信中です。興味があればこちらも購入をご検討してみてください。
≫EXIT
お疲れ様でした!
今回の記事はどうだったかの?何か感じた事があればどんなことでもコメントに残してくだされ。それと当ブログは以下のブログランキングに参加しておる。クリックして貰えるとわしの「やる気」がめちゃアップするぞい!
いつもバナークリックや拍手していただいて、誠にありがとうございます!
コメント
魔城伝説シリーズは本当にやり込んだな、魔城伝説は今でもPSvitaでたまにプレイしてるし。特にガリウスの迷宮ははまってやりまくった。勿論ポポロンのみ、アフロディテのみでもクリアしたし。
ファミコン版もプレイしたけどあれはなんというか・・・
リメイク版ガリウスは本当に楽しみです。開発スタッフも意気込みも凄いし期待大です。
>>1
>PSvitaでたまにプレイしてるし
PSで出てたコナミアンティークMSXコレクションですかね?あれ買っておけば良かったといささか後悔しています。
>ポポロンのみ、アフロディテのみでも
やっぱりやり込むとそういうプレイもするんですね。プレイの自由度が高いゲームだなほんとに。
>あれはなんというか・・・
キャラクターも大きいし、画面はスクロールするし、操作もしやすいはず…なんですが何というか…w
>リメイク版ガリウスは本当に楽しみ
「他には作らせない」みたいなコメントもしてましたからね。意気込みが半端ない。
>わざわざ二人を切り替えてプレイする必要があるのか…
アクションRPGの特徴と言えるのですが、複数のキャラの特性を出すにはその
アクション性の違い&区別化を図ることになります。アクション性の違いは、
キャラの操作性延いてはキャラ違いによるゲームクリアの濃淡(攻略の難易
度?)に差がでてしまいます。
そのためゲーム全体を楽しむには、キャラを分けたとしてもかなり微妙な、違い
にしかならないのではと考えます。
近年のアクションRPGでは操作性ではなく、キャラの属性(敵との相性)に
よる区別化が顕著になっている感じがします(ただし、そのキャラじゃないと
その敵を倒せないというわけではないようです)。
>キャラ切り替えアクションRPG…
ぱっと思いつくのは、「ぽっぷるメイル」でしょうか。ブランディッシュ3は切り
替えとは言い難い。最近だとイースⅧおよびイースⅨなどか。
>>3
>キャラを分けたとしてもかなり微妙な違い
キャラクターの特性による、ゲーム進行の有利不利、ボス戦の有利不利(おっしゃるような相性など)というのはあっても、このキャラクターじゃ無いと進行できない、倒せないと言うのはメーカーのエゴな気がしますよね。
そう考えると、本作のそのキャラでしか出来ない特性はあっても、アイテムさえ見つけられれば別のキャラでも出来るようになる、ってのはバランスよかったのかもですね。
細かいことで恐縮なのですが、冒頭部分にどうしても気になる、誤植と思われるものが…
>本作の正式タイトルは「魔法伝説II ガリウスの迷宮」ですが、本記事では以降「ガリウスの迷宮」と呼称していきます。
「魔城」伝説、ですよね??
>>5
>「魔城」伝説、ですよね??
そのとおりです!完全に見落としていました!
修正しましたありがとうございます。