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『Might and Magic Book I』すごいハマったけど…あれ?

勇者の塔 36F
No.0108

発売年1987年
販売/開発スタークラフト
ジャンルファンタジーRPG
発売機種PC-88、PC-98、X1など
※画像はすべてPC-88版です

≫ENTER

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遊んだはずなのに、記憶にない…?

「いやー!このゲームすごい遊んだ記憶あるわー!」
「へー、そうなんだ?んで、どういう内容なの?」
「えーっとね、…あれ?どんな内容だったっけ?w」

ものすごく時間を費やして遊んだ記憶はあるんだけど、思い出してみようとするとどんな内容だったかあまり覚えていない。そういうのってありませんか?

夢中で遊んでいたんだから、絶対つまらなかったハズはないんだけど…なんで記憶にないんだろう?
今回は、私にとってそういう存在のゲームを紹介したいと思います。

「マイト・アンド・マジック Book I」とは

「マイト・アンド・マジック Book I the Secret of the Inner Sanctum(以下M&M)」は、1987年に発売されたファンタジーRPGで、海外メーカーの作品ですが日本では「スタークラフト」がローカライズし発売、「ファンタジー」シリーズと並んでスタークラフトの看板タイトルとなった作品です。
※M&Mシリーズは後に第9作まで発売された

本作が日本で発売された頃、私はようやく親に買ってもらったパソコン(X1-twin)で狂ったように「ウィザードリィ#1」をプレイしていました。その頃の自分にとってRPGとは「ウィザードリィ(以下ウィズ)」であり、あのスタイルこそが自分にとっての”正道”、それ以外は”邪道”とすら考えていたくらいですw

しかし流石にそのウィズにも若干疲れていた時に、たまたま雑誌で見かけたのかこのM&Mでした。なんか見た感じがウィズに似ている3DダンジョンもののRPGで、しかもダンジョンが線画(ワイヤーフレーム)ではなくちゃんと壁や扉の模様が描かれている「これはなんか面白そう!!」と思ったのです。

そしてそれからしばらくして、近所の中古パソコンショップにこのM&Mが売っているのを見つけた私は即購入し、そのあと家に帰ってウィズの時のように猿の如く遊び始めました。
うん、ここまでは記憶にあるんです。しかしなんでだか内容に関する記憶が曖昧というか薄いので、これからゲームのシステムについてウィズと比べつつ説明し、その理由を思い出してみよう。

キャラクターメイキング

まずは最初に行う”キャラクターメイキング”についてですが、キャラクターの名前、能力、種族、職業、性格(善/中立/悪)を決めるというのはウィズと同じでした。

ただ種族に”半オーク(ハーフオーク)”がいたり、職業に騎士や射手がいたりするというのが違っていましたね。特に騎士はウィズでいう君主(ロード)的なものかと思ったのですが、実際は魔法が一切使えず純粋な戦闘職で、逆に戦士があとで僧侶系の魔法を使えるというところにちょっと混乱しました。

またキャラクター作成時に決めた能力値は、ウィズと違いレベルアップ時に増減しない為、最初いい加減につくると序盤に苦労することになります(能力値は別の方法で上昇させられる)。

またゲーム中に職業を変える(クラスチェンジ)も不可能、上位職へのクラスアップも存在しないので、職業選択もよく考えなければいけませんでした。

さて、キャラクターを6人作ったら冒険開始です。

町の中も3Dダンジョン

ゲームを最初にはじめると「ソーピガルの町」からスタートします。ウィズでの町はテキストで施設だけが書かれた簡易的なものでしたが、本作では街中も3Dダンジョンで表現されていて、これはウィズというより「ザ・ブラックオニキス」のウツロの町にちかいイメージでした。

街中にある施設は商店、宿屋、食料屋、訓練場、酒場、寺院などよくあるものなのですが、ちょっとややこしいのが宿屋です。宿屋は無料で利用できるのですが、そこでできるのはデータのセーブのみでHP(体力)やSP(魔力)などの回復はしてくれません。

戦闘などで消耗したHPやSPは寺院で治療するか(有料)、コマンドの”休息”で回復するか(フードを消費)しかありません。まあ、費用効率を考えれば休息するほうが便利です(特に序盤はお金がないので)。

屋外フィールドも3Dダンジョン

さて、本作がウィズ(あるいは当時のダンジョン探索RPG)と最も違うところ、それは”屋外”が存在することでした。

例えばウルティマIIIや夢幻の心臓のように地上は上から見下ろすフィールドタイプでダンジョンに入ると3D表示というのはありましたが、普通のダンジョンRPGは地上に街が一つだけあって、その下に延々とダンジョンが存在するだけというのが普通。

街の外が存在し、しかも野外まで3D表示されているというのはかなり珍しかった記憶があります。
※ただちょっと解りづらい見え方ではありましたが

もちろんただ野外があるだけではなく、フィールドタイプRPGと同じように野外フィールドを歩いていくと、別の街や他のダンジョン(さらに街の地下ダンジョン)なども存在していたので、他のダンジョンRPGに比べてかなり広大な世界が表現されていました。

…あれ?でも俺他の町に行った記憶がないなあ。

戦闘は前列・中列・後列で

フィールドを歩いているとランダムでモンスターに遭遇します(ちなみになぜか町の中でも遭遇する)。そうすると戦闘開始になるのですが、ここでまずウィズと大きく違うのはパーティの隊列についてです。

ウィズでは前衛3人、後衛3人という隊列になっていて肉弾戦に参加できるのは前衛のみ、後衛はアイテムか魔法でしか戦闘には参加できませんでした(それにより盗賊が戦闘中役に立たなかったw)。

本作では前衛、中衛、後衛をそれぞれ2人ずつという隊列になっていて、基本的に戦闘に参加するのは前衛のみ、中衛、後衛は遠距離武器か魔法でのみの戦闘参加になります。

ただし、敵集団との距離や位置関係(たぶんランダムで決まる)により中衛でも戦闘に参加する場合が有り、また敵に奇襲を受けた場合は包囲されているというイメージなのか全員が”前衛扱い”になってしまう場合もありました。

マイトアンドマジックの非常に大きな障害

攻撃が当たらない!

「マイトアンドマジック(以下M&M)」の戦闘には、非常に大きな障害がありました。それは、
攻撃が当たらないということです。

とにかく序盤が本当にキツイ。なんせこちらの攻撃は7~8割がた失敗しますが、向こうの攻撃は結構な確率で当たってきますから、長期戦になると確実に戦闘不能者が出ます。

また冒険を始めたときは所持金0のうえ、持っている装備は全員共通で「クラブ」のみ。鎧も縦もありません。

前回話しましたが中列以降は遠距離武器がないとたまにしか肉弾戦には参加できません。所持金がないので序盤は遠距離武器も買えませんから、戦闘に確実に参加できるのは前列キャラクター2名のみ、言い換えればこちらの攻撃チャンスは1ターンにつき2回です。

その少ないチャンスを連続でミスりやがりますw

魔法も当たらない!

では魔法はどうでしょうか?僧侶は初期状態で「祝福」という命中率が上がる魔法を使えます。が!被弾を繰り返す味方の傷を治すのに忙しくて、そんなの使う余裕がSP的にもありません。

では魔法使いはどうかというと、こちらは初期段階から「眠り」と「火の矢」の魔法が使えます。が!こちらは当たりませんw

「ウィザードリィ(以下ウィズ)」では序盤の戦術として敵を眠らせる”KATINO”を唱えてから攻撃というのがセオリー(睡眠状態だとダメージも増える)でしたが、こっちではそのセオリーが通用しません。

だって全然寝てくれないんだもん!もう9割以上失敗します。

もしかしたらモンスターに設定されている知力の値により判定(セービングスロー)があるのかもしれません。なんせ知力の無い”スライム”みたいな敵にはほぼ確実にかかりますから。なぜ寝るw

そんなわけで治療以外は魔法も序盤は役に立ちません…。

戦えど戦えど我が暮らし…

しかし、まったく勝てないというわけではないのです。運がよければ勝てます(運かよ)。

本作にはウィズと同じく扉を開けた時に固定で敵が登場する場所があるのでそこへ行き敵と戦う、運良く勝てたら急いで宿屋に戻りセーブ(セーブすると敵が復活する)、損害が大きかったら休息してからまた固定の場所へ…をひたすら繰り返します。

ウィズでも同じような事を序盤はやってましたが、向こうは僧侶を無料の馬小屋に泊めてMPを回復させてから味方を治療することでお金をかけずに治療が可能でした。

しかしこっちは宿屋ではHPもSPも回復せず、回復させるには少なくとも序盤はフード(食料)を1消費して休息するしかありません。もちろんフードがなければ休息はできないので、なくなったら買わなければいけません(5Gで40フード)。

ところが敵を倒しても「人型」以外のモンスターはお金を落としません。しかも苦労して人型モンスターを倒しても実入りは実に少ないのです。

挙句に一部のモンスターは攻撃時にキャラクターから”食料を奪う”という、どこぞの世紀末救世主伝説に登場するモヒカン野郎みたいなことをしてくる奴もいるので、常にフード分の蓄えも必要になりますから、装備品にまでなかなか手が回らない状態が続くのです。

もはや”ワーキングプアRPG”です。戦えど我が暮らし楽にならざりですw

レベルアップ!

それでも頑張って頑張って、LV1からLV2にあがるだけでびっくりするような経験値を稼がされることで、ようやく、ようやくレベルアップをすることができます。
まあ、レベルアップも有料ですけどね。(鬼かっ!

レベルアップすると能力値は上がりませんがHPとSPが上昇します。能力値が変わらないので劇的に戦闘が楽になったりはしませんが、HPとSPが増えることで長く戦闘に耐えられるようになります。LV値が判定に関わってるのか、若干攻撃とかも当たりやすくなってる気はするんだけど気のせいかな?

なんにしろ敵に勝てるようになってきたら、とにかく優先して中列に遠距離武器を持たせ、その後徐々に装備を充実させていけば、相変わらず当たりにく感じは残りますがそれでも最初よりは楽に戦えるようになるでしょう。
それまではひたすら耐えて、無心で宿屋と固定の敵がいる部屋の往復を繰り返し繰り返し行うのです。

繰り返し繰り返し…。

このゲームをあまり覚えていなかった理由

思い出した!!

私がこのゲームの内容をなんであまり覚えていなかったのか、それは”ひたすらレベル上げだけをやってるうちに飽きた”からだったw (引っ張った割に単純だな、おい)
確かレベル3くらいまでは上げた記憶があるんだよな…。

「LV3までってw」なんて思われるかもしれないけど、このゲームはLV1上げるためにかなりの経験値を稼がないといけなくて、しかも今まで話してきたように簡単に戦闘には勝てない。出かけて言っては勝てなくてリセットして、またセーブしたところからはじめるの繰り返しも多かったから結構苦労したんですよ?ディスクロードもいちいち長かったしね。

自分としては結構時間かけて頑張ったんですけど、結局レベル上げだけやってるうちに飽きてきて、途中で他のゲーム始めちゃってやめちゃったんですよ。だから内容を覚えていなかったんです。

でも実はあとから知ったんですが、本作にはウィズと違って「クエスト」というものが存在していて、例えばある場所で老人から巻物を預かって、それを指示された町の人物に持っていくと戦闘しなくても経験値やお金がもらえるというウィズにはなかったシステムがあったんです。

しかもこのクエストが、本作のストーリーに関わる部分だったみたいですね…。全然知らなかった orz

さらに調べてみるとクエスト以外でも、うまく利用すれば効率よく経験値やお金が稼げる方法もあったらしく、こういう事を利用していれば、あれほど苦労や時間をかけずにゲームを進行できたし、街から街への移動で新しい刺激も得られて飽きることもなかったんじゃないかと思うんですよね。

当時私の周りでM&Mを遊んでいる人がいなかったから、情報もなかなか手に入らなかったもんなあ。

あのときの自分にとっては、あれ時間はあれで楽しかったのでいいんですけど、色々知ってしまうとこのゲームをもっと楽しめたんじゃないかなか?という悔いは残りますねー。
時間があったら、今度は本格的にプレイしてみようかな?

最後に余談ですがM&Mは、ファミコンとPCエンジンに移植されていて、特にPCエンジン版はキャラクターデザインをあの「安彦良和」氏が手がけていたって知ってました?(有名だろう)

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. ほのかゆうき より:

    これ、遊んでました。
    攻略本みたいのも買ったのに結局、よくわからなかった記憶があります。

  2. ソンゴスキー@れとろげ より:

    もしパソコン版の攻略本だったら同じの持ってたかもしれませんw
    結構厚い(1cm)本じゃなかったですかね?
    book2の攻略本ももってたけど…解けなかったw

  3. ほのかゆうき より:

    パソコン版のです。
    灰色っぽい感じの本でした。
    今も手元にあるのですが、MAPと敵とアイテムが載ってる感じです。

  4. ソンゴスキー@れとろげ より:

    じゃあ同じのかもですね。私はもう捨ててしまいましたがw

  5. 名無しの冒険者 より:

    「ファンタジー」のリンクが死んでいます。

  6. ソンゴスキー より:

    >名無しの冒険者さん
    ありがとうございます。修正しておきましたー!

  7. 通り菅井きん より:

    Might&Magicはガチ勢以外は、キャラクターのパラメータを書き換えてクリアするゲームですね。
    私も例にもれず、キャラクターのパラメータを書き換えてレベルだけは上げてプレイしてクリアしました。
    そもそもクエスト自体も難しく、自力でクリアするのは一握りの選ばれた人だけです。

    • songoski songoski より:

      コメントありがとうございます。
      >パラメータを書き換えてクリアするゲーム
      言い切っちゃったぁー!w
      でも本当に難しいゲームでしたからね。ズルいことではあるけれども、せっかく買ったゲームをクリアせずに投げ出してしまうよりは、パラメータを書き換えてでもクリアする方が良いのかもしれませんね。

      >自力でクリアするのは一握りの選ばれた人だけ
      あの頃のRPGってほんとそういうのが多かったと思います。それだけにやはりイースやドラゴンクエストの登場は世の中の常識を変えたなぁと。

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