某国民的RPGの4作目に先んじて、キャラクター個別シナリオを搭載したRPGが登場。しかしゲームとして大切なのは、どっちが先か後かなのだろうか?
勇者の塔 41F
No.0165
≫ENTER
いらっしゃいませ!
管理人じゃ。
謎の妖精よ。
今回は、個別に旅立ったパーティメンバーがやがて一人また一人と結集し、巨大な悪に挑むというという画期的なシナリオ展開を導入したRPG「クリムゾンII」を紹介するぞい
へー、なんか熱い展開で面白そうね!あれ?でもどっかでそんな展開のRPGを見たような聞いたような…
あ、あとこの作品は「クリムゾン」という作品の続編になっておって、紹介の中でも前作との比較の話もでてくるんでの、できれば先にそっちの紹介記事も読んでおいていただけると判り易いかもしれん
はいはい、「クリムゾン」の紹介記事はコチラね!
では準備ができたら入るがよい、勇者の塔41Fじゃ!
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本記事は、過去に公開したものを再編集した改訂版となります。
「クリムゾンII」とは
基本情報
タイトル | クリムゾンII 邪神の逆襲 |
---|---|
シリーズ | クリムゾンシリーズ |
ジャンル | ファンタジーロールプレイングゲーム |
発売年 | 1989年 |
発売元 | クリスタルソフト |
開発元 | クリスタルソフト |
発売機種 | PC-8801、PC-9801、MSX2 |
前作 | クリムゾン |
後作 | クリムゾンIII 邪神復活 |
作品概要
「クリムゾンII」は1989年にクリスタルソフトよりPC-8801などで発売された、パーソナルコンピュータ用ロールプレイングゲーム(RPG)で、1987年に同社より発売された「クリムゾン」の正統な続編である。
前作「クリムゾン」にて前作の主人公、イザベラ、アーノルドの3人の勇者がクリムゾンを倒してから50年後の世界が舞台となっており、再び活動を始めたクリムゾンを倒すべく、本作の主人公を含む5人の新たな勇者が旅に出る、というのがざっくりした物語だ。
続編ということもあり作中では前作の勇者達が登場したり、装備類や魔法などに前作と共通のものが多かったり、主人公の最終装備が前作の最終装備だったりするので、あなたがもし前作をプレイ済みなのであれば前作との繋がりを感じられて嬉しい部分もあるだろう。
ただこの繋がりはあくまで補助的なものであり、前作に触れていないと本作が楽しめないという事では全く無いので、もしあなたが前作未プレイであってもそこは安心してほしい。
また本作は、前作「クリムゾン」よりシナリオ、グラフィックなど様々な点でパワーアップが試みられ、システムも多少改善されているのだが、その中でも特筆すべき点としてはパーティ構成が前作の3人から5人に増えたことであろうか。しかもただ人数が増えた、というだけでは無い。
なんと主人公だけでなく仲間4人それぞれに"個別のシナリオ"が用意されており、ゲームが始まるとまず主人公以外のシナリオをそれぞれ順番にクリアしていき、最後に主人公のシナリオで五人が全員揃う、と言う熱い展開になっているのだ。
あれ、それって「ドラクエ4」のこ…
Be quiet!!
アッハイ…(なんで英語で?)
ここまでであなたはもしかしたら…"とある国民的RPG"のことを思い出してしまったかもしれないが、その辺について詳しくは後述とさせていただこう。
というわけで本作「クリムゾンII」は、前作から様々な部分をパワーアップさせつつ、キャラクター個々のシナリオを用意するという奇抜なアイデアを盛り込み、さらに遊びやすく、より大衆的なRPGに進化したと言える作品である。
ストーリー
かつてこの世界を支配していた凶悪な「クリムゾン」に立ち向かった3人の勇者がいた。古き勇者、イザベラ、アーノルド、彼らが「クリムゾン」を倒してから50年後。平和になった世界を、また邪悪なものが覆いつくそうとしている。
ノーポリの町の長老は、ある日不吉な流れ星を見た。悪の復活の前ぶれを感じた長老は、一人の青年を呼んだ。彼はその父からゆずりうけた不思議な玉を持っていた。
言い伝えによれば、それぞれに宝玉を持つ5人の勇者が世界を平和にみちびくという。若者は、聖なる勇者としての運命を受け入れ、残る4人を探し出し、邪悪なるものを滅ぼすために旅立つ。
同じころ、残る4人の勇者たちもそれぞれに啓示を受け、聖なる勇者が現れるを待っていた。
「クリムゾンII」の主な特徴
では最初に本作「クリムゾンII」についての主な特徴について、大きく3つの項目に分けて説明していこうと思う。
前作からの様々なパワーアップ
本作は様々な面で前作よりパワーアップしているのだが、その中から特に目立つ部分を3つ取り上げてみよう。
広大になったフィールド
まず全体マップ(ワールドマップ)が前作より格段に広く、かつ「世界」っぽいものになっており、さらにワールドマップとは別に「海底」という別マップも用意されているため、見た目以上に世界が広がっている。
また、画面の表示エリアが広がって視界が開けた分、より世界が広く見えると言う効果もあっただろう。
派手なモンスターグラフィック
次に戦闘時に表示されるモンスターのグラフィックが派手になっていること。本作は基本ランダムエンカウント制になっているのだが、敵とエンカウントすると遭遇した敵のグラフィックが画面にドンと大きく表示される。
しかもモンスターのグラフィックは周りを枠で囲まれているのだが、ほとんどのモンスターが部分的にその枠からはみ出ているので、こちらに飛び出してきているような錯覚があり、これが実に派手になっていた。
こういう表現を用いてたRPGも、当時では珍しかったのう
なんか「トリックアート」みたいね!
個性のあるパーティメンバー
最後はパーティ人数が、3人から5人に増えたことだ。しかしただ単純に二人増えたという訳では無い。前作は3人パーティだったが、多少の能力差はあれど「魔法が使える戦士」が3人というメリハリの無い構成だった。
しかし本作ではオールマイティな勇者ポジションの主人公に加え、戦士ゴーバス、僧侶リーマ、魔法使いマーロン、魔法剣士ナターシャという、職業も能力もそれぞれ違うメリハリの効いた大衆的RPGらしい構成になっていた。
また、本作における最も大きな特徴と言っても過言では無いのが、この5人それぞれに個別のシナリオが用意されていた事だろう。
5人それぞれに与えられたシナリオ
一人ずつに旅立ちのシナリオ
先に述べた通り、本作は主人公、ゴーバス、リーマ、マーロン、ナターシャという5人でパーティを組む事になるのだが、最初からこの5人で一緒に旅に出るわけでは無い。
5人には1人に1つずつ個別のシナリオが用意されており、シナリオの中でキャラクターはそれぞれ違う目的の為に、最初は1人で旅立つこととなるのだ。キャラクター達は旅の途中で様々な試練に遭遇しながらも、やがて己の目標を達成する。
そのシナリオの目標を達成すればシナリオクリアとなり、今度は次のキャラクターのシナリオが始まるという仕組みだ。
シナリオの順番とその目的
№ | 名前 | シナリオの目的 |
---|---|---|
1 | ゴーバス | 一人前の戦士になる「成人の儀式」を行うために、「アパの神殿」に向かう。 |
2 | リーマ | 僧侶としてさらに厳しい修行を行うために、「イアリス山」の道場に向かう。 |
3 | マーロン | 憧れの魔法使いになるために、「パンロン山」に住んでいる魔法使いの弟子になる。 |
4 | ナターシャ | 大勢の人が自分に助けを求める夢を見て、その理由を知るため自分の師匠に会いに行く。 |
5 | 主人公 | 自分と同じ運命を持つ4人の仲間を探し、邪悪なものを打ち倒すために旅に出る。 |
画期的な仕組みとその効果
このようにプレイヤーはゴーバス、リーマ、マーロン、ナターシャの順にシナリオをクリアしていき、最後の主人公のシナリオにて、再び活動を始めた「クリムゾン」を倒す為、運命に選ばれた4人の仲間を見つけ出す旅にでる事になる。
これまでのRPGにおいては、主人公が旅の途中で同じ目的の仲間と合流していくという展開が基本だったが、本作ではその仲間それぞれに旅立ちのシナリオが用意されていたと言うのが非常に画期的だった。
また個々の旅立ちのシナリオをプレイする事で、仲間それぞれに対してプレイヤーが「思い入れ」を抱くことができ、そういうメンバーがやがて集結すると言う展開がかなり熱い展開だったと言えるだろう。
やっぱり「ドラクエ4」のことじゃないか
うむ、ではお主を含めこれを読んでいる皆がどうしても気になっているであろう"その部分"に触れていくとしようかの
あの国民的RPGより先に発売
国民的RPGの4作目とそっくり?
本作の「キモ」とも言える、このキャラクター各々に旅立ちのシナリオが用意されていて、最終的に主人公のシナリオで仲間が結集するという仕組みは、言うまでもなくあの国民的RPGの第四作品目「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(以下:ドラクエ4)」にそっくりだ。
ドラクエ4も、後々主人公の仲間になるキャラクター達に個別のシナリオが用意されており、それらをクリアしていくと最後の主人公のシナリオで全ての仲間が集結するという流れになっている。
ちなみにゲーム開始直後に主人公の名前を決めるのに、その主人公の出番が来るのは1番最後(五番目)のシナリオという点も同じじゃぞ
揺るぎねえな!
これは"パクり"なのか?
ではこれは「クリムゾンII」が「ドラクエ4」をパクったのだろうか。いや、一概にそうとは言いきれない。なぜならクリムゾンIIが発売されたのは1989年の3月であり、ドラクエ4が発売されたのは1990年の3月と、クリムゾンIIの方が1年も先に発売しているからだ。
当然、"発売日が早い=パクってはいない"という式にはならないのは理解している。だがこれ以上は今の「このゲームの特徴」という趣旨から外れまくって行くので、ここについては最後に語るとしよう。
もやもやするわね…
取り敢えず今は、ドラクエ4と似てるけどクリムゾンIIはドラクエ4より一年前の作品だ、という事まで理解しておいて欲しいの
「クリムゾンII」の主な問題点
さて、前作に比べて様々な面でパワーアップした本作だが、一方で問題点も幾つか存在した。ここからは、せっかくパワーアップした本作に、やや影を落とす事になったと感じたそれらの問題点について話していこう。
ダメージの振れ幅が大きすぎる
まず本作の戦闘についてだが、まず前作に比べて攻撃が大幅に当たるようになり、更に「オートバトル」が用意されたことについては改善されたと言えるだろう。
ところが、前作でもあった"ダメージが安定しない"という点については改善されていなかったのだ。
通常RPGではキャラクターが成長し武器も強くなっていく程に、敵に与えるダメージの上限が上がっていき同時にダメージの下限も上がっていくものだろう。なのでこのキャラならば、このくらいのダメージは出せるだろうと言う予想ができるものだ。
ところが本作は(前作も)、ダメージの上限は上がるものの下限が最初から最後まで殆ど変わらない。つまり敵に対して仮に最大180ダメージを出せるようになったとしても、与えるダメージの範囲は1〜180と異様に振れ幅が広いのである。
お陰で戦闘が全く安定しない。本作最強クラスの武器を持った主人公、ゴーバス、ナターシャらが揃ってダメージ1桁台を連発する戦闘シーンには正直頭を抱えてしまうし、戦闘が常に長引くのでストレスも溜まってしまうのだ。
ダメージの振れ幅が大きいという事は、結局戦闘全体の平均値が下がるんじゃよな…
振れ幅1~180くらいだとすると、平均ダメージは90くらいになっちゃうのか…
メンバー5人の個性が薄い
次に前作では個性にあまり代わり映えのなかった3人から、勇者、戦士、僧侶、魔法使い、魔法剣士という個性ある5人に変わったのは改善された点なのだが、それでもやはりまだ個性が薄いと言わざるを得ない。
そう思ったところは色々あるのだが、代表的なところを挙げると「戦士ゴーバス」の存在感の無さである。実は5人のパーティメンバーの中で、戦士ゴーバスだけが唯一魔法を使うことができないキャラクターなのだ。
しかし一般的なRPGの戦士タイプなら、例え魔法が使えなくてもその分大きなダメージを与える武器が持てる、その分大きなダメージにも耐える防具を身につけられるとか補える部分があるものだ。
ところが本作では主人公、ゴーバス、ナターシャの3人が装備できる武器や防具が3人共通である為、装備面では魔法が使えない欠点を打ち消せる要素がない。
能力値で言えば、主人公よりSTR(力強さ)が高いもののその差は微々たるものであり、加えて前述のダメージが安定しない問題により、そのゴーバスのSTRの高さが全然活かしきれないのである。
主人公とナターシャの装備は共通でも構わないんで、せめてゴーバスだけには特別強力な装備がほしかったのう…
そうじゃなければクリティカルヒットが出るとか、味方を攻撃から守るとかの特殊な能力とかでもよかったわね
個別のシナリオが物足りない
最後になるが、本作は5人のパーティメンバーそれぞれに個別のシナリオを用意して旅立たせ、最終シナリオで全員が集結するという画期的なアイデアを盛り込んだことは評価できるのだが、それぞれのシナリオが物足りないのだ。
例として最初にプレイする事になる「戦士ゴーバス」のシナリオの流れを見てみよう。「アーバンの町」に住んでいる戦士「ゴーバス」は、一人前の戦士と認められる「成人の儀式」を行う為に「アパの神殿」へと向かう事になる。
町を出て「死人の洞窟」を抜け、アパの神殿に辿り着いたゴーバスは一人前の戦士と認められるが、神殿の僧から「この神殿に聖なる勇者が現れるまでここで待ちなさい」と言われ神殿で待つ事になった。これでゴーバスのシナリオは終わりである。
読んでの通り「物語」がシナリオの最初と最後にしかないのだ。一応神殿に行く途中で老人(アーノルド)と出会うところはあるが、これは直接神殿に行かせないようにするための仕掛けに過ぎず、ゴーバスの物語を動かすものではない。悪く言えば時間稼ぎだ。
他のメンバーのシナリオも似たり寄ったりであり、せっかく個々のシナリオを用意しているのに、そのシナリオの主役であるキャラクターをもっと掘り下げたり、本編と繋がる伏線を描いたりと言う演出が足りないのだ。
従って、個々のシナリオに物足りなさがあると言わざるを得ないのである。
「クリムゾンII」の総評
結局パクったのはどっち?
「クリムゾンII」と「ドラクエ4」どちらも同じようなシナリオシステムを盛り込んだRPGであるが、発売されたのはクリムゾンIIが先であった。ではパクったのはドラクエ4なのだろうか?そうだ、とは言い切れない。
何せゲームは発売された日に初めて情報が公開される訳ではない、発売日の遥かに前からこういう作品が出ます!という情報は出されているだろうし、ゲームには長い企画や開発の期間もある。そう言う段階で情報が漏れる場合もあるだろう。ではクリムゾンIIがパクったのだろうか?
その結論としては「わかるわけがない」だ。
ただしアイデアというものは誰が先に考えたとかよりも、誰がそれを先に実現したかの方が意味があるので、この場合「クリムゾンII」が立場的に優位であるのは確かではないだろうか。
しかしRPGの「質」として比べればその差は歴然だったろう。「ドラクエ4」では個々のシナリオの深さや、キャラの活かし方、さらに商人のシナリオでは実際に商売をさせるなど、通り一遍ではないシナリオ展開に驚いたものだ。
ちなみにクリムゾンIIより少し後の1989年11月に「リバーヒルソフト」から「ブライ 上巻」というRPGが発売されているのだが、こちらも最初にキャラクター毎のシナリオがあって、最終的にそのキャラクター達が集結するという仕掛けの作品で、こちらの個々のシナリオもよく出来ていて評判は高かった。
何が言いたいかというと、確かに先にアイデアを作品に取り入れて実現したほうが立場的には優位ではあるが、ゲームの価値として重要なのは、どっちが先かとかではなくゲームとして面白いかどうかだ。そういう意味では申し訳ないが、クリムゾンIIはそれより後発のブライやドラクエ4の面白さに及ばなかったと言えるだろう。
どっちが先か?より重要なもの
ゲーム業界では、ある作品に似たコンセプトの作品が後から発売されるというのはよくあることだ。何度か言っている話かもしれないが、筆者個人としてはそれは法を犯していなければ全然構わないと思っている。ただし、後追いという優位性があるのだからやるんなら元の作品を超えるような作品にすべきであって、そうでなければただの劣化コピー品だ。
似たようなコンセプトの作品でも、面白い作品がどんどん作られればお互い刺激になって、それは業界の発展につながると思うのじゃが、ただの劣化コピー品が溢れると…
そのジャンル自体の衰退を招く可能性もあるわね…
クリスタルソフトは1997年に「ドラゴンクエストII 悪霊の神々(以下ドラクエ2)」が発売されると後追いで似せたような作品の前作「クリムゾン」を発売したが、それは「ドラクエ2」には全然及ばない出来であった。そして本作では「ドラクエ4」に先んじるように斬新なシステムを「クリムゾンII」で導入したが、それは後追いで発売された作品に及ばなかった。
キツイ言い方だが「クリムゾン」シリーズは、後追いしても先んじても結局壁を超えるどころか迫ることもできなかった訳である(まあ壁が高過ぎるというのもあるが)。そこが残念だ。
しかしこのシリーズには、最後の作品となった「クリムゾンIII 邪神復活」という作品がまだあり、筆者自身はこの作品をまだプレイしたことが無いので、いずれプレイするであろうこの三作品目がどんな「クリムゾン」を見せてくれるのかに期待している。
「クリムゾンII」の価値はどこにある?
ここまで色々キツイことを述べてきたが、では「クリムゾンII」という作品の価値は無いのか?あるのならどこにあるのか?という話を述べて最後にしよう。
結論から言ってしまえば本作「クリムゾンII」という作品は、"パソコン用RPG作品"としては価値があると言えるだろう。と言うのも、パソコンソフトとして存在するRPG作品というのはかなりの割合で"しっかり腰を据えて遊ばないといけない"作品が多いからだ。
例えば1989年より少し前に日本でパソコン用のRPGとして発売された主な作品と言えば「ウィザードリィ#3」、「ウルティマIV」、「マイトアンドマジック」、「ラストハルマゲドン」、「ラプラスの魔」などがある。どれも名作と言える作品だが、ちゃんと遊ぼうと思ったらどれもしっかり腰を据えて遊ばないといけない作品で、気軽に手を出せる感じの作品ではない。
そういう作品と比べたとき、クリムゾンIIという作品はパソコン用RPGの中でも非常に気軽に遊べる作品だったと言える。今回紹介記事の中で何度か使ったように、クリムゾンIIは前作からパワーアップして遊びやすくなり非常に"大衆的RPG"っぽくなったからだ。
シミュレーションゲームなんかでも、「大戦略」シリーズとか「信長の野望」シリーズは確かに名作だけれど、万人が気楽に手を出せる作品ではないじゃろ?
そんな時にシミュレーションゲームの初心者でも気軽に手を出せる作品がラインナップにあれば助かるし、後々本格的なシミュレーションゲームにのめり込むきっかけにもなるわね!
しっかり腰を据えてがっつり遊ぶRPGももちろん大事だが、RPGの初心者だったり、軽い気持ちで遊べるRPGを求めているプレイヤーもいるので、クリムゾンIIのような作品の価値は十分に存在するのだ。要はラインナップのメリハリである。
というわけで、もしあなたがパソコン用のRPGで遊んでみたいけどがっつりしたのは疲れるので、軽いやつないかな?と思ったのならば、この「クリムゾンII」という作品はお勧めなので是非遊んでみてほしい。
遊びたくなったら?
もし今回の記事を読んで「クリムゾンIIに触れてみたい」とか、「クリムゾンIIをまた遊んでみたい」と思った方は、以下のサイトを参考にして欲しい。
パソコン版
レトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」にてPC-8801版とMSX2版が現在配信中。対応機種がWin10より古いものになっています。筆者のWin10環境で動作確認はできていますが、購入については自己責任でお願いします。
レトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」の通販にて現在発売中の「ザ・トリロジーズ」には、PC-8801版のクリムゾンI~IIIまでが収録されています。他にもたくさんのゲームが収録されているので、興味のある方はぜひ購入をご検討ください。
≫EXIT
お疲れ様でした!
今回の記事はどうだったかの?何か感じた事があればどんなことでもコメントに残してくだされ。それと当ブログは以下のブログランキングに参加しておる。クリックして貰えるとわしの「やる気」がめちゃアップするぞい!
いつもバナークリックや拍手していただいて、誠にありがとうございます!
コメント
クリムゾンシリーズはお手軽にプレイ出来てPC−RPGの理不尽さも味わえる良ゲーだと思ってます。
スタート地点からまず勝てない敵が出てきたり、最初のパーティ編成次第で途中で詰むゲームとかも有りましたからね
まぁMSXにはFF1やドラクエ1〜2は発売されてましたが。
>>1
>お手軽にプレイ出来て
お手軽に遊べるって言うのは悪い意味じゃなく、これはこれで一つのジャンルなのだろうなと今回改めて思いました。なのでお手軽なRPGにもちゃんと良ゲーがあると。
>スタート地点からまず勝てない敵
夢幻の心臓かな?
>パーティ編成次第で途中で詰む
邪聖剣ネクロマンサーかな?
>MSXにはFF1やドラクエ1〜2
クリムゾンシリーズは、コンシューマに移植されていないから逆に貴重?w
夢幻の心臓3はファンタジアンみたいなタクティカルバトル形式になったから、クリムゾンは夢幻の心臓1・2から続くモンスターが一枚絵で表示されるゲームの系譜だと思う。そういう意味でも貴重だし、芸術作品というかD&Dのモンスターマニュアル的な雰囲気があると思うのです。似たような絵画の枠から飛び出るようなモンスターというと、ダイナソアくらいだったかな?
ただ、一見ファンタジーだけど未来世界という設定をもうちょっと生かしてほしかったと思う次第。
>クリムゾン3
自分がちゃんとやったのはソフトベンダー武で購入した3だけなのですが、ダメージのふり幅が広すぎると特に思ったことはなかったので、そこら辺は改善されてるのかもしれませんね。
あとパーティメンバーのの魔法使い、戦士とかの区別もそれなりにされてたと思います。
ただ、ボスに全体ダメージの攻撃を連続でされると簡単に全滅するバランスはきつかったかな。
>>3
>夢幻の心臓3はファンタジアンみたいな
確かにタクティカルバトルになって敵のグラフィックも小さくなってしまいましたが、一応戦闘画面の右に敵の一枚絵は表示されるので、なるほどここに夢幻の心臓のテイストは残されているんだなと思いました。流石に枠からはみ出てはいませんがw
>D&Dのモンスターマニュアル的な雰囲気
わかります。横にずらりと敵が並ぶのも悪く無いですが、一枚絵から感じる図鑑的なものにはワクワク感がありますよね。
>ダイナソアくらいだったかな?
ダイナソアはタロットカードみたいな感じで描かれたグラフィックがかっこよくて、さらに盤上にカードを並べるように敵の布陣が描かれるのも痺れました!
>未来世界という設定をもうちょっと
前作では荒廃したビルとか描かれて、大きな文明が滅んだ後の世界って感じありましたね。
>クリムゾン3
感想ありがとうございます。ダメージの振り幅が少なくなってるというのを知れただけでも、俄然遊ぶ気が湧いてきましたねw
登場キャラクターたちへの感情移入を促進するため、個別のバックグラウンドを設けたのは良かったのではないでしょうか。あとは本筋にどこまで絡めていけるのかというところです。
基本的に当時のパーティータイプのRPGは、自分でキャラクターを作ってのプレイなので自分でバックグラウンドを脳内で補完してましたから。
89年ともなるとMSXなんかは雑誌投稿RPGがわんさか出始める頃なので、気軽に遊べるってだけだと厳しいのかもしれませんね。とはいえグラフィックが1番目立ってるのは如何にも当時のPCゲームの特徴・強みですしある意味プロと同人の違いを知れて良いのかも。
コンシューマもまだドラクエ以外はやたら処理重かったりバランス極端な遊びにくいゲーム多かったですし、89年はギリギリ質素なストーリーでも楽しめた時期かもしれません。
ところで基本情報は1989年で合ってますけどすぐ下の『作品概要』で、IIが1999年で、初代が1997年になっちゃってますよ。「10年早いんだよ!!」(バ〇チャファ〇ター並感)
>>5
>個別のバックグラウンドを設けた
主人公以外のメンバーが、ただ一緒に戦う戦力としてのNPC扱いではなく、メンバー一人一人もこの物語の主人公なのだと認識させるのに非常に効果的だと思います。
>本筋にどこまで絡めていけるのか
本作はそこがちょっと足りなかったんですよね。ナターシャの話は結構本筋と絡む部分もありましたが、他の話が完全に蚊帳の外でしたから。
>バックグラウンドを脳内で補完
キャラメイクがあるRPGだと、一人一人にそう言う設定を妄想してよく遊んでましたね。
>>6
>MSXなんかは雑誌投稿RPGがわんさか
この辺からコンパイルなんかもお手軽なRPGとか出しまくってた印象があります。
>如何にも当時のPCゲームの特徴・強み
当時パソコン持ってた自分としても、コンシューマゲームに勝てる(と思っている)部分はグラフィックでしたからね。
>89年はギリギリ質素なストーリーでも
本当にここがギリギリのラインでしょうね。パソコンもコンシューマもドラクエだのFFだのに追いつけ追い越せだし、果てにはエロゲまでマジもののRPGだし始めますからねw
>IIが1999年で、初代が1997年に
ありがとうございます。修正致しました。
>「10年早いんだよ!!」
私にはクンフーが足りませんでしたw