元帥の塔18F/No.0121
発売年:1991年
開発元:ガイナックス
ジャンル:育成SLG
発売機種:PC-98、MSX2、X68000など
※画像はすべてPC-98版のものです
≫ENTER
いらっしゃいませ!

そういえば「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が公開されますね(されましたね?)。
私個人としては昔旧作で十分燃え尽きた感がありまして、もういいよね?という感じで新劇場版は1つも見ていないのですが、私の知り合いなどはもう行く気満々でいるようです。
さてエヴァといえばアニメーション制作会社「ガイナックス」の作品ですが、ガイナックスはアニメだけじゃなくゲーム制作も手がけてることはご存知ですか?
ということで「エヴァ新作公開記念」という流れで、今回はガイナックスがアニメ業界におけるエヴァと同じように、ゲーム業界にも旋風を巻き起こした作品「プリンセスメーカー」について紹介したいと思います。
あ、念のため言っておきますが、観てないのは別に新劇場版が気に入らないとかじゃないですよ?w
「プリンセスメーカー」とは

「プリンセスメーカー」は、1991年に「電脳学園」「バトルスキンパニック」などで有名な「ガイナックス」が発売した育成シミュレーションゲームで、後にシリーズ化し5まで発売されました(3作目以降は家庭用で発売)。
主人公は王国を襲った魔王を倒し平和を取り戻した若き勇者で、魔王との死闘により深い傷を負ったため戦士を引退、王様から国家の要職へ誘われるも断り、魔王の襲撃により孤児となった子供を引き取って育てたいと言った聖人のような人物です。
とりあえずここまではねw
プレイヤーはその引退した勇者となり、孤児院から引き取った女の子を10歳から17歳までの間育てるというのがこのゲームの目的です。女の子をどう育てるか、甘やかすのかこき使うのか、立派な淑女にするのか堕落させるのか、全てはプレイヤーのやり方しだいなので「とりあえずここまでは」と先ほど言ったわけです。
元祖「育成SLG」といえる作品
今では見慣れた仕組みですが

「育成シミュレーションゲーム」なんて今では普通に耳にする言葉ですが”プレイヤーが操作しないキャラクターに命令を実行させてパラメーターを上昇させていく事を目的としたゲーム”ということに限って言えば本作が”元祖”と言えるでしょう(国家のパラメーターをあげたり、武将の能力を上げるゲームなら前からありましたからね)。
さてシステムについて細かく書いていくと正直終わらないので、大雑把に説明しましょう。
さっきも言いましたが引き取った孤児の女の子(名前はプレイヤーが決められる)、要するに「娘」を育成するのは10歳から17歳までの8年間で、1ヶ月を10日毎の3ターン(上旬/中旬/下旬)に分けて、それぞれ何かしらの指示を娘に与えます。
※8年間合計で288ターンある計算になるが、毎年10月はイベントで1月潰れるので計264ターン
与えられる指示は大きく分けて、教育/アルバイト/休み/バカンスの4つです。
父から娘に与える4つのもの

「教育」は武芸や礼法、学術などを学ぶことで大きく成長させられますが1日毎にレッスン料がかかるため、所持金の少ない最初の頃は家計への負担が大きいです。その所持金を増やすことができるのが「アルバイト」。こっちは実行することによって上昇する能力は少ないですが、収入を得られるので家計にとって非常に助かります。
教育やアルバイトを実行すると、内容により変わりますが娘は疲労していきます。
疲労が溜まると成長に悪影響を及ぼすので、定期的に「休み」を与えて疲労を解消してやる必要があります。ただし娘にお小遣いを与える(疲労の量による)必要があるのと、休ませすぎるとモラルが下がって非行に走ったりします。
「バカンス」は季節により様々な場所へ旅行に出かけることで、疲労を解消させつつある程度の能力値を上昇させることができますが無論費用がかかります(ちょっと高い)。

しかし可愛い娘がバカンスの地で楽しそうに遊ぶ姿を見るのは、父親であるプレイヤーにとっても嬉しいことだと思うので、定期的に連れて行ってあげたいところですね。
当時のガイナックス
ちょっと話はそれてしまいますが、ガイナックスのPC用ゲームに「電脳学園」という作品があり、その中で女の子の「ヘア」が無修正で見えてしまっていたことが関係して(明確ではないが)、1992年にその作品がある県で「有害図書」扱いされる事態が起きました。
本作はそれより前に発売されたせいなのかわかりませんが、バカンス中の画像(あと裏技)に一部今だったらアウト臭い画像がありましたね。幼女(ゲーム内の娘)のすっ●だかとか…アウアウ。
まあ無論、ここは載せられませんがw
良いエンディングを迎えるために

さて「娘」を育成するシミュレーションゲーム「プリンセスメーカー」の話に戻しましょうか
…。え?なんですか?
あ!これは「娘」じゃなくて「妹」を育成するゲームの画像だったー!!
やってもうたわー!てへぺろ(・ω<)
※訂正:正確には「ある人物の妹」を育成
などと無駄なボケで行を費やしている場合ではないw
娘の「評価値」も重要なもの

本作で娘が迎えることになるエンディングには複数のパターンあって、それぞれ最終的に最も高い能力値と「評価値」が条件になります。
教育は費用がかかるが大幅に能力を上げられる、アルバイトは収入を得られるが種類によって能力が上がるのもあれば下がるのもあります。娘をどの道に進ませるかを考え、何をすれば何が上がって何が下がるのかを把握したうえでスケジュールを組んでいかなければ、結局中途半端な能力のままエンディングを迎えることになってしまうんですね。
エンディングの条件のもう一つ「評価値」は、アルバイトをすることでも上昇するんですが上昇値は非常に軽微です。そしてこの評価値を大幅に増やすことができるチャンスとなるのが、年に一度の「収穫祭」になります。
武闘会とミスコンどっちでいく?

「収穫祭」は毎年10月に行われる王国をあげてのイベントで、この収穫祭では「武闘会」と「ミス王国コンテスト」が開催されます。このイベントのどちからで優勝すると娘の評価は大きく上昇するので積極的に参加、というよりこの収穫祭へ向けての調整を1年間で行うと言ったほうが正しいでしょうね。
武闘会は戦闘能力の高さが影響するイベントで、総勢24人(娘含む)がトーナメント方式で戦い優勝を目指します。ミス王国コンテストは、外見だけじゃなく内面も含めた美しさを総勢10人(娘含む)の美女が、3つの部門(太陽、月、星)を巡って投票形式で競い合い、総合得点の高かったものが「ミス王国」に輝けるというものです。
武闘会はRPGのような戦闘でのガチバトルなのですが、ミス王国のほうは投票形式なのでぶっちゃけ
お金さえあれば優勝できますw(審査員を買収する)
もちろん全部門で買収するなんてのは、お金がいくらあっても足りないので無理なんですけどね。
無事どちらかで優勝できれば娘の評価が大幅にあがるのですが、その後いかがわしいバイトを娘にさせたりすると一気に評価が下がってしまうので注意が必要です。
娘を「武者修行」に出すことも

さきほど武闘会で「RPGのような戦闘」と書きましたが、本作には武闘会以外でもRPGのような戦闘をする場面があります。それが「武者修行」です。武者修行は機種によって違ったりしますが、PC98版では「教育」のコマンドの中に含まれるもので、これをスケジュールに組み込むと10日間の娘を街の外に出して冒険をさせることができるんですね。
武者修行中に歩いていると(歩く方向はプレイヤーが決められる)ランダムエンカウントでモンスターと遭遇し、ここでRPGのような戦闘になります。遭遇するモンスターはオオカミやらオークやら、ドラゴンなんかが登場しますが、娘の育成が不十分だとまったく歯が立ちません。
モンスターに勝つことができれば経験値とお金が入手でき、経験値が一定量貯まると娘はレベルアップし能力値が上がります(ただし戦闘に関するもののみ)。
モンスターを倒すことで得られるお金も重要ですが、武者修行中の重要なことは途中で見つける「宝箱」にあると言っていいでしょう、宝箱の中にはいろんなアイテムが入っており、それを街で売ることで養育費の大きな足しになるからです。
ちなみに戦闘に負けてもご安心を、娘が死んでしまうことはありません(泣いて帰ってくるだけ)。
月に一回のコミュニケーション

システムの説明では最後になりますが、本作では毎月月初にスケジュールとは別に行えるコマンドとして、謁見、評判、情報、会話、買物の5つがありました。
重要なのだけ説明すると、謁見は王様との謁見を実行できるのですが、礼法が不十分だと王様に会うどころか城の門番にすら相手にされません。礼法が高くなると王に謁見することができさらに評価も高まります。
会話は娘とのコミュニケーションを取るコマンドで、優しく接する、厳しく接する、説教するなどがあり、その時の娘の状況によりパラメーターに影響を与えます。
買物では娘に武器や防具、脳力アップのアイテムを買い与えることができるだけでなく、武者修行で手に入れたアイテムをここで売りさばくことができます。
この中で最も重要なのは、やはり会話で娘可愛さについあまやかしてしまいそうになるのですが、そこはぐっとこらえて接しないと立派な女性には育ってくれないんです!w
娘が迎える様々な結末

いっぱいの愛情と、いっぱいのお金を注ぎ込んで育てる娘との生活も8年経つと終了、そして娘はプレイヤーの元を離れて自分の能力に見合った人生(エンディング)を歩み始めます。
まあ作品名が「プリンセスメーカー」ってくらいですから、娘をプリンセスにできればベストエンディングを迎えたといってもいいでしょう。ただ実はその上に「女王」っていうエンディングもあるんですけどね、これは相当難しいと思います。
あ、本作には「父親との結婚」という禁断のエンディングがあるのですが、これはPC98版には存在せず、後のMSX2版とPCエンジン版にのみ存在していましたね。
ちなみに画像は、この記事を書くために「プリンセス」に頑張って育てた結果です!(ドヤぁ
いやー、きつかったわーw
最後に。
育成SLGはここで完成していた?

さて最後に私個人の意見ではありますが、プリンセスメーカーという作品は「育成シミュレーション」というジャンルの元祖的な存在でありながら、この時点で既に育成SLGの基礎を完成させてしまった作品だと思っています。
このゲームの大きな要素である「対象にスケジュールを与えて鍛える」、「対象とコミュニケーションを取る」、「対象の能力を発揮させるイベントの存在」。
この作品の後に出る同ジャンルの作品は、内容をさらに複雑(細分化)にするとか、グラフィックをより豪華にするとか、あるいは育成対象の分野を変えるなど色々変更を加えてはいても、この3つの基本的な要素からは外れていないように思うんです。
私が大好きな「アイドルマスター」についても歌や音ゲー要素があるものの、この3つの要素からは外れていませんからね。
本作が育成シミュレーションの完成形、最高峰とは言いませんが、後のゲームジャンルに大きな一石を投じた作品なのは間違いないでしょう。
娘役の「横山智佐」さんの話

ここからは余談レベルの話ですが本作のMSX2版、及びPCエンジン版では、なんと娘が音声で喋ってくれるように変更されていまして、娘の声を担当していたのはセガサターンのゲーム「サクラ大戦」で「真宮寺さくら」役をやっていた「横山智佐」さんでした。
「MSX MAGAZINE 永久保存版 3」にて横山さんは、実はその頃はまだ業界的に声優がゲームキャラを演じるという事に抵抗があった時代で、先輩方からも「イメージ」を守るためにもやめたほうがいいと言われたそうですが、仕事を選べる立場ではなかったために結局は引き受けたのだと語っていました。
しかしその後CD-ROM媒体でのゲームが主流となったことで、ゲームにとってキャラクターの音声はあって当たり前の存在となり、今ではゲームのキャラクターは声優の仕事で大きなウェイトを占める存在となりましたからね、横山さんにとってこの仕事はマイナスどころか大きなプラスになったのだろうと思います。
ちなみに入手は難しいかもしれませんが、この本を買うことができればPCで今でもMSX2版「プリンセスメーカー」を楽しむことが可能です。
興味のある方は、ぜひ購入してみてください。
おまけ。
本作において、娘は毎年誕生日を迎えて1歳年をとるごとにグラフィックも変化します。
さらには各年齢毎に、春夏秋冬4種類の服が用意されているという充実っぷりです。


なので季節が変わったら、ちゃんと服を着せ替えてあげましょうw
≫EXIT
お疲れ様でした!

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コメント
ガイナックス、亡くなっちゃいましたね。
プリメの版権とかどうなるんでしょうか?
コメントありがとうございます。
もう随分前から我々が慣れ親しんだガイナックスではなくなっていたとはいえ、やはりそれが無くなってしまうのは寂しいものですね。
>プリメの版権とかどうなるんでしょうか?
おそらくですが現在プリメ関連の版権は、当時デザインを担当していた赤井孝美さんが所属している米子ガイナックスが所持していて、あそこは破産したガイナックスとは違う会社みたいなので大丈夫じゃないかなと思っています。