賢者の塔 33F
No.0106
発売年:1989年
開発元:ビクター音楽産業
ジャンル:コマンド選択(入力)式AVG
発売機種:PC-88、PC98など
※画像はすべてPC-88版です
≫ENTER
いらっしゃいませ!
さて、アドベンチャーゲームのシステムと言えば、大きく「コマンド入力式」と「コマンド選択式」に分かれると思います。
コマンド入力式は、ストーリー自体の謎の解決だけでなく、やるべき行動の「言葉」を探すという行為そのものがゲームとなっていましたが、いちいち何度も文字を入力しなければいけない事によるストレスがどうしても発生してしまいました。
一方コマンド選択式は、文字の入力をしなくて済むのでストレスは感じませんが、やるべき行動の答えが一覧にすでに存在している為、大抵の場合一覧にあるコマンドを全部試すいわゆる「コマンド総当たり」方法でクリアできてしまい、ゲームとしての物足りなさがあります。
どちらも一長一短な感じですよね?
そんな中、あるゲームでちょっと面白い方法が用いられていました。それは言ってみればコマンド入力式と選択式を組み合わせた全く新しいアドベンチャーゲーム(風雲黙示録かよw)と言ってもいい作品。
それが今回紹介する「展望台 ~MURDER ON THE TOP~」です。
本記事を読み進める前に…
本記事を読み進める前に、以下の点についてご了承願います。
- 当ブログで掲載している画像の、著作権または肖像権等は各権利所有者に帰属致します。もし掲載に問題等御座いましたらご連絡下さい。迅速に対応を取らせて頂きます。
- 筆者は本作品において、100%の知識と十分なプレイ経験を持っているとは限りません。誤りがある部分については、コメントにて優しくご指摘よろしくお願いします。
- 記事に書かれている内容についてはあくまで投稿時の状況や筆者の認識であり、現在の状況や筆者の認識と必ずしも同じではない場合があります。ご了承ください。
「展望台」とは
「展望台 ~MURDER ON THE TOP~」は1989年に「新竹取物語」や「モールモール」などで有名な「ビクター音楽産業」から発売されたアドベンチャーゲームです。
プレイヤーはメトロポール展望台に訪れた客となって、展望台にある望遠鏡から目撃してしまった事件を何とかして未然に防がなければいけません。
展望台には東西南北に一つずつ計4つの望遠鏡があり、主人公はそれらを覗くことでいろいろな部屋で合計8つもの事件に遭遇するという「名探偵コナン」も裸足で逃げ出すほどの事件遭遇率です。
恋はスリル、ショック、サスペンスです(何の話だ
っていうか展望台なんだから、部屋じゃなく”景色”見ろ主人公!と、はっきり言って「覗き」で捕まっても文句が言えない主人公が、ただ望遠鏡を覗いているという状況でどうやって事件を解決するのか?というところがこのゲームの楽しみとなります。
「入力」したワードが「選択」可能に?
さて、最初に話した”コマンド入力式と選択式の組み合せ”についてですが、まずこのゲームはコマンドを文字で直接入力する事ができます。そしてさらにキーボードのF1を押すと名詞、F2を押すと動詞の一覧が開きそこからコマンドを選択することもできるのです。
…ええ、はい。おっしゃりたいことは解ります。コマンドの指定方法が入力と選択両方あるゲームはこれより前にも存在していますし特に珍しい機能でもありません。ではなにが特別なのかというと、本作には
一度入力したコマンドの単語が一覧に自動登録されるという機能があったんです。
具体的に説明すると、例えばゲームが始まって、目の前に梯子がある場所に来たとします。んじゃこの梯子を登ってみようと思いF1キーで名詞の一覧を開いても、その中に”梯子”という単語は入っていません。同じようにF2キーでの動詞一覧を見ても”登る”という単語はありません。
しかし自分で”はしご のぼる”と入力したあとにもう一度一覧を見てみると、なんと一覧の中に”梯子”と”登る”が登録されているんです。
つまりこの機能により、テキスト入力式AVGが持つ”言葉を探す”という楽しみは残しつつ、コマンド選択式のように同じ単語をなんども手入力するストレスから解放されるし、一覧からの総当たり戦法も封じられるわけです。
※ただし登録されるのはゲーム進行に関係ある単語のみで、意味のない言葉は登録されない
なかなか画期的だと思いませんか?
事件の阻止如何で分岐するストーリー
画期的といえば、本作にはコマンドのシステム以外にも面白い仕掛けが用意されていました。
最初に話したように、このゲームは主に望遠鏡から目撃した事件を未然に防ぐ事が目的なんですが、プレイヤーの行動次第ではそれを防ぐことができず事件が起こってしまう場合があります。
多くのAVGの場合、誤った選択をしてしまうとゲームオーバー(あるいはハマリ状態)となってしまうんですが、本作では事故を防げなかった場合に今度はその犯人から自分が狙われることとなり、自分の身を守るための行動を画策するのが次の目的となります。つまり1つの話にも別ルートが存在するわけです。
事件を防ぐことに失敗し、かつ自分の身を守ることにも失敗したときに初めてゲームオーバーとなるわけです。
ちなみにゲームオーバーにさえならなければ、8つの事件をいくつ阻止成功しても失敗してもちゃんとハッピーエンディングには行けます。
事件を未然に防げず人も死んでいるのにハッピーなエンディングなんて…と思うかもしれませんが、まあそれはエンディングをみれば意味がわかる、といったところですね。
世界的なあの監督の映画を題材に
さてこの作品は、ある映画を意識してつくったと言われています。それは「サイコ」や「鳥」などで有名なサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督の「裏窓」という映画です。
この「裏窓」という映画は、車椅子生活を余儀なくされ望遠レンズ付きのカメラで窓から景色を眺めるくらいしか楽しみがなくなった男が、偶然殺人事件らしきものを目撃してしまい、それを殺人事件と証明するために調査を開始するという内容で、主人公は車椅子ではないもののこのゲームとシチュエーション的には当てはまります。
ちなみに本作の中にも、望遠レンズ付きカメラで何かを目撃しまい命を狙われる男が登場します。
それだけではなく、主人公と共に行動する推理作家の「アルバラール・ハンチコック」という老人…
どうみてもヒッチコックです 本当にありが(ry
ヒッチコック監督は、自身の映画にもチョイ役やシルエットなどで登場することでも有名ですから、そのへんも意識したのかもしれませんね。
私はこれが発売された当時は、こういった渋めの作品に興味がなかったし、無論ヒッチコックなんて監督のことも解らなかったのでこの作品の紹介とか画面をみても全然興味がわかなかったのを覚えています。
「チャレンジ!AVG&RPG V」で本作が紹介されていて、その中で「裏窓」についての解説がされていたのを読んで初めて「へー(しかも興味薄い)」と思った程度です。
たしか友人が持ってたんで、遊んでおけばよかったな…。
≫EXIT
お疲れ様でした!
今回の記事はどうだったかの?何か感じた事があればどんなことでもコメントに残してくだされ。それと当ブログは以下のブログランキングに参加しておる。クリックして貰えるとわしの「やる気」がめちゃアップするぞい!
いつもバナークリックや拍手していただいて、誠にありがとうございます!
コメント