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『MYSTERY HOUSE(スタークラフト版)』世界初のグラフィック+テキストAVG

賢者の塔 32F
No.0102

発売年:1983年(Apple II版は1980年)
開発元:スタークラフト(Apple II版はシエラオンライン)
ジャンル:コマンド選択式AVG
発売機種:PC-88、FM-7など

≫ENTER

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「ミステリーハウス」とは

「ミステリーハウス」は、1983年に「トランシルバニア」や「マイトアンドマジック」で知られる「スタークラフト」から発売された、館探索アドベンチャーゲームです。

スタークラフトといえば外国産ゲームのローカライズで有名な会社ですが、本作も元々は海外の「シエラオンライン」がAppleII向けに1980年に制作したAVGで、この作品はグラフィックとテキストで構成された世界最初のAVGと言われています。

※日本には同タイトルのゲームがもう1本存在していますが、それについては後述

館に隠された宝石を見つける物語

ストーリーは、

主人公を含めた8人の若者が館に招かれ、この館の中に隠された”宝石”を見つけるよう指示される。一斉に館内を物色し始める若者たちだったが、主人公が最初に見つけたのは若者のうちの一人が”死体”となった姿だった。

そんな感じのお話です。

ミステリーハウスのシステム

コマンド入力式でゲームを進行

本作のシステムは「コマンド入力式」で、基本的には「名詞+動詞」(”トダナ ミル”など)の形で入力します。

場所移動については、キタ/ミナミ/ニシ/ヒガシ、あとはウエ/シタなどで指定します。しかし方角が画面上に表示されていないのでちょっと解かりづらいですが、文章に表記されている場合が多いのでそこから判断できます。

一応ローカライズされているということもあり、コマンドは日本語(カタカナ)での入力になるのですが、コマンドが日本語的にどうなの?と思うものもありました。

例えば通路が続いてる場所については東西南北指定で進めるのですが、ドアがあったりしたときにには”ドア イク”と指定します。”ハイル”じゃないんだw

痒いところに手が届く対応

本作は初期に作られたAVGであるために、わりと単純で原始的な作りとなっていますが、改めてプレイしてみると意外な部分に気がついたりするんです。

というのは、例えば部屋に入った時に、その部屋の全体画面に冷蔵庫と戸棚があったとします。冷蔵庫を開けて中を見たいなと考えた時、普通のAVGであれば「冷蔵庫を見て拡大画面になってから、扉を開ける」という流れになると思うんです。

もちろん本作でもそれは可能なんですが、実は全体画面からでも冷蔵庫を開けることができるんですよ。

「そんなの普通じゃね?」と思うかもしれません、しかし80年代後半からのAVG全盛期にはこういう時に目の前に冷蔵庫があるのに、「ここからじゃ手が届きませんよ?」なんてメッセージを見せられ”イラッ”とした人も多かったんじゃないでしょうか?

また画像の冷蔵庫の拡大画面から、今度は戸棚を調べたいなと考えたとします。

これも普通のAVGでは「一度全体画面に戻ってから戸棚を見て、開ける」という流れになると思います。しかし本作ではこの画面から戸棚も開けられるんです。これって煩わしくなくって、凄くいいですよね?

まあこういうのはユーザーに配慮されたシステムというよりは、古来のテキストAVGの名残りなのかもしれないですがね。テキストのみだと全体画面とか拡大画面とか関係ないですから。

古いからと侮るなかれ

さてシステムの部分で「原始的」という言い方をしましたが、じゃあ内容やストーリーも期待できないのか?というとそういうわけでもなく、ボリュームも当時にしては十分なほどありました。

また話の内容も意外に面白くて、若者たちが次々に殺されていく中、庭に出てみると別の若者が人数分の墓穴を掘っているところに遭遇した時や、見つけたメモに”7-6=1”(要は犯人以外は皆殺し)というのを見つけた時なんかはザワっとしました。

若干強引だったり、場所のつながりがおかしかったりする部分はありましたが、それでも制作年を考えるとゲームとして十分すぎる内容だと思います。

もう一軒のミステリーハウス

一番最初に話しましたが、日本にはもうひとつ「ミステリーハウス」という名前のゲームが存在します。

1982年に「マイクロキャビン」が発売した「ミステリーハウス」がそうなのですが、こちらは「シエラオンライン」版の移植ではなくマイクロキャビンのオリジナルタイトルです。

が、タイトルが同じだけでなく、館に入った主人公が”宝石”を探して脱出するという内容までが一緒という「パクった」と言われてもしょうがない部分がありました。

とはいえマイクロキャビン版は殺人事件が起こらない単純な宝探しゲームで、システム面、及びゲームボリュームにおいても個人的にはスタークラフト版に及ばない内容であったと思います。

海外の作品を許可無く同じタイトルで似た内容の作品を発売するなんて、現代のどこかのお国と似たようなことをしてたんだなあと思ってしまいますが、まあこの頃はそういう著作権絡みの規制が緩かった時代で、パクリパクラレなんてよくあることでしたからね。

≫EXIT

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コメント

  1. zenon より:

    懐かしいですね、友達の家でやりましたよ。
    後で知ったのですがこのゲームは旦那がシナリオ、妻がグラフィックを書いて作ったそうです。
    夫婦の共同作業ですね。

  2. ソンゴスキー@れとろげ より:

    >zenonさん
    > 夫婦の共同作業ですね。
    ほほー、当時のゲームならではの少人数分担作業というわけですかー。
    そういうのもいいですねー。参考になりました。

  3. 幻妖斎 より:

    これまた随分と懐かしい。
    当時、父の友人がくれたフロッピーの一枚がマイクロキャビン版のミステリーハウスでした。
    コマンドが全く分からず、家の周りをウロウロしているだけでした(笑

  4. ソンゴスキー より:

    >幻妖斎さん
    わかります。私も生まれて初めてAVGを遊んだ時は、なにより入力すべきコマンドが思いつきませんでしたからw lookとかtalkくらいしかでませんでしたわー

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