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『D.C.コネクション』J.B.ハロルドシリーズ第四弾。J.B.の青春の終わり…

賢者の塔/No.0007

今回舞台となるのは首都ワシントン。そこはJ.B.が青春時代を過ごした場所でもあった…。

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いらっしゃいませ!

世の中には今は生まれ育った土地を離れて暮らしている人も多いじゃろうが、何かのタイミングで久しぶりに生まれ育った土地に帰ったとき、きっとそこに「変わったもの」と「変わらないもの」を見つけたりすると思うんじゃよな。

今回の作品はそういう話かもしれん。というわけで入るが良い、賢者の塔 4Fじゃ!

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「D.C.コネクション」とは

基本情報

タイトルD.C.コネクション
シリーズJ.B.ハロルドシリーズ
ジャンルコマンド選択式アドベンチャーゲーム
発売年1989年
販売/開発リバーヒルソフト
発売機種PC-8801、PC-9801、MSX2など
前作キス・オブ・マーダー
次作ブルー・シカゴ・ブルース
※使用している画像は指定が無い限りPC-98版のものです

作品概要

リバーヒルソフトの看板AVGである「J.B.ハロルドシリーズ」の第四弾。

ただ前作の「キス・オブ・マーダー」がパラレルワールド的作品になっている為、正式なストーリーとしては三作品目に当たる(なのでタイトル画面にも「J.B.HAROLD#3」の表記がある)。

パソコン版としてはシリーズ最終作となり、次作「ブルー・シカゴ・ブルース」はコンシューマ機、又はWindows機での発売となった。

あらすじ

リバティタウン警察の署長で、J.B.ハロルドとは家族交流もあるほど長い付き合いのあるウォルター・エドワーズが、出張先のワシントンD.C.で射殺されるという事件が起きた。

しかもさらにリバティタウン警察の面々を驚かせたのは、そのエドワーズ署長を射殺した容疑者としてあがったのが、現在ワシントンD.C.の大学に通っている署長の息子、フレデリック・エドワーズだと言うことだ。しかもワシントン警察は裁判の準備まで始めていると言う。

リバティタウン警察はこの事態を解明するため、急ぎワシントンD.C.にJ.B.を派遣した。

ワシントンD.C.、そこはJ.B.にとって青春時代を過ごした思い出の街、そして彼が心から愛した女性の思い出が残っている辛い街でもある。複雑な思いを胸に、ワシントンD.C.でJ.B.ハロルドの孤独な捜査が始まる。

ゲームの目的と基本的な流れ

ゲームの目的は、リバティタウン警察の署長であるウォルター・エドワーズを殺した犯人を突き止める事で、そのためにJ.B.(プレイヤー)はワシントンD.C.を歩き回って関係者からの証言や証拠品を集め、犯人を追い詰めていく事になる。

そして目的遂行のためにプレイヤーが行う操作の基本は《移動・会話・捜索》のトリニティだ。

このトリニティはシリーズの過去作でもお馴染みのもので、目的の場所へ移動し、関係者への聞き込み、証拠品の捜索を行い、また移動するという行動を繰り返してゲームを進めていく。最初は行ける場所や聞き込みの選択肢も少ないが、この流れを繰り返す事により新しい情報や手掛かりを入手する事で、行ける場所も選択肢もどんどん増えていくようになっていた。

リバティタウンの刑事であるJ.B.ハロルドは、管轄外であるため前作に続き本作でも基本的に警察の協力は得られない。

そのためJ.B.の活動拠点となるのはワシントンD.C.郊外にあるホテルの一室となる。ここではセーブや捜査の進行状況の確認などが行えるのだが、ホテルに戻ってきたタイミングで電話がかかってきたり、ホテル内のバーに行くと来客があったりなどストーリーが進行することもある。

従って、移動・会話・捜索の流れをできる範囲で実行したら、一旦ホテルに戻ってバーなどにも行ってみると言うのが、本作のルーティーンになるだろう。

ちなみにホテルのバーでは、ゲーム中のBGMが聴ける機能があったんじゃよ

ワシントンD.C.観光案内

先程のトリニティの1つ《移動》について。

本作の移動システムは、物語の舞台となるワシントンD.C.の主要エリアを3つのブロックに分け、各ブロック毎にマップを用意し、そのマップ上で行きたい場所を選択するというものになっていた。そしてこのマップは、実際のワシントンD.C.の地図を元にかなり正確に作られたものであった。

これだけでもワシントンD.C.で捜査を行なっている臨場感を味わえるのだが、それだけではない。本作で移動先となるのは主に関係者の自宅や職場なのだが、それ以外にもホワイトハウス前、リンカーン記念堂、アメリカ合衆国議会議事堂、アーリントン墓地などなど、ワシントンD.C.の有名スポットに行くこともできたのである。

そして単に移動できるだけでなく、移動した際に実写取り込みと思われるそれぞれの場所の美しい風景画像が2枚も表示されるので、ゲームをプレイしながらちょっとした観光気分も味わえるのだ。

また海外の刑事ドラマをよく見る方なら、本作で「FBI本部」に移動した時はきっと「これこれ!」とちょっと興奮してしまうのではないだろうか。

そして本作ではさらにホテルの自室で事前に用意された捜査資料のようなものを閲覧できるのだが、そこにはワシントンD.C.にあるゲーム内で行けるところから行けないところまで様々な名所の紹介、そこにまつわる歴史などが記載されており、加えて実写取り込みの画像が掲載されているなど読み応えのあるものになっている。

シリーズの過去作品でもリバティタウンやマンハッタンなど実在の都市は登場したが、やはりリアルなマップと風景画像からくる臨場感は本作の素晴らしい点であり、このような部分から探偵モノのAVGでありながら、ちょっとした「ワシントンD.C.観光案内」としての機能も持ち合わせていると言っても過言ではないのが、本作の移動システムである。

毎度お馴染みの会話と捜索

移動以外でのトリニティ、《会話》《捜索》については過去シリーズとそれほど変化はなく、向かった場所に関係者がいれば会話、関係者の許可を得られればその場で捜索が行え(人がいない場合はすぐに捜索できる)、それにより様々な情報、証拠品などを入手できる。

話を聞く関係者の中には、なんらかの事情で嘘の証言をしているものや、事件に関わる重要な情報を隠している者たちもいる。

彼(彼女)らに対しては、しっかり情報や証拠品を集めて追い込む事で通常の会話とは違う《追求》モードになる。追求モードでは、嘘や隠し事をしている相手を自白させることができるが、まだ情報や証拠が足りないと不発に終わる場合もある。

ただこの追求モードが、本作の問題点でもあったんじゃよなあ…

《会話》と《探索》では、代わり映えしない行動をひたすら繰り返すことになるので、やや苦痛に感じてしまう部分もあるが、とはいえこれをやらなければゲームが先に進まないし、逆にこの苦痛のおかげでストーリーがぐっと動いた時の興奮は大きなものとなるだろう。

J.B.にとって心強い協力者たち

本作においてJ.B.は管轄外の捜査に首を突っ込んでいる為、捜査についての権限がない上にリバティタウンの同僚もいない状態で孤軍奮闘することになる。しかし捜査を進めていくと、そんなJ.B.に協力してくれる嬉しい助っ人が現れる。その協力者についてちょっと解説しておこう。

《ロン・クレーマー》

ワシントンの警察官。自分の上司の為に管轄外の地で孤軍奮闘するJ.B.に同じ警察官として心を打たれJ.B.に協力を申し出る。主にJ.B.が見つけた証拠品の鑑定と、事件関係者の素性、過去の犯罪歴などを洗ってくれる。

《ネルソン・メルビル》

タクシー運転手。元アメフト選手だったが怪我で引退。アメフト時代のような熱い刺激を求めていたところにJ.B.と出会い、協力を申し出る。タクシーで関係者を尾行して現在の行動を調査してくれる。

《ジョン・ハミルトン》

酒場「スターダスト」のマスターでJ.B.の親友。国家権力嫌いだが、刑事になった親友のために美味しいコーヒーを淹れてくれる。このコーヒーを飲みつつ、J.B.は事件の人物相関図を確認することができる。

ロンとネルソンの協力で得た情報は、情報を得ること自体がフラグになっている事も多い為、積極的に利用したいところだが、ネルソンの尾行については後述する進行不能バグの一因という情報もあるので、利用については慎重に行う必要があるかもしれない。

ともあれ彼らの存在はJ.B.にとって、またプレイヤーにとっても心強い存在になってくれるうえ、更にどうしても単調で同じ操作の繰り返しになりがちなプレイに、ちょっとした変化を与えてくれる存在となっている。

雑なフラグ管理で進行不能バグ?

本作はシステムとしては基本的に「コマンド総当たり」でクリアできてしまう作りになっているのだが、内部のフラグ管理がちょっと雑なせいで進行不能になる場面がある。

前述した追求モードには任意で移行できるわけではなく、ある程度のフラグが立った(情報が出揃った)タイミングで「相手の話を聞く」コマンドをその相手に実行すると自動的に追求モードに移行してしまう。

実はこの追求モードは必要なフラグ収集が不完全であってもできてしまうので、そこが最大の問題となってしまうのだ。

この追求モードに入ると完全に追求用のコマンドしか出来なくなり、その場所での捜索などは実行出来なくなる。つまり、まだその場所に捜索で手に入れなければならない証拠品があるにも関わらず追求モードに入ってしまうと、そこにある証拠品が取れなくなってしまうのだ。

しかもその証拠品がそこにいる人物を自白させるのに必要だったりするので、実質ゲームが進行不能になってしまうのである。

そして厄介なのは、そこ意外は普通に進行するので知らなければ進行不能になった事に気がつかずにどんどん先に進んで、ある程度のところで何をしても先に進まなくなる事に気づくという部分だろう。

ちなみにこの進行不能バグは100%なるわけじゃないのがまた厄介でのう。わしも2回プレイして1回目は問題なくクリアできたんじゃが、2回目のプレイのときに進行不能になってしもうたわい

対策としてはセーブを複数箇所取っておく事と、「相手の話を聞く」コマンドは1番最後に実行する癖をつける事だろう。コマンド一覧だと話を聞くの方が上にあるので、総当たりでプレイしてるとどうしてもそっちを先に実行してしまうからだ。

他にも進行不能になるかはわからないが、本来ならばある人物が容疑者でいるうちに見つかる(そこに意味がある)筈の証拠品が手に入らないまま容疑が晴れてしまったりと、いささかフラグ管理の雑な部分があり、ストーリーは面白いだけにそこは残念な部分だったと言える。

まとめ

では最後に本作についてのまとめを行おう。

J.B.自身の物語に迫るストーリー

過去のJ.B.ハロルドシリーズでは、もちろん主役はJ.B.ハロルドなのだが、その主役自身についての描写は物語的に殆ど触れられることは無かった。

しかし本作においては、J.B.が青春時代を過ごしたワシントンD.C.が舞台ということ、そしてJ.B.の過去をよく知る人々が多く登場することもあり、ストーリーの中にJ.B.自身の物語も絡んでくる内容になっていてファンには嬉しい内容になっていた。

マウスとキーボード操作の共存

本作はマウス操作でのプレイが基本になっているが、マウスがなくても一応プレイは可能になっている。その場合、過去作のように数字やアルファベットをキーボードから入力するものではなく、矢印キーでマウスカーソルを動かしての操作になるので操作感は非常に悪い。またUIについても、矢印キーでの操作との共存を意識せざるを得ないために、マウス操作でもやや窮屈なUIになっていた。

この時代は、マウスとキーボード操作を無理矢理共存させるためにかえって使いにくいUIになってしまった作品多かったきがするのう…

作業感が高まりすぎない工夫

ゲーム進行については、とにかく移動、会話、探索の繰り返し、かつコマンド総当たりでのプレイになるので作業感も高かったが、協力者への尾行や身辺調査の依頼ができるのは、良い気分転換になり、かつその協力者が物語展開上の部外者ではなく、ストーリーに関わって来ると言うところも面白かった(正しくは「悲しかった」だが)。

進行不能バグについて

本作は非常にボリュームの作品で、当然プレイ時間も多くなる充実した作品である。

それだけに、後半になって進行不能になるとその徒労感が半端なく、再プレイする気力もなかなか湧くものではない。また再プレイ時もどうしてもそれを警戒してしまい、ゲームに集中できなくなってしまうのがかなり辛い。ここが非常に残念である。

最後に

物語としては面白い作品なだけに、是非プレイして欲しいのではあるが、バグや雑なフラグ管理のせいで余り気軽にお勧めはできない。

後年iOS向けにリメイクされたのだが、実はそちらにも進行不能バグがあるようで、そのせいか現在は配信停止になっている。なんとかバグを修正した完全版としてまた発売して欲しいものだ。

≫EXIT

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コメント

  1. 名無しの冒険者 より:

    >JBハロルド シリーズ…
    リバーヒルソフトの代表シリーズですね。マンハッタンレクイエムのみクリアしました。長編のハードボイルド小説を読む感覚でプレイしていました(かなり長く感じるのでTVドラマのような気もします)。真実を見つける度に悲しみがやってくるという王道ですな。最近この世界観のAVGは少ないような。
    入手可能かは、わかりませんがDS版の「ウィッシュルーム~天使の記憶」や
    「ラストウィンドウ~真夜中の約束」などは合致するかもです。
    ゆっくりと遊べるAVGが出てくれるとうれしいですね。

  2. ソンゴスキー より:

    >>1
    ウィッシュルーム~天使の記憶、ググって見ました。キャラ絵がめっちゃ渋くて良い雰囲気ですね。書籍を読むように、こう言う作品を楽しむのには持ち歩きやすい携帯機の方が便利ですよねー。もっとスマフォでこう言うの出たらいいのにと思います。

  3. 名無しの冒険者 より:

    JBハロルドシリーズでこのDCコネクションのみやったことがなく
    DSやスイッチへの移植を待っていたのですが(前の3作品はすべて移植されている)
    これだけなかなか移植がされないのはバグの問題があるからなんですね・・・

  4. ソンゴスキー より:

    >>3
    色々調べてみると前に出ていたiOS版にもバグがあって、移植の際にバグを取りきれなかったのかもしれません。明らかに進行不能になる作品は今の世の中で出すのは危険と判断したのかもですね。

  5. 名無しの冒険者 より:

    こんなブログあったんだなぁ…
    最近JBハロルドをスマホ版でハマってシリーズやってこうかなと思ったのでこういう情報をネタバレせず事細かに書いてくれてるのは非常にありがたいですね
    さらにやりたい気持ちになってきたが、スマホやSwitchに移植されてない作品もあるんですね…
    時代に合わないシステムで元取れないかも知れないけど、過去作品をどんどん移植してほしいなぁ
    あわよくば新作を…

  6. ソンゴスキー より:

    >>5
    >こんなブログあったんだなぁ…
    初めまして、ようこそ。
    >最近JBハロルドをスマホ版でハマって
    おお、私もJBハロルドシリーズは大好きなので、今からでもハマってくれる人がいるのは嬉しいです。
    >ネタバレせず事細かに書いてくれてる
    ありがとうございます。まあ何十年も前の作品なので今更ネタバレも何も…と思う気持ちもありますが、特にアドベンチャーゲームの場合は「ネタバレ」が興味を失わせる事に繋がり安いので気を使う部分ですね。
    >スマホやSwitchに移植されてない作品
    JBハロルドシリーズはそこまで多くないんですが、元々同じ会社から出ていた1920シリーズは私も把握できないレベルの数が色んな媒体で発売されてましたね。
    >あわよくば新作を…
    最近スクエニが出した「雪ゆきてレトロチカ」という推理アドベンチャーゲームがあるのですが、なるほどこういうシステムならまだJBハロルド出せるな!って思っちゃいましたw

  7. 名無しの冒険者 より:

    >>6
    雪ゆきてレトロチカってなんか新作ありましたねぇ
    昔ほど人気ないのかもしれないけどアドベンチャーゲームもなんだかんだ根強く残り制作され続けてるんだなぁ
    返信ありがとうございました。

  8. ソンゴスキー より:

    >>7
    あ、よく見たら「雪ゆきて」じゃなく「春ゆきて」でしたね。間違えてました、すいません。

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