賢者の塔 70F/No.0240
毎晩「降矢木」の夢に現れて助けを求めてくる少女。彼女の事を調べて行くにつれ、降矢木の周りで起き始める様々な事件。そんな中、降矢木はある人物に助けを求めるのだが…。
≫ENTER
いらっしゃいませ!
管理人じゃ。
謎の妖精よ。
今回は2022年の新年一発目ということで、それに相応しい作品としてデータウエスト「ナイトメア」の案内をするぞい。
相応しいか?まあそれはさて置き、あの「PSYCHIC DETECTIVE SERIES」の第五作品目ね、個人的に好きなシリーズだから楽しみだわ!
本記事を読み進める前に…
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「ナイトメア」とは
本作の基本情報
タイトル | Nightmare |
シリーズ | サイキック・ディテクティブ・シリーズ |
ジャンル | コマンド選択式アドベンチャーゲーム |
発売年 | 1991年、1995年、1998年 |
販売/開発 | データウエスト |
発売機種 | FM-TOWNS、PC-9821、Windows95など |
前作 | Orgel |
次作 | SOLITUDE 上巻 |
本作の概要
本作は主人公である降矢木和哉が連日悩まされている「悪夢」、そしてその悪夢から目覚めた時に手にしていた不思議な形の「十字架」、この2つの事についての謎を解明するのが目的であり、プレイヤーは降矢木となって様々な場面でコマンドを実行し、情報を得てフラグを立てながら謎を解明するためのストーリーを進めていくという、コマンド選択式のアドベンチャーゲームである。
データウエストを代表する「サイキック・ディテクティブ・シリーズ」の第五作目であり、今回はシリーズクライマックスへ向けての序破急でいうところの「破」ともいえるストーリー展開を見せる。ゲームシステム的にはオーソドックスなものだが、当時の最新技術による3DCGを使った探索モードを導入するなどメーカーの試行が感じられる作品であった。
サイキック・ディテクティブ・シリーズとは
サイキック・ディテクティブ・シリーズ、およびそれに関連する用語などについての説明は、本記事では省略しておりますので詳しく知りたい方は、以下の紹介記事を参照してください。
降矢木の見る悪夢に現れる少女を探す物語
「助けて!助けて!」
「降矢木和哉」はこのところ毎晩のように不思議な夢を見ていた。
その夢で降矢木は見たこともない景色の場所におり、そこには小さな塔のような建物があった。そしてその塔の上にある窓から、金髪の美しい少女が助けを求めているのである。
降矢木は少女を助けようとその塔に近づこうとするのだが、強い風に妨害されてままならない。そして、ようやく塔の扉に手が届いたところで目を覚ます。
そんな夢であった。
次の日の朝、降矢木は数ヶ月前から同棲するようになった恋人「森崎梨絵香」に夢のことを相談するが、梨絵香は心配そうな顔をしたものの「余り気にしないように」と降矢木に優しく微笑んだ。
次の夜、降矢木はまた同じ夢を見た。
しかし今度は今までとは違い、少女は怪しげな祭壇のようなものの前に裸で立たされており、ローブを来た顔の見えない人々が少女の周りを囲んでいた。やがてそのうちの1人が鋭いナイフを高く掲げると、そのナイフを一気に少女の胸の中心に突き刺したのである。
「やめろぉーーーー!」
夢の中で降矢木は叫び声をあげた。次の瞬間、降矢木はベッドの上で目を覚ます。夢にしてはあまりにもリアルな「悪夢」に混乱する降矢木。そしてその降矢木の手には、身に覚えの無い不思議な形をした「十字架」が握られていたのだった。
主な登場人物
《降矢木 和哉》
特Aクラスのサイキックアナリスト。数々の難事件を終え、現在は恋人である森崎梨絵香と仲睦まじく同棲中なのだが、最近毎夜不思議な夢を見続けており、それについて悩んでいた。目が覚めた時に握っていた不思議な十字架が夢に関係あるとして、調査に乗り出す。
《森崎 梨絵香》
降矢木の恋人で、常に降矢木の身を案じ、そばにいようとしてくれる。最近「友達」によく会いに出かけているが、何故かそれが誰なのかは教えてくれない。ちなみに彼女の素性は明らかになっておらず、秋中が調べようとしたところ上層部から圧力がかかったという。
《蘭 香芳》
第二作「メモリーズ」に登場したサイキックアナリストの女性。彼女は「雌雄胴体」であり、メモリーズでは結果的にそれが降矢木を助け、事件を解決に導いた。古代宗教に造詣が深く、梨絵香からの提案で降矢木から今回の調査についての助力を求められる。
《ローズマリー》
降矢木の夢で助けを求めている少女だが、彼女が何者なのか、なぜ降矢木の夢の中に現れ助けを求めるのか、そして彼女のいる場所はどこなのか、全てが謎である。本作におけるキーパーソン。
《秋中 友和》
第三作「アヤ」に登場した麻薬調査官。降矢木とは過去の事件をきっかけに知り合った仲で、今回も麻薬がらみの捜査を行っているようだ。無類のコーヒー好き。
《ロドリゲス神父》
降矢木がいつの間にか手にしていた十字架について、聞きに行った教会の神父。十字架に対して異様な態度を見せるが…。
《謎の男》
ロドリゲス神父と入れ替わりで教会にいた片目の神父。とても神父とは思えない、不穏な雰囲気を纏っている。
《真行寺 彩》
降矢木のかつての恋人だが、サイキックダイブ中の事故により死亡している。本作の物語には関係ないはずなのだが…
「ナイトメア」の特徴について
ではここから本作「ナイトメア」の画面構成やシステムの特長について解説していくが、解説の内容については「リメイク版」に準拠しており、最初に発売された「FM-TOWNS版」とは多少内容に違いがある点についてはご了承いただきたい。
ナイトメアの画面構成と操作方法
操作方法についてだが本作はフルマウスオペレーション、つまりゲーム中全ての操作をマウスのみで行うようになっていた。
プレイヤーはまずコマンド(見る、聞く、思考、行く)から実行したいものを選択し、次にそのコマンドのターゲット(何を見るのか、何処へ行くのかなど)を選択するのだが、このターゲットの選択方法には以下の二つの方法が用意されていた。
①ビジュアルウィンドウの中から、実行対象をカーソルで選択する方法。
②ターゲットウィンドウに表示されているアイコンを、実行対象として選択する方法。
例えば「聞く」コマンドを選んで、画面に映っている人物をクリックすれば画面に映っている人物に話しかけ、ターゲットの人物をクリックすれば画面に映っている人物に対してターゲットの人物のことについて話しかける、という仕様である。
テンキーでコマンド入力するAVGと違って、マウスオペレーションのAVGはカーソルの移動やクリック回数がが多くなるから、これが結構負担やストレスになるんじゃよな…
なるほど、この仕様だと必然的にマウスクリックの回数が減るから、負担が少ないユーザーフレンドリーな仕様になるのね?
美しい音楽とアニメーション
アニメーション製作は京都アニメーション
本作「ナイトメア」でも随所にて、DAPSを活用したスムーズなアニメーションが再生されるのだが、このアニメーションパートは、前作「オルゴール」に引き続きあの「京都アニメーション」が担当している。
これについてはやはり餅は餅屋、アニメーションの「プロ」が作る映像というものは凄いと思わせられるムービーとなっていた。ちなみに本作にも「DAPSリプレイ」機能は搭載されているので、ゲームクリア後にはこれらアニメーション映像をじっくり楽しむ事が出来る。
音楽はお馴染み、斉藤康仁氏
サイキック・ディテクティブ・シリーズといえば、毎回使用されている「斉藤康仁」氏の音楽も忘れてはいけないだろう。
今回も斉藤氏による様々な曲がゲーム内で使用されているのだが、今回はシリーズ第2作目「メモリーズ」より「蘭香芳」が再登場しているということで、彼女のテーマ曲としてメモリーズの主要曲だった「JAPANESQUE」が若干アレンジされて再収録されている。
この曲は個人的にも好きな曲なので、ゲーム中で流れ始めたときは思わず「お!」っと声を出してしまったほどである。
データウエスト様!ゲームのアーカイブ化も嬉しいですが、是非本シリーズのサントラの発売を!
3DCGもふんだんに活用
3DCGでオブジェクトを表示
本作の面白い特徴として、コマンドの「見る」を選択してビジュアルウィンドウ内に描かれている何かしらのオブジェクト(ヤカン、電話、灰皿、窓など)をクリックした場合、そのオブジェクトが3DCGで表示されるという機能があった。
さらにこの3DCGは、例えば観音開きタイプの棚であれば「閉まっている扉が開く」というようにアニメーションするものまで用意されていたのだ。
3DCGって…ショボくない?
いやいや、この時代の3DCGでなら頑張ってるほうじゃぞこれ
3DCGの空間を歩き回る捜索モード
また本作では調べたオブジェクトが3DCGで表現されただけでなく、なんと3DCG空間を歩き回って探索できる「探索モード」も備わっていた。
とはいえ、実際はプレイヤーの行動にあわせて動いているように見えるムービーが再生されるという感じで、現在の3Dゲームのような自由度は無かったといえる(イメージ的には「Dの食卓」の移動シーンのようなもの)。
お決まりのグロシーンも健在
サイキックディテクディブシリーズといえば、大人の雰囲気があるお色気シーンや目を背けたくなるようなグロシーンなどが「お決まり」のようになっているが、本作ではお色気シーンは殆ど無いもののグロシーンについてはこれでもかと言わんばかりに多く存在している。
お色気シーン少なくグロシーン多目って、飴と鞭の比率ってもんがあるでしょうに…
かなりつらい
ある人物の死体を探すために死体安置所で死体を見て回る、なんてシーンはまだぬるいほうで、内臓だけのアルコール漬けの容器や、脳がこぼれた飛び降り死体、挙句には体から引きずり出した内臓を啜って食べるシーンなどかなり強烈なもの(流石に内臓を食す部分は意図的に見えなくされていた)が沢山あるので、苦手な人は注意したほうがいいだろう。
《物語の大筋》存在しない、探偵への「依頼」
ここからは、本作「ナイトメア」のストーリーに関する部分の話から始めていこう。
本作の主人公である「降矢木和哉」は、ここ数日少女が助けを求めてくるという同じ夢を見ていたが、ある夜いつもとは違って今度はその少女が殺されるという夢を見、その夢から覚めた時、降矢木は見覚えのない不思議な形の十字架を握っていたのである。(夢の詳しい内容については、前半の「ストーリー」を参照)
これにより、この夢には何か意味があるのではと考えた降矢木は、夢の中で見た景色と夢から覚めた時に手にしていた十字架について調査を始めるのだが、十字架の事について聞くために教会を訪れた降矢木は、十字架を見た途端に態度が豹変し激怒した神父に教会を追い出されてしまう。
全く意味がわからないまま帰宅した降矢木だったが、その夜、今度は突然十字架を置いていたテーブルが暴れ出すという怪奇現象が起き、その後謎の人物から「十字架を手放せ」と脅迫めいた電話がかかってくる。十字架の事は梨絵香と、教会の神父しか知らないはずなのに、誰があのような電話をかけてきたのだろうか。
翌日、降矢木は梨絵香を伴ってもう一度教会を訪ねるがそこに昨日の神父の姿はなく、代わりにそこにいたのは怪しげな雰囲気を纏った片目の神父だった。訝しみながらも降矢木は昨日の神父が居るか尋ねたところ、片目の神父は「ロドリゲス神父なら、昨夜急病で入院しましたよ」と言い、怪しく笑うのであった。
物語は、降矢木達がこの怪しげな神父と出会ったところから大きく動き始める。夢に現れる少女は誰なのか、そして少女と十字架の関係は、突然入院した神父と片目の神父は何を知っているのか、サイキックディテクティブ降矢木和哉がその謎に迫る。と言うミステリー的な展開が本作の大筋である。
これまでのシリーズにおいて物語の核となっていたのは、降矢木和哉という「サイキックアナリストへの依頼」だったのだが、今回物語の核となるのは「夢の中の少女」と「謎の十字架」であり、サイキックアナリスト降矢木への依頼というものが物語に出てこない、ようにみえる。と言うのが、本作がこれまでのシリーズと比べて異質なところだと感じられた。
ところで何でいちいち「のように見える」ってつけてるの?
プレイして話の内容を知ると、結局いつものように「依頼」に振りまわされてた、とも言えてしまう内容だからじゃろうな
《注目点》過去作との繋がりで広がる作品世界
今回、この「ナイトメア」という作品で注目した部分が「過去作品との繋がり」である。と言っても物語的な繋がりではなく、人間関係的な繋がりだ。
これまでのシリーズにおいて、作品を跨いで登場する人物というのは少なく、主人公である降矢木は当然だが、後は昔の恋人である真行寺彩、そして現在の恋人である森咲梨絵香くらいだった。しかし本作ではそれ以外に過去作に登場した人物が2名登場する。それが「秋中友和」と「蘭香芳」だ。
麻薬調査官「秋中友和」
秋中はシリーズ第三作「アヤ」に登場した人物で、衛生省の薬事局で違法薬物の調査をしている調査官である。降矢木とは過去に別の事件がきっかけで知己の仲となっており、「アヤ」の時は調査中の麻薬組織の情報に梨絵香の名前があったとして、その時行方不明になっていた梨絵香を探す降矢木と関わっている。
本作においても彼は麻薬に関する情報を元にある人物を調査をしているところで、偶然にも同じ人物を探していた降矢木とまた関わることになるのだが、今回の事件において彼の身には最悪の悲劇が訪れることになる。
サイキックアナリスト「蘭香芳」
蘭香芳はシリーズ第ニ作「メモリーズ」に登場した人物で、降矢木と同じサイキックアナリストの女性である。彼女は「両性具有」という身体的特徴を持っており、「メモリーズ」においては彼女のこの身体的特徴によって、結果的に依頼主の陰謀にはまっていた降矢木は助かったという経緯があり、それ以来降矢木とも知己となっている。
今回は十字架の手がかりを追う降矢木に、古典宗教に造詣が深い人物という事で梨絵香の紹介で登場し、降矢木の調査に協力してくれる事になるのだが、彼女の身にも秋中同様にまた最悪の悲劇が訪れるのだが、それが彼女の人生にとっても大きな転機となる。
余談だが、本作において蘭香芳に対しての表現に興味深い部分(という言い方は失礼かもしれないが)があった。「両性具有」である彼女に対し、降矢木は(本人には言っていないが)「完璧な存在」と言っている。しかしある人物からは「出来損ないの存在」と真逆の言葉で罵倒されているのだ。
当然そのような罵倒は許されるものではないが(まあ言った本人は報いを受けてるので)、両性具有を「男と女どちらでもある存在」ととるか「男と女どちらでもない存在」ととるかによる違いがそれぞれの言葉に出ているのだと感じた。ある一つの事実も、受け取る側により真逆なものになるのだなと考えさせられる話であった。
作品を跨いでキャラクターが登場する効果
これまでのシリーズでもオルゴールに登場した「樋渡恭介」などのように、その作品の前から降矢木の知己だったという人物は登場したが、あくまでそういう設定なだけで、実際に物語を跨いでの登場は前述したように降矢木と彩と梨絵香を除けばいなかった(はず)。ところが今回は、秋中友和と蘭香芳の2人が過去作から作品を跨いでの登場となっているのだ。
だからなんだと言われればそれほどの話でもないかもしれないが、ドラマでも漫画でも過去のエピソードに単発登場したキャラクターが、最新エピソードで再登場したり、そのキャラクターメインのスピンオフなどが製作されると、作品全体の世界観がぐっと広がるという感覚は皆さんにも通じるのではないだろうか。従ってこのサイキックディテクティブシリーズも、今回この二人の再登場で世界が広がったように感じたのである。
それだけにせっかく再登場した降矢木の大切な仲間たちに、何者かによる危機が迫るというのは、サスペンス的な展開もあって非常にハラハラする気持ちを味わう事ができた。
こういう展開じゃと、過去シリーズをプレイしてきたプレイヤーなら恋人の「森崎梨絵香」がまたどうかなっちゃうんじゃないかと、そっちも心配してハラハラしてしまうんじゃよなw
ぐうわかる。
《驚愕した点》シリーズを根底からひっくり返すラスト
そして本作のラストには途轍もない大ドンデン返しが待ち構えている。しかしそれは前作「オルゴール」のように本作のラストについてのドンデン返しではない。これはこの「サイキックディテクティブシリーズ」を根底からひっくり返すドンデン返しであったのだ。
まずこのサイキックディテクティブシリーズには、最初からある「大前提」が存在している。それは作品が始まった時点で、サイキックアナリストである「降矢木和哉」は、かつてサイキックダイブ中の事故により恋人である「真行寺彩」を死なせている、という事だ。これは「オルゴール」を除けば全ての作品の中で僅かなりとも話題に上がるし、第三作目「アヤ」に至ってはそこがストーリーの中核にあったと言っても良いだろう。
この作品の世界において降矢木和哉という人物は、同じサイキックアナリストたちの間でも「特A(スペシャルエー)」の能力者として知られてはいたが、それ以上にそういう話題の対象者としてサイキックアナリスト達の間で「噂の人物」として有名だった程である(サイキックアナリストは、近親者や恋人の心にダイブすることがタブーとされており、降矢木はそれを破った前例なのだ)。
しかし本作のラストにて事件を解決したものの「ある理由」で病院に入院し、ベッドで茫然自失状態だった降矢木の病室にメガネをかけたいかにも誰かの秘書然とした男が現れて、そんな降矢木を驚愕させる言葉を放つ。
真行寺彩は生きている。あなたの助けが必要です。
その一言に驚く降矢木。そして画面に映る着物姿の真行寺彩。画面は暗くなりそこに「悪夢は終わらない」の文字が浮かび本作は幕を閉じる。
降矢木にとって真行寺彩の事故は逃れることができない「悪夢」であり、「アヤ」において降矢木はそこを突かれてボロボロな精神状態に追い込まれた。それでも梨絵香の献身によりやっとのことで乗り越えることができてきたのに、ここにきて「神宮寺彩は生きている」と聞かされた降矢木の気持ちは察するに余りある。まさに悪夢は終わっていなかったのだ。
これはプレイヤーにとってもとんでもない情報であり、いままで何度もそういう話を聞いて「降矢木和哉とはそういう過去を持つ男」として感情移入してきたのに、それが根底から覆ってしまうのである。驚く意外に無い。個人的にも、実際プレイ中にこの言葉が飛び出してきたときは状況が理解できずにしばらく混乱したほどである。
しかもそこで終わってしまうもんじゃから、「いやどういうこと!?早く続きを!」って思わざるを得んじゃろう…
これはが否が応にも次回作への期待が高まるわね!
《最後に》まだ解決されていない「謎」
さて、本作では次回作に向けてまだ解決していない「謎」の部分がいくつか存在する。そこについての話をして本作品の内容についての紹介を終えようと思う。
①「真行寺彩」の生存について
勿論これが最大の謎なのだが、現時点で彩が「生きている」ということは伝えられたが、どういう形で生きているのかについてはぜんぜん解らない。このシリーズの特徴を考えれば「肉体として生きている」なのか「精神として生きている」なのか、本作での展開を考えると別の人間の体の中で生きているというケースも考えられる。さらに「あなたの助けが必要です」と言っているということは、サイキックアナリストとしての力が必要ということなのか?など様々な疑問がわいてくる。
②「森崎梨絵香」の正体について
降矢木は現在梨絵香と恋人関係にあるのだが、実は降矢木は梨絵香のことについて殆ど知らないのである(恐らくあえて聞いていない)。本作に登場した秋中は「アヤ」の事件の後、梨絵香のことについて調査しようとしたところ上層部から圧力がかかって調べられなかったと言っている。身元を調べようとしただけで圧力がかかるというのは異常と言ってもよいだろう。何か知られてはいけない秘密が、森崎梨絵香にはあるのだろうか。
③梨絵香と蘭香芳の関係について
これは梨絵香の正体という話に重なるのではあるが、本作において降矢木が十字架のことを調べようとした際、梨絵香は古代宗教に増資が深い蘭香芳のことを降矢木に紹介した。実は第二作目「メモリーズ」において、蘭香芳に行方不明となった降矢木を探す依頼をしたのは梨絵香なのである。いったい梨絵香はどういうルートで蘭香芳のことを知ったのか、それとも二人はあの時点で既に知り合いだったのだろうか?関係が謎である。あと蘭香芳については、彼女が今回迎えた結末が今後どう関わってくるのかも気になる点である。
④降矢木は何故入院していたのか
本作のラストで降矢木は病院に入院していた。事件後初めて目が覚めたときに、蘭香芳は降矢木に「ごめんなさい私のせいで…」と何か言いかけて降矢木に止められている。確かにラストでは精神世界の中で降矢木は怪我を負ったがそれはあくまで精神世界での話であり、しかも別に蘭香芳を庇って怪我をしたわけでもない。ではなぜ降矢木は入院していたのか、蘭香芳が「私のせい」といったのは何をさしているのか、これも重要そうな現時点での「謎」である。
いかにももったいぶった言い方をしても、実はこの後の展開知っているんだろう?と思われるかも知れないが、実は個人的に現時点では次回作「ソリチュード」は未プレイなのであり、当時FM-TOWNS版でも遊んではいないのである。なので全然先の話を知らないで書いているので、この辺の謎ももしかしたら解決されないどころか言及もされないかもしれない(彩のことについては言及されるだろうが)。
リメイク版のソリチュード上巻、下巻は既に購入済みなので今から遊ぶのが楽しみでいる。
遊びたくなったら?
もし今回の記事を読んでナイトメアに触れてみたい、またナイトメアを遊んでみたいと思った方は、以下のサイトを参考にして欲しい。
パソコン版
データウエストの通販サイト「D-Again」にて、Windows対応のDISC版、ダウンロード版が発売中。ただし、対応機種がWindows 7/Win95/98/2000であるため現行のWindowsでは動作しない場合もあることに注意が必要である。
≫EXIT
お疲れ様でした!
今回の記事はどうだったかの?何か感じた事があればどんなことでもコメントに残してくだされ。それと当ブログは以下のブログランキングに参加しておる。クリックして貰えるとわしの「やる気」がめちゃアップするぞい!
いつもバナークリックや拍手していただいて、誠にありがとうございます!
コメント
ソリチュードをやったことがない、という話なのでネタバレはしない様にしますが、本作(およびシリーズ)でモヤモヤと残った謎や疑問の大半は、最終作で答えは出るようになっています。
まあ、それはそれとして「なんでそれがそうなる!?」みたいなところや、ベアトリス周りの説明が少なすぎる!な部分は出てきますが。
まったく余談ですが、ナイトメアとソリチュードの3DCGムービーを作成された方は、NHK「みんなの歌」の90年代後半に流行った3DCGムービー(剣の舞とか)を作ったのと同じ方なんだとか。
懐かしいので購入してみたい、とは思うけれどWin7(32bit)までしか対応については明記されてないのが、二の足を踏ませる……。
「みんなのうた」じゃなくて「音楽ファンタジーゆめ」だった……。
>タイトル
「第4段」になっております(こっそり)
マウスオペレーションに最適化してあるのはいいですね。
90年代初頭だと、まだマウスで遊びづらいゲームが多かった気がします。
このシリーズの記事を読み返して見ましたが…グロいですね(苦笑)
雰囲気は独特で惹かれるものもあるのですが。
なんとなく怪談みたいな感じがします。
ストーリーや絵も大事ですけど、やっぱりゲームはプレイヤーが自分で選択する部分が多くないといけないのかな、と思います。
ちなみにハロルドの第一作はスイッチのリメイクでやりました。
>>1
>最終作で答えは出る
それを聞いて安心しました。そしてまたプレイするのが楽しみになりました。
まあナイトメアも精神世界での最後はどうしてそうなった?みたいな感じではありましたね。そういう若干投げっぱなしな部分があるのも、このシリーズの味かもしれません。
>Win7(32bit)
データウエスト、ゲーム事業再開もしたことだし、とりあえず過去作の現行OSでのアーカイブ化をお願いしたいですね。クラファンでやるんならお金も出しますしw
>>3
>第4段
見出しで大々的に誤字っててワロタ、直しておきましたw
>マウスで遊びづらいゲーム
そうなんですよね、特に最初キーボード対応だったゲームが基本マウス付属機種に移植されたりすると、無理矢理のマウス対応させてしまって逆にストレスとかありましたね。
>ハロルドの第一作
「殺人倶楽部」ですかね。刑事のJBハロルドが主人公なのに、ほぼこの作品しか「管轄内での事件」じゃないっていうねw