隠者の迷宮 B36
発売年:1991年
開発元:フェアリーテール
ジャンル:アダルトアドベンチャーゲーム
発売機種:PC-98、PC-88、MSX2、X68000など
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「ドラゴンシティ X指定」とは
「ドラゴンシティ X指定」は、1991年に「殺しのドレス」や「狂った果実」でお馴染みの「フェアリーテール」より発売された、コマンド選択式アダルトアドベンチャーゲームです。ある朝、主人公が目を覚ますと、自分のアレを見知らぬ美少女が愛撫していた!という健全な男子ならば一度は夢に見るようなシチュエーションシーンでいきなり始まるのが印象的な作品でした。
男性の夢が作り出した欲望と幻想の世界「ドラゴンシティ」。そこに住む女性達は皆、男性を喜ばせるための教育を受けて、日々男性の欲求に応えるため務めているという。しかし、女性こそ至高であり男性は排除すべき存在だと主張する組織が反乱を起こしたため、ドラゴンシティは今危機に瀕しているというのだ。
主人公のアレをナニしていた美少女「真理子」は、そのドラゴンシティを統べる支配者「セシール」の使いとして、ドラゴンシティの危機を救える体力と精力に長けた精戦士(つまり主人公)を迎えに来たのでした。という、実にエロゲらしいさっぱりとしていてオープンな好感の持てる(?)ストーリーの作品ででしたね。
システムはコマンド選択式ADV
本作は「コマンド選択式」のAVGとなっていて、画面の下にその場面で実行できるコマンドが表示されるので、最初に実行する「動詞」、次に実行の対象となる「名詞」を選択してコマンドを実行していくというのが基本になります。コマンドの種類はゲームの進行(フラグ立て)によって多少増えますが、基本的には多くないので行動に迷うことはほとんど無いでしょう。
ただしまれに、過去のヒントから暗証番号を数字で入力する場面や、選択肢がビックリするくらい複数表示される場面もあります。暗証番号は解らないとそれ以上ゲームを進めることはできませんが、選択肢についてはぶっちゃけ何を選んでもゲームオーバーになったり、ハマリ状態(ゲームが進行できなくなる)になるということはありません。
また本作には「フェイクの選択肢」というのが結構あり、これが結構プレイヤーを困惑させてくれます。例えばある登場人物から丁半勝負を吹っかけられ「丁か半か?」の2択を迫られるのですが、何を選んでも勝負が最初から決まっている(丁を選択したら必ず半になって負ける)など、プレイヤーに何かを考えさせるように仕向けておきながら、何を選択しても結果が決まっている結果に意味が無いというのには、ちょっとイラッとさせられます。
その最たるものが、後述するラストダンジョンでしょうね。
「アレ」が無かった時代のエロゲ
さて本作は「エロゲ」であり、健全な男子がこの作品を買う目的は「ひとつ」なわけですが、そういう意味において本作は非常に適しているといえます。何しろとにかく登場する美少女の数が多く、しかも面倒臭い手順などほとんど無しにエッチできてしまうのですから助かります。その上、美少女達のクオリティもなかなか高いので文句なしです。
また恐らく今の若い人が聞いたら驚くかもしれませんが、なんと本作はエロゲでありながら
全編モザイク無し
だったんです。もちろん局部描写もアリでですよ?さすがにそれらの画像は載せられませんがw
とはいえ、時代が時代ですから荒いドットではそれほど明確に描画もできませんでしたし、局部のどアップとかはさすがにありませんでしたから、それほど騒ぐようなものではありませんし、今見るとむしろここはモザイクがあったほうがもっとイイかも?と思うような場面もありましたが、それでもあの時代のパソコン男子にとっては刺激の強いレベルでした。
ダンジョンの”ダ”は蛇足の”だ”
本作は平たく言うところの「抜きゲー」としては結構レベルの高い作品であり、ゲームの進行もほとんどつまるところ無くすいすい進めるのでストレスも無い比較的良い作品といいたいところではあるのですが、何もかもを最後の最後で台無しにした感がありました。それが「ラストダンジョン」です。本当にこれだけは、許せないレベルでしたね。
というのは、ゲームを進めていき反乱組織の本部に親玉に会いにいくと、画面が擬似3DダンジョンRPGのようになるんです。そして選択肢に「左/前/右」と出てくるので、これを見たプレイヤーは「お?ここからダンジョンRPGにでもなるのか?」と人によってはマッピングの準備を始めると思うんですよね。しかし、1歩進んだだけでプレイヤーの顔には不安の色が浮かぶことでしょう。
まず第1に、一歩あるく度に画面が切り替るのに結構な時間がかかるんです。過去に私が経験してきた描画の遅いダンジョンRPGのどれよりも遅いんです。もう遅いってレベルじゃありません。そして第2にコマンドに「前」はあっても「後」が無い、じゃあ右か左で方向転換して後ろを向くのかと思えばそれもできないんです(右と左に移動するだけ)。だからひたすら前か右か左に進む以外に方法が無い…。
そんなんでマトモにダンジョン探索できるはずが無い!って誰だって思いますよね?そうなんです、このダンジョンマトモじゃないんです!なにせ1歩ごとにランダムで道が作られるので、例えば曲がり角をずっと右に曲がり続けても元のルートには戻れない。つまりマッピングしても意味が無いんです。
じゃあどうやってクリアするのかというと、ただひたすら一定歩数(数えてないけど最低でも100歩以上は歩く)進み続けるしかないんです。しかも1歩ごとに画面の切り替りを長時間待つのですから、これは苦行です。ホントに当時の製作スタッフに聞きたい。
なんでこんな仕様にした!?
今までの良かったものが、ここで全部ぶち壊されたよ?
《最後に》無かったことにされた作品
さて最後になりますが、本作のゲームエンディングの最後で続編が制作されているとのメッセージが表示されます。続編があるのだったら、是非あのダンジョンだけは2度とやらんでくれと思うのですが、結局続編は作られることはありませんでした。いや、それどころかこの「ドラゴンシティ X指定」という作品そのものが、
存在を無かったことにされてしまったのです。
というのも、一定年齢以上のかつて青少年だった人たちにはお馴染みの、あの悪名高き「沙織事件」が発生してしまったため、事件の元となった作品「沙織 -美少女達の館-」と発売時期が一緒だった本作は、メーカーにより自主回収され、さらにメーカーの製品一覧からも抹消されてしまったのでした。
うーん、ラストダンジョンには腹が立ったけど、あんな事件での余波を受けて登録抹消までされたというのは、やっぱり可哀想な感じはしますね。ちなみに今でもエロゲのパッケージには「18歳未満お断り」という銀色の丸いシールが貼られているはずですが、これが貼られるようになったきっかけも、この沙織事件の影響によるものなんですよ?
≫EXIT
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コメント
興味が出たので調べてみたところ、ラストの「X指定」パート2は沙織のことだという記事がありました。つまりドラゴンシティの二作目ではなく「X指定」シリーズの二作目という意味らしいです。
事実沙織のパケやタイトルにはX指定ブランドと記載されていますね。
>塩味さん
確かに沙織のほうが後に発売されているんですけど、沙織との間に「校内写生」を挟んでるんですよね。その辺でどうなのかとも思ったのですが、まああれはゲームといえるのか微妙だし原作モノだから、純粋なX指定ブランドの2作目という意味でそうなのかもしれませんね。