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『ハイドライド』アクションRPGというジャンルを確立した歴史的名作RPG!【勇者の塔08F】

勇者の塔 8F
No.0017

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いらっしゃいませ!

フロア案内役の”管理人”じゃ。
今回は、今でこそ当たり前のように存在している「アクションRPG」というゲームジャンルを確立した名作「ハイドライド」の案内をするぞい

観覧者の”謎の妖精”よ。
今じゃ殆どのRPGが、アクションRPGってジャンルにに当てはまる時代よね。そのジャンルを築いた作品。興味があるわね

この記事は、以前書いたものを再編集し書き足しを行ったものです

「ハイドライド」とは?

基本情報

タイトルハイドライド
シリーズハイドライド
ジャンルアクションRPG
発売年1984年
発売/開発T&Eソフト
発売機種:PC-8801、X1/turbo、FM-7/77、FM77AV、MZ-2000/2200/2500、MSX、MSX2、PC-6001mkIIなど
前作:なし
後作:ハイドライドⅡ SHINE OF DARKNESS
※使用している画像は指定が無い限りPC-88版のものです

仕様が異なるのでここには含めておらんが、ファミリーコンピュータ用で「ハイドライドスペシャル」、セガサターン用に「バーチャルハイドライド」なんて作品もあったぞい

バーチャルなハイドライドとは…

本記事を読み進める前に…

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ストーリー

人と妖精が共存する異世界の王国フェアリーランド。

この国では3つの宝石(賢者の石)の力によって平和が保たれていたが、悪い心を持ってしまった一人の人間により宝石(賢者の石)の1つが奪われ、力の均衡を失ったことで、封印されていた悪魔バラリスが覚醒する。

王国はバラリスの魔力により崩壊し、国中には怪物がはびこり、王国のアン王女も呪いにより妖精の姿にされていずこかへ連れ去られる。

そんな中、ジムと名乗る勇敢な若者が立ち上がる。

アクションRPGとは

本作「ハイドライド」は、アクションRPGのジャンルを確立した作品と言われているのだが、ハイドライドの説明に入る前にそのアクションRPGというものについて簡単に話しておきたい。

アクションRPGの概要

「アクションロールプレイングゲーム(以下:ARPG)」とは「RPG」の派生ジャンルの一つで、アクションゲームの「リアルタイム性」と、RPGの「成長要素」を組み合わせたゲームジャンルを指す。RPGのようにターン制になっていないため瞬時の判断と操作を求められる場面が多いが、逆にそれが得意なプレイヤーであれば通常より低レベルでもクリア可能な作品も多い。

ARPGというジャンルの代表作としては、まさに今回紹介する「ハイドライド」及びそのシリーズ、または「イース」シリーズや「ゼルダの伝説」シリーズなどが挙げられるが、今現在でもARPGに該当する作品は多く登場しており、特に有名な作品としては「モンスターハンター」シリーズなどもこのジャンルの雄といえる作品である。

ARPGの源流と歴史

ARPGの源流は1984年の「ハイドライド」というイメージがあるが、実は同年ではあるがハイドライドよりも前にアーケードにて登場していた「ドルアーガの塔(ナムコ)」がARPGの源流とされており、ハイドライドの作者である内藤時浩氏は、アーケードにてドルアーガの塔を見て影響を受けハイドライドを制作したと語っている。

「ドルアーガの塔(1984年/ナムコ)」

ただしドルアーガの塔はゲームとしてのRPG的な表現がやや弱かった事もあり、そこをより明確に表現したハイドライドはARPGというジャンルを確立した作品であるといえる。ちなみにこの当時「アクションRPG」というジャンルはまだ存在せず、ハイドライドは「アクティブRPG」というジャンルを名乗っていた。

ハイドライド以降のARPG作品としては、日本ファルコムが1985年に「ザナドゥ」、1986年に「ロマンシア」などの所謂「ドラゴンスレイヤー」シリーズを発売していったが、ある意味でこのARPGというジャンルを完成させたのは、同じく日本ファルコムが1987年に発売した「イース」であったと言えるだろう。

「ドラゴンスレイヤー」はARPG?

「ドラゴンスレイヤー(1984年/日本ファルコム)」

さて先程「ドラゴンスレイヤー」シリーズの話が出たところで、あれ?「ドラゴンスレイヤー」って1984年にハイドライドよりも先に発売されてたよね?あれはARPGじゃないの?と思った方もいるかもしれない。確かにドラゴンスレイヤーはARPGと言われることもあるが、厳密に言うと制限時間付きのターン行動制なので、ハイドライドやイースとは違う「ROGUE」に近いジャンルの作品と言える。

こうして見ると、アクションRPGの黎明期はT&Eソフトと日本ファルコムによって支えられてた感があるわね

そうじゃな、あとナムコもアーケードで「ドルアーガの塔」の後に「イシターの復活」を出して支えておったぞ

ハイドライドの概要と特徴

ではここから本作「ハイドライド」という作品について、その概要や主な特徴について話していこう、

ハイドライドの概要

本作「ハイドライド」の目的は、フェアリーランドの何処かにある悪魔バラリスを倒すのに必要な3つの宝石を回収し、アン王女がバラリスの呪いで姿を変えられた3体の妖精を見つけ出し、最終的に悪魔バラリスを倒すことにある。しかしゲーム開始時の主人公「ジム」はまだ弱く、とてもバラリスを倒すことできない。

プレイヤーはそんなジムを操作して、フェアリーランドに巣食う魔物を「体当たり」で倒しながら経験を積ませ、ジムを成長させながら各地を巡って宝石や妖精を見つけ出しバラリスの討伐を目指す。という内容のアクションロールプレイングゲームである。

画面構成と説明

本作の画面構成は、左側に大きくフィールド画面があり、ここに地上やダンジョンの様子が描かれその中でジムや魔物が動き回るようになっている。画面の右側にはLIFE、STR、EXPと書かれたゲージがあり、これは現在のジムの状況により常に変化、その下には様々な情報が表示されるエリアもあった。そして画面下にはジムが手に入れた宝物、さらにジムが助けた妖精が表示されるようになっている。

フィールド画面は切り替え式

本作のフィールドは地上マップで5×5画面の広さがあり、各画面間の移動はプレイヤーがジムを画面の端から先に進ませようとすると、画面が次のマップに切り替わり、画面の反対側からジムが現れるという「画面切り替え式」になっている。この画面切り替え式は画面先の様子が把握できず、次の画面に切り替わった瞬間に目の前に敵がいて、プレイヤーが状況を把握する前に攻撃されるといった事故が起こりやすい。

確かにこの切り替わり方は、ちょっと危ないわね

ただ画面が切り替わりさえすれば、敵が追いかけてこないというメリットはあるんじゃよ

ちなみにフィールドにはいくつかの城やダンジョンの入り口が存在しているが、RPGにつきものの「町」は存在せず、またNPCもどこにいっても見当たらない。さらに中に入れる城についても中は魔物に占拠されている為、まるで人類が滅び荒廃した世界のように感じられるフィールドになっていた。

シンプルな操作方法

本作の操作方法は非常にシンプルで、テンキーでジムを上下左右斜めに動かし、スペースバーで「DEFENDモード」と「ATTACKモード」というジムの状態を切り替える、ただこれだけであった。ちなみにジムは通常がDEFENDモードであり、スペースバーを押している間だけATTACKモードを維持し、離すとDEFENDモードに戻る(機種によってはスペースバーを押すたびにモードが入れ替わるものもある)。

2つのモードの違いは、DEFENDモードは敵からのダメージを殆ど受けなくなるが、一方で敵へダメージを殆ど与えられない。ATTACKモードは敵へダメージを多く与えられるようになるが、一方で敵からのダメージを多く受けてしまうようになる。DEFENDモードでも敵に若干のダメージを与えられると言うのがミソで、後半はこれを利用しての攻略も必要になる。

操作方法に関連して言うと、本作はアクション(アクティブ)RPGの名に相応しく、アクションゲームとして当時のパソコンで発売されていた他のアクションゲームと比較しても、かなり快適にストレス無く遊べるようになっていた。

戦闘システムは体当たり!

本作では画面上の魔物にジムで体当たりをする事で、魔物に攻撃を仕掛けることができる。攻撃を仕掛けると情報エリアに魔物の名前と姿、そしてLIFEゲージが表示され、攻撃がヒットすると敵のLIFEゲージを減らすことができる(減らす量はジムのSTRによる)。そのまま体当たりを続けて魔物のLIFEゲージを0にすれば勝利となり、経験値を獲得、画面のEXPゲージが上昇する。

ただ攻撃時には逆にジムの方のLIFEゲージが減る場合もあり、そのまま戦闘を続けてジムのLIFEゲージが0になるとその場でゲームオーバーとなる。本作には宿屋や回復アイテムなどは存在せず、減ってしまったLIFEゲージは立ち止まっての自然回復に頼る他ない。自然回復のスピードはジムが立っている地形に依存し、草原が最も回復が早く、水中などでは逆に徐々にLIFEゲージが減っていく。

また戦闘については、戦闘を有利に進める攻略法なども存在していたが、それについて詳しくは後述する。

EXPゲージが満タンになると?

戦闘を繰り返してEXPゲージを上昇させていきEXPゲージがいっぱいになると、ジムはレベルが1上がりLIFEゲージの最大値とSTRゲージがそれぞれ10上昇、EXPゲージはまた0に戻る。「レベルが上がり」とは言ったが本作には「レベル」の概念がなく、LIFEゲージの最大値がいくつかがレベルに変わる基準となっている。ちなみにLIFEゲージの最高値は100となっていた。

魔物を倒して得られる経験値については、倒した魔物と現在のLIFEゲージ最大値によって変化する。例えば最初の標的となるスライムは、LIFEゲージ最大値が10の時は経験値を2点貰えるが、最大値が20になると1点しか貰えなくなり、30以降は経験値が貰えなくなるという感じだ。その為レベル上げを行う際には、今のLIFEゲージ最大値で適正な経験値を貰える魔物を探す必要がある。

ちなみに最大値が90になると経験値が貰える魔物が殆どいなくなってしまう為、実質的にはLIFEゲージの最高値は90であり、機種によってはバラリスを倒す事で100になるものもあった。

ゲーム進行のキモとなる宝物

ところで、本作にはRPGではお馴染みの「お金」というものが存在していないので、魔物を倒してもお金が手に入るということは無い(仮にお金が手に入ったとしても町も無いしNPCもいないので使い道が無い)。しかしお金とは別のものでRPGでお馴染みの「宝物」というものは存在しており、本作ではこの宝物を集めていくというのが、ゲームの進行に大きく関わっている。ただこれについては、色々と問題(?)があるので、それについて詳しくは後述する。

様々な機種で発売されたハイドライド

本作「ハイドライド」は、最初に発売されたPC-8801版に続き、X1、FM-7、MZ-2000、MSX、MSX2、PC-6001、PC-9801など当時の様々な機種に移植され発売された事も大きな特徴である。また移植の際には機種の仕様に合わせてゲームの仕様や表現も微妙に変わっており、代表的なところでは、X1の画面切り替え式から画面スクロール式になった事や、FM-7の他機種にはいないオリジナルの隠しキャラの出現などがあったほか、一部ゲーム進行に必要となる手順が機種によって違うということもあった。

想像力を掻き立てられるパッケージイラスト

では最後の特徴として、本作のパッケージイラストについてちょっと話そう。個人的に本作のパッケージイラストは本当に素晴らしいというかセンスが溢れていると思っている。物語としては、選ばれた勇者がドラゴンや悪魔バラリスを倒してアン王女を救い出すと言うものだが、そうなると必然的にパッケージイラストのデザインはある程度想像できてしまうだろう。

ところが本作のパッケージイラストには、幻想的な風景をバックに1体の妖精が空を彷徨っている様子が描かれており、この妖精はアン王女がバラリスによって姿をかえられた3体の妖精のうちの1体と思われる。ゲーム中で3体の妖精は、どこかに隠れていたり魔物に捕まったりしているので、恐らくこれはバラリスから姿を隠そうとして彷徨っている妖精を描いたものなのだろう。そう来たか!という感じである。

また風景に描かれた空は、半分が闇に覆われ半分が光に溢れている。これはバラリスによってフェアリーランドが闇に包まれようとしている事を表しているのか、あるいはジムという勇者が現れた事で闇から光が現れたことを表しているのか、などと妄想も溢れてくる素晴らしいイラストである。

といったところで、ここまでがハイドライドの概要と主な特徴じゃな。ここからはハイドライドの戦闘に関する攻略法や、ハイドライドに登場する宝物について話していこうと思う。ここからまた長いので休憩などを挟んでおくれ

コーヒーブレイク!

3

コメント

  1. 通りすがり より:

    これは微かに記憶あるなー。トモダチに借りた記憶がある。
    T&EソフトだとDIVA(ディーバ)ってソフトあったけど、それはフォーキャストしないの?

  2. ソンゴスキー@れとろげ より:

    ディーヴァも懐かしいですね。一応全機種分持ってるのですが、なかなか説明できるほどやり込めていないので…。
    いつかは取り上げようと思っています。

  3. etc. より:

    >ARPGの元祖…
    拝読いたしました。大変わかりやすい記述ありがとうございます。
    私は、ハイドライドのⅠおよびⅡはFM-new7(テープ)版でプレイしました。やはりノーヒント&ノーガイドは当時もつらいものがあります。
    T&EさんだとこのRPGでもAVGでもノーヒントの信念は貫かれているような気がします。後年の作品で「ルーンワースⅡ」で最初何をやっていいのかわからないんですよ。そうしたら、ある雑誌の記事でN13とよぴかぱくんとの対談で「マニュアル末の漫画に当初の行動指針が描かれている」と述べておられて、わかりにくいわと心の奥底で叫びました。

  4. 名無しの冒険者 より:

    たしかにこのパッケージ絵は、他のファンタジーRPGとは違う感じがしました。
    派手さや一目で内容を理解させるようなものはないのですが……。
    ドラゴンスレイヤー、夢幻の心臓などは、勇壮な戦士と怪物が主流だった中、儚さを感じさせる妖精のイラストは印象深かった記憶があります。
    思えばこのころのファンタジー題材にした映画とかも、タイタンの戦い、ディズニーのドラゴンスレイヤー、コナン、エクスカリバーとかファンタジーといえば筋肉とばかりに、マッチョさを前面に押し出してたような。
    D&Dとかも「ドラゴンと戦士」が表紙だったわけだから、結構な英断だったのかもしれませんね。

  5. ソンゴスキー より:

    >>4
    ゲームのパッケージは、見た人にゲームのイメージを伝える最初の手段ですから、わかりやすいイメージのほうが適しているともいえるんですが、ハイドライドのパッケージイラストは「パッケージも作品の一部」という感じが伝わってくるものでした。あと「イース」なんかはゲームのパッケージそのものが「イースの書」になっているという素晴らしいものでした。この2つのパッケージを考えた人は本当に凄いし、採用したほうも英断だったと思います。

  6. ソンゴスキー より:

    >>3
    お褒め頂きありがとうございます。とても嬉しいです。
    やっぱり全体のボリュームがあの時代は限られてしまうんで、プレイ時間の水増しに長いレベル上げや金策、そしてノーヒントノーガイドの謎解きはやむを得ない時代だったんですね。マニュアルの漫画にヒントというと「ロマンシア」なんかもそうでしたね。

  7. 名無しの冒険者 より:

    ハイドライドの紹介記事、楽しく読ませていただきました。
    当時のゲームって確かに難解な部分も多かったですが、雑誌のレスキュー記事とか、ゲームに付属の紙製マップとかガイドとか、ヒント券なんかもあって、ゲーム以外の場所にけっこう豊富にヒントがあったんですよね。
    ハイドライドをクリアしたのはIIが出た後くらいなんですが、そのときには3番目の妖精が難しいのはすでに「有名」になってたように思います。
    自分はアドベンチャーゲームも大好きでしたが、ヒント券を使ってクリアしたものもけっこうありますし、当時はそういう文化的な要素もふくめてゲームを楽しんでたように思います。

  8. ソンゴスキー より:

    >>8
    インターネットが普及するまでは、ベーマガとかの雑誌に載ってる攻略やQ&A、あとは同じ学校のゲーム上手い奴とかが情報源でしたね。私もゲームに詰まって、ベーマガのQ&Aコーナーにハガキを出しましたが不採用でしたw
    今考えると不便極まりないですが、それはそれで充実したゲームライフだったのかなとも思ったりします。

  9. あきら より:

    おお、いつの間にかこっちにも妖精ちゃんが登場している!
    ハイドライド四人目の妖精でしょうか(笑)
    プロジェクトeggのサイトを見たところ、「ザ トリロジーズ」というディスク版のゲームセットが発売されるみたいですね。スターアーサー伝説、ハイドライド、夢幻の心臓、ルーンワースの各三部作セットです。ちょっと高いですが、ディスクを所持してオフラインでできる(多分)のは嬉しいかな~。
    ひとつお聞きしたいのですが、画面の表示モードはどうなっているのでしょう。このサイトの画面写真だと、元の画面が640×200でも、640×400にしてある感じなのですが。それだと色がきつくて眩しくないですか?良かったら教えてください。

  10. ソンゴスキー より:

    >>10
    やはりフェアリーランドってくらいですから、妖精さんは登場しないとねw
    表示モードは、所謂偶数ラインの表示ってやつですかね?エミュレータにもよりますが、設定があるものについては表示にしています。確かに明るい感じもしますが、個人的に暗い画面だと遊ぶ時はまだしも、プログの画像にしたりサムネイルとかにしたりすると見にくくなっちゃうので…

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