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『ハイドライドII』超難易度?!アクションRPGの金字塔「ハイドライド」の続編登場!

レベルの概念と坊主との殴り合い

レベルで変わるのはLIFEだけ

敵を倒してEXPを得て、EXPゲージを満タンにすると主人公が成長する、という部分では本作も前作も同じなのであるが、実は成長部分については違う部分が存在している。まず前作には無かった「レベル」の概念が追加され、EXPゲージが満タンになる事でレベルが1上がるようになった。また前作では最大でも10段階までしか成長しなかった主人公だが、本作ではレベルで20まで成長するようになっている。

また前作では獲得経験値がLIFEの最大値により大きく変動し、結果的にEXPが100溜まると一段階成長したが、本作では獲得経験値は前作ほど変動しないが、レベルアップに必要にな経験値の方が成長する毎に多くなるように変わった。さらに前作では成長するとLIFEの最大値とSTRが上昇したのだが、本作ではレベルアップしても表面上のステータスで上昇するのはLIFEの最大値のみで、STRも新たに追加されたMAGICも上昇しないようになっている。
※コマンドウィンドウのステータスで確認できるものであれば、A.C.がレベル毎に+5される

では成長しないSTRとMAGICはどうしたら成長させられるのか。MAGICについてはこの後説明するが、STRについてはゲームスタート時の町中にある寺院に行き、一回3,000GOLDを払うことで「修行」を行い、その結果によりSTRを成長させる事ができる。

STRアップは坊主殴りゲーム

寺院で修行を始めると、画面に主人公と思わしき男と坊主が向かい合わせに立ち、お互いファイティングポーズでステップを踏み始める。ここでスペースバーを押すと主人公がパンチを出すのだが、坊主が頭を前に出したタイミングと合えばパンチがヒットし、坊主の下にあるゲージが1減る。しかしタイミングが悪いとパンチはかわされ、逆に坊主のパンチをくらい主人公の下にあるゲージが1減る、というボクシングゲームが始まるのである。

先に坊主のゲージを0にすれば勝利となり、引き続き修行を行う事ができる(無料)。最終的に勝った回数によってSTRが上昇するが、負けて終了となった場合は上昇するSTRは1/4まで減らされる。勝ち続けると坊主も強くなり、こちらがパンチを当ててもカウンターでこちらにもパンチ当ててくるようになる為、勝利するには一回もミスが許されない厳しい状況になっていく。

これちょっと難しいすぎじゃない?全然パンチが当たらないんだけど!

ProjectEGG版で遊んでいる場合は「描画速度」を”自動”にしていると、パソコンによっては坊主の挙動がおかしくなり、タイミングが読めなくなる可能性があるので注意じゃ

ちなみに修行はSTRが100を越えるまでは、またGOLDさえ払えば何度でもチャレンジできるうえ、再チャレンジの際は難易度がまた初期状態まで戻るので、余り欲張らずに3回勝ったら修行を止めて、またお金を貯めてから再チャレンジというのを繰り返した方が良い(事前にセーブして、3回勝てなかったらロードしてやり直せばGOLDも無駄にならない)だろう。

シリーズにおける「魔法」の登場

14種類の魔法が登場

FORTHと並び本作の大きな特徴として、新たに「魔法」の存在が追加された事があげられる。魔法は全部で14種類あり、ゲーム開始時には全く覚えていないが、主人公のレベルが上がると徐々に覚えていき、レベル17で全ての魔法を覚えることになる。魔法は攻撃系魔法のATTACK(5種)、デバフ系魔法のDEFEND(5種)、回復・移動系魔法のCAMP(4種)に分類され、それぞれ使い方が異なる。

ATTACKとDEFENDの魔法は、5つの魔法がファンクションキー(F1〜F5)に対応しており、主人公のモードがATTACKの時にキーを押せば対応したATTACKの魔法、DEFENDの時にキーを押せば対応したDEFENDの魔法が使用できる。またCAMPの魔法は、コマンドウィンドウのCAMPから時用できた。ただし魔法の使用にはそれぞれ消費MAGICが決められており、主人公のM.Pがそれに足りない場合は使用できない。

MAGICアップはお金で解決

実はこの消費MAGICがなかなか問題で、魔法の消費MAGICは最低のものでも5、最大なら64と全体的に高い。しかも主人公のM.Pは、キャラメイク時に割り振ったMAGICの値なので精々10あるかないか、なので一番消費MAGICの低い魔法を一回撃てば打ち止め、M.Pは自動回復するので待っていればまた撃てるが、それでも消費MAGICの高い魔法はどうやっても使用できない。

主人公のMAGICは前述の通りレベルアップでは上昇しない為、普通にプレイしていると魔法はどんどん覚えても使えるのは最弱の攻撃魔法か毒消しの魔法程度になってしまう。そこで登場するのがとある町にある魔法屋だ。ここではGOLDを支払うことで主人公のMAGICを上昇してくれるのである。支払うGOLDは現在のMAGICにより変わるが、さらに店に入るたびにも金額が若干増減するので最安値を狙いたいところである。

魔法は主力にはならない

さて、GOLDさえ払えばMAGICは増やせるとは言うものの、最安値を狙っても一回の金額は安くは無いし、増やすたびに支払うGOLDもどんどん増える。そうでなくても序盤から中盤まではやれランプだオイルだ防具だと買わなければいけないものも多く、また前述のようにSTRの修行にもお金がかかるので、ばんばんMAGICを増やすような余裕は無い。

そうなるとMAGICについては、ゲームの進行に必須となるSEARCHの魔法が使用できるだけのM.P35を最低限確保するのが先で、後は金銭的に余裕ができてきたら徐々に増やして行く感じになるだろう。従って本作には魔法という新たな要素は登場したものの、魔法をとにかくバンバン使って戦えるようなゲームにはならず、必要な場所で必要な魔法をチョイスして使用するゲームとなっている。

敵は頻繁に動くから遠くからだと当てにくいし、使用回数制限も厳しいんだとあまりこのゲームで攻撃魔法の利用価値って少なそうよね…

そこが反省点になったのかはわからんのじゃが、次回作の「3」では攻撃系の魔法は撤廃されておるのう。まあ無制限に撃てる遠距離武器も追加されておったし尚更じゃろう

本作の「難易度」はどのくらい?

本作は「超難易度」なRPG作品として有名であり、当時ある意味ではプロゲーマーとも言えた有名ゲームライター「山下章」氏に、解けるものなら解いてみろとT&Eソフトから挑戦状を送る企画が雑誌上で行われたほどである。本作のどこが原因でそこまで言われるようになったのか、個人的にその原因だと思われる部分をいくつか挙げてみよう。

システム面での難易度向上

まず戦闘に関して、前作で非常にお世話になった「半キャラずらし」が使えなくなり、プレイヤーに有利な戦闘ができなくなった。また攻撃時に「攻撃失敗」という判定が追加され、更に敵のLIFEが少なくなるとダメージが通りにくくなるという謎仕様も追加されて、一回の戦闘が長引くようになった。戦闘が長引くと当然敵の反撃も受けやすくなるので、必然的に戦闘の難易度が上がったと言える。

探索面では、本作でも地上やダンジョンを巡って探索を行い宝箱を見つけてゲームの進行に必要なお宝をゲットしていくのだが、まず問題として全ての宝箱が見えなくなってしまっている。前作でも何かをする事によって見えるようになる宝箱はあったが、本作では例外なく宝箱は見えない。また本作からはダンジョンも多層構造になったので当然階段を利用するのだが、その階段も見えない。どちらもその場所に着いて初めて存在に気がつくのだ。

この辺の仕様は体力回復のREINFORCEや、隠されたものを暴くSEARCHを使わせて、魔法に存在意義を持たせる為だろうと理解はできるが、前述の通り魔法は大金を払ってMAGICを買わないとまともに使えないので、序盤の探索でこの仕様は結構厳しい。

話を聞いていると、防具とかSTRの修行とかよりも、MAGICの確保を優先する方が大事な気もしてきたわね

REINFORCEに過度な期待を持てるほどの回復力は無いが、ひたすら自然回復を待つよりは遥かにマシじゃろうな、SEARCHが使えるだけのM.Pを確保していれば2回回復できるしのう

謎も仕掛けも難易度向上

文字の存在しない世界だった前作から変わり、本作には会話ができるNPCが登場した事で、一転して文字が存在する世界に変わった。文字が存在するということは、ハイドライドの難易度をあげていた「謎」についても情報やヒントが得られ遊びやすくなる!解きやすくなる!と思ったが、蓋を開けてみたら意外にそうでも無かった。

確かにNPCとの会話はできるようになったが、前述のように相手も兎に角あちこち動くし、しかも真正面から話しかけなければ反応してくれないので、NPCから情報を集める事からして既に難易度が高い。しかもせっかく話しかける事に成功しても無意味としか思えない言葉が返ってくる事が殆どで、ごく稀にしかゲームに関するヒントが貰えない。せめて側面や背面から話しかけても反応してくれたら良かったと思うのだが。

はまち!

…急に何?

仮になんとかNPCから情報を集めてもその情報が漠然としすぎていて、後から謎がわかれば「そういうことか」と思えるというレベルであり、正直その情報だけを頼りに探索できるほどではない。実際に「デュアルダンジョンに気をつけろ」と教えてもらったところで、デュアルダンジョンが何かもわからないし、何をどう気をつければいいのかは全くわからない。しかし実際にデュアルダンジョンが何かわかれば「ああ確かに気をつけないと…」とはなる。

それでもヒントがあるだけまだ良いほうで、作品の中にはヒントも用意されていない謎やダンジョンの仕掛けなどが多数存在し、まずどうやって気付くんだよそんなやり方と思わざるを得ない理不尽なものもある。さらには引っかかったらまず死ぬしかないようなトラップや、やり方次第では進行不可になってしまう鍵の使用順などの問題もあった。加えて、後半は敵もこちらを状態異常にするような魔法をあちこちから使ってくるので、まずもって落ち着いて謎に挑むことができないなど、本当に精神が磨り減るような難易度のゲームだったと言えるだろう。

《最後に》ゲーム界で恐竜的進化した難易度

最後になるが本作「ハイドライドⅡ」は、ここまで話してきたように前作から大きな進化を遂げた。キャラメイク方式になり、パラメータは増え、舞台となる世界は広くなり、グラフィックも綺麗に、町で武器防具アイテムの購入が可能になり、それらの任意での装備や使用、NPCとの会話による情報収集、善悪の概念、そして魔法の追加などなど、前作に比べて格段にプレイヤーが「出来ること」が多くなった。これは前作を遊んだ人には、ワクワクが止まらないほど素晴らしいことだっただろう。

しかし、あまりに難易度が高すぎたのではないか?本作に触れてみるとどうしてもそう考えてしまう。だがこれは「悪」ということではない、一言で言えば「そういう時代」だったのである。本作のジャンルであるアクションRPGだけでなく、普通のRPGにしてもまたアドベンチャーゲームにしても、兎に角難しいのは当たり前で、ゲームを購入してクリアできない人がいるのも当たり前。難易度が理不尽なほど高くて、選ばれたものしかクリアできない、そんな作品ほど「凄い」作品という認識が少なくともあった時代だったように思う。

これは当然ユーザーにも問題はあったろう、例えば前作「ハイドライド」をクリアした人がその続編である本作を遊んだときに、それが前作よりも簡単でヒントに溢れ誰でもクリアできてしまう作品だったらどう考えただろう。恐らく「簡単で良かった」などとは思わないで「つまらなかった」と評価するだろう。それが予想できるから、製作する側も前の作品よりより難易度高く、理不尽な部分もより多く、そういう「難易度の恐竜的進化」をせざるを得なかったのではないか。

その最たるものが「ロマンシア(日本ファルコム/1986)」じゃろうな

出たわね鬼畜ゲーム!

そんな「難易度の恐竜的進化」が続く中で登場したのが、言うまでも無くアクションRPGの歴史的名作「イース(日本ファルコム/1987)」だ。この作品は、プレイヤーに「ゲームをクリアしてもらう事」を意識して作られた作品で、「簡単ではないが、頑張ればクリアできる」という絶妙な難易度に作られており、解くべき謎やすべき事も、会話劇のようなNPCとのやりとりのおかげで、難しく考えなくてもなんとなく解ることができた。本当にこれまでのゲームの常識を破った作品だったのだ。

この話は「ハイドライドⅡ」の話なのになぜそんなにイースの話を出すのかというと、最初に本作になってプレイヤーの出来る事が格段に増えたという話をしたが、個人的にハイドライドⅡは一足先にイースになれるポテンシャルを十分に持っていたように思うからだ。そうならなかったのは、難易度の恐竜的進化を止められなかったからだろう。それは責める事でも責められる事でもない「そういう時代」だっただけだとも思うし、ハイドライドⅡやロマンシアがあったからこそイースが生まれたという事もひとつの事実だろうから。

もしハイドライドが「優しさ」に舵を切っていたら…どうなっていたのか?歴史にIFは無いというが、こういうブログをやっているとそういう歴史の分水嶺を考えてみたくなってしまうものである。

遊びたくなったら?

もし今回の記事を読んでハイドライドに触れてみたい、またハイドライドを遊んでみたいと思った方は、以下のサイトを参考にして欲しい。

パソコン版

プロジェクトEGGではPC-8801版を始め、FM-7版、MSX版が配信されており、様々なハイドライドⅡを楽しむ事ができる。また昔Windows版として発売された「ハイドライド1・2・3」なども配信されている。

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. 名無しの冒険者 より:

    難易度とともに驚きの全〇〇画面!!アイテム〇〇個!!モンスター〇〇種類!!とまあ、物量の凄さを強調する時代でもありましたね。
    我々もそれをすげーすげーと喜ぶし、雑誌も攻略情報の価値が上がるしである意味みんなで難易度の上昇を後押ししていたようなもの、それはそれで楽しい時代でした。
    無論今の時代に受け入れられるようなものでもないしイースによってもたらされた価値変換がすんなりと受け入れられた背景にこういった高難度化の流れに対する疑問があったのだろうと思いますが。

  2. ソンゴスキー より:

    >>1
    格闘ゲームやシューティングゲームにしても、複雑化して難易度も上がってどんどん敷居が高くなっていくのを感じたものですが、ただそれを強く望むそれを喜ぶユーザーが多くいるのも事実であり、それが悪ではないのも事実なんですよね。ゲーム業界として見るなら、寧ろ停滞することの方が悪かもしれませんし。
    色々な思いはあるかもしれませんが「そういう時代だ」と捉えてその時代を楽しむ気持ちを持つことも大事ですね。

  3. 名無しの冒険者 より:

    はじめまして。
    いつも楽しく読ませて頂いてます。
    ハイドライド2は、それなりにやりこんだので、いくつか情報提供できます。
    ・経験値について。
    「獲得経験値は変動しないが」とありますが、
    獲得経験値は(敵種族ごとの経験基本値ーマイキャラレベルの3倍)
    ですので、減衰します。
    今試した所、グールを倒して得られる経験値はレベル1だと24、2だと21でした。
    なのでグールは27です。AZERとWormは48位だったかと。
    (余談ですが、レベルアップに必要な経験値は(現在のレベル+1)x50)
    ・「レベルアップしても上昇するのはLIFEの最大値のみ」
    とありますが、ACが密かに5ずつ上昇してます。少しカタくなりますね。
    ・STR修行について
    「修行はSTRが最大値になるまでは、またGOLDさえ払えば何度でもチャレンジできる」
    最大値(126)と言うより、100を超えるまでは、が正確かと。
    極端な話、初期STR1で現在値99だと、一勝して100になるともう受けられなくなり、
    27連勝以上しても126止まりになります。
    ・「消費M.P」
    MPは魔法効果量に関する別に存在するパラメータなので、MAGICにしておいた方が正確かと。
    読んでて分かりにくくなりますが、「消費M.P」あたりで混乱を招きそうです。
    MP=MAGIC最大値+クリスタルや杖装備なので、
    該当クリスタル取得以降はMAGICと同値にならないんですよね。
    全体的にシステム上の細かい事なので、全部入れてしまうと折角のテンポの良さが台無しになります。
    ご参考程度に。
    イースに言及している部分は、お見事の一言に尽きます。
    当時の難易度のからイースの革命性まで、簡潔かつ分かり易く書かれてます。
    開発期間が数か月、ハードすら毎年新型が出ていた当時において、二年近くの発売日の差というのはとても長い期間であり、
    本作が出た頃にイースが出ていても、簡単すぎて流行らなかったかもしれません。
    どちらも時代が求めたゲームだったんだなあ、と思います。

  4. ソンゴスキー より:

    >>3
    詳しいご指摘を頂きまして、大変感謝しております。折角頂いたご指摘について、どのように現行記事に反映をさせようか考えているうちに返信と対応が遅くなってしまい申し訳ありません。記事の方には全てのご指摘について変更をおこなっております。
    今後ともよろしくお願いします。
    > イースに言及している部分は、お見事の一言
    ありがとうございます。そう言っていただけると、記事に盛り込んだ甲斐があります。

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