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『天使たちの午後II 番外編』

隠者の迷宮 B19

発売年:1988年
開発元:ジャスト
ジャンル:アダルトAVG
発売機種:PC-88など

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「天使たちの午後II 番外編」とは

「天使たちの午後II 番外編」は、1988年に「天使たちの午後シリーズ」や「エリカ」などで有名な「ジャスト」より発売されたアダルトアドベンチャーゲームです。

タイトルの通り「天使たちの午後II -美奈子-」の外伝的なストーリーとなっており、主人公こそ違いますが、登場人物や舞台は共通しています。

番外編といえば、初代「天使たちの午後」にも「番外編」とつくタイトル作品がありましたが、あちらのほうはストーリー性もゲーム性もないただの声の出るCG集だったので、前作に対して本当の意味での番外編という作品は本作が初めてとなりました。

前作「天使たちの午後II -美奈子-」において、主人公「美奈子」の憧れの先輩であり、最終的に結ばれる事になる「梢」という女性が本作のヒロイン(主人公ではない)です。

主人公はその梢の血の繋がらない義理の兄「ひろし」で、梢とひろしは義理とはいえ兄妹でありながら愛しあい、肉体関係までもってしまっていましたが、ひろしは父の事業を継ぐ修行のため5年間海外へ赴任することに。

海外赴任の前日までひろしはそれを梢に伝えるべきか悩むのですが…、というお話でした。

ようやくコマンド選択式に

シリーズの前作までは、コマンド入力式(+特定コマンドのみ選択式)のシステムとなっていましたが、本作からは完全なコマンド選択式となり、コマンド入力部分は撤廃されました。

まあこの時代ほとんどのAVGは既にコマンド選択式が主流になっていて、ずっとコマンド入力式にこだわっていた「シンキングラビット」ですらコマンド選択式になった時代でしたからね。

コマンドは基本的なものが最初に表示され、その後特定のコマンドを実行してフラグを立てることで選択できるコマンドが増えるようになっていました。

コマンド選択式になったことでゲームの進行自体は楽になったのですが、その分いわゆる”フラグ”がいたるところに設置されていて、必要な人物とはしっかり会話してフラグを立てて行かないとハッピーエンドが迎えられない仕掛けになっています。

※本作は「マルチエンディング」となっており、ハッピーエンド、ノーマルエンド、バッドエンドがある

コマンド選択式といえば、すべてのコマンドを順番に実行していくいわゆる”総当り”という戦法がおなじみですが、本作の何箇所かでは総当りで進めようとするとゲームオーバー(バッドエンド)になってしまうトラップもありました。
まあ、基本女絡みの選択ミスですけどねw

前作との繋がり

前にも言いましたが本作は前作の番外編ということで、前作の舞台となった場所や前作に登場した人物が本作にも登場しています。

例えば前作の主人公である「美奈子」は、前作で保健室に行って全裸で寝るという話がありましたが、本作でも主人公が梢の通う学校の保健室に行くと、そこで全裸で寝ている美奈子を発見するというイベントがあります。(画像上が前作の美奈子、下が本作の美奈子)

また時間軸的には、本作は前作の1日前の出来事という事になっているので、前作をプレイした人なら知ってると思いますが、この時点ではまだ美奈子は「処女」なんです。

しかし本作で主人公は美奈子ととんでもない方法で”行為”に及ぶことも可能で(完璧犯罪です)、そうなると前作と話が繋がらなくなるんですよね。いろんな意味で…。

あと美奈子以外にも、前作でトラブルの元になった杏子とは絡みのシーンもありますし、前作に登場した先生や生徒もちょい役としてなら登場しています。

結局兄も”男”なもので…

本作のメインストーリーは、愛しあいながらも別れ別れにならなくてはいけなくなった義理の兄妹の悲哀を描いた物語、という風になっています。

主人公のひろしは、ことあるごとに妹である梢への愛情を語り、彼女との未来を危惧します。が!そう言いながらこの男は、
出会う女、出会う女とヤりまくりなんですよw

学校の受付嬢から、妹の後輩、その友達にまで躊躇なく手を出し、挙句には妹のクラスメートと教室で”乱○プレイ”ですよ?「俺は妹を愛している」が聞いて呆れます。

まだ”泣けるエロゲ”なんてジャンルがちゃんと確立されていなかった時代ですから、ストーリーよりエロがなにより重要視されていたんでしょう。いや、それはメーカーを責めることではなくて、なにより
ユーザーが求めていた事
なんですからこれは当然だと思います。やっぱりエロゲは”実用的”じゃないとねw

最後に。

本作はキャラクターデザインが前作のままだったということもあり、個人的には好きだったんですよね。

なにより、このお尻のラインとか陰影の使い方とかが巧みでどストライクでした。

でも、次回作がなあ…。

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