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『グラディウス』日本を代表する横スクロールシューティングゲーム

射手の塔 22F
No.0219

発売年1985年
開発元コナミ
ジャンル横スクロールシューティングゲーム
発売機種アーケード、PC-88、MSX、X1、X68000、
ファミリーコンピューター、PCエンジン、その他多数
画像は個別に指定が無い限りPCエンジン版のものです

≫ENTER

「PCエンジンmini」に収録が新たに決まった1本

さて、またちょっと間が開いてしまったのう。

少し言い訳をするとちょっと私生活でゴタゴタがあって、さらに住んでいる部屋のブレーカーが壊れて何もしなくてもブレーカーが勝手に落ちるという真夏には命の危険すら感じざるを得ないトラブルもあり、ゆっくり記事を書く心の余裕がまったくなかったんじゃ。

まあ言い訳はそのくらいにしておいて、今回紹介するのは前回番外編でも触れた「PCエンジンmini」に収録が新たに決まった1本じゃ。正直、ゲーマーでこの作品の名前を知らないなら「もぐり」だと言っていいほど、日本のゲーム史に残る名作シューティングじゃな。

では、中に入るがよい、射手の塔 FLOOR 22 じゃ!

本記事を読み進める前に…

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「グラディウス」とは

 「グラディウス」は1985年にコナミから発売された横スクロールシューティングゲーム(以下STG)で、1981年に同社より発売された「スクランブル」を発展させた精神的続編とも言える作品(開発中のタイトルは「スクランブル2」)だ。

 実質的な続編として1986年の「沙羅曼蛇」があり、ストーリー的な続編として1988年の「グラディウスⅡ GOFERの野望」が存在する他、長年にわたって様々な媒体で続編や移植作品が作られている息の長いシリーズである。

 本作はコナミを代表するというか、「日本を代表する」横スクロールSTGであると言っても全く過言では無いだろう。

 その理由は、従来のSTGにあったパワーアップのシステムを発展させ、パワーアップの内容及びそのタイミングをプレイヤーが任意で選択できるという画期的なパワーアップ方式を採用したところにある。

 しかも理由はそれだけに留まらず、それまでのSTGでは見たこともないようなパワーアップ効果や、テーマ性と美しさを兼ね備えつつ飽きさせないステージ構成、プレイヤーを高揚させ虜にするBGM、そして挑戦的な難易度とで、シューティングゲームの素人から玄人までを魅了した。

 まさに「名作」と呼ぶにふさわしいSTG作品である。

ビックバイパー発進せよ!

グラディウスのシステム

 本作は、惑星「グラディウス」を亞時空星団「バクテリアン」の侵略から救うために、超時空戦闘機「ビックバイパー」で戦うというストーリーになっており、プレイヤーはビックバイパーを8方向レバーと3つのボタンで操作しつつゲームを進行していく。

 3つのボタンの役割は正面に弾を撃つ「ショット」、斜め下に落下するミサイルを撃つ「ミサイル」、パワーアップゲージの状態に合わせて自機をパワーアップさせる「パワーアップ」である。

 本作は残機制、ステージクリア制のSTGとなっており、ビックバイパーが敵や敵の発射した弾、または地形などの障害物に接触すると残機を1失い、そして残機がゼロになる事でゲームオーバーとなる(獲得した得点によるエクステンドあり)。

 各ステージの最後にはボスが登場し、そのボスを倒すことで次のステージに移動することが可能。全7ステージをクリアするとエンディングとなる。ちなみにエンディング後は、難易度が上がったステージ1からの再スタートになる。

 また、システム面での本作の大きな特徴として、非常に画期的なパワーアップシステムがあった。

独特で革新的なパワーアップシステム


 この頃のシューティングゲームの「パワーアップシステム」と言えば、パワーアップアイテムを取ることで自機が強化されるというものが一般的だった。

 本作「グラディウス」も基本的にはそれに準じているのだが、それをアレンジして独自のシステムを作り上げたのである。

パワーカプセルを回収しよう

 まず本作の画面下には6つのゲージが存在し、そのゲージにはそれぞれ右から「SPEED UP」「MISSILE」「DOUBLE」「LASER」「OPTION」「?」という文字が表示されている。

 そしてゲーム中に特定の敵を倒すと赤い「パワーカプセル」が出現し、これを最初に取ると画面下にあるゲージの一番左のゲージが光る。

 次にカプセルを取るとゲージの光が1つ右に移動、その後はカプセルを取る毎に目盛りが1つずつ右に移動していき、一番右が光っている状態でもう一つカプセルを取ると光が一番左に戻るという仕組みになっていた。

 そしてゲージのどれかが光っている状態で「パワーアップボタン」を押すと、ゲージに表示されているパワーアップが自機に施されゲージの光が消え、またカプセルを取るとゲージが左から光り始める。

 自機に施されるパワーアップについては、重ねて実行できるもの、一度しかできないもの、また別のパワーアップと共存できないものなどがあるが、どのパワーアップも自機が撃墜されると失われてしまう。

 では簡単にパワーアップの効果について説明しよう。

名称効果
SPEED UP自機の移動スピードが上がる。5段階まで重ねがけ可能。
MISSILEミサイルボタンを押すことで、自機の前斜め下にミサイルが撃てるようになる。このミサイルは発射後地形に沿って進み敵と接触すると爆発する。
DOUBLEショットボタンを押すことで、自機の正面と前斜め上にショットが撃てるようになる。
LASERショットボタンを押すことで、自機の正面に敵を貫通するレーザーが撃てるようになる。DOUBLE及びLASERは共存させることができない。
OPTION自機を追尾する光球を最大4つまで出現させることができる。この光球は自機と全く同じ武装、全く同じ攻撃を行う。
?自機の前方を防御するバリアを出現させる。バリアは一定数敵の攻撃を受けると消滅する。重ねがけは不可能で一旦バリアを消滅させてからでないと再装備できない。

 これらのパワーアップ効果の中で特筆すべきものは、やはりレーザーとオプションの存在だろう。

レーザーとオプション

 まず「レーザー」は発射されると、自機から画面端まで美しい水色の細い光線が一直線に伸びる。

 この光線は全体に当たり判定を持っており、敵を貫通するだけでなく少しの間画面に残っているので上や下から飛んできた敵がレーザーにぶつかって爆発するということも起きる。

 つまりレーザーは強力な攻撃手段でありながら、同時に強力な防御手段にもなるのだ。

 ただしあくまで真正面にしか強くないので、自機の正面以外は攻撃防御共に手薄になるのが問題だろう。

 次に「オプション」だが、これは自機が少し前に通った位置に移動する仕様で、自機が停止するとオプションは自機が少し前に通った座標の位置で停止する。

ここが、ツインビーの「分身」との違いじゃな

 ちなみにオプションが2個以上ある場合は、それぞれ一つ前のオプションが少し前に通った座標に移動する。それがどうした思うかもしれないが、実はこれがゲーム攻略に奥深さを与えたのである。

 例えば地形の裏に敵が配置されているとして、このままだとこちらの攻撃は当たらないし、当然自機が地形に突っ込めばミスになってしまう。

 そこで一旦地形の向こうの敵に自機の高さを合わせて、その後例えば後ろへ自機を退避させ停止する。

 こうするとオプションは先程の特性により少し前の自機の位置、つまり敵の同じ高さの位置に停止し、やがて強制スクロールにより地形に潜り(オプション自体には当たり判定がない)そして突き抜ける。

 この時にショットを撃てばなんと本来なら届かないはずの地形の向こうを攻撃できてしまうのだ。

 またオプションは自機と同じ攻撃をする特性もある。これによりオプションの高さを自機に合わせれば、正面に対しての攻撃力がオプションの数だけ倍加する。

 さらに自機の上や下に止まるように配置すれば広範囲に弾幕を張ることも可能で、本来正面にのみ強いレーザーをオプションと組み合わせることで上方、下方に対する攻撃もカバーできるようになるのである。

 このようなオプションの「使い方」による戦略を変えられると言うは、非常に画期的でありかつ魅力的で多くのプレイヤーを惹きつけられた要因ともなったと言えるだろう。

パワーアップの順番も戦略のうち

 本作のパワーアップシステムについてもう一つ非常に画期的でかつ魅力的だったものは、自機をパワーアップさせる順番とタイミングを自分で決められたことである。

 ゲームスタートしてから、最初に行うパワーアップをスピードアップにするのかミサイルにするのか、レーザーとオプションどちらを優先するのか。

 最強のパワーアップ状態に持って行くまで、どの順番でパワーアップして行くのかを自分で考えることができた。

 また、上方に攻撃を集中させたい時に先にダブルを付けてゲージはレーザーで止めておき、上方に集中させる必要がなくなったタイミングでレーザーに切り替える。

 敵の攻撃が厳しい時はゲージを?(バリア)で止めておき、いつでもバリアを張り替えられるようにするなど、今、またはこの後のゲームの展開や攻略を考えつつ、自分でパワーアップをコントロールすることができたのである。

 決まった位置に出現する決まったアイテムによる決まったパワーアップ。そういうのが当たり前の時代に、この自由度はプレイヤーにとってとてつもなく画期的で魅力的であった。

 こうしてこのパワーアップシステムは「グラディウス」を象徴するシステムとなり、多少のアレンジを加えられつつも後のシリーズにも継承されていったのである。

 ちなみに同年に、同じくコナミより縦スクロールシューティングゲームの名作と言われる「ツインビー」が発売されたが、こちらも若干方法は違うものの「パワーアップ内容及びそのタイミングを任意で選択できる」というパワーアップ方式を採用ししていた。

1985、宇宙ガ、マルゴト、ヤッテクル

奇想天外なステージ

 グラディウスと言えば、その特徴的なステージについても語る必要があるだろう。

 グラディウスの前身と言える「スクランブル」では、一定距離スクロールが進むことでエリアが1st〜5th、そして最後にBASEと切り替わっていき、エリア毎に地上、洞窟、ビル街、基地内部という感じで地形が変わっていった。

 これにより、単に敵を撃つだけでなく様々な地形に当たらないように動くという刺激が加わり、さらにただ同じような景色が流れて行くだけの単調さが無くなっていたのだ。

 そして本作「グラディウス」にも、これがアレンジされて継承されている。

 グラディウスのステージは全部で7ステージあり、各ステージは全て「空中戦」「ステージ戦」「総攻撃」「ボス戦」という順番で構成されている。

 まず空中戦は、地形のない宇宙空間での戦闘となり、ここではカプセルを持つ敵が多く出現するので、ステージ戦へ向けてある程度の下準備ができるようになっている。※構成の各呼び名は便宜上のもの

 ステージ戦は、各ステージ毎に火山、ストーンヘンジ、モアイ、逆火山、触手、細胞、要塞をテーマにした地形上(地形内)での戦闘になる。

 このステージ戦はスクランブルのように単にステージ毎に地形が違うというだけでなく、登場する障害物や敵が違っていたり、敵の攻撃方法も全く変わってくるため、ステージ毎にパワーアップを変えたりなど個別攻略方法を模索する必要があった。

 総攻撃は、ステージを一定距離進むと画面のスクロールが停止し、特定の敵が大量に出現したり、地形にある火山が爆発して大量の火山弾を発射してきたりする。

 この総攻撃はかなり激しいもので、この段階である程度のパワーアップが完成していないと苦戦を強いられた。そして総攻撃が終わるとボス戦が始まるのだが、このボス戦もグラディウスを象徴するものだろう。

グラディウスの顔「ビッグコア」

 ステージ6と最終面を除くステージでは、総攻撃後に画面の下から画面の1/4もあろうかという巨大な戦闘母艦が出現する。これがステージのボスであり、グラディウスを象徴する存在の一つとも言える「ビッグコア」だ。

 ビッグコアはその名の通り、中心部に巨大な「コア」を持った戦艦でその装甲は硬くビッグバイパーのレーザーを持ってしても破壊することはできない。

 解りやすいことにその大きなコアが弱点ではあるものの、コアの前にはまた頑丈な遮蔽板が4重に重なっており、コアに攻撃を当てることができないようになっている。

 ビッグコア出現直後は、この完璧な防御によりプレイヤーの攻撃は全く無効化される為、驚いて焦ったプレイヤーも多かったかもしれない。

 しかしこのビッグコアは無敵ではなく、少しするとコアを守る遮蔽板が破壊できるようになり、すべての遮蔽板を破壊するとその奥のコアが攻撃できるようになるのだ。

 そしてコアに一定数の攻撃を当てることでビッグコアを破壊することができる。ただしビッグコアも自身のコア部を守るように縦に間隔の狭い4門のレーザーを撃ってくるので、それを掻い潜ってコアを狙う必要があった。

 このビッグコアはグラディウスシリーズの象徴として、後の作品にもビッグコアMk -Ⅱ、Mk -Ⅲというような改良された機体が登場したり、中ボスに格下げされて登場したりしている。

あえて統一感の無いステージを

それまでのシューティングゲームのステージは、ゲーム全般を通し統一された「テーマ」に沿ってデザインされたものだった。

 それに対しグラディウスのステージは、ステージ毎に異なった「テーマ」によってデザインされたもので悪く言えば統一性が無かった。

 しかし如何にもSF作品の戦闘というような惑星上の戦闘もあれば、乱立するモアイ像が口から輪っかを吐いてくる不思議なステージや、気持ち悪い触手や細胞だらけのステージ、そしてまさに最終決戦という感じの要塞内ステージなどは、プレイヤーを飽きさせることなくさらにワクワクさせてくれたのである。

 ちなみに、本作の開発段階では統一感のないこのステージ構成に上層部は反対していたらしいが、予想に反して好評であったため、以後のシリーズ作品でもステージ毎に違うテーマでデザインする方法が継承されている。

永遠に色あせることの無いBGM

 ステージに関することでもう一つ取り上げたいのが、本作のBGMについてである。

 ステージは、空中戦、ステージ戦、総攻撃、ボス戦で構成されているが、空中戦は各ステージ共通曲で、さらに総攻撃+ボス戦も各ステージで共通曲、ただステージ戦だけは各ステージ毎の専用曲が用意されていた。

 そして本作はその共通曲、ステージ曲どれを取っても名曲だらけだったのである。

 ステージ1の火山ステージでは開幕にふさわしいアップテンポな曲で気分が高揚し、ステージ2、3のストーンヘンジ、モアイステージではステージの雰囲気にマッチした神秘的な曲に惹き込まれる。

 ステージ4逆火山ステージでは再びアップテンポで高揚感のある曲になり、ステージ5、6で不安になるような曲から、少し緊張感を纏う曲になり、そして最終ステージでこれまでの全てが弾け、開き直りにも似たまさに最終決戦に相応しい曲になる。

 もう各ステージのBGMが各ステージのイメージにピッタリで、ステージBGMだけで1つの物語が描かれているような感覚に浸れてしまう。

 今では当たり前かもしれないが、ゲームのBGMが作品に欠かすことのできない大きなパーツの1つであり、かつそのBGMというパーツ単体だけでも楽しむことができるものなのだと気づかせてくれたのが、このグラディウスという作品だったのではないだろうか。

グラディウスの難易度

初心者は1ミス=ゲームオーバー?

 本作にてゲームをスタートして特にミスもなく進んでいくと、ミサイル、レーザー、オプション4つ、そして好みのスピードにパワーアップできるだろう。

 それは言わば最強状態であり、出てくる敵なども比較的容易に撃破できるようになる。

 しかし、もしミスしてしまったら?その時は全てのパワーアップを失いステージの一定位置からの再スタートとなるのだが、これが非常にキツい。恐らく本作における最大の難関は「ミス後の復活」であろう。

 本作のゲーム難易度は、ある程度パワーアップが完成している状態で攻略することを前提としているらしい。

 従ってステージ途中でミスをして最弱状態でステージ途中からの再スタートとなった場合、その難易度と自機の攻撃能力に大きな差ができてしまうのだ。

 その結果、敵の猛攻撃に耐えきれなくなり、あっという間にまたミスになる。

 そして再スタート、またミス、再スタート、またミスであっという間にゲームオーバーになってしまうのである。ただ各ステージの空中戦の途中でミスになった場合は例外だが。

 本作の初心者にとっては大げさな話、ステージ途中でミスになることはゲームオーバーと同義である為、最強のパワーアップを維持した状態でどこまで進めるかが目標だったと言える。

 では上級者はどうなのか?

上級者は復活パターンを模索

 上級者はミス後でも入手機会の少ないパワーアップカプセルを的確に使用し、ステージ中の敵及び弾が飛んでくる位置を把握して、弾を上手く交わしたり地形で防いだりしながらステージクリアまで持って行く、所謂「復活パターン」と言うものを模索していたのだ。

 また本作ではステージ7、つまり最終ステージをクリアするとエンディングの後に、またステージ1から再スタートするのだが、2週目以降は敵や弾の動きが速くなっている。

 さらに敵を撃墜すると同時にその敵が自機めがけて弾を撃つという「撃ち返し弾」と言うものまで登場するため、ミス後の復活はさらに厳しいものとなる。

 つまり2周目以降の高難易度状態も含めて、各所での復活パターンを把握してそれを実行できることは、グラディウス上級者としての1つのバロメータであったと言えるだろう。

初心者も上級者も楽しめる?

 グラディウスはこの時期のシューティングゲームとして難易度は高かった方だと思われる。

 しかし初心者なら繰り返しプレイしつつ、上級者のプレイを見てつつ攻略法と復活パターンを学ぶ。上級者は2周目以降の、さらなる高難易度の攻略と復活パターンの模索に努める。

 そうする事で、上級者にとっても初心者にとっても「挑み甲斐」が生まれる良い作品であったように思う。

様々な移植版グラディウス

立ちはだかる移植の壁

 革新的なシステム、テーマ性のあるステージ表現、心を揺さぶるBGM、そして上級者から初級者まで挑み甲斐のある難易度、グラディウスは日本における横スクロールシューティングゲームの金字塔、そう呼ばれる事に何の違和感もない作品であった。

 そしてその人気により、翌年にはファミリーコンピューターとMSXに移植されたのだが、当時のファミコン、MSX作品としては最大限の出来だだったと言う点には異論はないと思うものの、やはりアーケードと比べた時に感じた物足りなさもまた異論はない点ではなかったかと思う。

 この当時のアーケードゲームと、家庭用ゲーム、パソコンゲームの能力の差は圧倒的であったためそうなるのは当然だったので、殆どのゲーム少年は自分の家でアーケードそのままのグラディウスが遊べると言うことは有り得ないと誰もが思っていた。

 しかしその思いをぶち破ったのは、さらに翌年に登場したX68000版のグラディウスであった。それは正にグラディウスそのままで、細かいところを言えば違いはあるかもしれないが、そんな事は気にならないほどそのまんまだったのである。

 ゲーム史において、アーケードと家庭用(パソコン含む)の間に立ちはだかった移植という大きな壁をぶち破ったと強く印象付けた作品と言えば、このX68000版グラディウスとPCエンジン版「RーRYPE」だったであろう。

 そしてそのPCエンジンに1991年コナミが初参入し、第一弾ソフトとして発売したのがグラディウスであった。余談だがPCエンジンにコナミが参入したのは、1987年にPCエンジンが発売されてから4年後とかなり遅かった(当時のコナミは、パソコンやファミコンに注力していた)。

 そのコナミが今「PCエンジンmini」をコナミ名義でで発売するというのは何か不思議なものを感じてしまう。

遅すぎた移植?

 話を戻してPCエンジン版グラディウスについてだが、流石にX68000版ほど完璧に近い移植ではなかったが移植度は高い方であった。

 また一般販売はされず超高額なパソコンに付属していたX68000版を手に入れることと比べ、かなりの安価で入手できたことを考えれば十分すぎる移植作品だったと言える。

 ただPCエンジンオリジナルのステージがMSX版にもあった「骨」ステージだったり、ゲーム起動時のデモ画面がMSX版と同じだったりという事もあり、アーケード版の移植というより、MSX版をアーケードに準じた仕様でリマスターした作品という意見も存在した。

 ただ惜しむらくは、コナミのPCエンジン参入が遅かったことだろうか。PCエンジンにコナミが参入し第一弾ソフトとしてグラディウスを発売したとき、当然移植度の高さに驚きはしたが、その頃はPCエンジンも円熟期に入っていたため「今更?」感があったことも否めない。

 もっと早い段階で参入してグラディウスを発売していたらゲーム移植史にもっと強烈なインパクトを残せていたのではないだろうか。

コナミ・モーニング・ミュージック

さて、どうじゃったかのう?

 個人的なグラディウスの思い出としては、アーケード版のシステム基盤は「バブルシステム」という名前だったんじゃが、この基盤は最初に電源を入れたときにウォーミングアップに若干時間がかかり、その間「コナミ・モーニング・ミュージック」という曲が流れるんじゃ。

 しかしこの曲を聴くことができるのはゲームセンター開店と同時に入店できるような人達だけで、当時まだ頻繁にゲーセンに通ってなかったわしには聴く事ができなかった、いやそれどころかそんな曲がある事自体を知らなかったんじゃ。

 そんなあるとき「Beep」という雑誌の付録にゲームミュージックのソノシートが入っており、ワクワクしてプレイヤーにかけたところゲーセンで全く聞いた事が無いこの曲が流れ始め、

「え?これ何の曲なの?」

 と凄く不思議がったもんじゃw 当時は「基盤」なんてものに対してまったく興味も知識も無かったからのう。あれがゲームを最初に立ち上げたときに流れる曲だと知ったのは随分後のことじゃ。

 そしてなんと、実はいまだに実機であの曲を聴いたことが無いんじゃよ…。

さて、お主らにとって「グラディウス」という作品の思い出はなんじゃ?是非、わしにも聞かせて欲しいのう。

≫EXIT

お疲れ様でした!

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コメント

  1. マーフィ大尉 より:

    X1版も「オプションが2個に制限」、「レーザーが短い」点を除けば良い移植でしたね。
    しかし『グラディウス』で真っ先に思い出すのは記事でも触れられているX68000版。
    「こんな凄いものがタダで!?」と驚いたものです。いやウン十万のパソコンが必要ですが。
    ただ、出来が良かったが故にX68000用ゲームの基準を上げすぎて他ゲームの評価を
    相対的に下げてしまい、売れ行きに少なからず悪い影響を与えて遂には本体の寿命を
    縮めた、というのは陰謀論すぎますか?w

  2. ソンゴスキー より:

    >>1
    PCエンジンのR-TYPEなんかもそうですよね。あれ程の再現度を真っ先に見せられたら、他のメーカーの移植作品への期待も上がっちゃうし、メーカーにとってもプレッシャーですよねw
    まあR-TYPEは前後編に分かれてしまったというハンデもありましたが。

  3. 名無しの冒険者 より:

    学生時代X68000なんて夢のまた夢だった・・・なあ。
    MSXの名作グラディウス2を進化移植?したX68000版のグラ2は今でも遊んでみたいです。
    ちなみに自分はこの1のOPに流れる曲が好きです(ビッグコアの一枚絵のとこ)
    今でもたまに起動してMSX版とPCE版を聞いています(FCは確かカット)

  4. NAZ より:

    >3
    名前書き忘れました。

  5. ソンゴスキー より:

    >>3
    学生の時、就職したら絶対X68000を買うぞ!と思っていたのですが、結局タウンズ買っちゃいましたねw
    1のOPの一枚絵良かったですよね、あれがあっただけでファミコン版と大きな差を感じました。曲は確かアーケード版のネームエントリー曲でしたかね?

  6. 名無しの冒険者 より:

    FC版グラディウスⅡの後にPCE版グラディウスを遊んだので、オプション4つにはそれほど感動しなかったのですが、骨ステージの音楽と、異様な雰囲気はお気に入りでした。あの面だけ怪奇ムードなのは何故…。
    家庭用移植としてはFC版グラⅡやFC版沙羅曼蛇のようなアレンジを効かせた作品のほうが好きなんですが、PCE版グラの方向性もいいですね。アレンジや完全移植では出せない味があります。

  7. 魚屋海乃輔 より:

    移植作ならやっぱり「x68000版」の衝撃は忘れられません。友人宅で遊んだ時
    「まんまやんけ」とつぶやいた覚えがあります。先に書かれている方もいらっしゃいま
    すが、やっぱり、「x68000」であの移植を見せつけられると、移植のハードルは上が
    ったと思います。
    アーケード版だと中学生当時「沙羅蔓蛇→ライフフォース→グラディウスⅡ→グラディウスⅠ」の順で遊んだので、カプセル・ウェポン選択方式にびっくりしました。
    また操作系でも、ジョイスティック&ボタン×2が、標準だったのでボタン×3には混乱し
    てました。
    なので、コンシューマーのコントローラーで右左上下横斜めとあらゆるところにボタンがあると、なんじゃこりゃ?と思う始末です。

  8. ソンゴスキー より:

    >>6
    移植については、とにかく完全に近い移植を目指すのと、完全は諦めてアレンジに走るのとがパターンでしたが、沙羅曼蛇やグラⅡはうまい感じにこの2つが融合していい出来になってましたねー

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