射手の塔 30F
No.0265
≫ENTER
いらっしゃいませ!

管理人じゃ。

謎の妖精よ。

さて、あるゲーム作品があるゲーム機で発売された後、別のゲーム機にも移植されるというのはよくある話じゃな?

よく聞くわね

この移植の際に移植先のゲーム機に合わせたアレンジがされる場合もままあるんじゃが、今回紹介する作品はこの”アレンジ”がポイントになるんじゃ

アレンジの癖がつよいと?

もはや別物じゃなw
では入るがよい、射手の塔30Fじゃ!
本記事を読み進める前に…
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概要

「スタートレーダー」は、1991年に「ブラザー工業」よりX68000用に発売された、横スクロールシューティングゲーム( STG)で、開発は「M.N.M Software(現在の有限会社マインドウェア)」が担当していました。
名前から分かる通り、本作は1989年に「日本ファルコム」からPC-8801/PC-9801用に発売された「スタートレーダー」と同名の作品ですが、X68000用に大幅に(特にSTG部分に)アレンジが加えられた作品となっています。
尚、本作はかつて存在したパソコンゲームの自動販売機とも言える「ソフトベンダーTAKERU」より発売されていたタイトルでした。
X68版スタートレーダーの特徴
では早速、X68000版「スタートレーダー」についての紹介をしていこうと思います。
紹介の前にまず…
今回本作X68000版「スタートレーダー」を紹介するにあたっては、PC88/PC98用「スタートレーダー」とどのように違うのかという部分を中心に紹介していこうと思います。
その為PC88/PC98用「スタートレーダー」についてある程度知っているという前提で紹介していくので、そもそも「スタートレーダー」という作品をよく知らないのであれば、別記事でPC88/PC98用「スタートレーダー」について説明しているので、そちらを先に確認してみてください。

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ADVパートの撤廃
まず大きな違いとしては、PC88/PC98用「スタートレーダー」はADVパートと STGパートが交互に繰り返されるというものだったのに対し、本作ではADVパートのほうがごっそりなくなったという事が挙げられるでしょう。

PC88/PC98用「スタートレーダー」では、ADVパートでプレイヤーがコマンドから周囲の人に話しかけたり、船外に移動したする事でストーリーが進んだり分岐したりしていましたが、本作においてストーリー部分は全てただのヴィジュアルシーンに変わっています。
これによりストーリーに関してプレイヤーが関与できる余地が無くなり、選択肢によってストーリーを変化させたり、次の目的地を航路図から任意で選べたりという事が出来なくなってしまいました。

同時に荷物の輸送仕事をして報酬を得るという行為も、その報酬によって自機の武装の購入なども不可能になっています。そして必然的に自機「フェンリル」に対する武装の換装も無くなりました。
要するにADVパートに絡んでいた要素は全て撤廃されたと言ってもいいでしょう。

ADV+STGではなくて、本当にただデモシーンのあるSTGっていう感じになっているのね?

その分、STGパートには大幅に力が入れられているという感じじゃな

因みに本作の流れとしては、ゲームをスタートすると最初に結構長いヴィジュアルシーンが流れ、その後STGパートを5ステージ連続で行います。その後にもう一回ヴィジュアルシーンが流れ、最後に残り2ステージを行ってからエンディングというようになっていました。
STGパートの強化
本作はPC88/PC98用「スタートレーダー」 からADVパートをほぼ撤廃した一方で、 STGパートには大きく力が入れられたと言ってもいいでしょう。

まず最も目を惹くのはゲーム画面の大きさで、PC88/PC98版では画面の2/3より少し狭いくらいが STGパート用のゲーム画面だったのたが、本作ではアーケードゲームのように全画面が STGパート用の画面になっていました。

画面の窮屈さが無くなったわね
また単に画面が広くなっただけでなく、それに合わせて自機「フェンリル」の姿や、ステージに現れる敵や後ろを流れる背景などのビジュアルも一新されています。

STGパートでの操作方法についてはPC88/PC98版と同じですが、ゲームルールについては耐久(パワーゲージ)制から残規制に変わっており、敵や弾、障害物などに自機が接触した場合には一発で撃墜され残機を失い、残機が0の状態でまた接触するとゲームオーバーとなりました。
ちなみに残機がまだある状態で撃墜された場合はその場での復活、またゲームオーバーの場合はコンテニューが可能で、その場合はゲームオーバーになったステージの最初からの開始となります。

ADVパートの撤廃により武装の購入・換装が無くなった事で、本作での自機「フェンリル」の武装はステージ中にアイテムキャリアーのような敵を倒す事でアイテムが現れ、そのアイテム取得する事によってパワーアップするという仕様に変わっていました。
パワーアップの内容はアイテムに書かれたアルファベットにより決定しますが、アルファベットはショットを当てるたびに変化します。また一部のパワーアップでは、自機の上下に「R-TYPE(1987年/アイレム)」のビットのようなものが付随して補助的な攻撃をしてくれるようになるものもあります。

アイテムのアルファベットと、それによるパワーアップについては以下の通り。
D | 着弾地点で爆風を起こすミサイルになる。 |
H | ミサイルが相手を追尾するようになる。 |
L | 貫通性の高いレーザーを撃つビットが付く。 |
P | 真正面に大き目の弾を撃つビットが付く。 |
T | ミサイルの連射性が上昇する。 |
W | 上下にやや広がる弾を撃つビットが付く。 |

最後にPC88/PC98版では状況によってステージ最後にボスがいない場合もありましたが、本作ではステージの最後に必ずボスとの戦闘があり、ボスを倒すとステージクリアとなるます。
尚、ボスは殆どが本作オリジナルのものでしたが一部PC88/PC98版と同じボスも登場しました。

なんか本当にアーケードのSTGになったっていう感じがするわね!

まあ、それがすべて良い方向に働いたかと言うと、疑問も残るところではあるんじゃがな…
以上が、本作がPC88/PC98用「スタートレーダー」から大きく変わった主な部分になります。
良い点・悪い点
では次に、本作X68000版「スタートレーダー」をプレイしてみて感じた良い点と悪い点について紹介していこうと思います。
良い点:不満点が改善されていた

やはりアーケードゲーム並みの画面の大きさ、キャラの滑らかな動き、デカく迫力のあるボスと、流石のX68000用 STGと思わせられる作品に改良されていました。
またPC88/PC98版では、自機の壊滅力や突破力が足りずに苦戦する場面が多かったのに対し、本作では一回パワーアップアイテムを取るだけで高い壊滅力や突破力を得られるようになっていたところも良い点だったと思います。

爽快感も確実に上がっていたわね!
そして、PC88/PC98版では攻略の鬼門と言っても過言では無かった”触手ステージ”が、今作ではなんと画面が上下にもスクロールするようになって余裕をもって避けられるようになっていたのも嬉しい点でした。

上下にスクロールできるようになったのはびっくりしたのう
STGパートについては、PC88/PC98版で不満に思っていたところにちゃんと手が届いた改善になっていたと思います。
悪い点:タイトルについての疑問

正直言うと悪い点と言う程悪い部分は無いのですが、強いて言うならば難易度もアーケードゲーム並みになっていて、特にショットでは消せない敵弾がかけてくる圧も結構高く、避けに集中する必要がある場面も多くありました。

避けゲーになる場面も多いと

まあここは悪いところではなく、ゲーマーには寧ろ挑みがいがある部分じゃな
またADVパートを撤廃してSTGパートに力を入れたという方向性は良いとして、PC88/PC98版である程度任意で行えた”貨物の搬送仕事”という仕事も撤廃されてしまったことで、じゃあタイトルの「スタートレーダー」って何なんだ?という疑問はちょっと湧きました。

ここは若干難癖に近い感想かのう…
あともう一つ悪い点と言うか言いたいことがあるのですが、それはまとめの方で話したいと思います。
《まとめ》比較すべきはどっちか?
では最後に本作のまとめをしてこの記事を終えたいと思います。

本作X68000版「スタートレーダー」は、1989年に発売されたADVとSTGを融合させたPC-8801/PC-9801版「スタートレーダー」のADVパートを撤廃し、STGパートにX68000のスペックを活かして強く力を入れて移植された作品でした。
既に幾つかのアーケードSTGを移植し成功させてきたX68000だけあって、その試みは成功したと言えるでしょう。
ただちょっと嫌なことを言えば、”成功した”の比較対象はあくまでPC-8801/PC-9801版「スタートレーダー」であり、他のアーケードSTGやX68000用のSTGと比較するとどうしても物足りなさを感じてしまいます。
当時アーケードでは「グラディウスIII」や「R-TYPEII」、「パロディウスだ!」などが既に登場しており、STGも次のステージへ進んでいた感がありましたし、またX68000にも多くのアーケードSTGが移植されていた時代でした。
確かにPC-8801/PC-9801版「スタートレーダー」と比較したらアーケードSTG並みに進化したと思いますが、そういう時代にユーザーに手に取ってもらうSTGとしてはいささかパンチが足りなかったのかもしれません。
※スペックが云々では無く、仕様・企画の問題として
個人的にはそう感じましたが、皆さんは本作についてどう思いましたか?それではまた、次のクラシックゲーム紹介でお会いしましょう。
あそびたくなったら?
今回の記事を読んで、もしこれを機に「スタートレーダー」を遊んでみたいと思った方は、以下のリンクを参考にしてみてください。
現在「ProjectEGG」にてX68版を購入して遊ぶことが可能となっています。尚、ProjectEGGでゲームを購入するにはゲーム代金以外に、ユーザー登録(無料)とサービス料として550円の月額が必要になりますのでご注意ください。
≫EXIT
お疲れ様でした!

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コメント
お疲れ様です。
まとめで言われていることすごくわかりますね。
ADV部分をオミットしたことで本来の売りであった点が一つ消え、結果としてアーケードの人気作と同じ土俵に上がって勝負することになり、出来は良くてもさすがに分が悪かったなと思います。
後出しではありますが、STG部分の不満点を解消したうえでアップグレードした移植で良かったのでは…となっていまします。
コメントありがとうございます。
>結果としてアーケードの人気作と同じ土俵に
ADVパートを入れて、輸送仕事がある程度任意で出来たり、ストーリーを分岐させられたりがある事で「パソコンゲームなんだよ?」という体が保ててましたが、それらをカットして STG一本で勝負!となったら、そりゃ比較対象はアーケード STGになっちゃいますよねw
>不満点を解消したうえでアップグレード
マジでそれで良かったと思いますけどね。もしかしたらTAKERUでの販売だったから容量を(FDの枚数)減らしたかったのかも…?
「今週は更新なしかな?」と思ったら、まさかのX68000版。
よく見ればタイトルが微妙に豪華になっていますねw
それにしても、どうしてADVパートを削っちゃったんでしょうね?
これじゃあタダの劣化グラディウスだよ!と言うのは言い過ぎでしょうか?
コメントありがとうございます。
>「今週は更新なしかな?」と思ったら、
はっはっはっ!先週のリメイク記事は今週のX68版の為のフリだったのさ!w
>よく見ればタイトルが微妙に豪華に
グラデーションがスムーズになってますねw
>これじゃあタダの劣化グラディウスだよ!
当時X68と言えばアーケードゲームの移植が何かと話題になってましたからね。ここは一発こっちも アーケードゲームに負けないSTGで勝負したろやないかい!ってなったのかもしれませんね。試みは買いますが…。
わずらわしい帆船クラフト要素をオミットしたナビチューンPC98版みたいなものかな、と思いましたがガッツリ普通のシューティングになってるんですね。
しかし、そうなるとステージ間のムービーシーンくらいしか、特徴らしい特徴がなくなってしまうジレンマ。
そういえばナビチューン98版もクラフト要素削った所為で、なんというか特徴らしい特徴が全然ないゲームになってしまってたなぁ。釣りもクラフト要素が無くなった所為で、所定の場所に糸を垂らせば絶対釣れるようになっちゃったし。
コメントありがとうございます。
>ガッツリ普通のシューティングに
そうですね、そしてその”普通な”ところが物足りなさを感じる結果になった感じです。
>特徴らしい特徴がなくなってしまう
スター”トレーダー”という特徴をもうちょっと残してくれれば良かったのかもしれません。
>ナビチューン98版もクラフト要素削った
確認してみたのですが88とかMSX2版とかと98版はかなり変わってるんですね。戦闘シーンとかも全く別物だし、RPGの部分に大きく力を入れたんですかね?流行りだったし。