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年始特別企画 「麻生優子ヒストリー」 第三部

第三部「麻生優子の結末」

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いらっしゃいませ!

 私にとって「ビキニアーマー女戦士」といえば、何よりもまず思い浮かぶのが日本テレネットのゲーム作品「夢幻戦士ヴァリス」の中に登場する「麻生優子」であり、彼女がいなければ今私はここに立っていないだろう。

 しかし世の中にまだ少数存在する「ビキニアーマー愛好家」の中には、彼女の事を良く知らないという人も恐らくいると思われる。なので今回は年末特別企画として、彼女「麻生優子」の歴史に迫ってみようと思う。

本記事を読み進める前に…

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説明にあたって

 さて前回の第二部では各作品単位での、麻生優子の歴史を見ていった。

 だが長くなってしまったので、今回も引き続き残りの作品での麻生優子の歴史を見ていこうと思う。

 先に進む前に一つストーリーの設定について説明しておくが、PC版では一貫して「現実界」「暗黒界」「夢幻界」という別々の3つの世界が舞台となっているが、PCエンジン版の「II」および「III」では暗黒界と夢幻界が一つの「異次元世界(ヴェカンティ)」という設定になっているので非常に混乱してしまわないように注意が必要である。

 ちなみに何故か「IV」ではPC版の世界設定に戻っている。

「夢幻戦士ヴァリスIII」時代

優子、最後の戦いへ

 PCエンジン版「II」の正式な続編として、PCエンジン及びメガドライブで発売された作品。

 システム面での大きな変更として、この作品から優子以外のキャラクター(ヴァルナとチャム)が操作できるようになっている。そして本作が、麻生優子のヴァリスの戦士としての最後の作品となった。

 魔界が巨大な亜空間に飲み込まれるという危機に直面し、ヴァリスの剣に匹敵する力を持つ「レーザスの剣」を持つ魔界の王「グラメス」は夢幻界と人間界への侵攻を決意する。

 侵攻に反対し殺されたラダの娘「チャム」は、ヴァリスの剣の真の力を解放せよというラダの遺言に従い優子からヴァリスの剣を奪うものの、グラメスの手下に捕まり逆に優子に助けられる。チャムからグラメス軍が夢幻界に侵攻したことを知った優子は、妹であるヴァルナを救うべくヴァニティ城に向かう。

 ヴァルナを助け、チャムの勧めで魔界に向かう前にヴァリスの剣の真の力を解放するため、サザーランドにいる「ニゼッティー」に会った優子だったが、ニゼッティーは剣の真の力を解放すればグラメスは倒せるが、その代償として戦いが終わった後、優子は剣と共に神の国へ行かねばならないと非情に告げた。

 二度と人間として普通の生活を送ることができなくなるという条件にも、優子は迷うことなく「グラメスを倒すことができるのならば!」とヴァリス剣の真の力を解放することを選択する。

 そしてその圧倒的な力で、蘇ったログレスやグラメスの部下達を次々と倒していく優子だったが、それらがグラメスの人間界侵攻のための時間稼ぎだったと知り急ぎ人間界に戻る事に。

 既にグラメス軍により支配されてしまった人間界で、グラメスと優子の最後の戦いが幕を開ける。死闘の末、優子に敗北したグラメスは、優子にレーザスの剣をヴァリスの剣と共に神の国に返して欲しい、そして生き残った魔界のもの達を導いてくれと頼んで息を引き取る。

 全ての戦いが終わり、夢幻界も人間界も元の姿を取り戻してきたが、
そこに、優子の姿だけが無かった。

優子に頼もしい仲間ができた作品

 本作では、前作でちょっとだけ顔出しをしたヴァリアの娘で優子の双子の妹であるヴァルナ、そしてチャムという魔界に住む女の子が優子以外のプレイキャラとして使用できるようになり、それぞれの攻撃方法や特性を活用したゲーム攻略というのが面白かった。

 ちなみにチャムの声を担当したのは、前作IIにて霊体となった麗子の声を担当した三田ゆう子さん(後のリメイク版でも麗子を担当した)だったというのには、麗子と同じく勝気なチャムの後ろに麗子の影を見るような感覚になれたものである。

 そしてなによりも、本作は麻生優子が「ヴァリスの戦士」として戦った最後の作品として重要な位置づけとなるタイトルであり、ヴァリスの剣を最初に手にしたときの優子とは明らかに違う、成長し本当にヴァリスの戦士としての使命を受け入れた、戸惑いも迷いも無い「強い優子」を全編を通して見ることが出来ます。

 なにせ人間界で剣をかざしてビキニアーマーに変身しただけで、
空を飛べるようになってるくらいだから。

「夢幻戦士ヴァリスIV」時代

優子が居なくなった後の世界

 PCエンジンとスーパーファミコンのみで発売された作品。

 4作目にてついに操作キャラクターが優子以外のキャラクター(レナ、アム、アスファー)になるが、優子、チャム、ヴァルナもストーリーの中に重要なキャラとして登場している。そして本作が、ナンバリングタイトルとしてはヴァリス最後の作品となっている。

 かつて神により水晶柱グラードに封印されていた「ガルギア」とその配下である魔幻衆が復活した。ガルギアは瞬く間に現実界、続いて夢幻界を征服し、夢幻界の女王「ヴァルナ」も捕らえられてしまう。

 ヴァリスの剣と共に天界の人となってしまった優子がいない状態では、だれもガルギアに敵うものはいない。そんな時、ガルギアに抵抗するレジスタンスの一員である少女「レナ」がヴァルナを救うために立ち上がった。

 レジスタンスのリーダーとなっていたチャムは、レナをまだ戦士として未熟だからと止めるが、そこへ天界の優子からチャムへ「レナを行かせなさい」と声が届く。

 レナは妹の「アム」、そしてレナを危機から救ってくれたガルギアの父親「アスファー」と共にヴァルナを助けに向かうが、アスファーからガルギアに勝つには天界にある「ヴァリスの剣」が必要であると教えられる。

 ヴァリスの剣を手に入れるため天界へとやってきたレナを迎えたのは、ヴァリスの剣の守護者となった優子であった。

 優子はレナにヴァリスの戦士になるための試練を与え、ヴァリスの戦士になることの苦しさと悲しみを伝え、それを乗り越え受け入れたレナにヴァリスの剣を与える。ヴァリスの戦士としての力を得たレナは、次々と魔幻衆を破り水晶柱グラードに捕らえられたヴァルナの元へと辿り着いた。

 しかし待ち構えていたガルギアが捕らわれのヴァルナめがけて槍を投げる、その槍から身を挺してヴァルナを守ったのはレナの妹アムであった。アムはレナにガルギアを倒すことを託して命を落とす。妹を失った悲しみと苦しみを背負い、レナはガルギアが復活させた「赤い月」でガルギアとの最後の戦いに挑んだ。

 レナは戦いに勝利したものの最愛の妹を失い、共に戦ったアスファーは息子を失った。大切なものを失うことが、ヴァリスの戦士の宿命なのか…レナは苦い思いと共に赤い月を後にしたのであった。

新たな「ヴァリス」として

 本作は続編ではあるものの、優子でもチャムでもヴァルナでもない全く新しいキャラクター3人がプレイキャラクターとなって登場します。

 前作同様、それぞれの特性を活かしてゲームを攻略していくのですが、今回は特定のキャラに交代しないと絶対に進めない場所などが多く、選択の自由度はちょっと低かった作品でした。しかしシリーズ通しての難点であった「ボス戦で死ぬと復帰が絶望的」だった部分を改善していたのは、非常にありがたかったです。

 前作のラストで神の国(天界)に行ってしまった優子はかつてのヴァリアのように、レナを新たなヴァリスの戦士とする役目で登場し、しかも敵としてもゲーム中に登場ます(試練として)。

 出番はそこだけですがそれでも元主人公なだけあって台詞も多く、オープニングでちょっとだけ登場したチャムや、出番は多かったけど掴まりっぱなしで殆ど喋らなかったヴァルナよりは良い扱いを受けていたような気はします。

 余談だが、レナのビキニアーマーが優子のものより露出控えめだったのは、優子の気遣いだったのだろうか…?

「麻生優子ヒストリー」を終えて

 というわけで、ヴァリスシリーズ各作品における「麻生優子の歴史」を振り返ってきたわけだが、いかがだっただろうか?

 麻生優子という人物が、どれほど波乱万丈な人生を送ったのか、単なるビキニアーマーを着たイロモノのような存在などではなかったということを(あと私がどれだけ優子(そして麗子)が好きかということも)少しでも感じて頂けたのであれば幸いである。

 一応、この第三部をもってこの特集は終わりとするが、不意になにか麻生優子について語りたくなったときに、第四部として書くことになるかもしれない。

では、またそのときまで。

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お疲れ様でした!

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コメント

  1. K より:

    こうして語られる麻生優子への熱い思いが、氷結したナイアガラの滝を溶かして春を呼ぶのであった……。
    (BGMジプシーキング〝インスピレイション〟)

  2. コーセー より:

    皆が複雑な感情を持っているであろう”あの件”について
    あえて触れないソンゴスキーさんの紳士的な語り口に
    麻生優子への愛をひしひしと感じました!

  3. ソンゴスキー@れとろげ より:

    >Kさん
    > (BGMジプシーキング〝インスピレイション〟)
    どんな曲かと思ってググったら、鬼平犯科帳のED曲ですね。
    鬼平犯科帳よく見てたんで懐かしいなあw

  4. ソンゴスキー@れとろげ より:

    >コーセーさん
    あの作品については、触れたところで麻生優子、そして夢幻戦士ヴァリスという作品に対して何の益にもなりませんからね。スルーさせてもらいましたw

  5. 義行 より:

    管理人さんお久しぶりです、義行です、単刀直入ですが今月の20日に『ドラえもん』で骨川スネ夫を演じた肝付兼太さんが肺炎の為、亡くなりました、昨年はジャイアンを演じたたてかべ和也さんが亡くなられたばかりなのに今年も名優の訃報が相次ぎました、今年の12月で『夢幻戦士ヴァリス』生誕30周年です、現在、『ヴァリス』の版権を握っているサンソフトさんからの動きは見られませんが我々ファンの間で盛り上げて行きたいですね、肝付さんに限らず今年も名優、名スタッフの訃報が相次ぎました、他には有名人の不祥事や熊本県と鳥取県の震災など暗い話題が多かったです、今年も残り少ないですが『ヴァリス』ファンに取って嬉しい話題が欲しいですね・・・。

  6. ソンゴスキー より:

    >義行さん
    そうですね、確かPC版のヴァリスが発売されたのって12月だったと思うので、そこに向けて盛り上がりたいところです。
    それにしても肝付さんの件は、本当に驚きました。また昭和の名優が去ってしまったのですね…。

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