闘士の塔 55F/No.0243
≫ENTER
いらっしゃいませ!
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管理人じゃ。
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謎の妖精よ。
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今回紹介するのは、「ズーム」が開発したアクションゲームで「ジェノサイド」という作品じゃ
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「ズーム」ってプレステで「ゼロ・ディバイド」出してた会社よね?知ってるわ!
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そうじゃ。初期の「ズーム」はX68000用のゲーム開発を主に発売しておってのう、この「ジェノサイド」はその「ズーム」の最初の作品なんじゃよ
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「ゼロ・ディバイド」は面白かったから、期待しちゃうわね、早速見てみましょう!
本記事を読み進める前に…
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「ジェノサイド」の基本情報と概要
本作の基本情報
タイトル | ジェノサイド |
---|---|
シリーズ | ジェノサイドシリーズ |
ジャンル | 横スクロールアクションゲーム |
発売年 | 1989年 |
発売元 | ズーム |
開発元 | ズーム、ブレイングレイ(PCエンジン版) |
発売機種 | X68000、FM-TOWNS、PCエンジンなど |
前作 | なし |
後作 | ジェノサイド2 |
本作の概要
本作は、「ズーム」が1989年に発売した作品で、西暦2230年の地球を舞台に、全世界の政治、経済、治安、生活管理までを統括し、さらに自分の命令に従わない人間を粛清し始めたコンピュータ《MESIA》と、それを停止するために開発されたバトルマシーン《トレーサー》に乗り込むパイロット「竜ヶ崎健」の戦いを描いたSFアクションゲームである。
「ズーム」の記念すべき第一作目であり、当時数も少なかったX68000用のオリジナルタイトルということで注目もされた作品だが、非常に難易度が高いことでも有名な作品である。また、主人公が操るロボットが非常に人間的な動きをすることや、ロボットでありながら一切「火器」を携帯していないというあたりも、本作の大きな特徴と言えた。
「ジェノサイド」のストーリー
2121年、太陽系の星を何度破壊しても余るほどの飾りだけの爆発物、増え続ける人口、国際的テロ活動、国家間での極端な貧富の差…それらの問題により苦悩の頂点に達した人類は、地球上の各国家の政治、経済、治安、軍事施などのほとんどを一つのコンピューターで統括しようという大胆な計画を実行した。
アメリカのウェップナー博士の発案による計画は、「Magnetic Extrasensory perception System Incorruptible A class」通称「MESIA」と呼ばれ、ウェップナー博士の息子であるウェップナー・Jr博士を開発責任者に、実に50年の歳月と1万人の関係者を費やし極秘裏に進めらることになる。
2172年、人類の救世主となるべく大型端末制御装置として各国の「世界統一連合セキュリティセンター」に設置された「MESIA」は順調に稼働し、度重なるシステムアップを経て、2221年には各国の全ての政治、経済、人々の生活管理、治安に至る何万にも及ぶ項目を処理するまでになっていた。
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2202年、世界統一連合最高司法省は、ウェップナー・Jr博士以下、第2期メシアシステム開発責任者5名を私的なソフトウェア等の変更による背任罪など15の罪状で起訴、彼らは2203年にアラスカ処刑場で処刑される。
2227年、南太平洋上の島が一瞬のうちに消滅する。これは「MESIA」からの指導に対して意義を申し立てて従わなかった為であるが、全世界へは病疫の蔓延が原因と報道された。
同年、かねてから「MESIA」に危機感を抱いていた人々によって結成されていた「IPC(International Peace Conference)」のブランクス部隊は、「MESIA」の暴挙に対し極秘裏にシステム設置場所への破壊工作を開始したが、あらゆる事態を想定して設計されたセキュリティシステムや、「MESIA」自体が造り出したバイオニクス兵器に阻まれる。
またIPCは「MESIA」本体の設置場所を判明できていたものの、そこは5つの補助動力装置に守られており、近づく事すらできなかったのである。
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2228年、IPCの技術者達はもてる力の全てを結集し、有人のバトルマシーン《トレーサー》を完成させた。このマシーンは、今までに確認されているセキュリティシステムをかいくぐれるような機体設計と、ニューロコンピューター《LANDY(ランディ)》を搭載し、さらに敵と同じバイオニクスを動力源としてる機体であった。
そしてパイロットには、ブランクス部隊の若きエース「竜ヶ崎健」が選出される。
西暦2230年、人類の奢りが肥大した最強の敵「MESIA」とのファイナルバトルが、今始まろうとしていた。
※このストーリーは、短めに独自編集したものです。
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SF作品お馴染みの「機械の反乱」ってやつね
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このストーリーから、タイトルの「ジェノサイド」が機械による人類への行為を表しているのが推測できるのう
「ジェノサイド」とはどんなゲームなのか?
ステージ冒頭のストーリーデモ
まずゲームをスタートすると「ストーリーデモ」が流れ始める。
ストーリーデモは、主人公機である《トレーサー》のコクピット内で、パイロットである「健」とトレーサーに内蔵されたニューロコンピュータである「ランディ」とのやり取りがあり、そこに様々なNPCがホログラム映像で参加してくる、というものだ。
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デモは会話形式なこともあってやや長く、しかもゲームプレイには直接関係無い話なので”スキップ”したくなるのだが、本作はストーリーがかなりしっかりしていて面白いので、少なくとも各ステージの初回プレイ時にはしっかり読んで置くと良いだろう。
本作は「ステージクリア制」となっており、ステージ2以降も各ステージの冒頭にはこのような「ストーリーデモ」が流れるようになっている。
ゲームの基本的ルール
ストーリーデモが終わると、そのステージが開始となる。
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そうすると画面に球体をくっつけた様なクリーム色のロボットが登場するのだが、これがプレイヤーが操作する主人公機の《トレーサー》だ。そして画面下にある「ENERGY」と書かれた”赤いゲージ”がトレーサーの残りエネルギーを表す、所謂「ライフバー」となっている。
「ライフバー」があることから解るように、本作は「ライフ制」となっており、敵の攻撃(弾、パンチ、体当たりなど)によりこのゲージが減少していき、ゲージを全て失うとゲームオーバーとなる。ちなみに本作は「残機制」では無いので、ゲージが0になるとそれで一発終了である。
なお減ってしまったゲージは、ステージ中に現れる特定の敵を倒すことで一定量回復できるのだが、その際回復量がゲージの最大値を超えるとゲージ1本分がストックされ、画面上のゲージには最大値を超えた量のみが表示される仕様になっている。
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複数のブロックで構成されたステージ
本作は横スクロールタイプのアクションゲームなので、ステージが始まったらプレイヤーは基本的に右方向に向かって「トレーサー」を進めていくことになる。
ひとつの「ステージ」は幾つか(ステージによって数は異なる)の「ブロック」で構成されており、プレイヤーがトレーサーを一定の場所まで進める事で次のブロックに移動するのだが、このときブロックによって自動的に移動するものもあれば、行き止まりのゲートを破壊して移動するものもあるのだが、大抵の場合は特定の敵を倒しきらないと移動できないようになっている。
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ちなみに、同じステージの中でもブロックが変わると周りの風景がガラリと変わるという事が多く、例えばステージ2では最初「市街地」から始まり、次に「基地施設」内に入り、最後は「地下洞窟」に辿り着くというような変化があったりで、プレイヤーの目を飽きさせなかった。
攻撃手段は一振りの剣のみ?
ステージ中には「MESIA」によって生み出された機械兵器からバイオ生物まで様々な雑魚敵が登場する。
プレイヤーはトレーサーに備わった攻撃手段を駆使してそれらの雑魚敵を排除していかなければいけないのだが、ゲームスタート時点でトレーサーに備わっている武装は近接戦用の「プラズマセイバー」という剣だけである。
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何とトレーサーはロボットアクションゲームの主人公機でありながら、「火器」の類が一切使用できないロボットなのだ。これが本作の大きな特徴であり、またゲームの難易度を引き上げている要因でもある。
ちなみにトレーサーはジャンプする事も可能だが、さらに加えて「宙返り」という一種の緊急回避手段を行う事も可能であった。
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個性的なステージボス達との激しいバトル
各ステージの最終ブロックには、ステージ毎の「ボス」が待ち構えている。
このステージボスも雑魚敵と同じように、機械兵器のボスもいれば、バイオ生命体のボスもいてバリエーションに富んでおり、さらにそれぞれ特徴的で激しい攻撃をしてくるので、ステージ道中以上に苦戦することは間違いないだろう。
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またステージボスはその大きさも特筆物であり、本作の主人公機トレーサーは、この時代のアクションゲームとしては割と大きめグラフィックなのだが、各ボスはそれを上回る大きさになっているため、大迫力の戦闘を味わうことができる。
そうして激闘の末に無事ステージボスを倒すことができれば、次のステージに進む事が可能だ。
ゲームオーバーとコンティニュー
と、このような流れで雑魚やボスを倒しながらステージを進んでいき、最終ステージの「ラスボス」を倒せばゲームクリア、驚愕のエンディングを観ることができる。
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しかし本作は非常に難易度の高い作品となっているため、途中のステージで「ゲームオーバー」になる事も多々あるだろう。その場合でも、ゲームオーバー画面の後に「コンティニュー」を選べば何度でもゲームを再開する事が可能になっている。
ただし、再開時のリスタート地点はゲームオーバーになった場所ではなく、ゲームオーバーになった近辺ブロックの最初からのリスタートとなる(ゲームオーバーになったブロックという訳ではないので、結構戻されてしまう事も…)のには注意である。
以上が「ジェノサイド」というゲームの簡単な説明となる。
《トレーサー》に関するいろいろ
”人間らしい”トレーサー
本作の主人公機であるトレーサーは、実際に動かしてみると非常に人間臭い滑らかな動きをするロボットだと感じる。
例えば剣を振る時に、妙にしっかり「腰」が入った構えをしていたり、緊急回避の手段である「宙返り」も、本当の人間のように「腰」を捻るようにして空中で回転する。こういった人間臭い滑らかな動きは、この時代のロボットアクションゲームでは、中々見かけるものがない特殊なものであったように思う。
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このトレーサーの人間臭い動きは実は当たり前で、トレーサーはその名の通りなんと「パイロットの動きをそのままなぞるように動く(トレースする)ロボット」なのだ。従ってパイロットである「健」が腰の入った剣の振り方をすればそのようになり、「健」が空中で体を捻ればそのようにトレーサーも動くのである。
ただし、このトレーサーのロボットらしからぬ動きによりパイロットは相当「酔う」らしく、コクピット内には嘔吐したものを回収してエネルギー化する「G.E.R.O.X」と呼ばれるシステムも組み込まれていた…とか。
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…とか?
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マニュアルに「G.E.R.O.X」の記載はあるんじゃが、オマケの漫画内での話しなんで、真偽はよくわからんのじゃよw
ところで余談だが、トレーサーのこの人間臭い動きは、続編である「ジェノサイド2」にて更に進化を見せることになる。
トレーサーの戦闘方法
少し前に、トレーサーは最初攻撃手段を「プラズマセイバー」しか持っていないと説明した。しかし確かに攻撃手段は1つでも、辛うじてトレーサーは攻撃方法を複数持っていた。それが以下の4つである。
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上段斬り | 方向上+攻撃 |
---|---|
中段斬り | 攻撃 |
下段斬り | 方向下+攻撃 |
ジャンプ斬り | ジャンプ中に攻撃 |
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結局全部”斬る”じゃないか…
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いやいや、地味に違うんじゃよ
これらの攻撃方法にはそれぞれ特性があり、「上段斬り」は上から前にかけて広い攻撃判定があり、かつ前方への間合いもやや長い。「中段斬り」は斜め上から前にかけてやや狭い攻撃判定で間合いも短いが、恐らく最も連射がきく。「下段斬り」は、下から前へと非常に狭い攻撃判定で出がやや遅いものの、間合いは一番長い。
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そして「ジャンプ斬り」は、上から斜め下方向への広い攻撃判定を持つが間合いが短い。ただし、上・中・下段斬りは攻撃判定が一瞬しかないのに対し、ジャンプ斬りは攻撃を一度出すと、着地するまで斜め下に剣を出したままの状態になるので攻撃判定が残り続けるという特性を持っている。
ちなみに「宙返り(方向上+ジャンプ)」は、通常のジャンプより高く飛び上がる事ができ、宙返り中は全身無敵(※)で更に宙返り後は反対方向を向いて着地するので、上手く利用すれば敵の攻撃を宙返りでかわした後に相手の背後を取る、というような戦法が可能である。
※宙返り中の無敵は、身体を捻っている瞬間だけなので時間的には短い。
遅れてやってきた頼れる相棒!《ベティ》
先程から何度か最初の装備はプラズマセイバーのみ、という含みのある説明をしてきたが、なんとステージ3からはトレーサーに新たな武装として、《ベティ》という「プロテクター」が追加される。
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このベティは、基本的にトレーサーの斜めやや後方に浮遊している丸い物体で、平常時からトレーサーとの距離を一定に保持しようとする力が働いており、かつベティ本体には攻撃判定も備わっている。そのため敵と接触すると多少反発し、敵に密着しながらダメージを与える防具の役割ができるのだ。
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その名の通り、トレーサーを危険から守る「プロテクター」になる訳じゃな
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でもこれ、ただ浮いてるだけなの?
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まあまあ、そう焦るものではないぞ?
更に加えて、ベティを装着した状態で攻撃ボタンを長押しすると、ベティが「チャージ状態」になる。この時方向キーを押しながらボタンを話すと、なんとその方向にベティを射出できるのである。射出されたベティは、接触したものに大ダメージを与えながら一定距離飛び、すぐに元の位置に戻ってくる。
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つまりベティはトレーサーにとって身を守る盾であり、かつ近接攻撃しか出来なかったトレーサーの強力な飛び道具ともなる攻防一体の頼れる相棒的存在なのである。
「ジェノサイド」の難易度について
尋常じゃない難易度の原因は?
さて、本作「ジェノサイド」は兎に角「尋常じゃない難易度」という事でもよく話題にあがる作品では無いだろうか。実際プレイしてみると想像している以上に難しく、アクションゲームが余り得意ではないプレイヤーでは、ステージ1をクリアする事すらままならないかもしれない。
ではアクションゲームがそれ程得意では無い筆者の目から見た、特に前半のステージでどういうところが難しかったかという点を述べさせてもらうと、兎に角「敵の硬さ」と「接触ダメージ」、これが難易度を上げている理由だと感じた。
敵の「硬さ」と「接触ダメージ」
まず敵の硬さについては、何もボスに限った話ではなく雑魚敵で十分に硬いのである。一回の攻撃で倒せるようなのは雑魚は稀で、中には雑魚敵なのに10回以上斬りつけ無いと倒せないものもおり、これは本作の爽快感を失わせている部分でもあるのだが、次の「接触ダメージ」との相乗効果により、ゲームの難易度を上げている。
次に本作では、敵の近接攻撃や銃弾を受けてしまった時だけではなく、敵と接触してしまっただけでも微弱ながら「接触ダメージ」を受けてしまう。これのせいで、トレーサーに向かって突進してくるような敵に接触されると、ガリガリと連続でゲージを削られてしまうのだ。
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しかも前述の通り敵は硬いので一発攻撃を当てた程度では倒せず、しかも敵は攻撃を喰らおうがお構いなしに突っ込んでくる。しかも相手が小型(後述の敵など)だと密着されるとこちらの攻撃が当たらなくなる(剣の当たり判定の内側に入られる)ので、そうなったらジャンプなどでで脱出しないと、一方的な突撃を許すことになってしまうのだ。
特にステージ2から登場する「猿のような小型のロボ」は、上空から複数機でトレーサー目掛けて飛び掛かってきて、更に着地後は地上を滑るように高速で突撃してくる。さらにジャンプでかわしても、すぐ反転してまた突っ込んでくる(または飛び掛かってくる)という攻撃を繰り返してくる死ぬほどウザい雑魚敵だ。
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敵は硬くて雑魚でも中々倒せない。接触によるダメージがあるせいで、自機に向かって高速で突撃してくる敵から被るダメージが多い。しかもそういうのに密着されると、こちらの攻撃が当たらない事がある。少なくとも前半ステージにおける高難易度の原因はここにあると個人的には考える。
対処方法は「ジャンプ斬り」
ではどのように対策をすれば良いのかだが、まずは敵を無視して先に進もうとしない事。中には通り過ぎるだけの敵もいるが、殆どは無視しようとしても追いかけてくる。そうなるとどんどん敵が増えていくだけなので、集中攻撃にあって余計に対処が難しくなる。本作では敵の配置が決まっているので、ゆっくり進んで一体ずつ確実に処理するのが重要である。
そして活用すべき攻撃方法は「ジャンプ斬り」であろう。攻撃手段の説明で、”着地するまで斜め下に剣を出したままの状態になるので攻撃判定が残り続ける”と書いたがこれがまさに「肝」であり、攻撃判定が残り続けるということはジャンプ中にセイバーの当たり判定の部分を敵の出現位置(あるいは進行方向)に重ねておくことで、今度は逆にこっちが相手に接触ダメージを与え続けられるので勝手に敵が死んでくれるのだ。
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なんかこの感覚、他の有名なゲームであったような…
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ナムコの「ドラゴンバスター」の「兜割り」や「垂直斬り」じゃな?
また、地上にいる敵に対してジャンプ斬りを落下しつつ上から当てるというのも有効な手段である。これは小型の敵にも有効だが特に大型の敵に対して有効で、敵が大きければその分ジャンプ斬りが「当たり続ける時間」も長くなるので大きなダメージを与える事ができるからだ。ただし、敵があまり動き回らないような相手なら、地面で中段斬りを連打し続けたほうが有効だったりもするのでそこはケースバイケースであろう。
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ちなみにだが、トレーサーはジャンプ後(宙返りではない)に多少だがジャンプの軌道を変えられるので、それを利用すればジャンプ斬りをきっと上手く当てられるようになるはずだ。まあもっとも、ステージ3で「ベティ」を装着すればジャンプ斬りよりベティを上手く運用するほうが実用的になるかもしれないのだが…。
どうにもならない部分も…
では「ベティ」の話が出てきたので、最後にどうにもならない難易度の部分について2点述べよう。
まず一つに本作は「コンティニュー」の機能がありそれは無限に可能だが、ゲームの進行状況を「セーブ」する機能が無い。ステージは7つしかないのだからセーブなんていらないだろう?という考えなのかもしれないが、1ステージ1ステージが難しいので疲れてその日パソコンの電源を落としてしまったら、またステージ1から始めなければいけなくなるのはかなりの苦痛となる。
そしてセーブできない事にも関係するのだが、もう一つは「ベティの錬度不足」だ。さっきも述べたように、ベティが装着されたら以降はベティの運用がゲームの鍵を握る。にも関わらずベティはステージ3で始めて使える様になる武装なのだ。普通こういったアクションゲームで重要となる装備は、最初から使えるようにしてプレイヤーに錬度を徐々に高めていくってもらうべきではないだろうか。
そしてセーブができない事で、折角ベティを手に入れても一度電源を切ってしまったらまた使えないステージからやり直さなければいけなく、これではベティの錬度は中々上昇しないだろう。ちなみにステージ3でベティを入手してからゲームオーバーになり、コンティニューではなく「ニューゲーム」を選択すると、ステージ1からベティを装備して再スタートできるらしいのだが…。
そんな機能をわざわざ用意するくらいだったら、別に最初からベティあっても良かったのでは?と思わなくも無い。
以上が、この「ジェノサイド」という作品の「難易度」についての筆者の見解である。
《最後に》X68000ユーザーの期待の新星
まとめ
では最後に、「ジェノサイド」という作品とまとめると、
- ステージクリア制ライフ制の、横スクロールアクションゲーム
- 主人公機《トレーサー》は、非常に”人間臭い動き”ができるマシーン
- 前半は近接武器のみだが、後から《ベティ》という攻防一体の武装追加がある
- 敵の「固さ」と「接触ダメージ」のせいで、序盤から非常に難易度が高い
- 《ベティ》は最初からあってもよかったのでは?
といった感じであった。
良かった点
今回あまりに本作の難易度が高かったせいで、ゲームの難しさという点に力を入れすぎた感もあるので、最後に本作の「良かった点」を述べて締めたいと思う。
まずは、自機も含めて大きなキャラクター達によるスムーズな戦闘は大迫力で良かった。この時期、これだけの大きなキャラクターでスムーズに遊べるアクションゲームは、アーケードゲームくらいだったろうと思うので、ここは流石の「X68000作品」といったところ。
またステージ冒頭で流れるステージデモは、若干説明的な話しが長く飽きてしまいそうになる部分はあるが、トレーサーの搭乗者である「健」とトレーサーに積まれたニューロコンピュータである「ランディ」の人間と機械の関係らしい(らしくない?)掛け合いは、SF作品の醍醐味「人間と機械の相棒(バディ)」感が味わえて、終末的な世界観の一服の清涼剤となっている。
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次に難易度についても、確かに非常に高い難易度ではあるがゲームとして崩壊しているような理不尽さではなく、前述のようにジャンプ切りを駆使して慎重に進んでいけばあとは練習で乗り越えられるレベルではないだろうか。また本作は「ズーム」の処女作品だったので、バランスもまだ測りかねていた?のかもしれない。
そしてなんと言っても、バリバリのサイバーパンクなBGMとSEがいちいちカッコいい。「鈴木英樹」氏によって手がけられたBGMは熱く、またゲーム内世界の緊迫し切迫した状況をビンビンに伝えてくる。特にステージ1最初の「Desert Player」という曲は、これから死地へ向かう「健」の決意を感じさせてくれる名曲だと個人的に思う。
ちなみにあまりにBGMの評判が良かったからなのかは解らないが、先ほども述べたように本作はズームの処女作であったにも関わらず、発売の翌年にサウンドトラックまで発売されている。
そして最後に、これは「当時のX68000ユーザーとして良かった点」だろうと思われるが、当時やはりX68000というパソコンはアーケードの移植が凄いという認識が一般的だっただろう。だから兎に角アーケード移植作品が目立ち、あとはグラフィックをリアルにした多機種からの移植作品が大半だった。その為「X68000だけのオリジナルタイトル」というものは非常に少なかったイメージだ。
そんな中で「ズーム」という会社は、この「ジェノサイド」という作品を「X68000だけのオリジナルタイトル」として発売したので、これは当然当時のX68000ユーザーとしては嬉しかった事だろう。しかもズームは本作以降も「ラグーン」、「ファランクス」、そして「ジェノサイド2」とX68000だけのオリジナルタイトルを発売していったので、ズームと言う会社はX68000ユーザーにとっての
「期待の新星」だったのではないだろうか。
遊びたくなったら?
もし今回の記事を読んで「ジェノサイドという作品に触れてみたい」とか、「またジェノサイドを遊んでみたい」と思った方は、以下のサイトを参考にして欲しい。
パソコン版
レトロゲーム配信サイト「ProjectEGG」にてX68000版が現在配信中。ただし対応OSが、Windows98 / Windows98 SE / Windows Me / Windows2000 / WindowsXPと古いので、現行のOSでは動作の保障ができません。ですが「無料体験版」があるので、そちらをDLして動作を確認してみてもいいかもしれません(あくまで購入は自己責任でお願いします)。
またX68000版の「サウンドトラック」も配信されているので、気になった方は是非購入を検討してみてはいかがだろうか。
≫EXIT
お疲れ様でした!
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いつもバナークリックや拍手していただいて、誠にありがとうございます!
コメント
お久しぶりです。実は二月に5Gにしたのですが、通信が不安定でしょっちゅう切れてしまい、メールくらいしかネットを使えませんでした。
六月になってルーターの設定を変えて4Gに戻したら安定しました。
X68000といえば憧れのパソコン…!
欲しかったのですが、残念ながらゲーム用のパソコンなんて買ってもらえるはずもありませんでした。
アーケード好きなユーザーが多いハードの場合、難易度は高くなりがちですよね。
べティって名前だと少女かと思ってしまいます(笑)
ところで、つい昨日XBOXで「The Bard’s Tale: Trilogy」というクラシックゲームのリマスター版を買いました。
Wizライクなゲームで、前からやりたいと思っていたのですが、たまたまセール中でしたので。
まだ一時間程度しかやっていませんが、バードが歌うと音楽が変わったり、時間の概念があったりして面白そうです。
往年の名作らしいですが、このサイトではまだ紹介されてませんでしたよね?
PC版もあるようなので、もしお持ちでなければどうかと思って書きました。
それではまた。
ああーっと、すいません、これ英語版しかないんでした!
自分は英語専攻だったので気にしなかったんですが…。
このコメントを読んでいる方もご注意ください。
>>1
>通信が不安定でしょっちゅう切れて
あー、なんか5Gって途中でプチプチ切れるって話聞きますね。ツイッターでも検証動画上げてる人がいた気がします。
>X68000といえば憧れのパソコン…!
就職して自分で稼げるようになった時、98かX68か、townsかで凄い迷いましたね。結局CD ROMへの憧れでtownsにしましたがw
>アーケード好きなユーザーが多いハード
アーケードゲームは回転数生命ですから、ゲームオーバーにさせるために難易度高くしてますからね。それに慣れてしまった人達にとっては、家庭用の難易度なんて生温いのでしょう。
>「The Bard’s Tale: Trilogy」
聞いた事が無いタイトルだったので調べてみたら、元々のゲームは国内PCには移植されなかったようですね。国内ではファミコン版だけでした。内容も主役レベルの職業が「吟遊詩人」で、しかも戦士的な能力を持った吟遊詩人という珍しい設定に興味が沸きましたね。
>もしお持ちでなければどうかと
いやー、英語はからっきしなので日本語サポート無しはキツイですね…でも情報はありがとうございます。
>>2
ウィザードリィの6〜8もSteamで売ってるんですけど日本語サポート無しなんですよね…やはり英語力…。
バーズテイルの日本語版はPC88と98で出ていたらしいです。Youtubeにも動画があります。
それでも、現在ダウンロードで買えるわけではないのであまり意味はないですね…。
そういえば、ウィザードリィの元ネタである「pedit-5」「dnd」「Oubliette」「Avatar」「Moria」などはご存じですか?
海外のダンジョンRPGサイトを巡っていて見つけたのですが、1975-78年頃にイリノイ大学の学生たちが、当時のスーパーコンピューター「Plato」を使って、学校側に隠れて作った(笑)D&D風コンピューターRPGです。
すごいことに、オンラインゲームなんですよ。
学校側に見つかっては消され、誰かがアップし直しては見つかって消され、の繰り返しだったようですw
ウィザードリィの作者ロバートウッドヘッドもこれについて4Gamerのインタビューで言及していますので、興味がおありでしたら検索なさってください。(日本語記事です)
何事にも歴史はあるものですが、ウィズに元ネタがあるとは30年以上知らなかったので驚きました。
>>5
>バーズテイルの日本語版
確かに動画とか探したらありましたねw
>オンラインゲームなんですよ。
それは何かで見た(か読んだ)気がします。もうその時点で「未来」が出来上がってるんですよね。まあ「人とプレイする」が前提のD&Dがベースだからこその発想なんでしょうけどね。