「ウルティマIV」のキャラクターメイキングは、カード占いで行ってた?
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『Ultima IV Quest of Avatar』について
さて今回は、「ウルティマIV」のキャラクターメイキングについての話じゃ。
キャラメイクに限定した話なんで、作品そのものについて知りたい方は個別の紹介記事を読んで欲しい。
個別の紹介記事のリンクはこちらね!
パーティ構成とキャラメイク
「ウルティマIV」のゲーム中では、最大8人までのパーティを組んで冒険することができる。
ただしプレイヤーの分身たる「主人公」は1人だけで、後の7人はそれぞれ決まった場所にいる「NPC」で、主人公が話しかけてパーティに入ってもらうという仕組みになっていた。
その為、本作のキャラクターメイキングは、主人公1人を作るだけの簡単なものとなっていた。
キャラクターメイキングの流れ
名前と性別を決定する
ゲームを新しくスタートすると、最初にプレイヤーの分身であるキャラクターの「名前」と「性別」を求められる。こちらについては、ゲーム中に特に影響を与えるものではないので自由に決めて構わない。
そうして名前と性別が決定すると、そのキャラクターは「ウルティマIV」の世界へと入り込んでいく事になる。
ジプシーから質問を受ける
ウルティマIVの世界に入り込んだキャラクター(あなた)は、森の中にある「ジプシー(現代で言う「ロマ」)」のワゴンに導かれるように入っていく。
テントの中にはジプシーがおり、机の上に2枚のカードを並べると、唐突にあなたに「質問」をしてくる。
その質問は、あなた自身が”あるシチュエーション”に置かれた時に、どのような行動を取るか?を問うもので、あなたはそれに対して二つの選択肢から「回答」を選ばなければいけない。
質問に回答すると、ジプシーはまた新たに二枚のカードを並べてから、先程と同じような質問をしてくるので、これも同じように二つの選択肢から1つを選んで回答する。
この二枚のカードが並べられる、質問をされる、二つの選択肢から回答する、という行為を全部で7回繰り返すと、
”道は示された!”
と言うジプシーの声が聞こえ、あなたは気がつくと「ブリタニア大陸」に何かしらの職業に就いた状態で降り立っているのだ。これにて「ウルティマIV」のキャラクターメイキングは終了となる。
え?!これで終わり?一体何が…。
まあそうなるじゃろうな。大丈夫じゃ、話はまだ続くんじゃよ。
キャラクターが就ける職業
職業は8つ存在する
しかしさすがにこれだけでは、何がどうなったのかも判らないだろう。なのでここから改めてキャラクターメイキングの仕組みについて解説していく。
まずその前に知っておくべきは、本作における「職業」の存在だ。
本作「ウルティマIV」においてプレイヤーが就くことが出来る職業は全部で8つ存在し、その中からひとつをキャラクターメイキングを通じて主人公の職業として選ぶことになる。
8つの職業と主な特徴
職業 | 特徴 |
---|---|
魔術師 (Mage) | 魔法の能力はずば抜けて高いが、装備は杖やスリング、布製の防具しか装備できない。 |
吟遊詩人 (Bard) | 遠距離攻撃の専門家。ちなみに詩人と言いつつ歌や演奏のシステムが無いので…。 |
戦士 (Fighter) | 多くの武器や防具を使いこなす戦闘のエキスパート。一方で魔法はまるで駄目。 |
ドルイド僧 (Druids) | 魔術師に次ぐ魔法能力を持ち、さらにメイスや革製の防具などの装備を身に着けられる。 |
かじ屋 (Tinker) | 戦士、騎士とほぼ同等の装備を使用できる。鍛冶屋だが鍛治システムが本作に無いので…。 |
騎士 (Paladin) | 戦士に次ぐ戦闘能力をもち、さらに魔法を使うこともできる勇者ポジション。 |
レンジャー (Ranger) | 武器は戦士並みに使用できるが、防具は革装備止まりの弱めのものしか装備できない。 |
羊飼い (Shepherd) | 戦闘能力も高く無く、加えて魔法も使えないという最弱職候補? |
取り敢えずは、この8つの職業から就きたいものを考えて見よう、などと言われてもあなたがこのゲームの初心者なら正直何を選んで良いかわからないかもしれない。
なので初心者が職業を選ぶ際の基準を二つ挙げておこう。
基準① 個人の戦闘能力
本作ではゲームを始めても様々な理由で、しばらくは一人旅を余儀なくされるだろう。そのため主人公個人の戦闘能力の高さというのは職業を選ぶ大きな基準となる。
また本作では選んだ職業によってゲームスタート時の初期レベルが違う。
キャラクターの体力(HP)は職業に関係無く「レベル×100」になるので、初期レベルは高い方が当然死に難くなる。ここもひとつの基準になるかもしれない。
職業別の初期レベルとHP
職業 | LV | HP |
---|---|---|
魔術師 | 2 | 200 |
吟遊詩人 | 3 | 300 |
戦士 | 3 | 300 |
ドルイド僧 | 2 | 200 |
かじ屋 | 2 | 200 |
騎士 | 3 | 300 |
レンジャー | 2 | 200 |
羊飼い | 1 | 100 |
従って強さという面では「戦士」や「騎士」が強いのでオススメだが、本作は戦闘システムの関係上、遠距離武器が非常に便利なので「吟遊詩人」もオススメといったところだろうか。
基準② お城までの距離
本作では、選んだ職業によってスタート地点となる町が変わる。またゲーム進行のために、早めに「ブリタニア城」という所に行く必要がある。
従ってスタート地点の町からお城までの距離というのも、職業選びのひとつの基準となってくるのだ。
お城まで距離は、遠かろうが歩いて行けるならまだマシな方で、職業によってはどこかの島から始まる場合もあり、そうなると船や特殊な移動手段をいきなり使わざるを得ない。
この作品に慣れているプレイヤーならともかく、初心者にこれは若干ハードルが高いだろう。
そこで職業別にゲームスタート地点の最寄りの町と、ブリタニア城まで徒歩での移動が可能かについて簡単にまとめたので、職業選びの基準の一つとして参考にしてほしい。
職業別のスタート地点
職業 | 最寄りの町 | 徒歩 |
---|---|---|
魔術師 | ムーングロウ | 不可 |
吟遊詩人 | ブリティン | 至近 |
戦士 | ジェローム | 不可 |
ドルイド僧 | ユー | 近め |
かじ屋 | ミノック | 遠い |
騎士 | トリンシック | 近め |
レンジャー | スカラブレイ | 不可 |
羊飼い | マジンシア | 不可 |
城までの距離的にオススメの職業は、ダントツでブリタニア城の隣の町から始まる吟遊詩人だが、他にもドルイド僧と騎士も多少歩く事になるが他に比べたら遥かに楽なほうだろう。
まあ実際は「ある方法」を使う事で、どんなところから始まっても一発で城まで移動する事は可能なのだが…。
「ある方法」って何かしら?気になるわね…
これはあれじゃよ、RPGのRTA動画なんかでよく使われるアレじゃ。
あ、「デスルーラ」!?
なりたい職業になるためには
職業決定の仕組み
では就きたい職業が決まった(?)ところで、問題はどうやったらあなたがその職業に就けるかなのだが、それはキャラクターメイキングの時のジプシーの質問と回答に仕掛けがある。もっと正確に言うなら、質問の際に場に置かれた二枚のカードに仕掛けがあるのだ。
場に置かれるカードは全部で8種類あり、実はそれぞれが8つの職業に対応している。
8種のカードと職業対応表
魔術師 | 吟遊詩人 |
戦士 | ドルイド僧 |
かじ屋 | 騎士 |
レンジャー | 羊飼い |
そしてキャラクターメイキングでは、この8種類のカードで「トーナメント戦」を行うような流れになっており、質問の際に場に置かれた二枚のカードから選ばれた方がトーナメントを勝ち進んでいくのだ。
つまり8種類のカード二枚ずつで一回戦を4回行い、次に一回戦で選ばれたカード四枚で2回戦を2回、最後に2回戦で選ばれたカード同士で決勝戦を行い、最終的に選ばれたカードが優勝となる。
なのであなたは、あなたが就きたい職業に対応したカードをこのトーナメント戦で優勝させれば(選び続ければ)良いのである。それにより、あなたはめでたく希望の職業に就くことができるのだ。
カードの選択は他にも影響?
さて、これであなたは「ウルティマIV」で好きな職業に就くことができるようになったことだろう。
ところでだが、本作にはSTR(力強さ)、DEX(素早さ)、INT(知力)という3つの能力値があり、この値はキャラクターメイキングが終わった時点で自動的に決定されている。
ところがこの能力値、同じ職業を選んでいるにも関わらず値が違っている場合があるのだ。
これはランダムで能力値が決まっているわけではなく、実はキャラクターメイキングの際に各質問でカードを選ぶたびに、カード毎に決められた値が能力値に加算されていくようなのだ。
なのでキャラクターメイキングを前回と同じ職業になるようにやり直したとしても、質問すべてに前回と同じ回答をすれば前回と同じ能力値になり、途中の回答を変更すれば前回とは違う能力値になるのである。
各カードを選んだ際にどれだけ能力値が上がるのかは不明だが、ここを上手く利用すれば序盤から戦闘も有利に進められることだろう。
これで一応、キャラメイキングについての話は終わりじゃな。どうじゃった?
最初は全然意味が分からないキャラメイクだったけど、仕組みがわかるとちゃんと狙ったキャラクターが作れるよくできたキャラメイクだったわね
《最後に》「最弱」は「最適」かもしれない?
後世に影響を与えたキャラメイク?
このように本作「ウルティマIV」のキャラクターメイキングは、非常にユニークで印象に残るものであった。
これに直接影響を受けたかは定かではないが、後の時代にも「伝説のオウガバトル」や、リメイク版の「ドラゴンクエストIII」において、カードを用いた質問(または質問のみ)で、キャラクターの能力値が決まるシステムが採用されている。
この2作品をプレイした人の中には、きっと「ウルティマIV」のことを思い出した人も多かったのではないだろうか(少なくとも筆者はそうであった)。
あえて「羊飼い」という選択
では最後に本作においての職業選択では、もしかしたら「最弱が最適」かもしれないという話をして終わりにしよう。
最弱の職業とはどれのことか?ここまで読み進めて来たあなたなら、おそらくもう理解できているであろう。そう「羊飼い」だ。
羊飼いは装備できるものも弱く、しかも魔法も使えない。さらに加えてスタート地点が過酷で、初期レベルも一番低い。なのになぜそんな職業を選ぶことが「最適」となり得るのか。
その理由は三つ考えられる。
① 仲間にするともっと弱い
ひとつは羊飼いは「仲間」にするともっと弱いからだ。最初に話したが、本作では最大8人パーティになり、あなたが」キャラメイクした以外のメンバーはNPCから仲間にする事になる。
その仲間になるNPCの職業は、キャラメイクであなたが選んだ職業以外7つの職業になる。そのため、あなたが羊飼いを選ばなければいずれNPCの羊飼いが必ず仲間になる事になるのだ。
しかも他の仲間は最初レベル2〜3の状態で仲間になるのに、羊飼いだけはレベル1で仲間になるので参加するといきなり結構なお荷物となってしまう。
② レベルを上げ難い
次にレベルを上げ難いというのもある。別にレベル1で仲間になったって、レベル上げれば問題無いのでは?あなたはそう思ったかもしれない。しかし本作の戦闘システムがそれを許さないのだ。
というのも、本作の戦闘システムでは敵にトドメを刺したキャラクターしか経験値が貰えない仕様となっている。そして先ほども述べたように、羊飼いは装備も貧弱で魔法も使えない職業だ。
どうやって成長させろと?
いや成長はさせられるだろうが、毎戦闘毎に気を遣うプレイをしなければならないだろう。
③ あなたが羊飼いならなんとかなる?
確かに羊飼いは弱くて、パーティにお荷物として参加する。しかも経験値を稼ぎ辛いので、レベルも上げ難い。でもそれは自分が羊飼いになっても同じなのでは?そう思うかもしれない。
だがキャラメイクの仕組みのところでも書いたが、自分でカードを選んで羊飼いになる場合であれば、その時の選んだカード次第ではそこそこの初期ステータスにすることもできるのである。そうすればNPCの羊飼いよりはちょっと強くすることができるだろう。
また本作の仕様ではパーティの人数が増えるほど登場する敵も増えるので、逆に羊飼いのあなたが一人で旅をしている間は少数の敵を相手にするだけで済むのだ。それならば弱い羊飼いでもなんとか戦えるのである。まあ決して楽ではないが…。
といったところで、もしかしたら「最弱」の羊飼いがゲームをクリアするうえでは、もしかしたら「最適」かもしれない…という話であった。あなたがもし今度「ウルティマIV」をプレイする機会があったなら、「羊飼い」で挑んでみるのはどうであろうか?
≫EXIT
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コメント
>キャラクターメイキング…
単純にパラメーター変更で決定されるより、占いという形式でキャラ決定
がされており世界観が良く出ている感じがします。
ウルティマⅣの値段が、54800と表示されているのを見て、やや驚愕して
おります。クラシックゲームで遊ぶのも懐に厳しくなってきたということでしょうか。
そういえば近年でもサガスカーレットグレイスが似たシステムを搭載してました。過去ワイルドカードにも搭載してたこともあるのでサガのプロデューサーの河津秋敏さんのお気に入りシステムなのかもしれませんね。
>>1
>世界観が良く出ている
いきなりカード占いが始まるのではなくて、その前に徐々に主人公が異世界に入り込んでいく過程が描かれて、そのうえでのカード占いなので非常に雰囲気や世界観とマッチしてるんですよね。
>クラシックゲームで遊ぶのも
コンシューマーゲームよりも、パソコンのゲームは本数が少ないでしょうからね…現物を手に入れるのは難しくなる一方です。
>>2
>お気に入りシステム
やっぱり自分がかつて強いインパクトを受けたものって、自分の創作物の根底になったりしますからね。もしかしたら河津さんもかつてウルティマⅣを…w
”あえて自分が羊飼い作戦”、昔プレイしていた当時に全く同じことを考えました。数字上の効率では間違いなくこれが最適解ですよね。……結局、途中で断念してやり直しましてしまいましたが。
理由は単純で、自分が羊飼いだとNPC羊飼いであるカテリーナをマジンシアの廃墟に置き去りにしなければならないことが、辛すぎたからです。街中で住民と一緒に生活してる他の仲間達と違って、カテリーナだけは、主人公に同行できないと最後まで幽霊と毒蛇と毒沼だらけの廃墟で独りぼっちなんですよね(攻略上は当然の仕様であって、別にそんなことに何の意味ないんですが)。
今回の記事を拝見して、そんな懐かしい記憶を思い出しました。
>>5
>数字上の効率では間違いなくこれが最適解
おー、やっぱりそうなんですね!同意して貰えてうれしいです。
>カテリーナをマジンシアの廃墟に置き去り
あー、それは作品の世界観を大事にする人ならではの発想ですよね。別の主人公が迎えに来ていたなら、一緒に町を出て大冒険の人生だけど、そうでなかったら多分永遠に廃墟の中で暮らす人生…うう、考えたら悲惨すぎる…。
ドラクエ5でビアンカを選ばないと、ビアンカは一生独身で母親を看病して暮らすってのを知ったら、ビアンカを選ぶしかない!って話を思い出しましたw